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スコッチウイスキーとバーボンウイスキー!原料や製法の違いとは?

2021.09.29 / 最終更新日:2024.10.21

ウイスキーは世界各地でつくられている蒸留酒ですが、産地によって香りや味に違いがあります。

とくにはっきりした差が見られるのは、世界の5大ウイスキーに数えられるスコッチウイスキーとアメリカンウイスキーの代表格であるバーボンウイスキーです。

この2つのウイスキーの違いは、何によってもたらされているのでしょうか。

この記事では、スコッチウイスキーとバーボンウイスキーにはどのような違いがあり、何によって差が生じているのかを解説します。

スコッチウイスキーの原料や製法の特徴

スコッチウイスキーとは、スコットランドの蒸留所でつくられているウイスキーのことです。

ただし、スコットランドでつくられてさえいれば、すべてスコッチウイスキーと呼べるわけではありません。

法律で細かく定義されています。

スコットランドの蒸留所でつくられているということは前提条件です。

それを満たしたうえで他の条件も満たして初めてスコッチウイスキーと呼べるようになります。

スコッチウイスキーは、まず主な原料が穀類でなければなりません。

大麦麦芽でつくるモルトウイスキーと、とうもろこし、ライ麦、小麦などの穀類でつくるグレーンウイスキーがあり、これを混ぜ合わせるブレンデッドウイスキーが存在します。

大麦を発芽させたものを蒸留するという条件を満たしつつ、その蒸留所で処理された原料を、その蒸留所の内生酵母だけで発酵可能な状態(糖化するなど)することが求められます。

また、蒸留後のアルコール度数についても厳格な決まりがあり、94.8%未満です。それは、原料由来の風味や、熟成など製造の過程でついた持ち味が蒸留後にも残るようにするためです。

貯蔵用の樽はオーク樽で、容量は700リットル以下、熟成はスコットランドで終えられている必要があります。

熟成の場所も、スコットランド国内の許可された場所のみです。

香りや味が製造や熟成の過程でついたものに限られるため、水や無味カラメル着色料、以外を使うことも禁止されています。

製品として売り出す際には、最低でもアルコール度数が40%以上でなければなりません。

製造には単式蒸留器を用い、蒸留の回数は2回が一般的です。

バーボンウイスキーの原料や製法の特徴

バーボンウイスキーは、アメリカ合衆国でつくられているアメリカンウイスキーの一種です。

とくにケンタッキー州でつくられている、トウモロコシを主原料としたウイスキーをバーボンウイスキーと呼びます。

バーボンウイスキーについても、原料や製法が法律で厳格に決められています。

原料の半分以上がトウモロコシでなければなりません。51%以上がトウモロコシで、それ以外の原料としてライ麦、大麦、小麦などの穀類を使用します。

ただし、トウモロコシの割合が80%以上になった場合は、バーボンと呼ばずにコーンウイスキーと呼ばなければなりません。

蒸留は連続蒸留器を使うことができますが、最終的なアルコール度数80%以下です。

本来であれば、連続蒸留器を使って蒸留すると、アルコール度数90%を超える原酒に仕上がってしまうため、原料由来の風味が失われてしまいます。

しかし、バーボンの場合は、アルコール度数80%以下で蒸留するという決まりが設けられており、実際の蒸留では70%前後です。

そのため、連続蒸留器を使用しているにも関わらず、原料由来の風味がしっかり残った原酒になります。

スコッチウイスキーなどの蒸留では、原料の風味が残りやすい単式蒸留器を用いますが、その場合のアルコール度数も70%前後です。

つまり、単式蒸留器を使ったときと、原料由来の風味の残り方に大きな差がありません。

熟成に用いる樽はオーク材でつくった新樽でなければならないという決まりもあります。

しかも、内側を焦がしたものでなければなりません。樽の内側を焦がす工程をチャーというのですが、この工程の有無で熟成後の原酒の風味が大きく変わります。

元々早く熟成させるために行ったのですが、バーボン独特の香りがこの工程によって生まれているといっても過言ではありません。

樽詰めする際には、アルコール度数を62.5%以下にする必要もあります。

とくにストレートバーボンと名乗るためには、熟成期間は2年以上でなければならず、瓶詰の際には加水せずアルコール度数40度以上を保たなければなりません。

まだある2つのウイスキーの違い

原料や製法以外にもスコッチウイスキーとバーボンウイスキーには違いがあります。

主なものは熟成樽と、熟成期間、味、アルコール度数です。熟成樽については、定義の部分でも少し触れていますが、スコッチウイスキーの場合、樽のサイズと熟成場所に関する決まりしかありません。

そのため、シェリー酒やバーボンウイスキー、ワイン、ビールなどさまざまな酒類の熟成に利用した樽を使用することができます。

使用済みの樽を熟成に利用することで、風味豊かなウイスキーに仕上がるのです。

一方、バーボンウイスキーは内側を焦がしてあること、新品であること、材質はホワイトオークであることなど細かい取り決めがあります。

このような樽の違いが影響するのが熟成期間です。

バーボンウイスキーは内側を焦がした新樽を用いるので熟成期間が短く、最低2年、一般的なもので4~6年ほどになります。

スコッチウイスキーは古樽での熟成なので、じっくり風味を移すために最低3年以上、一般的なもので10~12年の熟成期間です。

風味の違いは、甘味に最も現れます。

スコッチウイスキーの甘味は、フレッシュなフルーツの甘味、ドライフルーツのような甘味、チョコレートのような甘味などさまざまです。

それらの甘味が、酸味や苦み、スパイス、スモーキーなどと複雑に絡み合って感じられます。それに対して、バーボンはカラメルのような強い甘味がダイレクトに感じられるのが特徴です。

甘味の感じ方が口当たりにも影響するので、スコッチウイスキーとバーボンウイスキーは甘味を比較すると持ち味の違いが分かりやすいでしょう。

アルコール度数は、製法の違いによって、バーボンウイスキーの方が高くなります。

蒸留の回数が多いほどアルコール度数が高くなるからです。

スコッチウイスキーは単式蒸留器でふつうは2回、多くて3回程度の蒸留ですから70%がせいぜいですし、瓶詰めの際には40度前後まで下げられます。

しかし、連続蒸留器を使用できるバーボンウイスキーは、アルコール度数を上限まで上げると80%近くまで上げられます。

通常は70%程度ですが、揚げたアルコールをほとんど下げずに瓶詰めする場合もあり、アルコール度数が高いウイスキーの銘柄上位はほとんどがバーボンウイスキーです。

飲み比べて原料や製法の違いを味わう


スコッチウイスキーとバーボンウイスキーは実際に飲み比べてみると、原料や製法の違いを実感できるでしょう。

手ごろな価格で手に入り、それぞれのウイスキーの特徴をしっかり味わえるものとしては、スコッチウイスキーはシーバスリーガル12年バランタインファイネストがおすすめです。

スコッチウイスキー特有の甘味、苦味、スパイシー、スモーキーをバランスよく感じられます。

バーボンウイスキーは、ワイルドターキー8年あたりが飲みやすいでしょう。

バーボンらしさを感じつつ、初心者でも味わいやすい銘柄です。

単独で飲むと原料由来の味わいがわかりにくいかもしれませんが、飲み比べてみることで、原料が違うことで生まれる味わいの違いにも気付けるでしょう。

おすすめのウイスキーであるバランタインについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。

バランタインの種類やおすすめは?味の特徴や飲み方についても解説

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