山崎 ノンエイジ/NV(ノンヴィンテージ)とは? 味わいとおすすめの飲み方を紹介
- ウイスキー銘柄
ロイヤルハウスホールドとは、イギリスと日本にしか流通していない希少なブレンデッドウイスキーです。
エドワード7世が皇太子時代のとき、ジェームズ・ブキャナン社に自分専用のウイスキーが欲しいと依頼したことが起源になっています。
スッキリとした口あたりに王家ご用達のウイスキーらしい上品な味わいが特徴的であり、イギリスや日本以外の地域に住むウイスキー愛好家のなかには、ロイヤルハウスホールドの味わいを確かめるために国に訪れたこともあったようです。
この記事では、ロイヤルハウスホールドの種類と味わい、おすすめの飲み方を紹介します。
この記事のポイント
エドワード7世の銅像
ロイヤルハウスホールドとは、イギリス王室の名を冠するイギリスと日本でしか販売されていない特別なブレンデッドウイスキーです。
その名の通り、イギリス王室の皇太子であったエドワード7世が自分専用のブレンデッドウイスキーを作りたいという要望のもとに誕生し、王室ご用達のウイスキーになります。
その味わいは上品で気品のあるものとなっており、雑味のないさわやかで飲みやすいため、プレゼントにもおすすめの格式ある銘柄です。
ロイヤルハウスホールドの歴史と製造方法について見ていきましょう。
ロイヤルハウスホールドの誕生は、後にエドワード7世となるアルバート・エドワードの皇太子時代に遡ります。
エドワード7世はウイスキー好きとして知られるイギリスの君主であり、自分専用のブレンデッドウイスキーが欲しいので、当時、そのブレンド技術が評価されていたジェームス・ブキャナン社に依頼するほどの愛好家でした。
現在ではウイスキー樽を購入することで、自分専用のウイスキーを作れるボトリングサービスが一般の人々も利用できるようになりましたが、エドワード7世の時代においては自分専用のウイスキーを作ることは王族の特権とも呼べることでした。
ジェームス・ブキャナン社はエドワード7世に要望に合わせていくつかのウイスキーを造り納品し、そのなかから選ばれたウイスキーがロイヤルハウスホールドと命名されます。
王室ご用達(ロイヤル・ワラント)の称号を授かり、現在ではイギリスのバッキンガム宮殿、スコットランドのハリス島、そして日本でしか飲めないウイスキーとなりました。
なぜ、日本で飲めるのかといえば、昭和天皇が皇太子時代にイギリスに訪れた際に、このウイスキーがプレゼントされたことをきっかけに日本のみに流通が許可されたのです。
輸出許可はいまだに日本にしか出ておらず、公式にはイギリスから日本以外に流通が許可されていない特別なブレンデッドウイスキーです。
そのため、他の地域に住むウイスキーの愛好家はロイヤルハウスホールドを飲むために、イギリスや日本に訪れることもありました。
その経緯と確かな品質からも日本に住んでいるウイスキー愛好家であれば一度は飲んでおきたい銘柄です。
かつての皇太子の命令で造られた王室ご用達のウイスキーですが、ロイヤルハウスホールドは現在においてはロイヤル・ワラントではなくなっています。
理由は公表されていませんが、ロイヤルワラントでなくなった影響でかつてはザ(The)・ロイヤルハウスホールドと名乗ることが許されていましたが、ロイヤルワラントでなくなったことを理由に定冠詞が付かなくなりました。
ロイヤルハウスホールドは45種類のモルト原酒とグレーン原酒がブレンドされていますが、定冠詞が付いていた時代と付いていない時代では構成原酒が大きく変わっています。
かつてはグレントファースをキーモルトにしていましたが、現在ではダルウィニーをキーモルトにしており、ブレンドが大きく変化していることがわかります。
イギリスや日本など特定の地域でしか流通しない状況もあり、過去のロイヤルハウスホールドが大きく高騰している状況です。
ダルウィニーについてはこちらの記事で紹介しています。
ロイヤルハウスホールドの種類と味わいについて紹介します。
画像引用:https://item.rakuten.co.jp/wineuki/9903000011964/
定冠詞が付いていない現在日本で流通しているロイヤルハウスホールドであり、ノンエイジではありますが、長期熟成の原酒が使用されたブレンデッドウイスキーの最高峰です。
りんごのフレッシュなフルーティーさに、心地よく優しいカモミールとはちみつの香りが感じられます。
口に含むと洋ナシやドライフルーツなどの果実の甘さが全面に感じられ、軽い口あたりで飲みやすいながらも上品さがあります。
スモーキーさなどのクセは皆無であり、余韻はココアのビターさやシナモンのスパイシーさが複雑に絡み、長く続くのが特徴です。
ウイスキー初心者・上級者を問わず、万人受けしやすいボトルとなっており、記念日やプレゼントなどの最高峰のウイスキーを求めたいタイミングにおすすめです。
ただし、高価なウイスキーであることから偽物の流通も確認されているので、インターネットを通して購入する際は購入先の信頼性などを確認してから、慎重に購入することをおすすめします。
画像引用:https://www.sake-kaitori.jp/menu/menulist/royalhousehold-highgrade/
こちらは定冠詞のついたザ・ロイヤルハウスホールドであり、過去の日本で流通していたことから特級表記があります。
特級表記とはアルコール度数などの基準によってウイスキーを等級表記していた日本独自の制度になりますが、特級は当時の日本人の憧れでもあった最も高級なウイスキーを指します。
すでに終売しており、現在流通しているロイヤルハウスホールドとはブレンドレシピが異なるため、高い希少価値を持つボトルです。
画像引用:https://www.sake-kaitori.jp/menu/menulist/royalhousehold1707/
こちらのザ・ロイヤルハウスホールドは、グレートブリテン王国の成立300周年を記念して販売されたボトルです。
販売本数は1707年にちなんで1,707本であり、ボトルの1本1本にシリアル番号も記録された特別なウイスキーです。
アニバーサリーブレンドでは6種類のモルト原酒のみがブレンドされており、ジャパニーズウイスキーであればピュアモルトウイスキーに該当します。
シリアル番号によっても価値が変わり、日本のみで販売された希少なボトルです。
ロイヤルハウスホールドのおすすめの飲み方について解説します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ロイヤルハウスホールドはクセやアルコールの刺激がないため、そのまま飲みやすいことからストレートで飲むのがおすすめです。
ただし、ただライトで飲みやすいウイスキーというわけではなく、フルーティーな気品のある味わいが楽しめるため、物足りなさを感じることはないでしょう。
ストレートで美味しいウイスキーの条件についてはこちらの記事で紹介しています。
ストレートで美味しいウイスキーの条件とは?おすすめの銘柄4選
ロイヤルハウスホールドは水で割ってもその風味が大きく崩れることはなく、お食事と合わせて楽しめます。
食中酒としてディナーと合わせて飲みたい方は、水割りにして飲むことをおすすめします。
水割りの作り方とポイントについてはこちらの記事で紹介しています。
ウイスキーの水割りでおすすめの銘柄をご紹介!作り方やポイントなど
ロイヤルハウスホールドはブレンデッドウイスキーのなかでも最高峰の品質を持つ高級ウイスキーです。
その風味は万人受けしやすく、気品を兼ねそろえているため、プレゼントを含めて幅広い用途に使用できるウイスキーとなっています。
定冠詞の付いていないロイヤルハウスホールドは入手しやすいですが、ロイヤル・ワラントであった時代の味わいを知りたい方は、ザ(The)の付くロイヤルハウスホールドを探すようにしましょう。