サーデイヴィス シグネチャーとは? 味わいとおすすめの飲み方を紹介
- ウイスキー銘柄
「皇室の、高貴な、王室の」といった意味を表す『ロイヤルサルート』はその名前を表すようにエレガントで美しいブルーをメインカラーに、力強さと品格を現代的に表わす磁器のボトルが目を引きます。
また、コルクストッパーは金色に輝き更に高級感を演出しています。
ロイヤルサルートはあのジョニーウォーカーの売り上げを超えるほどのシーバスリーガルと同じ会社で製造されています。
シーバスリーガルも『リーガル』というワードには「王者にふさわしい」、「威厳のある」といった意味が込められています。
いわば、ロイヤルサルートはシーバスリーガルと同じく品格のあるウイスキーの種類といえますね。
シーバスリーガルは世界のトップとされる大統領や首相に愛されましたが、ロイヤルサルートも英国女王のために捧げられたウイスキーなので、その味わいにもこだわりがあるんです。
この記事のポイント
ロイヤルサルートやシーバスリーガルのキーモルトを製造しているストラスアイラ研究所はハイランド地方のスペイサイドエリアに現存する最古の蒸留所になります。
ストラスアイラと呼ばれる前はミルトン蒸留所と呼ばれたこともあります。
創設は1786年で、合法的なウイスキー作りをしている数少ない蒸留所の一つでした。
蒸溜所を創設したのは、ジョージ・テイラーとアレグザンダー・ミルンですが、波乱に満ちており、オーナーの名前は幾度も変更を余儀なくされました。
そして、蒸留所の名前も1830年にウィリアム・ロングモアがマクドナルド・イングラム&カンパニーから蒸留所を買収してからはストラスアイラ蒸留所となりました。
ストラスアイラに名前が変更になったのは、蒸留所の傍らに流れる川の名前から由来しています。
さらに1876年と1879年には火事に見舞われ。二度目の火事で蒸溜所はほとんど崩壊しかましたが、再建後はバージョンアップしてボトリング工場まで新築したというから大したものです。
しかし、ロングモアが亡くなってからは、娘婿が引き継ぐことになり、蒸留所の名前もまたミルトン蒸留所に代わることになりました。
そして、娘婿のジョン・ゲデス=ブラウンが引き継いでから50年は蒸留所が閉鎖されることになってしまいます。
救世主として2001年に、ペルノ・リカールとディアジオ社がシーグラムのスピリッツ部門を買収し、ペルノ・リカールの傘下で現在も経営が続いています。
ロイヤルサルートは前述でもご紹介したシーバスリーガルを製造したシーバスリーガルブラザースによって製造されました。
シーバスリーガルブラザーズは1801年に創業。
ロイヤルサルートは日本ではペルノ・リカール・ジャパンが取り扱いをしているスコッチのブレンデッドウイスキーです。
ロイヤルサルートの名称の由来は、1953年に行われた英国女王エリザベス2世の戴冠式で放った英国王室への敬意を表する21回の王礼砲(ロイヤルサルート)からきています。
これは王室メンバーの誕生日や結婚、戴冠式といった特別行事の際に打つ空砲になります。
儀式によって何発打つのかが決まっており、ウイスキーロイヤルサルートは、この時に空砲を21回鳴らすことから熟成年数「21年」にこだわりました。
ロイヤルサルートはロンドン塔から発砲される長い伝統を持つ「王礼砲」の儀式と繋がりのある唯一のブランドなのです。
戴冠式用に用意されたウイスキーでしたが、あまりに人気が出たため、継続して販売することになったのです。
美しい陶器のボトルが気になる方もいらっしゃると思いますが、「フラゴン」と呼ばれる陶製容器で18世紀後半頃に高価で稀少な酒を入れる容器として使用されていました。
こちらは英国の名門ウェイド・セラミック社製、同社はジョニーウォーカーやベルなどの水差しも造っています。
現在のボトルに描かれている騎士は、デザインの変更がありましたが、14世紀のバノックバーンの戦いでイングランドをに勝利した時のスコットランドの英雄「ブルース大王」だそうです。
バノックバーンといえばスコッチウイスキーとトマトジュースのカクテルでも有名ですね。
初めてリリースされた1953年のモデルは数量限定ボトルで中央に英国王室の紋章が記されており、後に現在のデザインへと変えられました。
フラゴンの色は青と赤と緑の3色がリリースされており、この色はエリザベス2世の戴冠式の時に使われた王冠を彩る宝石の色をイメージしています。
この宝石の色がルビー、サファイア、エメラルドなのでそれぞれ赤、青、緑なのです。
ちなみに陶器ボトルの色の違いはありますが、中身のウイスキーは変わりありません。
しかし、残念ながら2019年に赤のボトルは生産中止となりました。
緑ボトルはモルトブレンドとしてリリースされています。
ロイヤルサルートはブレンデッドウイスキーになります。
使われている原酒は空砲と同じ全て21年ものという贅沢品!
