山崎 ノンエイジ/NV(ノンヴィンテージ)とは? 味わいとおすすめの飲み方を紹介
- ウイスキー銘柄
カバラン(KAVALAN)は台湾にあるカバラン蒸留所で製造される高級台湾ウイスキーになります。
2008年の販売開始以来、数多くのウイスキー品評会で賞を受賞している実績のある銘柄であり、世界中から高い人気を集めています。
熟成期間は短いですが、まるで長年熟成させたような完成度を誇るのが特徴であり、フルーティーかつクリーミーで多くの人に飲みやすい味わいです。
この記事では、カバラン(KAVALAN)の種類と味わい、おすすめの飲み方を紹介します。
この記事のポイント
カバラン(KAVALAN)は、台湾の金車グループが所有するカバラン蒸留所が製造・販売しているウイスキーです。
世界5大ウイスキーに台湾ウイスキーは含まれていませんが、近年では5大ウイスキー以外にも評価を受ける銘柄が販売されていることからニューワールドウイスキーと呼ばれ、その代表格としてカバランは注目を集めています。
カバランは、スコットランドや日本の蒸留所とウイスキーの製造方法を研究して作られており、甘くてクリーミーな味わいは万人受けしやすい銘柄となっています。
カバランの歴史と製造方法について見ていきましょう。
カバラン蒸留所が設立され、販売されるようになったのはすべて2000年代の出来事であり、歴史は他のウイスキーと比較しても浅い銘柄になります。
カバランの名前の由来は、台湾における先住民であるクヴァラン族が元になっているといわれています。
金車グループはウイスキーの製造にあたって、日本のウイスキー蒸留所を見学し、本場スコットランドからウイスキーの専門家を呼び、真摯にウイスキーの製造に向き合いました。
2010年には、ウイスキーの品評会でも権威の高いワールド・ウイスキー・アワード(WWA)で賞を受賞しており、蒸留所の設立からわずか数年の新興蒸留所としては偉業とも呼べる功績です。
その後も、多くの品評会でカバランは評価され、さまざまなウイスキー品評会の金賞を総なめにしました。
誕生からわずか10年程度でウイスキー業界においても強いブランド力を持つようになり、世界から注目を集める台湾ウイスキーとして知られています。
ニューワールドウイスキーの一部でトレンドになっているのは、従来のウイスキーの製造において常識であったウイスキーの熟成環境の変更です。
これまでウイスキーの熟成環境は冷涼な気候であるほうがウイスキーの質が高まりやすいといわれることもありました。
しかし、カバランは40度近い温暖気候のなかで、わずか1年間の熟成期間を経て製造されます。
温暖気候でウイスキーを熟成するメリットは、ウイスキーの熟成を早める効果が期待されることです。
冷涼な気候で熟成された本場スコットランドのウイスキーでは、若く質が評価されないことも多い原酒で3年~6年、熟成年数を表記しているスタンダードボトルでは12年の熟成期間を要することもあります。
カバランは、温暖気候でウイスキーの熟成が早まる性質を利用して、短い熟成期間のなかでウイスキーの質を高めることに成功したのです。
温暖気候でのウイスキーの熟成は、天使の分け前と呼ばれる樽のなかで蒸発するウイスキーの量が増えるというデメリットもあるため、これまで積極的な試みはほとんどありませんでした。
しかし、スコットランドや5大ウイスキー以外にもウイスキーの製造が世界で盛んになったことで、カバランをはじめとする温暖気候で製造されたウイスキーが評価され始めています。
カバラン(KAVALAN)はラインナップが非常に豊富であるのが特徴です。
その種類の一部と味わいを紹介していきます。
画像引用:https://www.kavalanwhisky.com/jp/product.php?act=view&id=1
カバラン クラシックは、カバランのスタンダードボトルの立ち位置であり、バーボン樽・シェリー樽・プレーンオーク樽で熟成された3つの原酒をブレンドしています。
マンゴーの風味が強いのが特徴であり、スタンダードボトルでありながらバランスの取れた味わいで深みがあります。
カバランに興味を持った方でとにかく試してみたい場合は、スタンダードボトルであるこちらの銘柄から挑戦してみましょう。
画像引用:https://www.kavalanwhisky.com/jp/product.php?act=view&id=2
カバラン コンサートマスターは、ポルトガル産のポートワイン樽を使用して作られています。
フルーツの豊かに広がる香りが特徴的であり、いちごのような甘い味わいが楽しめます。
クラシックよりも個性的でありながら、完成度も高い銘柄となっているので、クラシックを飲んでカバランが気になった方は飲み進めてみましょう。
