ラフロイグ 10年とは? スモーキーな味わいとおすすめの飲み方を紹介
- ウイスキー銘柄
スカラバスは日本でも大人気のボトラーズのスコッチウイスキーです。
2019年の初回入荷以来、高い評価を受けリピーターが続出となり、度々一時欠品してしまうほどの人気アイテムとなりました。
その全貌はシークレットとされていますが、世界的に人気の高いアイラ島の単一蒸留所の原酒100%であり、非常にコストパフォーマンスの高い1本です。
ボトラーズとは、ブレンダーや瓶詰め専業のボトラー(インディペンデントボトラーズ)が蒸留所から樽ごと仕入れたウイスキーを独自に熟成し、瓶詰めして販売したものです。
仕入れた時よりもさらに熟成させる、樽を変えて熟成させる、他のウイスキーとブレンドするなど、ブランド独自の仕上がりが魅力と言えます。
特に、最近のオフィシャルボトルではリリースされない長期熟成のウイスキーが楽しめるのはボトラーズウイスキーの大きな魅力です。
ハンターレイン社は元はダグラスレイン社を支えてきた二人の兄弟が後継者のために2013年に分社をして、兄のスチュワート・レインによってたちあげられた会社です。
本記事ではの種類と製法と歴史について解説し、おすすめの飲み方も紹介します。
この記事のポイント
画像引用:https://www.hawe-bremen.de/whisky/hunter-laing
スカラバスはハンターレインというボトラーズからでたスコッチウイスキーです。
1948年、クラスゴーに創立したダグラスレインというボトラーがハンターレインの前身になりますが、ダグラスレインは初めは海運業者でした。
その当時、ブレンデッドウイスキーの需要が非常に高まっており、スコッチウイスキーの輸出業に進出、そこからダグラスレインの歴史が始まりました。
ダグラスレインはその高い品質が好まれており、生産者かつブレンダーとしての一面を持つ彼らは、シングルモルトとしての基準に満たない樽は全てブレンデッドウイスキーへ回し、品質に妥協しないリリースを続けてきました。
同社は2013年に分社をして、弟のフレッド・レイン氏がダグラスレインという会社名を引き継ぎ、現在では娘のキャラ・レイン氏と共に同社を運営しています。
兄のスチュワート・レインの方がハンターレイン社をつくり、変わらぬ品質の高いリリースを続けています。
レイン家三代目にあたる、スコットやアンドリュー・レインもこれまでシングルモルト業界で培った経験で、父を支えています。
(ちなみにアンドリュー氏は自身のオリジナルブランド「ファースト・エディションズ」のリリースも続けています。)
さらにあの伝説的な名物ディスティラー、ジム・マッキュワン氏も経営に携わっています。
ジム・マッキュワンと言えば、ボウモア蒸留所で35年以上働いていた経験があり、ブランド・アンバサダーも務めた経験があるすご腕です。
ブルイックラディ蒸留所の立て直しの際にも事業計画の責任者として腕をふるいましたね。
また、スチュワート・レイン氏には18歳からの夢があり、その夢も半世紀の時を経てじつげんすることとなりました。
1965年、18歳だったスチュワートスチュワートは当時親戚が経営していたアイラ島のブルックラディ蒸留所に働きに出ていたのですが、その時に自身も
「アイラ島に蒸留所を建てたい」
と思っていたのです。
そして創立できたのがアードナッホー蒸留所でした。
今後の動向から目が離せない、いま一番注目のボトラーかもしれません。
蒸留所は2016年から計画が始まり、2018年11月に操業開始しました。
2019年4月に一般公開され、大規模なビジターセンターには、多くの人が訪問しています。
ハンターレイン社では、この蒸留所の開設を祝して2017年から”FEIS ILE KINSHIP”というアイラウイスキーのセレクトボトルをリリース、毎年アップデートがされています。
画像引用:https://www.hawe-bremen.de/whisky/hunter-laing
