サーデイヴィス シグネチャーとは? 味わいとおすすめの飲み方を紹介
- ウイスキー銘柄
サントリーオールドは、日本を代表する酒類、飲料水のメーカーであるサントリーが販売するブレンデッドウイスキーです。
その特徴的なボトルデザインから、だるま、黒丸、たぬきなどの愛称で知られています。
シェリー樽で熟成された原酒を使用したこちらのウイスキーは、甘い香りと風味が特徴的であり、まろやかな味わいです。
この記事では、サントリーオールドの種類と味わい、おすすめの飲み方を紹介します。
この記事のポイント
サントリーオールドとは、サントリーが製造するジャパニーズウイスキーであり、シェリー樽の原酒を使用したブレンデッドウイスキーになります。
ボトルデザインの特徴を表すなら「黒くて丸い」ではないかと思いますが、そのボトルデザインからだるまをはじめ、黒丸、たぬきとも呼ばれました。
シェリー樽で熟成された原酒を使用しており、レーズンやベリーのような熟した果実のフレーバーを持っています。
サントリーオールドの歴史と製造方法について見ていきましょう。
サントリーオールドがこの世に誕生したのは1940年のことであり、発売は1950年でした。
酒類の公定価格が撤廃され、日本では酒類の価格を自由に設定できるようになったため、庶民向けであったトリスとは異なる、ワンランク上のウイスキーが求められます。
サントリーオールドは、当時としては高嶺の花であり、出世してから飲む酒といわれることもありました。
店頭に並ぶことすらほとんどなかったので、サントリーオールドは当時としては国産ウイスキーの最高峰でした。
店舗で販売されることが少なくなっている背景は違いますが、現在でいうところの山崎といえば分かりやすいのではないでしょうか。
しかし、国産ウイスキーの高級化の先駆けとして生まれたサントリーオールドは、現在ではリーズナブルな価格で飲みやすいウイスキーとして知られています。
1980年代の酒税法の改正と関税の引き下げにより、スコッチウイスキーなどの良質なウイスキーがより安い価格で輸入されるようになったことで、高級国産ウイスキーという立ち位置は危ぶまれていいきます。
サントリーオールドの売上は大きく下がり、この出来事はオールドショックと呼ばれました。
オールドショックをきっかけにサントリーオールドの価値は下がりましたが、味わいは現在も発売当時に近い風味が再現されていると言われており、今でも世界中に愛好家がいる多くの人に愛されるウイスキーになったのです。
当時のサントリーオールドは、非常に高い人気を誇ったにもかかわらず、品切れになることはありませんでした。
そのため、このウイスキーは人々に愛されながらもさまざまな疑惑を生んできました。
その悪評のひとつに、サントリーオールドはそもそもウイスキーではないという疑惑があります。
1981年、日本消費者連盟は当時のサントリーオールドの成分構成に関する情報を入手しました。
項目 | 割合 |
モルト原酒 | 27.6% |
グレンウイスキー | 45.1% |
汲水 | 26.1% |
甘味果実酒 | 0.8% |
リキュール | 0.4% |
カラメル | 0.6% |
グレンウイスキーは、ブレンデッドウイスキーの代表的な構成原酒であるグレーンウイスキーではなく、渓谷という意味を持つグレンであり、山崎峡という地名から名づけられたものです。
しかし、このグレンウイスキーは熟成樽による熟成を経た正当なウイスキーではなく、アルコールの原酒に穀物アルコールを加えたものではないかと疑われました。
さらに、甘味果実酒、リキュール、カラメルがブレンドされているということは、ウイスキーに混ぜ物をしていることになります。
これらが事実であれば、サントリーオールドはスコッチ、バーボンなどの代表的なウイスキーの基準においてウイスキーを名乗ることができないといえます。
当時のサントリーオールドがウイスキーであったかどうかは疑惑の真偽を含めて、酒税法やジャパニーズウイスキーの基準に対する整備が進んでいなかったことから、判断が難しい問題になります
現在では、サントリーオールドは改良が加えられ、ウイスキーを問題なく名乗れるようになりました。
ジャパニーズウイスキーの定義について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
サントリーオールドの種類と味わいについて見ていきましょう。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
画像引用:https://www.suntory.co.jp/whisky/products/0000000038/0000002351.html
サントリーオールドのスタンダードボトルであり、現在の時点で流通している唯一のオフィシャルボトルになります。
