山崎 ノンエイジ/NV(ノンヴィンテージ)とは? 味わいとおすすめの飲み方を紹介
- ウイスキー銘柄
マルスウイスキーとは、老舗の酒造会社である本坊酒造が製造する国産ブレンデッドウイスキーになります。
岩井喜一郎氏によってマルスウイスキーは作られましたが、同氏はニッカウイスキーの創業者として有名な竹鶴政孝氏の直属の上司です。
マルスウイスキーはさまざまなフレーバーのウイスキーを販売していますが、共通して日本人の好みに合いやすいクセがなくすっきりとした飲み口であることが特徴になります。
この記事では、マルスウイスキーの種類と味わい、おすすめの飲み方を紹介します。
この記事のポイント
マルスウイスキーは、1872年に鹿児島で創業した本坊酒造で製造されているブレンデッドウイスキーになります。
老舗の酒造で作られたウイスキーであることからマルスウイスキーの歴史も1949年に遡り、地ウイスキーブームの火付け役として知られています。
日本人の好みに合いやすいクセがなくすっきりとした味わいとなっていますが、ラインナップの幅が広いことも特徴です。
マルスウイスキーの製造方法と歴史について見ていきましょう。
1872年に鹿児島で創業した本坊酒造は、焼酎・梅酒・ワインなど幅広い酒類の製造を行ってきた老舗の酒造会社です。
岩井喜一郎氏がマルスウイスキーの産みの親であり、ニッカウイスキーの創業者である竹鶴政孝氏の直属の上司であり、竹鶴氏をスコットランドに派遣したのも岩井氏になります。
岩井氏は、竹鶴氏が提出したスコットランドにおける研修結果のレポートを読んでおり、このレポートは通称竹鶴ノートと呼ばれています。
1945年に本坊酒造の顧問に就任した岩井氏は、1949年にマルスウイスキーを生み出し、1960年より本格的なウイスキーの製造をするため、蒸溜所を鹿児島から山梨に移設しました。
しかし、ウイスキーブームが到来する前の時代では本格的な売れることがなく、山梨の蒸溜所はワインの醸造所となります。
1985年に山梨から現在のマルス信州蒸溜所に移設し、1980年代にはウイスキーブームの到来とともに地方で小規模生産される限定のウイスキーを指す地ウイスキーブームの火付け役として知られることとなります。
一時期は高い人気を集めましたが、日本のウイスキー業界に冬の時代が訪れたことで、閉鎖の危機に見舞われたこともありました。
再び到来したジャパニーズウイスキーブームにより息を吹き返し、新たに鹿児島にマルス津貫蒸溜所が設立され、本坊酒造のマルスウイスキーの製造は続けられています。
マルス信州蒸溜所についてはこちらのページにまとめています。
マルスウイスキーの製造は、竹鶴ノートを参考にしたポットスチルの設計から始まっています。
竹鶴氏の持ち帰った竹鶴ノートを読んだ岩井氏は、この報告を参考に新たなポットスチルの設計を自身の手で主導しています。
ウイスキーの本場であるスコットランドでの研修を参考にして作られたポットスチルからと鹿児島、山梨、長野のまったく異なる3つの環境により幅広い原酒が造られました。
現在では、長野のマルス信州蒸溜所と鹿児島のマルス津貫蒸溜所の2つの蒸溜所の原酒をブレンドしてマルスウイスキーが造られています。
また、非常に珍しい一升瓶にボトル詰めされたマルスウイスキー エクストラは本坊酒造で伝統的に製造されており、同社でも非常に人気の高いウイスキーとなっています。
マルスウイスキーの種類と味わいについて紹介します。
画像引用:https://www.hombo.co.jp/item/whisky_brandy/marsextra/
マルスウイスキーは、最初に飲むことが推奨されるスタンダードボトルのような立ち位置のボトルがありませんが、こちらの銘柄を代表するボトルをひとつ選ぶなら、一升瓶に入れられたウイスキーであるマルス エクストラが挙げられます。
ロングセラー商品であり、日本人の好みに合わせたアルコール感がありますが、まろやかでありながらすっきりとした飲みやすい口あたりであることが特徴です。
目立った個性はありませんが、シンプルで飲みやすさを追求したこちらのボトルは、ご年配で地ウイスキーブームの時代を知る方であれば懐かしく感じられるようです。
画像引用:https://www.hombo.co.jp/item/whisky_brandy/twin_alps/
マルス信州蒸溜所がある中央アルプスと南アルプスの雄大さをイメージしたブレンデッドウイスキーです。
バニラやクッキーのような甘い香りと熟したフルーツの香りが非常に豊かであり、口に含むだけで上品な味わいが口一杯に広がります。
750mlのボトルのほかに200mlの容量を持つボトルも存在しているので、お試しで飲みやすいマルスウイスキーといえるでしょう。
