山崎 ノンエイジ/NV(ノンヴィンテージ)とは? 味わいとおすすめの飲み方を紹介
- ウイスキー銘柄
ウイスキー駒ヶ岳(こまがたけ)とは、本坊酒造が販売する日本のモルトウイスキーになります。
駒ヶ岳は限定品が多い銘柄となっており、生産数が限られることから希少性が高く、ボトルによっては入手困難なものも存在します。
フレッシュな味わいが特徴的であり、柿や杏のような日本の果実のフルーティーさが楽しめることが特徴です。
この記事では、ウイスキー駒ヶ岳の種類と味わい、おすすめの飲み方を紹介します。
この記事のポイント
ウイスキー駒ヶ岳(こまがたけ)とは、本坊酒造から販売されているマルス信州蒸溜所で造られるモルトウイスキーのことを指します。
シングルモルトを含むさまざまなモルトウイスキーが限定で販売されており、高い希少性を持つ日本のウイスキーとして知られています。
深みのある香りと熟した柿のような日本の果実を思わせるフルーティーさがあることが特徴の心地よい風味が楽しめる銘柄です。
ウイスキー駒ヶ岳の歴史と製造方法について詳しく見ていきましょう。
本坊酒造は1872年に鹿児島で創業しており、焼酎・梅酒・ワインなどの幅広い酒類の製造を行ってきました。
ウイスキーの製造も行っており主力商品はマルスウイスキーであり、日本の地ウイスキーを代表する銘柄です。
日本の地ウイスキーブームを作った代表的な銘柄としてマルスウイスキーは知られていますが、後に訪れる日本のウイスキーの冬の時代によって本坊酒造は蒸留を休止し、貯蔵庫のウイスキーの販売に専念します。
この時代に生まれたウイスキーがマルス信州蒸溜所で造られたシングルモルト駒ヶ岳であり、当時はジャパニーズウイスキーのシングルモルトが注目されている時代ではありませんでしたが、先駆けする形で限定リリースされました。
後にシングルモルトや、ジャパニーズウイスキーブームが到来することで、駒ヶ岳も再評価されることとなります。
無事に本坊酒造におけるウイスキーの蒸留が再開し、現在、本坊酒造は新たにマルス津貫蒸溜所を設立しており、ウイスキーの生産に力を入れています。
マルスウイスキーについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
マルス信州蒸溜所は、ウイスキー駒ヶ岳で使用されるモルト原酒の製造を行っています。
ただし、発酵からボトル詰めまでのすべての工程で必ずしもマルス信州蒸溜所で完結するわけではありません。
マルス信州蒸溜所で製造された原酒は本坊酒造が所有する3つの熟成庫に分けられて熟成することとなっています。
ウイスキーは蒸留した原酒で使用した原料や蒸留方法、熟成させる樽の種類だけでなく、熟成した場所によっても大きな影響を受け、香りや風味が変化します。
そのため、本坊酒造は原酒を作り分けるために、マルス信州蒸溜所・マルス津貫蒸溜所・屋久島にある熟成庫の3つを用意し、想定した味わいの原酒になるように使い分けているのです。
マルス信州蒸溜所の詳細についてはこちらのページで紹介しています。
ウイスキー駒ヶ岳の種類と味わいを紹介します。
画像引用:https://www.hombo.co.jp/item/whisky_brandy/mars_singlemalt_komagadake_2022_edition/
シングルモルト駒ヶ岳は2018年から毎年販売されているウイスキー駒ヶ岳のシングルモルトです。
2017年以前は太陽と鳳凰というシリーズでシングルモルト化しており、1986年にもシングルモルト駒ヶ岳は販売されていました。
2022年は、バーボン樽で熟成させた原酒を主体に、シェリー樽の熟成原酒とポートワイン樽の熟成原酒でアクセントをつけることで、深みのある香りと味わいを実現しています。
生産本数は6万本と多いですが、限定販売という仕組みである以上、年々ボトル数は減少するため、味わうならできる限り早めに味わっておきたいところです。
画像引用:https://www.hombo.co.jp/item/whisky_brandy/mars_singlemalt_komagadake_2021_edition/
シングルモルト駒ヶ岳の2021年エディションであり、2022年と比較してもラベルの色が異なることがわかります。
こちらはバーボン樽を中心にシェリー樽で熟成した原酒をヴァッティングする形でボトリングされているボトルです。
生産本数は5万本の限定ウイスキーであり、SFWSC2022(サンフランシスコ ワールド スピリッツ コンペティション)最優秀金賞を受賞していることから注目を集めており、品薄となってきています。
画像引用:https://www.hombo.co.jp/item/whisky_brandy/mars_singlemalt_komagadake_limited_edition_2020/
続いて2020年のボトルであり、TWSC 2021(東京ウイスキー&スピリッツコンペティション)で金賞の受賞経歴を持つ実績のあるボトルです。
シェリー樽で熟成された原酒を中心にアメリカンホワイトオーク樽で熟成された原酒をヴァッティングしています。
生産本数は 2021年の半分に満たない15,000本となっており、入手難易度がより高まってきています。
画像引用:https://www.hombo.co.jp/item/whisky_brandy/mars_singlemalt_komagadake_limited_edition_2019/
2019年に販売されたシングルモルト駒ヶ岳は、バーボン樽の原酒を中心にアメリカンホワイトオークのシェリー樽とヴァッティングされています。
杏とオレンジマーマレードの香りが特徴的であり、メロンを思わせるまろやかな味わいを持っています。