ブレンドの核となるのがキーモルトと呼ばれる原酒ですが、ハイランド地方に現存する最古の蒸留所で製造されているストラスアイラです。
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ちなみにストラスアイラはシーバスリーガルのキーモルトにも使われているのです。
キーモルトは他にストラスアイラ 第二の蒸溜所とされているグレンキースやスペイサイドの老舗であるザ・グレンリベット、アベラワー、ロングモーンなどといった原酒が使われています。
ロイヤルと銘うっているだけの自信に満ち溢れたリッチさと強さがウイスキーに込められています。
アルコール度数は40度でウイスキーにしては若干低めの割には水っぽさがなくコクのあるミディアムボディでバランスの良さは最高です。
色は少し赤みがかった琥珀色。
アロマはシェリーカスク由来でベリー系。
キーモルトにはストラスアイラの個性がバランスよく調和し、エレガントで華やかなフローラルでフルーティな味わいが豊かに感じられます。
中盤から後半にかけてドライでスパイシーな舌触り、味わいがあります。
ロイヤルサルートのおススメラインナップをご紹介します。
画像引用:ペルノ・リカール・ジャパン
21年以上熟成されたモルトとグレーンウイスキーのブレンドで、ブレンデッドウイスキーの中では最高級クラスと呼ばれています。
2019 インターナショナル スピリッツ チャレンジ ダブルゴールド受賞しています。
ボトルの青色はエリザベス2世の王冠のサファイヤを象徴した美しいデザインとなっています。
ローヤルサルート21年は、ボトルのデザイン変更に伴い、名称が「ローヤルサルート21年 シグネチャーブレンド」となりました。
シグネチャーブレンドとは「ブランドを代表するブレンド」という意味です。
アロマはフルーツ(柑橘系)の強さがありますが、その後、ふんわりとしたそれでいてスパイシーなヘーゼルナッツやフローラル系の風味が豊かです
味わいはオーク樽由来のウッディーな甘みと力強い花の香り、そしてわずかにスモーキーを感じられます。
舌触りはフルーティで滑らかかつクリーミィと複雑でリッチな気分を味わえます。
画像引用:ペルノ・リカール・ジャパン
ローヤルサルート 21年モルトブレンドはブランド史上初のヴァテッドモルト。
ヴァテッドモルトとは複数の蒸溜所で作られたモルトウイスキーのみを混合して作られたウイスキーになります。
ウイスキーの本場スコットランドの5つの地域から集められた21年以上熟成した貴重なモルトウイスキー21種類以上をブレンドした「シングルモルトのシンフォニー」とも言える逸品でシグネチャーブレンドより格上のウイスキーとなります。
ワールド・ウイスキー・アワード(WWA) 2019 ベスト スコッチ ブレンデッドモルト受賞をしています。
アロマは洋ナシや桃などの香り立つ果汁豊かな熟したフルーティさ。
そこへジャムやスミレの爽やかなフローラルな香りが加わります。
味わいはクリーミィでバニラ香、南国のフルーツやプディングのような甘味が豊かですが、ほのかにフィニッシュにはクローブのスパイス感の後味があります。
ローヤルサルート21年 ブレンデッドグレーンもロイヤルサルート史上初の21年熟成されたグレーンのブレンデッドウイスキーです。
21年熟成でグレーンというのが非常に珍しく、数朗限定発売となっています。
真っ白な磁器ボトルにシルバーのコルクストッパーが美しいこちらは味わいを表すかのようです。
主にアメリカンオーク樽で熟成されたグレーンウイスキーで今までにないクリーミィな甘みと舌ざわりに特徴があります。
また、通常のウイスキーの工程では樽から出したままの状態だと温度が低くなった時に、溶け込んでいたうま味成分を含む沈殿物がでます。
そのためチルフィルタード(冷却ろ過)を行うのですが、ブレンデッドグレーンは冷却ろ過をしないノンチルフィルタードです。
そのため、原酒本来の味わいをしっかりと味うことができます。
アロマは上質なバニラアイスクリーム、トフィー、熟した桃、ベリー系の優雅さ。
味わいはハチミツや、ジャム、かすかな苦み、香ばしいナッツが印象的で甘みが長く続きます。
画像引用:royalsalute.com
「ロイヤルサルート 21年 ビーチポロエディション」は、イギリス王室の伝統競技であるビーチポロとロイヤルサルートとのコラボレーションでつくられたボトルです。
