山崎 ノンエイジ/NV(ノンヴィンテージ)とは? 味わいとおすすめの飲み方を紹介
- ウイスキー銘柄
スターワードは、オーストラリアのメルボルンで造られている五大ウイスキーに属しないシングルモルトウイスキーです。
その製法はワインの生産が盛んなオーストラリアらしいワインの製造知識を取り入れたウイスキー造りを行っています。
濃厚なフルーツの香りが特徴的であり、ワインの風味が強く出ており、メジャーなウイスキーにはない独特の風味を持っている銘柄です。
この記事では、スターワードの種類と味わい、おすすめの飲み方を紹介します。
この記事のポイント
スターワードは、オーストラリアのメルボルンにあるスターワード蒸溜所で製造されているシングルモルトウイスキーです。
オーストラリアはこれまでウイスキーの生産が盛んではない地域ではありましたが、デーヴィッド・ヴィターレ氏を中心にオーストラリアの特徴を活かしたウイスキーの生産を開始しました。
オーストラリアはお酒でもワインの生産が盛んであることから、熟成に赤ワイン樽を使用しており、ワインの風味が強く出ている銘柄です。
スターワードの歴史と製造方法について見ていきましょう。
オーストラリアは寒暖差が激しい地域であるため、スコットランドをはじめ冷涼な気候が適しているといわれていたウイスキーはほとんど生産されることがありませんでした。
オーストラリアの一般的な人々がウイスキーを飲む習慣はなく、富裕層が嗜むためのお酒であったため、流通しているほとんどのウイスキーが高級な銘柄です。
2007年、スターワード蒸溜所を創業したデーヴィッド・ヴィターレ氏は手ごろな価格で楽しめるだけでなく、世界にも評価されるウイスキーを造るという信念のもと、オーストラリアウイスキーの製造に取り組みました。
タスマニアのラーク蒸溜所でウイスキーの製造を学びますが、タスマニア流のウイスキーはあえて踏襲せず、独自のウイスキー作りを追求します。
スターワード蒸溜所は、オーストラリアで生産が盛んな赤ワインの樽や製造方法をウイスキーにも応用した特徴的な製造方法です。
オーストラリアウイスキーは自国や世界中の人々に受け入れられており、メルボルンの人気レストラン「カトラー&Co.」がスターワードのプライベートカスクをボトリングすると、スターワードの限定ウイスキーを求めて多くの人々が殺到し行列を作りました。
台湾のカヴァラン、インドのアムルットなど、近年では5大ウイスキー以外にも新規精鋭のウイスキーが評価されており、スターワードもこちらのウイスキーと同様にディープな愛好家から人気を集めています。
5大ウイスキー以外の新規精鋭のウイスキーの味わいについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
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オーストラリアでは赤ワインの生産が盛んであるため、ワイン樽の調達に困ることはありません。
スターワードはオーストラリアで生産された赤ワイン樽を利用して熟成を行いますが、まだワインを取り出したばかりの湿っている樽にウイスキーを直接詰め込んで熟成させるのが特徴です。
ウイスキー樽は、バーボン樽・シェリー樽などのお酒を熟成させた樽を再利用しますが、通常は樽に残っているバーボンウイスキーやシェリー酒などの成分を排出するなどの処理を行うのが一般的です。
スターワードはウイスキーをワインと樽材の両方に触れさせることで相互作用を引き出すことを狙いに、あえてワイン樽に関して熟成前に処理を行っていません。
スターワードから感じられる濃厚なフルーツとブドウのタンニンが感じられるワインの風味は、オーストラリア産の赤ワイン樽によって生まれています。
加えて、オーストラリアは寒暖差の激しい地域であるため、ウイスキーの熟成が速く進みやすく、早期熟成にもかかわらず濃厚な熟成感のあるウイスキーが生まれています。
冷涼な気候がウイスキーの製造に適しているといわれる理由には熟成によってウイスキー樽から蒸発する天使の分け前が少ないこともあり、温暖な地域や寒暖差の激しい地域では天使の分け前がどうしても増えてしまうデメリットは無視できません。
しかし、台湾をはじめ温暖な地域のウイスキー造りが評価されている現状を考えれば、熟成を早める気候もウイスキーの製造に適しているといえるでしょう。
ウイスキー樽の種類でウイスキーの味わいは大きく変わります。それぞれの樽の特徴についてはこちらで紹介しています。
スターワードの種類と味わいについて紹介します。
画像引用:https://whisk-e.co.jp/products/starward_nova/
スターワード ノヴァは、いくつかの種類があるスターワードのなかでもスタンダードに位置するボトルです。
レッドベリーの香りに赤ワイン樽由来のブドウのタンニンが感じられ、樽材由来のキャラメルやスパイス感のある味わいです。
スターワードでどの銘柄から飲むべきかわからない方は、こちらの銘柄を探して飲むことをおすすめします。
画像引用:https://whisk-e.co.jp/products/starward_solera/
スターワード ソレラは、オーストラリアの酒精強化ワイン「アぺラ」の熟成樽を使用しており、ソレラはアペラの熟成方法に由来します。
