ラフロイグ 10年とは? スモーキーな味わいとおすすめの飲み方を紹介
- ウイスキー銘柄
今回はモンキーショルダーというスコッチウイスキーをご紹介します。
2005年にリリースされたばかりの比較的新しいウイスキーになりますが、製造元は老舗の会社です。
新しいウイスキーですが、リリース後は人気に一気に火が付いたので知っている人もいらっしゃるでしょう。
モンキーショルダーはブレンデッドモルトウイスキーの種類になるのですが、ブレンデッドウイスキーとの違いはグレーンが一切入っておらず、100%モルトのウイスキー原酒をヴァッティング(ブレンド)して造られています。
つまり、100%モルトウイスキーというわけです。
日本では同じ製法で『竹鶴』などが同じ製法でピュアモルトという種類になります。
モンキーショルダーを訳すと「猿の肩」?何とも変わったネーミングのウイスキーですね。
ボトルには3匹の猿の絵が描かれていますが、何か関係があるのでしょうか。
この記事では、モンキーショルダーについて、種類と味わい、おすすめの飲み方を解説していきます。
この記事のポイント
モンキーショルダーは2005年にスコッチの聖地とも呼ばれるスコットランドのスペイサイドエリアで誕生しました。
製造元であるウィリアム・グラント&サンズ社が所有している3か所の蒸溜所で作られている3種類のモルトだけでヴァッティングさせた『トリプルモルト』のブレンデッドモルトウイスキーです。
「ウィリアム・グラント&サンズ社」といえば1887年にスコットランドで初めてのシングルモルト「グレンフィディック」を生み出した、老舗の蒸留所になります。
ブレンデッドモルトウイスキーのほとんどは4種類以上のモルトをヴァッティングさせて造られます。
それはモルト原酒は個性が非常に強いので飲みやすく調整が必要なためです。
しかし、モンキーショルダーはキーモルトを3つに厳選し、バランスのとれた配合で味を表現することにこだわっています。
現在は残念ながら、現在は原酒が不足気味だそうなので、スペイサイドエリアの他の蒸留所の原酒も使用しているそうです。
手作業での製造過程もあり、人気のウイスキーなので原酒は大変貴重品なわけですね。
同社が所有する3つの蒸溜所から厳選された最高級のモルト原酒に、名モルトマスターのヴァッティング技術の相乗効果が素晴らしく、長年積み重ねてきた伝統技術のもとにうまれた高品質ウイスキーなのです。
モンキーショルダーのキーモルトは以下の通りです。
モンキーショルダーのキーモルト
モンキーショルダーでは、3つもモルトウイスキーを総称してトリプルモルトと呼びます。
それぞれの蒸溜所について解説していきます。
創業者ウィリアム・グラント氏が設立したグレンフィディック蒸溜所は、世界で初めてシングルモルトを発売し、その世界シェアもNo.1です。
現在、グレンフィディックは世界で最も売れているシングルモルトであり、年間100万ケース以上の売り上げがあります。
グレンフィディックはゲール語で「鹿の谷」を意味する言葉です。
創業者の9人の子どもたち、そして1人の石工職人と築いたこの蒸溜所で、1887年のクリスマスにスコッチの新酒ができあがったのでした。
建設される蒸溜所はブローカーやボンダー、ブレンダーが資金を提供する傾向にあった当時、彼の事業と頑固なまでの信念には目を見張るものがあり、準備にも1年を費やしたので新酒が出来上がった時の喜びは何にも代えがたいものがあったことでしょう。
創業時の信念は時代を経ても、脈々と受け継がれています。
味わいはマーマレードや洋ナシ、シトラスなどを思わせるフルーティーな香りと滑らかな味わいで多くの人に親しまれています。
バルヴェニー蒸溜所は、グレンフィディックと同じ敷地内にあります。
ゲール語で「山の麓の集落」という意味の古城に由来しており、バルヴェニーの発祥は、スペイサイド地方のダフタウン地区にて13世紀に建てられ、その後廃城となった「バルヴェニー城」になります。
ダフタウン地区は別名、「ウイスキータウン」とも呼ばれ、1500人の人口の街に(モートラック、グレンフィディック、バルヴェニー、コンバルモア、ダフタウン、グレンダラン、キニンヴィ)7つの蒸留所がひしめき合っているのです。
バルヴェニーのモルトウイスキーは、グレンフィディックと同じ原料で造られていますが、その味わいは全然違います。
丁寧なハンドクラフト製法で、グレンフィディックとは一味違う、個性豊かな味わいに仕上げられているのです。
グレンフィディックの姉妹蒸溜所でつくられるプレミアムモルト。
今でも伝統的なフロアモルティングによるライトピーテッド麦芽を使用しています。
ハチミツの風味と熟成感溢れる芳香。
豊かでヘビーなモルトウイスキーです。
ヴァッティングの比率は開示していませんが、3つの蒸溜所から27の樽を選び掛け合わせているようです。
3つの蒸溜所の原酒の個性をバランスよくブレンドさせた味わいは、たくさんのウイスキーファンから愛されています。
1990年、ダフタウンに第3蒸溜所キニンヴィーがグレンフィディックとバルヴェニーと同じ敷地内にこじんまりと建設されました。
グレンフィディックがシングルモルトで成功したのですが、シングルモルトウイスキーに注力し過ぎていたため、ブレンド用のシングルモルトが不足していたのです。
ブレンド用のシングルモルトを自社で生産する必要があったため、キニンヴィーは建設されました。
それはすぐに大成功となり、現在はキニンヴィー用の9つのスチル、3つのウォッシュスチルと6つのスピリットスチルが蒸留所内に、設置されています。
