山崎 ノンエイジ/NV(ノンヴィンテージ)とは? 味わいとおすすめの飲み方を紹介
- ウイスキー銘柄
トミントールは、スコットランドのスペイサイド地域で製造されるシングルモルトであり、蒸溜所は1964年に誕生した他のスペイサイドモルトと比較すると新しい銘柄です。
ホワイト&マッカイ社が所有していることから、ブレンデッドのホワイト&マッカイに使用されているモルト原酒でもあります。
スペイサイドモルトは甘くてライトな味わいが特徴的ですが、トミントールはより軽やかでクセのない味わいが特徴です。
この記事では、トミントールの種類と味わい、おすすめの飲み方を紹介します。
この記事のポイント
画像引用:https://www.tomintoulwhisky.com/
トミントールは、スペイサイドのトミントール蒸溜所で製造されているシングルモルトであり、この蒸溜所はスコットランドでも標高の高い場所に位置します。
スペイサイド地域のなかでも蒸溜所が密集する場所にあり、あのグレンリベット蒸溜所も近くにあります。
爽やかで甘い香りと、ライトでさっぱりとした味わいが楽しめる銘柄となっており、ウイスキー初心者にもおすすめのスペイサイドモルトです。
トミントールの歴史と製造方法について見ていきましょう。
トミントール蒸溜所が設立されたのは1964年のことであり、スコットランドの古参の蒸溜所が1800年代前半に設立されたことを考えるなら比較的に新規の蒸溜所になります。
名前は蒸溜所が設立されたトミントール村から取っており、ゲール語で「納屋の形をした丘」という意味を持ちます。
この村は標高約350mの地点に存在するため、スコットランドのウイスキーの蒸留所のなかでもトップクラスに標高の高い場所に位置する蒸溜所です。
1970年代にフェッターケアン蒸溜所を買収した後に、ホワイト&マッカイの所有になります。
ホワイト&マッカイのキーモルトとして製造が続けられてきましたが、現在のトミントールのオーナーはアンガスダンディ社となっています。
スペイサイドモルト自体がライトでフルーティーで飲みやすいウイスキーとして知られていますが、トミントールはより軽快でさっぱりとしたウイスキーです。
ウイスキー初心者の方におすすめできるウイスキーと評価されており、Whiskymag World Whiskies Awardsでベストスペイサイドウイスキーに選ばれました。
スペイサイドモルトについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
「スペイサイドモルト」ウイスキーの特徴とは? おすすめ銘柄10選
トミントールはスコッチ特有のピートによるスモークの香り付けを行いません。
ピート香はウイスキー通の間では人気の高い香りですが、クセがあり人を選ぶため、ノンピートで造ることがトミントールはウイスキー初心者向けといわれる理由の1つとなっています。
ただし、近年にリリースした「ピーティータン」はピーテッド麦芽を使用しており、例外になります。
仕込み水は、蒸溜所の周辺にあるバラントルーアンの泉・コリーの泉を使用し、ステンレス発酵槽など近代的な設備を持っているのが特徴です。
ウイスキー樽はアメリカンホワイトオーク製のバーボン樽がメインですが、銘柄によってはオロロソシェリー樽や、ポートワイン樽も使用しています。
ノンピートで近代的な設備で造ることが、トミントールの軽やかな味わいを生んでいます。
トミントール蒸溜所の詳細についてはこちらのページで紹介しています。
トミントール蒸留所 - Tomintoul DISTILLERY
トミントールの種類と味わいについて紹介します。
画像引用:https://www.tomintoulwhisky.com/tom-whisky/74-tomintoul-10yo
トミントールのスタンダードボトルの立ち位置にあるのが、アメリカンホワイトオークのバーボン樽で10年間熟成させたこちらの銘柄です。
繊細なフローラルな香りにアカシアのハチミツの風味が感じられ、クリーミーな口あたりと少しだけスパイシーなフィニッシュが楽しめます。
トミントールを初めて飲むなら紫色のラベルと10の数字が目印のこちらのボトルを探してみましょう。
画像引用:https://www.tomintoulwhisky.com/tom-whisky/63-tomintoul-12yo
トミントールの12年物は、オロロソシェリーカスクでフィニッシュしていることが特徴です。
シェリーカスク由来の甘いレーズンの香りがあり、ブランデーとバターが重なるような少し複雑な味わいを持ちます。
スタンダードよりも2年ほど長く熟成させた銘柄ですが、オロロソシェリーカスクでフィニッシュしたことでスタンダードとはひと味違う味わいとなっています。
画像引用:https://www.tomintoulwhisky.com/tom-whisky/53-tomintoul-14yo
