ラフロイグ 10年とは? スモーキーな味わいとおすすめの飲み方を紹介
- ウイスキー銘柄
オーバンは蒸留所がほとんどない西ハイランドで製造されるウイスキーであり、海に面した町で製造されていることからスモーキーで磯の香りがする塩辛い味わいが特徴になります。
海辺かつ都会の蒸留所で製造されるオーバンは、1794年に製造が始まった歴史の古いウイスキーです。
アメリカで人気があり、HBOの制作した人気ドラマ「ゲームオブスローンズ」とのコラボボトルが発売されたこともありました。
この記事では、オーバンの種類と味わいについて紹介し、おすすめの飲み方も解説します。
この記事のポイント
オーバンは、西ハイランドの港町オーバンで製造されるウイスキーであり、この街の歴史と蒸留所の歴史はほぼ同時に始まっており、長い歴史を持つ蒸留所です。
ハイランド地方で作られるハイランドウイスキーは、東西南北の4つに細分化されることがありますが、オーバンの属する西ハイランドはほとんど蒸留所が存在しない地域になります。
代表的な蒸留所はオーバンとベン ネヴィスですが、2つのウイスキーのフレーバーに共通点はないため、西ハイランドは地理的な分類以外に意味を持ちません。
しかし、どちらのウイスキーも高い評価を受けており、共通点はなくてもオーランドを含む西ハイランドのウイスキーは愛好家から愛されています。
ハイランドウイスキーについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
ハイランドウイスキーのおすすめ銘柄8選と地域ごとの特徴について
オーバン蒸留所は、1794年にスティーブンソン兄弟がビール工場として設立し、1799年からウイスキーの蒸留を開始したという記録があります。
当時のオーバンはまだまだ寒村であり、漁業や貿易など港町らしい事業に取り組みましたが発展することはありませんでした。
しかし、スティーブンソン兄弟がオーバン蒸留所を中心に事業を展開し、造船業や鉱業にも取り組むようになってから状況が一変し、現在ではハイランドの中でも非常に都会的でリゾートとしても知られる街になります。
街の発展に対してスティーブンソン兄弟の功績は大きく、オーバンの中心にはスティーブンソン通りがあることからも兄弟の功績を街全体で賞賛していることが分かるでしょう。
オーバン蒸留所はスティーブンソン兄弟の一族が管理していましたが、1866年に一族の元を離れ、次々とオーナーが変わり最終的にはディアジオ社が所有します。
街の歴史ともに発展してきたオーバン蒸留所は、オーバンを観光するなら必ず行きたいスポットといえるでしょう。
オーバン蒸留所について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
オーバン蒸留所で使用される蒸留器は、スマ・スチルと呼ばれるランタンヘッドで小型の蒸留器です。
ストレートヘッド型の蒸留器よりも外気に触れる面積が広いため、蒸気が冷えて液化しやすくなります。
これによりウイスキーに軽快で華やかな香りが付与されます。
スマ・スチルを設置しているオーバン以外の代表的な蒸留所には、アイラ島のラフロイグ蒸留所と日本の白州蒸留所にも設置されているようです。
また、通常スタンダードボトルになりやすい熟成年数は12年ですが、オーバンは蒸留器などの製造のこだわりから14年が適していると考え14年物から販売しています。
ウイスキーに12年物が多い理由とその魅力について知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
オーバンは世界的に認められたウイスキーの品評会でいくつもの賞を受賞しています。
銘柄ごとの受賞歴を下記にまとめました。
銘柄 | 概要 |
オーバン 14年 |
Ultimate Spirits Challenge:ファイナリスト 94点(2018年) |
World Spirits Competition:シルバー(2018年) | |
International Spirits Challenge(ISC):銅賞(2018年) | |
オーバン 18年 |
Ultimate Spirits Challenge:93点(2018年) |
World Spirits Competition:ゴールド(2018年) | |
International Spirits Challenge(ISC):銀賞(2018年) | |
オーバン リトルベイ |
Ultimate Spirits Challenge:ファイナリスト 94点(2018年) |
World Spirits Competition:シルバー(2018年) |
参考:オーバン公式サイト
上記の品評会はウイスキーを含むお酒の品評会として高い権威を持っていますが、よく知らない方のために品評会の概要をまとめました。
品評会 | 概要 |
Ultimate Spirits Challenge | 米国を代表する蒸留酒コンペティション |