アプリコットやトロピカルフルーツのライトでフルーティーな香りとクリームブリュレの甘い味わいが感じられます。
少量限定生産の希少なウイスキーになりますが、ワールドウイスキーアワードでも金賞を受賞した実績ある銘柄です。
画像引用:https://whisk-e.co.jp/products/starward_twofold/
スターワード トゥーフォールドは、スターワード蒸溜所がベストオーストラリアンウイスキーイノベーターを受賞した際に話題になった銘柄です。
りんごの香りとパイナップルの甘い味わいがあり、ストレートでも飲みやすいボトルとなっています。
飲みやすさを重視するならスターワードのなかでもトゥーフォールドが多くの人から評価されているようです。
画像引用:https://whisk-e.co.jp/products/starwardfortis/
スターワード フォルティスは、シラーズ・カベルネ・ソーヴィニヨンの赤ワイン樽で熟成させた原酒を使用した銘柄です。
50%という高いアルコール度数から、キャラメルに包まれたイチジクの香りとチョコバナナのような甘い風味、オークのスパイスがフィニッシュとして感じられます。
アルコール度数の高さからスターワードが持つ風味を味わいやすく、複雑に絡み合う味わいが楽しめます。
画像引用:https://www.shinanoya-tokyo.jp/view/item/000000017359
スターワード オクタブバレルの、オクタブは樽のサイズのことであり、バットやバレルよりも小さい樽のことを指します。
小さな樽で熟成させると短期間の熟成であってもウイスキーの味わいはより濃厚になり、レーズンや熟した桃の風味が強く感じられます。
2022年にサンフランシスコ ワールドスピリッツ コンペティションで最高金賞を受賞したことから話題となっている銘柄です。
ウイスキー樽の大きさについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
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画像引用:https://whisk-e.co.jp/products/starwardtawny2/
スターワード タウニーカスクは、ポートワインタイプの酒精強化ワインであるタウニーを熟成させた樽を使用して熟成させたシングルモルトウイスキーです。
イチジクやオレンジの甘い香りに、ブラウンシュガーの甘味があります。
スターワードではさまざまなワイン樽を用いて熟成が行われており、ウイスキーとワイン樽の組み合わせによる味わいを広げています。
画像引用:https://www.shinanoya-tokyo.jp/view/item/000000014954
スターワード レッドワインカスクは、4年熟成の赤ワイン樽で熟成されており、シングルカスクでのリリースです。
ベリー系の果実やジャムのような爆発的なフルーツの香味にトフィーやミルクチョコレートの甘味が感じられます。
スターワードのシングルカスクが気になる方はこちらの銘柄を探してみると良いでしょう。
画像引用:https://item.rakuten.co.jp/sakefuji/23030412/
スターワード ヴィタリスは、スターワードの創業15周年を記念して、10年熟成の原酒までヴァッティングした記念ボトルです。
レーズンとパイナップルの風味に苦みを感じるコーヒーがオイリーな口当たりとともに広がる完成度の高い銘柄です。
現状ではスターワードのなかでも最高級に位置しているので、リリースしてから間もない入手しやすい時期に飲むのがおすすめになります。
スターワードのおすすめの飲み方を解説します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
スターワードの赤ワイン樽由来の濃厚な風味を余すことなく味わうのであればストレートがおすすめです。
ブドウのタンニンが感じられるワイン樽のウイスキーを堪能しましょう。
アルコール度数が50度を超える銘柄もあるため、水や炭酸水などのチェイサーを忘れないようにしてください。
ストレートで美味しいウイスキーの条件についてはこちらの記事で紹介しています。
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スターワードは、高級路線ではなく気軽に飲めることを重視しているため、ハイボールで飲むのも相性が良いです。
フルーツの香りがより花開き、爽快感のある味わいにしてくれるので、ウイスキー初心者の方も気軽にオーストラリアのウイスキーを楽しめます。
シングルモルトをハイボールにするのはもったいないかどうかはこちらの記事で紹介しています。
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スターワードは、ウイスキーの生産地としてはメジャーではないオーストラリアで生産された新規精鋭のシングルモルトウイスキーです。
赤ワイン樽による熟成を強みとしており、他の銘柄にはない個性を持っていることから、マンネリを感じていて新しいウイスキーを飲みたい方はもちろん、飲みやすさからウイスキー初心者にもおすすめできます。
スターワードの種類はさまざまありますが、最初に飲むならスタンダードに位置するスターワード ノヴァを探すのが良いでしょう。