生産本数は 11,497本と非常に細かいですが、年度を重ねるごとに本数が増えていることがわかります。
画像引用:https://www.hombo.co.jp/item/whisky_brandy/mars_singlemalt_komagadake_limited_edition_2018/
マルス信州蒸溜所の蒸留が再開され、新たに発売されたシングルモルト駒ヶ岳の原点が2018年のリミテッドエディションになります。
バーボン樽を中心にアメリカンホワイトオーク樽の原酒がヴァッティングされており、将来的に発売を予定しているシングルモルト駒ヶ岳の前身となるウイスキーです。
生産本数は1万本となっており、2020年以降のシングルモルト比較すると生産本数が制限されていることがわかります。
画像引用:https://www.hombo.co.jp/item/whisky_brandy/mars_singlemalt_komagadake_asagimadara_2021/
マルス信州蒸溜所が立地する長野県宮田村には、毎年9月後半になると春と秋に海を渡って2,000kmを超えて移動するアサギマダラが訪れることで知られています。
この村にあるアサギマダラの里では毎年フォトコンテストが開催されており、2021年の受賞作である池田裕助さんの『浅葱映え』を使用して、シングルモルト駒ヶ岳のラベルデザインを作っています。
生産本数は1,550本と非常に希少性が高く、ボトルデザインが美しい限定銘柄です。
画像引用:https://www.hombo.co.jp/item/whisky_brandy/mars_singlemalt_komagadake_yakushima_aging_bottled_in_2021/
駒ヶ岳の原酒は屋久島の貯蔵庫でも熟成されますが、こちらのボトルは屋久島で熟成させた原酒のみを使用した2021年のボトルであり、2019年~2021年、2014年に発売されています。
屋久島の熟成環境はウイスキーにピート由来の風味と潮風のような風味が加わわり、バナナの濃厚な果実香が感じられるウイスキーに仕上げました。
2021年で生産本数は5,201本となっており、シングルモルト駒ヶ岳シリーズと比較して希少性の高いボトルとなっています。
画像引用:https://www.hombo.co.jp/item/whisky_brandy/mars_singlemalt_komagadake_tsuniki_aging_bottled_in_2019/
こちらのボトルは本坊酒造のマルス津貫蒸溜所で熟成された原酒ではなく、マルス信州蒸溜所で熟成された原酒をマルス津貫蒸溜所の熟成庫で熟成させたシングルモルト駒ヶ岳になります。
りんごなどのフルーティーな甘みがあり、和菓子のような深い甘味が広がるのが特徴です。
こちらの2019年のボトルの生産本数は2,382本と希少で、TWSC 2020で金賞を受賞する実績もありますが、マルス津貫蒸溜所のシングルモルトではないので勘違いのないようにしましょう。
余談になりますが、マルス津貫蒸溜所のシングルモルトは「シングルモルト津貫 THE FIRST」として2020年から販売が開始されています。
画像引用:https://www.hombo.co.jp/item/whisky_brandy/mars_singlemalt_komagadake_ipa_cask_finish_bottled_in_2020/
IPAカスクとはインディア・ペールエール(IPA)、ビールを熟成させた樽のことであり、IPAカスクで熟成させたシングルモルト駒ヶ岳が上記のボトルであり、2020年のボトルは駒ヶ岳ではなくIPAが大きく表記されているのが特徴になります。
軽やかなシトラスの香りと、柑橘系の果実を感じる爽やかな甘みが特徴の銘柄です。
2020年のボトルの生産本数は2,688本、2022年になっても生産本数はほぼ同数となっています。
画像引用:https://www.hombo.co.jp/item/whisky_brandy/mars_singlemalt_komagadake1986_30_sherry/
1986年蒸留の駒ヶ岳を30年間シェリー樽で熟成させた非常に希少なシングルモルト駒ヶ岳になります。
華やかで香りが高く、熟したプラムのような濃厚な甘みは、30年という長期熟成の駒ヶ岳でしか味わえない風味です。
生産本数は619本と非常に希少なジャパニーズウイスキーとなっています。
ウイスキー駒ヶ岳のおすすめの飲み方を紹介します。
それぞれ詳しく解説します。
ウイスキー駒ヶ岳はラインナップのほとんどが限定品で構成されている希少性の高いボトルです。
味わいも洗練されているものが多いことからストレートでゆっくり味わうのがおすすめの飲み方になります。
ただし、アルコールで舌が麻痺しないように水や炭酸水などのチェイサーを忘れないようにしましょう。
ストレートで美味しいウイスキーの条件とは?おすすめの銘柄4選
原酒が若いことから、ウイスキー初心者の方はストレートではアルコールがきつく感じてしまう可能性もあるので、トワイスアップもおすすめの飲み方になります。
ウイスキーの味わいを損なうことなく、香りが立つ飲み方となっており、アルコール度数を下げることが可能です。
ウイスキー駒ヶ岳は限定品が多いと解説しましたが、シングルモルト駒ヶ岳をはじめ、毎年販売されるので、年度ごとの味わいの差を気にしないのであれば飲むことは難しくありません。
年度も含む特定の銘柄を味わいたい場合は、限定品という性質から時間が経つほど飲みにくくなるので、思い立ったらすぐに購入することをおすすめします。
スタンダードボトルという概念が現在の時点でありませんが、初めて飲むならシングルモルト駒ヶ岳の最新の年度を探してみるのが良いでしょう。