画像引用:https://www.hombo.co.jp/item/whisky_brandy/marswhisky3and7/
マルスウイスキー 3&7は、グレーン原酒の熟成年数を3年、モルト原酒の熟成年数を7年としたブレンデッドウイスキーにおける原酒ごとの熟成年数を明記した珍しい銘柄です。
ホワイトオーク由来のウッディな樽香と風味が特徴的なウイスキーになります。
ウイスキーの材料ともいえる熟成樽の木の香りが強く出ている銘柄です。
画像引用:https://www.hombo.co.jp/item/whisky_brandy/iwai_tradition/
一部の販売店で限定販売されているのが、マルスウイスキーの産みの親である岩井喜一郎氏の名を冠する岩井トラディションです。
岩井氏が指導して設計した岩井ポットスチルを利用して作られており、優しい口あたりですが、重厚感のある味わいとなっています。
岩井トラディションには、ワインカスクフィニッシュがあり、こちらはマルス穂坂ワイナリーのワイン樽で追熟した銘柄です。
画像引用:https://www.hombo.co.jp/item/whisky_brandy/marswhisky_shinshu/
マルスウイスキー 信州は、長野県で限定販売されているブレンデッドウイスキーです。
フルーティーな甘みもありますが、カラメルの甘さが前面に押し出されており、甘みの強い味わいが好きな人に向いています。
濃い味わいを薄めながら爽快感を求めるならハイボール、甘みをそのまま楽しみたい方はストレートなど、人によって飲み方の好みが分かれる銘柄です。
画像引用:https://www.hombo.co.jp/item/whisky_brandy/marswhisky_saigodon/
マルスウイスキー 西郷どんは、維新の英傑である西郷隆盛をイメージしたブレンデッドウイスキーであり、明治維新150周年を記念して作られました。
モルト由来のスモーキーで力強い味わいが特徴的ですが、フルーティーな風味があるため柔らかい印象もあります。
期間限定であり、すでに生産も公式による販売も終了しているため、入手方法は限定的です。
画像引用:https://www.hombo.co.jp/item/whisky_brandy/marsmaltage_cosmo/
マルスモルテージ越百(コスモ) モルトセレクションは、マルスウイスキーの中でもグレーンウイスキーを使用せず、複数のモルト原酒をブレンドしたブレンデッドモルトウイスキーになります。
ハチミツとキャラメルを思わせる香りに、ほのかなスモーキーフレーバーが特徴の優しい味わいの銘柄です。
モルトウイスキーのみを使用していますが、マルスウイスキーの特徴である飲みやすさは損なわれていないので、ウイスキー初心者にも勧められるほど飲みやすい銘柄になります。
マルスウイスキーのおすすめの飲み方を紹介します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
マルスウイスキーはラインナップが幅広く香りや味わいの傾向に共通点が少ないのですが、飲み口をすっきりさせると美味しくなりやすいので、共通してハイボールがおすすめです。
日本人好みに作られているので、現在の日本人の間で広く飲まれているハイボールが口に合いやすいといえるでしょう。
マルスウイスキーは一部の限定品を除いてリーズナブルとはいえないかもしれませんが、普段飲みしやすい価格で販売されているので、ハイボールで飲みやすいです。
ウイスキーの水割りは、実は日本を中心に広く飲まれている飲み方であり、和食と合わせる食中酒にも適しています。
日本のマルスウイスキーとの相性も良いですが、食中酒として飲む場合は、濃い味わいのウイスキーもあることからラインナップを選ぶかもしれません。
日本人の好みに合わせたウイスキーであることから、日本で広く飲まれている飲み方と相性が良くなりやすいです。
ウイスキーの水割りの作り方について知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
ウイスキーの水割りでおすすめの銘柄をご紹介!作り方やポイントなど
マルスウイスキーは、老舗の酒造会社である本坊酒造が製造する鹿児島・長野・山梨などの日本の地域の特性を生かした地ウイスキーになります。
種類は豊富ですが、限定販売の銘柄も多く、一部のウイスキーは入手方法が限定される点に注意が必要です。
マルスウイスキーの銘柄で悩む場合は、ロングセラーのマルスウイスキー エクストラや、200mlで気軽に購入できるツインアルプス、モルトのブレンデッドウイスキーを飲みたい方はマルスモルテージ越百(コスモ) モルトセレクションを選ぶと良いでしょう。