ビーチで行われる競技ということもあって潮風を思い起こすような潮っぽさも感じられます。
このボトルは、オーク樽で21年以上熟成した原酒をブレンドしてボトリングされています。
アロマは、夏の夜のノスタルジーに浸れるようなソルティーでスモーキーな香りやアプリコットや洋ナシの他、乾いた草の香りが軽くします。
味わいは、キャラメル、ドライフルーツなどの甘みにオーク材の風味が加わります。
フィニッシュは、スモーキーな潮風にキャラメルの甘さ混ざったような感じが舌にのこります。
画像引用:Amazon.co.jp
ロイヤルサルート38年にはボトルには、スコットランドの王と女王の戴冠式に用いられ、権威の象徴とされる「ストーン・オブ・デステニー」をイメージした石があしらわれています。。
そのため「ロイヤルサルート ストーン・オブ・ディスティニー(運命の石)」という呼び名でよばれることもあります。
アロマはシェリー香を帯びたオークの香り、黒いベリー系果実(ブルーベリーやラズベリー、ダークチェリーなど)のフルーティな香りを感じます。
味わいは、ベリー、ドライフルーツやはちみつの甘み。
38年物ですが、新鮮さを感じる甘くフルーティな風味が特徴です。
画像引用:四国新聞社
ロイヤルサルート50年はイギリスのシーバスブラザーズ社マスターブレンダー、コリン・スコットがオーク樽で50年以上熟成した原酒を厳選してブレンドさせてボトル詰めしています。
このボトルは、2003年にエリザベス2世戴冠50周年を記念してリリースされたウイスキーで、全世界で255本限定で販売されました。
また、このボトルにはシリアルナンバーが刻印されており、日本国内ではわずか6本のみキリンビールによって販売されました。
舌触りは滑らかで風味は南国フルーツの甘みと心地よいスモーキーさが同居したリッチな味わいが特徴です。
画像引用:Amazon.co.jp
ロイヤルサルート 100カスクは、名前の通り、100樽の原酒をブレンドしています。
名称とデザインを刷新して2019年秋にリリースされたており、オフィシャルボトルの中では最高級で現在最も力を入れている商品といっていいでしょう。
2009年、2010年に連続でIWSC(インターナショナル・ワイン&スピリッツ・コンペティション)で金賞を受賞しています。
香りは旧21年と似ており、洋ナシ、オレンジピール、まろやかなハチミツ。うっすらとシナモンスパイス。
味わいはクリーミーで、滑らか。
トフィとハチミツやバニラのコク、オーク樽の熟成した風味、フルーティな甘みの後にスパイシーでスモーキーな風味が続きます。
画像引用:royalsalute.com
こちらのボトルは2018年におこなわれたヘンリー王子とメーガン・マークル女史の結婚式を記念してリリースされたスペシャルエディションです。
ロイヤルサルートで唯一100%アメリカンオーク樽で熟成された原種を使用し、最長で55年熟成の原酒に夫妻の年齢、36年、33年ものの原種もブレンドされているこだわりの一品。
70本限定リリースというレアなボトルです。
アロマはバニラアイスクリームとチョコレートからマーマレードにスパイスをプラスしたようなスパイス感が鼻をぬけます。
味わいは豊かなフルーティーさ、南国のフルーツのフレーバーに続いて、アーモンドとダークチョコレートジンジャースイーツへと導かれます。フィニッシュは滑らかなバニラが長く、甘いです。
おすすめの飲み方はストレートかロックがいいでしょう。
全体的に軽い味わいなので、フィニッシュにタンニンがすっと消えます。
そのため、少量の加水は大丈夫ですが、多いと繊細な香りが飛んでしまう恐れがあります。
加水する場合、香りが立ちやすいボウルが長めのグラスに注いで、少しずつお水を加えてください。
ロイヤルサルートにロックが合うのはよく知られており、タンニンが浮つかず、そのブレンドのバランスと個性が楽しめます。
シーバスリーガルと比較されがちなロイヤルサルートですが、21年ものの原酒で揃えているため、お値段はお高めですね。
しかし赤・青・緑の旧ボトルは2019年あたりから姿を見せなくなり残念です。
コレクターの人にとっては自宅においてインテリアとしても欲しい一品でしょう。
ピートがほとんどなく飲みやすいので初心者の方にもおすすめです。