ラフロイグ 10年とは? スモーキーな味わいとおすすめの飲み方を紹介
- ウイスキー銘柄
パワーズは、日本における知名度は高くありませんが、地元のアイルランドでは非常に人気の高いアイリッシュウイスキーです。
アイリッシュウイスキーの代表銘柄であるジェムソンと並ぶ人気を持ち、現在は代表的なアイリッシュウイスキーの多くが製造される新ミドルトン蒸溜所で生産されています。
フルーティーな風味とスパイシーな風味が同居し、名前のとおり力強い味わいとなっていますが、飲みやすい口あたりです。
この記事では、パワーズの種類と味わい、おすすめの飲み方を紹介します。
この記事のポイント
パワーズはアイルランドのジョンズレーン蒸溜所で生産されていたウイスキーであり、現在は新ミドルトン蒸溜所で生産されています。
アイルランドの蒸溜所は歴史的背景から次々と閉鎖に追い込まれた過去がありましたが、アイリッシュウイスキーはパワーズをはじめ代表的な銘柄をアイリッシュ・ディスティラリーズ社に集約することで生き残りました。
アイリッシュウイスキーは、ライトで飲みやすい味わいが特徴的ですが、パワーズはフルーティーでスパイシーな力強い味わいが前面に出ていながら、クセは少ないので飲みやすさがあるバランスの取れた銘柄です。
パワーズの歴史と製造方法について見ていきましょう。
パワーズは、アイリッシュウイスキーの歴史を語るうえで欠かせない銘柄となっています。
1791年からジョンズレーン蒸溜所で生産されたパワーズは、アイルランドのなかでも最高クラスの生産量を誇った蒸溜所でした。
よって、パワーズはかつてアイルランドのウイスキー市場の頂点に君臨したウイスキーだったのです。
アイルランドのダブリンには、ジョンズレーン蒸溜所の他にもさまざまな蒸溜所が密集しており、ウイスキーの製造が盛んな地域でした。
しかし、二度の世界大戦、輸出先であったアメリカの禁酒法の影響を受け、アイリッシュウイスキーの需要は激減することになります。
アイルランドの蒸溜所は次々と閉鎖していくことになり、一方で、スコットランドのスコッチウイスキーはキャンベルタウンなどの一部の地域を除いて、世界的に認められていきます。
アイリッシュウイスキーが生き残るために取った行動は、生き残ったウイスキー業者の合併であり、人気を集めた銘柄をアイリッシュ・ディスティラリーズ社に統合することでした。
ジェムソン、パワーズ、タラモアデュー、パディなどさまざまな銘柄がアイリッシュ・ディスティラリーズ社に集約され販売されるようになります。
ジョンズレーン蒸溜所は閉鎖され、新ミドルトン蒸溜所が設立されることでパワーズの生産拠点はそちらに移りました。
アイリッシュウイスキーは数々の人気銘柄が1つに集約されることで生き残り、世界5大ウイスキーの一角として完全復活を果たしたのです。
アイリッシュウイスキーの代表銘柄であるジェムソンとタラモアデューについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
ジェムソンとは?種類や味わい、おすすめの飲み方
タラモアデューとは?種類や味わい、おすすめの飲み方
パワーズは構成原酒の7割がシングルポットウイスキーとなっています。
シングルポットウイスキーとはアイルランド独自のウイスキーであり、アイルランド独自のポットスチルで3回蒸溜した銘柄になります。
穀物の味わいが強くなり、シングルポットウイスキーによりパワーズのスパイシーな風味が生まれています。
残りはグレーンウイスキーをブレンドしているため、味わいに個性がありながら飲みにくいと感じやすいクセがなく、ウイスキー初心者でも飲みやすい味わいに仕上がっているのです。
ミドルトン蒸溜所のニュースについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
ミドルトン蒸留所、2026年のカーボンニュートラル実現に向け約80億円の投資
パワーズの種類と味わいについて紹介します。
画像引用:https://www.amazon.co.uk/Powers-Gold-Label-Irish-Whiskey/dp/B00IXL9E8C