画像引用:https://www.kavalanwhisky.com/jp/product.php?act=view&id=43
オロロソ、ペドロヒメネス(PX)、モスカテルの3つのシェリー樽で熟成された原酒をブレンドしたウイスキーになります。
甘い口あたりだけでなく、ベルベットのような舌触りとなっており、非常に高級感のある味わいです。
カバランは高級ウイスキーという位置づけであるため、ギフトにも適している高級感のあるウイスキーを選ぶならこちらの銘柄が良いでしょう。
画像引用:https://www.kavalanwhisky.com/jp/product.php?act=view&id=11
カバラン ソリストは、カスクストレングスによる高いアルコール度数でボトル詰めをしているシリーズであり、スペイン産のオロロソシェリー樽を使用して作られ原酒をそのままボトル詰めしたものです。
濃厚なドライフルーツと香辛料の香りが広がり、カスクストレングスであるため味わいに厚みがあるのも特徴になります。
こちらのオロロソ シェリーオークは、加水をしたタイプのボトルも販売されているので、そちらを購入するのもおすすめです。
画像引用:https://www.kavalanwhisky.com/jp/product.php?act=view&id=10
ソリストシリーズのなかでもアメリカ産のバーボン樽を使用したボトルがカバラン ソリスト バーボンカスクになります。
非常にまろやかで滑らかな口あたりであり、バニラとトロピカルフルーツの風味が強く出ています。
カバランのなかでもすっきりとした味わいであることから、食中酒にもしやすい銘柄です。
画像引用:https://www.kavalanwhisky.com/jp/product.php?act=view&id=13
ウイスキーの最高傑作と呼ばれることもある世界最高級のワイン樽で熟成させたボトルであり、カバラン蒸留所が持つ最新技術をフル活用した品評会でも評価の高い銘柄です。
香り豊かでまろやかな味わいが特徴であり、高級ワイン樽が持つ独自の魅力がカバランの味わいと複雑に絡み合い、奇跡的なバランスとなっています。
2015年では世界一のシングルモルトと評価されており、カバランのなかでも評価の高い銘柄を探している方におすすめの銘柄です。
画像引用:https://www.kavalanwhisky.com/jp/product.php?act=view&id=9
カバランはこれまで富裕層をターゲットに高級ウイスキーを販売してきましたが、誰でも気軽に飲みやすいボトルとしてディスティラリー セレクトを販売しており、こちらはその記念すべき第一弾になります。
カバラン クラシックの廉価版の位置づけであり、香りや味わいを損なわないようにしながら、できる限り価格を下げていることが特徴です。
予算に余裕がなく、できる限り安い価格でカバランを味わいたい方は、こちらの銘柄を探してみましょう。
カバラン(KAVALAN)のおすすめの飲み方を紹介します。
それぞれ詳しく解説します。
カバランは高級ウイスキーであることから、公式サイトでも多くの銘柄がストレートで飲むことが推奨されています。
ソリストシリーズのカスクストレングスを含めて、ウイスキーの味わいをそのまま楽しむ飲み方がおすすめです。
希少性があり、値段も高い傾向にあるので、ストレートでゆっくり味わうのがおすすめになります。
ストレートで美味しいウイスキーについてはこちらの記事をチェックしてください。
ストレートで美味しいウイスキーの条件とは?おすすめの銘柄4選
クラシックや、ディスティラリー セレクトなどの比較的安い価格で購入できるボトルは、ハイボールにして飲むのがおすすめです。
カバランのフルーツ香が引き立ちやすくなるので、高級ウイスキーではありますが、相性のいい飲み方になります。
ソリストシリーズは基本的にはストレートで飲むのがおすすめになりますが、それ以外のボトルであればハイボールなどの加水する飲み方を試してみるのも良いでしょう。
シングルモルトをハイボールで飲むのはもったいないかについてはこちらの記事で解説しています。
シングルモルトをハイボールで飲むのはもったいない? その理由とは
台湾ウイスキーのカバランについて解説しましたが、種類が非常に多いため、名前は知っていても何から飲み進めればいいのか分からない方もいることでしょう。
基本的には、クラシックから飲み進めるのがおすすめであり、できる限り安く購入したい場合は、ディスティラリー セレクトを購入します。
カバランの魅力に気づき、飲み進めたいと思った方はソリストシリーズから気になった銘柄を選んでみましょう。