また、キニンヴィーでの生産の多くはコンピューター制御されており、こじんまりした蒸留所にも関わらず、より大きな蒸留所と同じ規模の生産量を誇っています。
キニンヴィーの原酒は、ブレンデッドウイスキーにも使用されていますが、基本的にバルヴェニーのモルト原酒と混ぜて出荷されるのが一般的です。
キニンヴィーのシングルモルトの販売は少なく、稀にボトリングされますが、非常に手に入りにくくなっています。
モンキーショルダーは、グレンフィディック蒸溜所のモルトマスターであるブライアン・キンスマンが、完成させたスコッチウイスキーです。
モルトマスターとは、言い換えればブレンダーの最高責任者のことです。
熟練したモルトマスターが、ブレンドのための樽の選択、バーボン樽に詰めたモルト原酒の成熟期間の計測、徹底した品質管理等を経て、熟成を終えた27樽のバッチを、絶好のタイミングでボトリングし、最後にはヴァッティングして作られたボトルには33名のスタッフによるテストが実施されます。
こうして、完成度の高いブレンデッドモルトとして出荷しているのです。
そして、気になるモンキーショルダーという名前の由来にも通じているのはその製造過程にあります。
それは「手作業」でのフロアモルティング製法だということ。
原酒に使われている大麦麦芽(モルト)は、「モルトマン」と呼ばれる職人によって造られています。
フロアモルティングは伝統的な製造工程で、まずは仕込み水に浸した大麦を広いコンクリートの床に敷き詰めます。
そして、その大麦をそして、モルトマンたちが木製のシャベルを用いて人力で撹拌するのです。
フロアモルティング作業は重労働なので近年他の蒸留所ではあまり見られません。
しかし、ウィリアム・グラント&サンズ社では、伝統的な麦芽造りにこだわり地道な作業を続けています。
モンキーショルダーというウイスキーの名前はフロアモルティングの重労働でモルトマンが痛めた肩に敬意をこめて名付けられたのでしょう。
また、ボトルの肩の部分に描かれた3匹の猿は、3か所の蒸溜所のモルトを使用しているという意味が込められているといわれています。
モンキーショルダーはすっきりとした飲みやすい味わいで、軽やかでリッチな風味に定評があります。
柑橘類と洋梨、バニラ、ビターチョコのような甘さが混在し、爽やかでフルーティーな香りと心地よい苦味、柔らかいピート香が特徴の繊細な味わいが楽しめるウイスキーです。
余韻も優しく長いので後味もすっきりとしています。
クセがなく、飲みやすいので初心者の方にもおすすめです。
モンキーショルダーのおススメラインナップをご紹介します。
画像引用:TheHut.comLtd.
日本ではモンキーショルダーはこちらの1種類のみ販売されています。
ウイリアムグラント社が所有する3つの蒸留所であるグレンフィディック、バルベニー、キニンヴィーのモルト原酒合計をヴァッティングして造られています。
洋梨、マーマレードのフルーティな香りから、味わいはアルコールのエステリーな刺激、バニラ、ビターチョコ、蜂蜜、麦芽の甘さ、繊細なスモーキーさ。
フィニッシュの余韻は深く長くエレガントです。
クセが少なく飲みやすいので、様々なカクテルに使われています。
画像引用:TheHut.comLtd.
「モンキーショルダー スモーキーモンキー」は、スタンダードボトルと比較して香りはかなりスモーキーです。
しかし、風味はまろやかでバニラや柑橘系のアロマがあり、味わいは香りに感じるほどのスモーキーさはなく、飲みやすい仕上がりになっています。
年に一度バルヴェニーはピートを使った「ピートウィーク」をリリースしますが、それを利用しているようです。
日本では一般的に販売されていないので、現在はやや入手困難です。
画像引用:Amazon.co.jp
こちらのボトルはゴリラ級の超巨大ボトルでゆりかごがついている何ともユニークなボトルです。
中身は通常のモンキーショルダーと同じになります。
インテリアとしてはインパクト十分でモンキーショルダーファンにはもってこいのボトルでしょう。
このゴリラボトルは日本の酒店では販売されていないため、ネットショップ等を利用する必要があります
モンキーショルダーのおすすめの飲み方を解説します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
モンキーショルダーは加水に強くないのでストレートで飲んでいただきたいです。
モンキーショルダーの原酒の個性がしっかりと感じられます。
フルーティーで甘くなめらかな口あたりが魅力的であり、高価格のウイスキーではなくてもストレートで楽しめます。
ストレートで美味しいウイスキーについてはこちらの記事で紹介しています。
ストレートで美味しいウイスキーの条件とは?人気の銘柄・安い銘柄10選!
スモーキーモンキーを中心にストレートの他、カクテルやハイボールなど様々な飲み方で楽しめます。
爽やかですっきりとした中にもモルトの香りとハチミツの甘さがバランスよく調和されのみやすくなります。
また、ウイスキー初心者の方であればストレートではなく、ハイボールで飲むのもおすすめです。
ハイボールにおすすめのスコッチウイスキーはこちらの記事で紹介しています。
ハイボールにおすすめのスコッチウイスキーの選び方と注意点を解説
モンキーショルダーはモルトマンの職業病ともいうべき労働の苦労によってネーミングされたと思うと、味わう一口にも重みが感じられますね。
かと思えばゴリラボトルのようなユニークな商品もリリースされているところに遊び心が感じられます。
カクテルやハイボール等汎用性の高いウイスキーですので、色々な形で楽しんでみてください。