World Spirits Competition | サンフラシスコで開催する米国最大の酒類品評会 |
International Spirits Challenge(ISC) | 『ドリンクス・インターナショナル』が主催 |
上記の受賞歴からオーバンは世界的に認められたウイスキーであることが分かります。
また、上記の受賞歴は代表的なコンペティションの受賞歴をまとめた一例であり、他の品評会などでもオーバンは受賞経験がある銘柄です。
それでは、オーバンの種類と味わいを見ていきましょう。
※ボトル画像はすべて公式サイトから引用
オーバンのヴィンテージ物の中でも最も熟成年数が若いスタンダードボトルがオーバン14年です。
1987年にディアジオ社からリリースされ、現在もオーバンのラインナップの中心にあるボトルになります。
フレッシュな柑橘系の香りの中に磯とスモークの香味が感じられ、イチジクと燻製された大麦の中にハチミツの甘みとクリーミーな口あたりが楽しめます。
フルーティーで甘い風味を持ちながらスコッチらしい一癖ある香りと味わいであり、ウイスキーとしての完成度は非常に高く、オーバンを初めて飲む方の入門酒でありながら傑作とも呼べる銘柄です。
オーバン18年は、アメリカに向けて販売されたヴィンテージボトルです。
香りはフルーティーかつスモーキーな香りに渋みや苦みのある香味が感じられ、より深い香りに仕上がっており、口いっぱいに甘さが広がりますが、燻製麦芽の風味があるため単調な味わいになることなく飽きません。
14年物の時点ですでに完成度は高いですが、18年物はそれ以上に洗練された香りと味わいを持ちます。
オーバン リトルベイは、2015年から免税店向けにリリースされたノンエイジボトルです。
香りや風味はオーバンの特徴を残しながら、ピート香などのクセのある要素が大きく緩和されているため、ウイスキー初心者に向けた飲みやすさを重視していることが分かります。
一般的なハイランドウイスキーやスペイサイドウイスキーに近く、オーバンのアイラウイスキーのような個性を感じにくいかもしれませんが、価格や飲みやすさを重視するならこちらもおすすめです。
オーバン ディスティラリーズエディション ダブルマチュアードは、ディアジオ社から販売されるダブルマチュアードシリーズの一つです。
ダブルマチュアードとは、2つの樽に分けて熟成させることを指し、モンティリャ・フィノのシェリー樽で2回目の熟成を行います。
シェリー樽熟成によるレーズン、アンズ、ベリー系の果実の香りと風味が感じられ、スモーキーかつ深い甘みのあるウイスキーを実現しています。
個性の塊のようなボトルですが、それぞれの要素が喧嘩することなく上手く調和しており、高級さも感じられることでしょう。
こちらのボトルの名前は非常に長いですが、ディアジオ社とアメリカのテレビ局HBOがコラボして作られた限定ボトルであり、テレビドラマ「ゲーム オブ スローンズ」の第8シーズンと最終シーズンを記念して販売されました。
ナイツウォッチ(冥夜の守人)とは、ゲーム オブ スローンズの七王国の北部に存在する巨大な壁を守る者達のことであり、その誓約書がボトルにも記載されています。
黒いボトルから重厚な印象を感じますが、こちらのオーバンも柑橘系の香りにりんごや洋ナシの甘みの中にほのかなスモークと塩気が感じられるため実際にはライトな味わいです。
ゲーム オブ スローンズの関連商品であるため、他の限定ボトルよりも将来的にプレミアがつきやすく入手困難になるかもしれません。
最後に、オーバンのおすすめの飲み方を紹介します。
それぞれ詳しく解説します。
オーバンの複雑でありながら完成度の高い味わいをそのまま楽しむならストレートがおすすめです。
フルーティーな香りと共に鼻に突き抜けるスモーク香を感じながら、現在はリゾート地となるほど美しい町であるオーバンに思いを馳せるのもよいかもしれません。
塩辛さに加えてアルコールの刺激もあるので、舌を麻痺させないためにストレートで飲む際はチェイサーとなる水の用意を忘れないようにしてください。
ウイスキーそのものの味わいを楽しむならロックも最適であり、甘さと塩辛さを堪能しながら、ついついお酒が進んでしまうことでしょう。
できる限り溶けにくい大きい氷を用意して、意図しない加水が起きないようにしながら、オーバンのロックを作ることをおすすめします。
オーバンの塩気のあるフレーバーは海鮮料理との相性もよいので、食中酒として飲むならハイボールがおすすめです。
ハイボールにすることでピート香も弱まるので、スモークの香りに慣れておらず飲みにくい方はハイボールにするのもいいでしょう。
オーバンはフルーティーな味わいの中にスコッチ特有のスモーキーさを感じられるウイスキーであるため、人気のある甘くて飲みやすいスペイサイドウイスキーがあまり口に合わなかった方が飲むと絶賛されることもあります。
ノンエイジボトルのオーバン リトルベイもありますが、オーバンは長年14年熟成にこだわってきた銘柄であるため、普段飲みするならノンエイジでもよいですが、最初に飲むならオーバン14年から飲むことをおすすめします。