ラフロイグ 10年とは? スモーキーな味わいとおすすめの飲み方を紹介
- ウイスキー銘柄
J&Bというウイスキーはこのウイスキーを作ったイギリスのジャステリーニ&ブルックス社の頭文字をとってつけた名称でブレンデッドのスコッチウイスキーです。
特にアメリカで人気のある世界的に有名な銘柄で、売り上げでも10位以内にランキングされていますが、日本ではそこまで知名度はないようですね。
ブレンデッドウイスキーを扱う会社はワイン商が比較的多いですが、J&B社も前身は高級ワイン商だったそうです。
1749年に創業したワイン商の老舗でしたが、1780年頃からスコッチウイスキーを造り始めたそうです。
今ではお手軽価格で飲めるJ&Bですが、当時は王室御用達の高級品だった模様。
本記事ではJ&Bの種類と製法と歴史について解説し、おすすめの飲み方も紹介します。
この記事のポイント
ジャステリーニ&ブルックス社は1749年にイギリスのロンドンで創業した高級ワイン商でした。
創業者はイタリア人でボローニャ出身のジャコモ・ジャステリーニという人物です。
イタリア人なのになぜ、ロンドンでワイン商を営むことになったのか?と思う方もいらっしゃるでしょう。
当時ジャコモはファンだったオペラ歌手を追ってロンドンに移り住んだことがきっかけです。
ジャコモとの関係についてはわかりませんが、知り合いではあったようです。
そのオペラ歌手はロンドンのロイヤル・オペラハウスと契約し、アクターとして出演していました。
この歌手の紹介で劇作家、かつプロデューサーでもあったサミュエル・ジョンソン氏と知り合います。
サミュエルの甥のジョージョンソンと三人でジャコモは「ジャステリーニ社」を設立し、ロンドンでワイン店を開くことになります。
ジャコモはすでにイタリアで培っていたワイン造りの技術を生かし、ワインやリキュールなどの製造を行っていました。
1760年代にはイギリス国王ジョージ3世から王室御用達の証を授かり、高級ワインとスピリッツを供給し続けました。
王室御用達の授与は8代に渡って許可を受けるというほど王室に好まれていました。
J&Bのボトルラベルを見るとエリザベス女王と8人の王の名前が記載されていますのでチェックしてみてください。
その後、ついに1780年にはウイスキー造りを開始します。
その後、約100年ほどウイスキー造りをしていましたが、途中、1831年にジャコモ達のジャステリーニ社はアルフレッド・ブルックス社が買収します。
その時に現在の社名である『ジャステリーニ&ブルックス』社に変更しました。
1890年代にはスコットランドの蒸留所から買い付けたウイスキーをブレンドして、ブレンデッドウイスキーの製造を開始。
J&Bレアの原型ですね。
ちなみに、この時はJ&Bという名前ではなく、『クラブ』という名前のウイスキーでした。
ロンドンでスコッチウイスキー原酒を買い付けて自社ブランドにしたブランドは同社が初めてでした。
J&Bの前身であるクラブは限定店舗でしか取り扱いをしていませんでしたが、その後人気を博し、J&Bレアという名前で販売されるようになったのは禁酒法時代が明けた1933年のことです。
20世紀になって誕生した銘柄なのですが、アメリカは1920年から開始された禁酒法の法律があったのです。
この銘柄は1933年の禁酒法の後のアメリカ市場をターゲットとした銘柄ということで巨額のマーケット費用が投じられたという背景があります。
よって第二次世界大戦後にはアメリカ市場で圧倒的な地位、認知度があったわけです。
その名残がずっと続いてアメリカで非常に人気があるブレンデッドウイスキーなのです。
1962年にはギルビー社と合併してインターナショナル・ディスティラーズ・ヴィントナーズ社(IDV)を設立。
1972年にホテル経営とケータリングビジネスの最大手であるグランド・メトロポリタン・グループに買収され、その傘下に入ります。
そして1997年にディアジオ社の親会社のギネスグループとグラント・メトロポリタン・グループが合併し、同社は世界売り上げNo. 1の「ジョニーウォーカー 赤ラベル」および「J&B」を抱える巨大企業へと進化を遂げたのです。
主にモルト原酒はスペイサイド原酒のモルトウイスキーを核にして42種類をブレンド、その中でベースとなるモルト蒸留所は
・ノッカンドゥー
・オーストラスク
・ストラスミル
・グレンスペイ
等が中心になっているんです。
この4つの中のオスロスク以外はギルビー社が買収した三社となっています。
ラベルが非常に華やかで、イエローのバッグにレッドのロゴ、グリーンのボトルにレッドのキャップです。
非常に斬新なデザインですが、王室御用達という古い伝統を持っている老舗なのです。
このデザインはバーの棚においてあっても見つけやすいようにという意味もあるそうです。
テクスチャの色は青みがかったようなゴールド、つやがあって冴えがあるという美しい外観をしています。
ベースは穀物系統、麦芽、クッキー、トースト、大麦系統をゆでたような感じと言ってもいいかもしれません。
どっしりとした落ち着いた感じといった第一印象の感じでどことなく爽やか、青りんご、赤リンゴのようなフルーティーさもあります。
味わいはパンチがあってまろやかな感じですが、甘みと苦みは中庸、喉越し、コクが力強い感じです。
でも余韻はきれいにさっとひいていくような印象もありつつ、スーッと細く残っていくような感じもします。
最初は甘い麦ジュース。麦のミルクを飲んでいる感じもします。
