山崎 ノンエイジ/NV(ノンヴィンテージ)とは? 味わいとおすすめの飲み方を紹介
- ウイスキー銘柄
竹鶴はニッカウイスキー(ニッカウヰスキー)が販売するウイスキーの人気銘柄の一つであり、現在は原酒不足などの影響で多くの商品が終売となっています。
このウイスキーはピュアモルトと呼ばれる日本独自のモルトウイスキーであり、創業者の竹鶴政考氏が思い描いた理想の銘柄といわれています。
ニッカウイスキーのこだわりが詰まった竹鶴の評価は非常に高く、世界のウイスキー品評会で何度も金賞を受賞するほどです。
この記事では、竹鶴のおすすめの種類とその味わいについて解説し、このウイスキーをより楽しむための飲み方についても紹介します。
この記事のポイント
竹鶴はニッカウイスキーが販売するウイスキーの1つであり、ピュアモルトと呼ばれる種類のウイスキーになります。
ニッカウイスキーが所有する余市蒸留所と宮城峡蒸留所で製造されたモルト原酒のみを使用して製造されるのが特徴です。
特に宮城峡蒸留所は、余市蒸留所の原酒とブレンドしたウイスキーを作るために建てられたという経緯があります。
そのため、余市蒸留所のシングルモルトの余市と宮城峡蒸留所のシングルモルトである宮城峡は正反対の味わいを持ったウイスキーとして評されます。
竹鶴を含むニッカウイスキー全体の銘柄について知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
そもそも「竹鶴ピュアモルト」の商品名にあるピュアモルトの意味が分からないという方もいると思います。
シングルモルトとピュアモルトの違いは、シングルモルトは1つの蒸留所で作られたモルト原酒のみをブレンドするのに対して、ピュアモルトは複数の蒸留所で製造されたモルト原酒のみをブレンドするウイスキーであることです。
例えば、同じニッカウイスキーの商品でも「シングルモルト 余市」は余市蒸留所のモルト原酒のみを使用しているのでシングルモルトですが、「竹鶴ピュアモルト」は余市蒸留所と宮城峡蒸留所の2つの蒸留所のモルト原酒を使用しているのでピュアモルトになります。
ピュアモルトは日本で生まれ、基本的に日本でしか使われない言葉であり、海外では蒸留所の異なる複数のモルト原酒を混ぜたウイスキーは総じてブレンデッドウイスキーに分類されます。
ブレンデッドウイスキーとピュアモルトの違いは、通常のブレンデッドがモルト原酒に加えてグレーンウイスキーと呼ばれるウイスキーをブレンドするのに対して、ピュアモルトはグレーン原酒を一切使用しません。
ピュアモルトの理解はブレンドの基礎知識を把握していないと難しいため、さらに詳しく理解したい方は下記の記事も参考にしてください。
シングルモルトとピュアモルトは何が違うの?代表的な銘柄は?
ウイスキーのモルトとグレーンとは?ブレンデッドについても解説
竹鶴はウイスキー品評会において、さまざまな賞を受賞していますので受賞歴を下記の表にまとめました。
商品名 | 金賞受賞回数 | 銀賞受賞回数 |
竹鶴12年 | 2回 | 5回 |
竹鶴17年 | 0回 | 5回 |
竹鶴21年 | 6回 | 1回 |
竹鶴25年 | 0回 | 1回 |
イギリスで開催され、世界的に認められた酒類品評会であるISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)の金賞・銀賞の受賞回数が上記の通りです。
特に竹鶴21年は、2006年、2008年、2009年、2010年、2011年、2014年の6回金賞を受賞しています。
その他にもWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)において、竹鶴21年と25年がそれぞれ3回ほど賞を受賞しています。
竹鶴が日本だけでなく世界で評価されていることが受賞歴から分かることでしょう。
世界的に評価が高い竹鶴ですが、惜しむべくところはほとんどの商品が終売しているため、気軽に飲みにくいということです。
現在のニッカウイスキーで販売されているのは「竹鶴ピュアモルト」のみになります。(記事執筆時点)
終売している竹鶴は新たに市場に出回ることは当分ないため、終売から時間が経つほど価値が高まることが予想されます。
終売している竹鶴に興味がある方は、できる限り早く購入を検討したほうがよいでしょう。
それでは、竹鶴でおすすめの種類とその味わいについて解説します。