山崎蒸溜所で製造されるシェリー樽の原酒が使用されており、レーズンやベリーの熟した果実の甘みが特徴です。
かつては高嶺の花と呼ばれていましたが、甘くて飲みやすく、クセも少ない上に、価格も入手しやすいウイスキーになったためウイスキー初心者にもおすすめの銘柄となりました。
画像引用:https://www.kabukiwhisky.com/miniature/suntory/blended/kbm702/?sl=ja
ラベルデザインには特級の文字がある1989年以前に販売された当時のサントリーオールドになります。
酒税法において等級制は現在のウイスキーでは廃止されましたが、特級表記はサントリーオールドの中でも最高級であることを示すものです。
味わいに関しては、同じ特級表記であっても、製造年月日や保存状況によって大きく変わるため、風味が一定ではない点に注意が必要になります。
画像引用:https://news.mynavi.jp/article/20070907-a001/
サントリーオールドにはTHEが表記されていた時代があり、それは2008年に取りやめられています。
2007年に販売されたのがアルコール度数43%のTHE サントリーオールド プレミアムです。
以降のサントリーオールドは原点回帰し、昔の味わいを再現するような風味となっていますが、こちらのボトルはサントリーオールドとは異なる複雑でコクのある味わいを目指したといわれています。
画像引用:https://www.suntory.co.jp/news/article/13991.html
2021年にサントリーから販売された寅歳をモチーフにしてデザインされた干支ボトルのサントリーオールドになります。
サントリーから販売されている干支シリーズは、年末年始の風物詩となっており、サントリーオールドをはじめ、同社の銘柄において干支をモチーフにしたデザインが販売されているのが特徴です。
年末年始に縁起の良いデザインのサントリーオールドを飲みたい方におすすめになります。
サントリーオールドは、1950年の発売から現在に至るまで販売が続けられてきました。
古いボトルを購入することで注目されるのが特級表記であり、かつての酒税法に基づいた級別制度で必要とされました。
そのため、1989年以前に発売されたサントリーオールドには特級の表記がされているため、年代を見分けるうえで重要なポイントになることでしょう。
また、寿屋からサントリーへの社名変更は1963年であるため、1950年代から60年代前半の初期のボトルにはSUNTORYではなくKOTOBUKIYAと記載されています。
概要 | 年代 |
「KOTOBUKIYA」表記あり | 1950年~1963年頃 |
特級表記あり | 1989年以前 |
上記の表記なし | 1990年代以降 |
そのため、サントリーオールドの簡単な年代の見分け方としてはKOTOBUKIYAと記載されたものが1950年代から60年代の最初期、特級表記があるボトルが1989年以前のオールドボトル、どの表記もない場合は1990年代以降の近年に発売されたものと考えられます。
サントリーオールドのおすすめの飲み方を紹介します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
水割りは、日本で広く流行しているウイスキーの飲み方であり、当時のサントリーオールドが飲まれた時代を考えるなら適しているといえるでしょう。
サントリーの二本箸作戦と呼ばれる戦略により、バーだけでなく、日本の料亭にも置かれることが多くなったサントリーオールドは、寿司や天ぷらなどの日本料理と一緒に飲まれることが多かったからです。
食中酒として飲む場合は、水の配分を多くしてウイスキーを薄めて飲むと、クセがなくスムースな口あたりであるため、とんかつなどの油料理との相性も良いのでおすすめになります。
水割りの作り方についてはこちらの記事で紹介しています。
ウイスキーの水割りでおすすめの銘柄をご紹介!作り方やポイントなど
ハイボールは、サントリーオールドが生まれてから後に流行った飲み方ですが、こちらの飲み方もおすすめです。
サントリーオールドが持つ甘みのある味わいに爽快感が加わるので、ゴクゴクと飲むことができます。
水割りと同様に炭酸水の配分を上げれば、食中酒にもできる飲み方になります。
サントリーオールドは、かつては高嶺の花と呼ばれた存在でしたが、現在ではリーズナブルな価格で飲めるようになった飲みやすいウイスキーです。
そのため、ウイスキー初心者が挑戦するウイスキーとしても最適になります。
山崎蒸溜所のシェリー樽原酒がブレンドされていることから山崎を思わせる風味もあるので、現在では入手が困難になっている山崎の代わりに普段飲みのお酒や、食中酒にするのもおすすめです。