甘やかな感じから力強く、コクが豊かで余韻がフェードアウトするように見せかけてどんとくる強さもあり複雑な美味しさがあります。
ここで、J&Bウイスキーのおすすめラインナップをご紹介します。
画像引用:.jbscotch.com
J&Bの最もスタンダードなボトルです。
J&Bの中でも世界のシェアの殆どはこちらの銘柄です。
キーモルトはノッカンドゥ、オスロスク、グレスペイ、ストラスミルを中心とした36種類のモルト原酒で構成されており、残り6種類はグレーン原酒をブレンドしています。
アロマはベースには麦の甘やかな香りがありますが、スペイサイドらしい青りんごや洋ナシなどのフルーティさもあります。
味わいはドライでありながらまろやかな感じで甘みと苦みのバランスがちょうどいい感じです。
麦ジュース、麦ミルクを飲んでいるような甘やかさがあります。
画像引用:https://hitokutiwhisky.com/
流通していたのは1890年~1890年頃まで
オールドボトルですが、現行のものとあまり変わりは感じられないデザインになっています。
テクスチャは明るい金色をしています。
アロマはバニラ、レモングラス、グレープフルーツといったところ。
味わいは口当たりはまろやか。
次に植物のえぐみと樽熟成の甘み、若干ドライですが、その後心地良いオーク。
ボディはライトからミディアムで、中盤からまたスパイス、微かなスモーキー感ととバニラの甘さを感じます。
画像引用:Amazon.co.jp
J&B クラシック 特級は、非常に希少なJ&Bです。
アロマはドライで乾いた麦芽や穀物、干し草、奥深くに柔らかいバニラの甘みが感じ取れます。
味わいは、軽くドライで、乾いた麦芽やバニラウェハース、モルティーな甘みがあります。
余韻はドライで干し草を思わせるような乾いた穀物感で長いです。
画像引用:Amazon.co.jp
こちらはフランス限定ボトルになります。
ピュアモルトで12年以上熟成したモルトをヴァッティングしています。
ノッカンドゥ、オスロスク、グレスペイ、ストラスミルの他にタムデュー、マッカラン、アクセントにはボウモアやブナハーブンが使われているのではないかと言われています。
アロマは穀物系の雰囲気と熟成果実リンゴ系統・バニラなどがあわさったエレガントな風味です。
味わいはまろやかで心地よい柔らかい酸味があります。
余韻がすっきりシルクのように流れていく温かみがあります。
画像引用:.jbscotch.com
J&B リザーブ15年は、オーク樽で15年6か月熟成させた原酒が入ったウイスキーです。
ハイランドとスペイサイドのモルトウイスキー36種類と6種類のグレーンウイスキーがブレンドされており、
植物系のドライなあじわいからまろやかな甘い麦芽の味わい。
J&Bスタンダードの麦芽感をより増した感じの味わいになっています。
画像引用:.jbscotch.com
J&B ジェット12年は、すべての原酒が12年以上熟成した40種以上のモルト原酒とグレーン原酒をブレンドしたボトルで使われています。
アロマは、熟成感のあるリンゴ、バニラ、ミルクチョコレート、香ばしいナッツ
味わいはさらりとしたテイストで、焦がしたカラメル、ウエハースの香ばしさ、カカオのビター、ややスパイシー。
J&Bレアに深みを与えたようなリッチな味わいです。
画像引用:Amazon.co.jp
こちらは1994年にスコッチウイスキーの生誕500周年を記念して造られた記念ボトルになります。
すでに終売しているので、もし見つけたら掘り出し物といえるでしょう。
アロマは白桃や洋ナシの上品な甘さ。
メープルシロップをかけた木材のような香りがします。
味わいはメープルシロップ、バナナクレープ、余韻にオークのフレーバー。
おススメはロックやハイボールですが、基本的にはどんな飲み方でも美味しくいただけるのでその味わいをご紹介しましょう。
加水をするとピート系統がでてきます。
ストレートの時のような穀物の中に煙でいぶしたようなピート臭がします。その奥に爽やかな焼きリンゴのようなアロマがでてきます。
味わいはまったりとします。
コクが控えめになりますが、存在感のあるコク、蜂蜜やシロップを煮詰めた感じですが、アルコールの刺激はあります。
ロックでは柔らかいようなテクスチャーになります。
エレガントで美しいアロマがひろがります。
味わいは大麦麦芽のオイルのような飲み口。
まろやかでまったりしています。
飲み口がシルキーで滑らかでスルスルのめてしまいます。
甘さがおさえられていますが、苦味やコクは非常に上品に喉の流れていく印象があります。
ソーダ割りのアロマは一般的によくあるような爽やか爽快で、今ポタージュ系統の香りがし、デリケートで華やかな存在を感じます。
飲んだ瞬間にすっきり爽やかですが、器が大きいお酒を見せつけるような資質があります。
甘みと苦みは中庸になっていますが、味わいはロック系風。
市販でよく飲むようなハイボールとは一線を画し、プルプルとした感覚が舌に残るオイル系統の滑らかさを感じられます。
食事と一緒に飲むのであれば問題ありませんが、アルコール感が若干きついかもしれません。
初心者の方はハイボールがおすすめです!
スペイサイドのモルト原酒を多く使うブレンデッドスコッチとしてはカティサークやフェイマスグラウスが日本では人気ですが、J&Bもスペイサイドの特徴を持ったフルーティさがあるウイスキーなのでお好みの方はぜひ試してみてください。