スカラバスはノルド語で『岩の多い場所』という意味を指します。
アイラの秘境の地名にちなんでいるようです。
ラベルデザインにはイラストにジョン・フランシス・キャンベルの発明した日照計が描かれています。
これは、彼と同じく、強い好奇心と探求心を持って作られたウイスキーであることが込められています。
しかし、その製造工程は謎に包まれており、リフィルのバーボン樽とアメリカンオークの新樽で熟成されていることはわかっていますが、蒸留所名と熟成年は完全にシークレットとなっています。
但し、間違いなくアイラでつくられたシングルモルトで素晴らしい見た目と味わいに考えられないコスパの良さがあります。
アイラモルト特有の潮っぽさとスモーキー感が独特で甘みはふわっと一瞬で消える感じがします。
非常にピーティなウイスキーといえるでしょう。
すこしたつと甘いフルーティさも感じられます。
キーモルトは非公開ですが、アイラで作られたモルトがはいっているようです。
スカラバスのおすすめラインナップをご紹介します。
画像引用:Amazon.co.jp
スカラバスの定番でスタンダードなボトルとなります。
金色のカリグラフィが施された目を引くラベルが印象的ですね。
全体的にアイラのピートスモークと潮っぽさが特徴的です。
ヨード香もしっかり感じられます。
シークレットにはなっていますが、香りも味わいもアイラ島しか考えられないといったところです。
アロマはバーベキューをした時のような煙っぽさがあり、柑橘類、カラメル、オレンジピール。
味わいはオイリーでしっかりとした厚みのあるボディが感じられ、麦ジュースのような甘味、レザーのようなビター、バニラ香と続きます。
フィニッシュは非常に長く、中々鼻腔から香りがはなれていかないほどしっかりとしたボディをもっています。
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初となる熟成10年のこちらは甘いピートとスモーク感に加えて、10年熟成により複雑な香味が加わっています。
熟成にはバーボン樽の後にアメリカンオークの新樽に詰め替えて最低10年熟成した原酒ということは公開されています。
香りは香ばしい甘みでビスケットやクラッカー、レザー、メンソール、深いスモークとピートがあります。
厚みはフラッグシップモデルよりも厚く、しっかりしています。
熟成がある分だけ丸みを帯びて甘さとスパイシーさが絶妙に同居している感じです。
フラッグシップと違い、煙っぽさはありますが、香ばしいビスケットのような甘さが感じられて飲みやすい仕上がりになっています。
味わいはピートスモークやレザー、シナモンなどのスパイシーさも感じられ、とろりと滴るハチミツがそれらを優しく包み込み、まろやかで魅力的な長いフィニッシュへと続きます。
画像引用:Amazon.co.jp
こちらはカスクストレングス、つまり加水によるアルコール調整はされずに瓶詰めされたものになります。
ハイプルーフ、つまり高いアルコール度ならではの強い刺激が特徴的。
ちなみにアルコール度は57 度もあります!
フラッグシップのピート感や甘さについては変わりませんが非常にオイリーで潮っぽさも強いです。
甘さは感じられますが微かにといったところで、バニラ香やスパイシー感があります。
一番のおすすめはハイボールになります。
スモーキーで潮っぽさが特徴のスカラバスは炭酸のスパイシーさとあいまってぴったりです。
次におすすめなのが水割りとなります。
トワイスアップまで加水すると少しぼやけた印象になるので、お好みで調整してみましょう。
バーベキューのような煙っぽさがあるので、食欲をそそり、食中酒などにもぴったりです。
非常に目を引く金のラベルに味わいはスモーキーで潮っぽさをもっているスカラバスは非常に個性が強めでありながら、人気のウイスキーになります。
売り出し方も巧みで自分の夢に探求心をもっている創業者、スチュワート・レインは次々と夢を実現させており、まだまだ将来が楽しみなボトラーズですね。