山崎 ノンエイジ/NV(ノンヴィンテージ)とは? 味わいとおすすめの飲み方を紹介
- ウイスキー銘柄
ロイヤルロッホナガーは、スコットランドのハイランド地方で作られるシングルモルトウイスキーです。
王室御用達(ロイヤル・ワラント)のウイスキーであり、多くの英国王室の君主から愛されたロイヤルの名前を冠するのにふさわしい銘柄となっています。
リッチで上品で甘い味わいを持つこちらのウイスキーは、ロイヤルの名に恥じない銘柄であるといえるでしょう。
この記事では、ロイヤルロッホナガーの種類と味わい、おすすめの飲み方を紹介します。
この記事のポイント
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ロイヤルロッホナガーは、スコットランドのハイランドにある非常に規模が小さい蒸留所であるロイヤルロッホナガー蒸留所で製造されます。
王室御用達(ロイヤル・ワラント)のウイスキーとなりますが、シングルモルトとしてはほとんど販売されておらず、その原酒のほとんどがブレンデッドウイスキーに使用されているため、希少性が高い銘柄です。
厚みのある洗練された甘味は高級感と上品さが感じられ、味わいや喉ごしはオイリーさがある銘柄となっています。
ロイヤルロッホナガーの歴史と製造方法について見ていきましょう。
ハイランド地方のシングルモルトについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
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現在は、ロイヤルの名を冠するロイヤルロッホナガーですが、最初からロイヤルの名を名乗ることが許されていたわけではありません。
イギリスにおいてロイヤルを名乗ることは特別な称号であるため、半端なものが名乗ることは許されることではないのです。
ロイヤルロッホナガーには前身の蒸留所があり、グレンフィアダンの名でジェームス・ロバートソンによって、1823年に設立されました。
ジェームス・ロバートソンは元違法蒸溜業者であったことから、周りからの恨みを買っており、不審火を装った放火が立て続けに起こります。
1826年、密造者の放った火は蒸留所を全焼させ、焼失することとなりました。
ジェームス・ロバートソンは、ロッホナガー山に場所を移し、今度はロッホナガー蒸留所を設立しますが、こちらも放火による焼失し、同氏はウイスキーの製造を続けることはできませんでした。
1820年代、ウイスキーの密造時代から政府から公認を受けて蒸留所で製造する時代への移り変わりには、グレンリベットなどの代表的な蒸留所も同様に違法蒸溜業者から嫌がらせを受けていました。
混乱の時代は明け、1840年代、ジェームス・ロバートソンの意思を継いだジョン・ベッグは、ロッホナガー蒸留所を復活させます。
しかし、復活したロッホナガー蒸留所に再び火を付けられることをジョン・ベッグは非常に危惧していました。
このとき、ロッホナガー蒸留所に隣接していた現在のバルモラル城をヴィクトリア女王が購入したと聞き、ジョンは女王公認の蒸留所になれば手は出せないと考えて、ヴィクトリア女王とアルバート公の夫妻を蒸留所に招待することにしました。
この招待を非常に喜んだのが機械好きで知られるアルバート公であり、ヴィクトリア女王とともに蒸留所を見学し、ロッホナガーのウイスキーが女王に非常に気に入られたことにより、王室御用達のウイスキーとして認められます。
ロッホナガー蒸溜所は、放火による全焼を2度乗り越え、そのウイスキーの品質が正統に評価され、ロイヤルの名を冠するロイヤルロッホナガー蒸溜所を名乗ることが許されたため、復活してから生き残ることができました。
ロイヤルロッホナガー蒸留所の詳細についてはこちらのページにまとめています。
ロイヤルロッホナガー蒸留所 - Royal Lochnagar DISTILLERY
原料はローズアイル産の大麦麦芽であり、ノンピートのものを使用し、仕込み水はロッホナガー山麓の湧水になります。
蒸留器と発酵槽はそれぞれ3基ずつあり、年間生産能力はわずか50万リットルとスコットランドの蒸留所のなかでも非常に小規模です。
週に樽詰めされる数はわずか28樽であり、小規模であることから最終的には別の熟成庫に移して熟成が行われます。
少ない生産量のほとんどがブレンデッドウイスキーに使われることを考えると、シングルモルトは非常に希少であることが分かるでしょう。
ロイヤルロッホナガーの種類と味わいについて紹介します。
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ロイヤルロッホナガーのスタンダードボトルがこちらの12年物になります。
青りんごとマスコットのフルーティーな香りが特徴的であり、甘みがありながら、オイリーでスパイシーな味わいが楽しめます。
初めてロイヤルロッホナガーを飲むならこちらの銘柄を探してみましょう。
画像引用:https://www.shinanoya-tokyo.jp/view/item/000000017498
2004年から熟成された原酒を使用し、2021年に発売された特別なロイヤルロッホナガーの16年熟成ボトルです。
まろやかで丸みを帯びたフルーティーな香りとクリーミーで甘い味わいから、フィニッシュにはオークのスパイス感のある銘柄となっています。
将来的には希少性が高まると考えられるため、気になる方はできる限り早く飲むことをおすすめします。
画像引用:https://ultimatespirits.jp/shopdetail/000000003005/
ロイヤルロッホナガーのセレクテッドリザーブは、昔から数量限定で販売されている1990年代から販売されているオールドラベルの商品になります。
厳選した高級なリフィルシェリー樽で熟成されていることから、風味は複雑でありながら、ドライフルーツのフレーバーを強く感じられます。
すべてのボトルにシリアルナンバーが明記された特別なロイヤルロッホナガーであり、現行版のセレクテッドリザーブも希少性の高いボトルです。
ロイヤルロッホナガーのおすすめの飲み方は以下のとおりです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ロイヤルロッホナガーは、ストレートでも飲みやすい味わいであり、希少性も高いボトルが多いことから、ストレートでゆっくり飲むのがスタンダードな飲み方になります。
フルーティーでオイリーでスパイシーなロイヤルロッホナガー特有の味わいを理解できることでしょう。
味わいを堪能する前に舌を麻痺させることがないように、水や炭酸水などのチェイサーの用意を忘れないようにしましょう。
ロイヤルロッホナガーを割って飲む場合は、温かいお湯で割るホットウイスキーがおすすめになります。
マスカットと青りんごの風味が特徴のロイヤルロッホナガーですが、お湯で割ることで果実の甘みが増し、独特のオイリーさも強調されます。
ストレートを飲んでからほかの飲み方を試したいと考える場合は、まずはお湯割りから試してみましょう。
ウイスキーの割り方は、水割り、ハイボールなどの代表的な物以外にもさまざまありますので、ウイスキーの飲み方を広げたい方は、こちらの記事をチェックしてください。
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ロイヤルロッホナガーは、ロイヤルの名を冠するのにふさわしい洗練された味わいを持つ銘柄です。
ただし、シングルモルトとして販売される本数は少ないので、どのボトルも希少性を持ちます。
一番入手しやすいのが12年物となっているので、ロイヤルロッホナガーを試してみたい方はこちらのボトルを探してみましょう。