パワーズ ゴールドラベルは、パワーズのスタンダードボトルに位置します。
りんごと洋ナシのフルーティーな香りと風味に白コショウのスパイシーな風味とオイリーな口あたりが特徴です。
パワーズを初めて飲むなら、パワーズの頭文字であるPの文字が特徴的なこちらのボトルを探してみましょう。
画像引用:https://www.amazon.co.uk/dp/B00IXL9ES2/
ジョンズレーンはパワーズのオリジナルを製造していた蒸溜所であり、12年以上熟成された原酒のみが使用されています。
トーストしたオークのように焦げた風味が特徴的であり、ダークチョコレートのビターさが感じられます。
熟成年数の長いワンランク上の複雑な個性を持つパワーズを飲みたい方におすすめの銘柄です。
画像引用:https://www.powerswhiskey.com/en/our-whiskeys
原料にライ麦を使用したパワーズのアイリッシュライウイスキーになります。
よりショウガのようなスパイシー感が増していますが、砂糖漬けの果実の甘みと上手くマッチしているバランスの取れた銘柄です。
日本ではあまり輸入されていないため入手手段は限られますが、現地に行く機会があれば入手しておきたい銘柄になります。
画像引用:https://www.powerswhiskey.com/en/our-whiskeys
3匹のつばめがPのロゴの下に描かれたトリプルスワローは、かつてのジョンズレーン蒸溜所で生産されていた味わいを再現したものです。
バナナとグレープフルーツのようなフルーティーな風味とハーブのスパイシーな香りが同居した銘柄になります。
かつてのパワーズを体験したい方に向けた銘柄となっています。
画像引用:https://item.rakuten.co.jp/yunyuusyu/70975/
日本のウイスキー市場では現在のボトルタイプだけではなく、1つ古いタイプのオールドボトルも販売されています。
こちらも同様にパワーズのゴールドラベルであるため、パワーズに興味を持った方でオンラインショッピングで購入する場合はこちらのボトルを探してみるのも良いでしょう。
パワーズのおすすめの飲み方について解説します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
パワーズのフルーティーでスパイシーな風味を余すことなく楽しむならストレートで飲むのが一番良いです。
個性のある味わいであるにもかかわらず、キツイと感じやすいクセがないためストレートでも飲みやすいウイスキーとなっています。
アイリッシュウイスキーはウイスキー初心者もストレートでも飲みやすい銘柄が多いため、パワーズもストレートで試してみましょう。
ストレートで美味しいウイスキーの条件についてはこちらの記事で紹介しています。
ストレートで美味しいウイスキーの条件とは?おすすめの銘柄4選
パワーズは、はちみつを水で溶かしたハニーシロップを混ぜてハイボールを作ると非常に相性が良いです。
下記にレシピと作り方をまとめました。
材料 | 分量 |
パワーズ | 50ml |
ハニーシロップ | 20ml |
レモン汁 | 適量 |
ソーダ水 | 適量 |
氷 | 適量 |
ハニーハイボールの作り方
ハイボールにハチミツを加えることでパワーズが持つスパイシーさが際立ちます。
また、パワーズに限らずウイスキーとはちみつは相性の良い組み合わせとなっているので、ウイスキーとはちみつの組み合わせについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
ウイスキーとはちみつは相性がいい組み合わせ! カクテルの作り方も紹介
パワーズは、現地のアイルランドではアイリッシュウイスキーを代表する銘柄の1つであり、アイリッシュウイスキーが好きな方は一度は飲んでおきたい銘柄になります。
特にフルーティーで飲みやすくありながら、スパイシーな個性が際立つバランスの良さを求めている方に向いているといえるでしょう。
日本市場での流通は限定的ですが、ゴールドラベルを中心に探してみることをおすすめします。