画像引用:https://www.asahibeer.co.jp/products/whisky_brandy/nikkamaltwhisky/taketsuru/
竹鶴ピュアモルトは、熟成年数を表記しないノンエイジウイスキーであり、竹鶴の中でも最も入手しやすいです。
フレッシュで甘酸っぱい香りの中にピート由来のスモーキーな香りを感じられ、フルーティーでライトな口当たりになります。
ブレンデッドウイスキーよりも飲みやすいモルトウイスキーと評されることも多く、入手難易度の低さからも初心者におすすめのウイスキーです。
竹鶴12年はかつてのスタンダードボトルに位置するウイスキーであり、12年以上熟成させたモルト原酒をブレンドしています。
ブランデーのようなまろやかさと優しいフルーツの甘みの中にモルトらしい力強い香りが同居した飲みやすいウイスキーです。
ウイスキーは熟成させるほど味わいの完成度が高まりますが、竹鶴12年は12年物とは思えないほど洗練されており、17年物にも引けを取らない味わいになります。
酒齢17年以上の余市、宮城峡で作られた原酒をブレンドしたウイスキーが竹鶴17年です。
さらに熟成させた竹鶴は樽由来のウッディな香りや、円熟した甘さが強くなり、その中で感じられるモルトらしいスモーキーな香りが絶妙なバランスに仕上がっています。
世界最高レベルのブレンデッドウイスキーとも呼ばれた竹鶴17年は、入手が非常に困難ですが、ウイスキー好きなら一度は飲みたい銘柄です。
竹鶴21年は、竹鶴の中でも最も多くの賞を受賞した長期熟成のウイスキーです。
熟した果実香に甘い風味の中に深いコクが感じられ、なめらかな口当たりが特徴になります。
しかし、価格も非常に高いため、味わうならボトルを購入するのではなく取り扱いのあるバーを探して飲みにいくのが現実的です。
21年以上長期熟成させた竹鶴は、個人で飲むことを目的にボトルを購入するには非常に厳しい価格となってきます。
画像引用:https://www.nikka.com/products/isc/2019_trophy/
酒齢25年以上のモルト原酒のみを使用して作った竹鶴25年は、プレミア価格で取引される銘柄で、ボトル投資の対象になるほど希少価値の高いボトルです。
ニッカウイスキーは、おだやかな甘さの中にピートのほのかな苦さが余韻を残す秀麗な味わいと竹鶴25年を評価しています。
発売時の参考小売価格70,000円でしたが、現在では数倍以上の価格で取引されているようです。
画像引用:https://www.asahibeer.co.jp/news/2007/1015.html
竹鶴35年は、2007年10月26日に限定1,200本販売されたブレンデッドウイスキーであり、他のピュアモルトの竹鶴とは異なりグレーン原酒をブレンドしています。
こちらの商品は、ニッカウイスキーの相談役であった竹鶴威の署名入りであり、シリアルナンバーも振られているためコレクター需要が非常に高いです。
製造年も古く、実際に飲んだ人も少ないウイスキーですが、ピュアモルトではなくブレンデッドウイスキーに変化しても竹鶴の最高傑作であることは変わりなく、香り・味・余韻共に他の竹鶴より格上であるといわれています。
最後に、竹鶴のおすすめの飲み方を紹介します。
竹鶴を味わう一番おすすめの方法はストレートです。
まずは香りを楽しみ、チェイサーを交えながら少しずつ飲んでいくのがよいでしょう。
ブレンドされた余市のピート香を伴う力強い風味と、宮城峡の熟した甘い果実の風味を余すことなく楽しめる飲み方です。
熟成年数の低い(ノンエイジを含む)竹鶴では、アルコールの刺激が強く飲みにくいと感じるかもしれません。
その場合は、ハイボールにすることで竹鶴が持つアルコールの刺激を抑えられます。
ハイボールにしても風味は大きく損なわれず、非常に飲みやすいウイスキーになります。
ただし、ハイボールはウイスキーの消費も大きく、飲みやすさからお酒が進みやすいので、価格の高い竹鶴で試すならすぐにボトルを空にすることがないように計画的に飲みたいところです。
竹鶴は終売してからも再販を求める声が非常に多く、人気の高いウイスキーです。
終売した理由は、需要が急激に高まったことで発生したジャパニーズウイスキーの原酒不足が背景にあるため、再販の目途は立たない状況にあります。
終売してから時間が経つほど竹鶴の入手難易度は上がることが予想されるため、一度飲んでみたいと思う方はできる限り早く、ボトルの購入や、竹鶴を提供するバーに足を運ぶことをおすすめします。