10年、12年と2年ごとに熟成年数を刻んだトミントールの14年物であり、赤いラベルが特徴的です。
ほのかなレモンとアーモントの香味があり、シトラスとバニラの味わいが楽しめます。
スタンダードと比較するとトミントールの味わいがより複雑になった印象となっているので、ワンランク上のトミントールを購入したい方におすすめです。
画像引用:https://www.tomintoulwhisky.com/tom-whisky/47-tomintoul-16yo
トミントールの16年物は、最高級のバーボン樽のみを厳選してヴァッティングさせたトミントールの上位ボトルです。
バニラとりんごのフルーティーな香りに、ナッティでありながらバランスの取れた味わいとなっており、タフィーの味わいが後に残るまろやかで温かみのある味わいとなっています。
並べてみると10年物のほうが紫のラベルが薄く、16年物のラベルのほうが濃い色をしていることがわかりますが、同じ紫色のラベルであるため間違いがないように注意したいところです。
画像引用:https://www.tomintoulwhisky.com/tom-whisky/48-tomintoul-21yo
トミントール21年は、トミントールを21年以上熟成させた長期熟成銘柄になります。
グレープフルーツなどの柑橘系とアロマの香りが特徴的であり、焼きリンゴの甘みとスパイシーな味わいが特徴的です。
軽やかな味わいが特徴のトミントールですが熟成年数を重ねることで複雑な風味に変わっていることがわかります。
画像引用:https://www.tomintoulwhisky.com/tom-whisky/150-tomintoul-25yo-2
トミントール 25年は、黒いラベルが特徴の25年以上熟成させたトミントールを使用しています。
サルタナのリッチな香りがあり、キャラメルやメープルシロップのシンプルな甘みのなかに、ナッツやタバコなどの複雑な風味が重なり合います。
トミントールのなかでもトップクラスの高級銘柄を飲みたい方におすすめのウイスキーです。
画像引用:https://www.tomintoulwhisky.com/tom-whisky/586-tomintoul-cigar-malt
トミントール シガーモルトは、スペイン産のオロロソシェリー樽で熟成された銘柄になります。
ドライフルーツと甘いスパイスの味わいが特徴的であり、温かみのある余韻が続きます。
シェリー樽で熟成されたトミントールを飲みたい方におすすめです。
画像引用:https://www.tomintoulwhisky.com/tom-whisky/54-tomintoul-peatytang
トミントールのなかでもピーティタンは、ピーテッド麦芽を使用していることからピート由来のスモークが感じられる例外的な銘柄となっています。
スモークした肉の香りが特徴的であり、レモンの皮や糖蜜の甘味のある風味が感じられるのが特徴です。
ピーティタンはトミントールにスモーキーさを加えたらどうなるのかという疑問に回答する銘柄といえるでしょう。
画像引用:https://www.tomintoulwhisky.com/tom-whisky/343-tomintoul-40yo
トミントールの40年熟成させた原酒を使用した大変希少なボトルであり、マスターディスティラーのロバート・フレミングが厳選した4つの優れた樽を使用しています。
繊細でありながら複雑な風味を持つ最高級のトミントールです。
しかし、日本ではまず見かけることがない幻のような銘柄となっています。
トミントールのおすすめの飲み方を紹介します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
トミントールはライトで甘く爽やかな味わいが魅力的であるため、ハイボールにすることで、より爽やかで甘みが際立つ味わいに変化します。
フルーティーな果実の甘みと酸味のバランスが絶妙であり、炭酸による爽快感を感じられることでしょう。
ウイスキー初心者向けの銘柄でもあるため、初心者にもハイボールはおすすめとなっています。
シングルモルトをハイボールで飲むのはもったいないかどうかはこちらの記事で解説しています。
シングルモルトをハイボールで飲むのはもったいない? その理由とは
トミントールは少量の加水では風味が大きく崩れることはなく、軽やかな味わいであることから食中酒にも向いています。
水割りにすることで、和食のような繊細な食事の食中酒にしても味わいを損ねにくく、同時に楽しむことが可能です。
水割りの作り方とおすすめ銘柄についてはこちらの記事で紹介しています。
ウイスキーの水割りでおすすめの銘柄をご紹介!作り方やポイントなど
トミントールは、現在の時点ではスコッチでもメジャーではありませんが、主要なスペイサイドモルトよりもウイスキー初心者に勧めやすい銘柄となっています。
今後、トミントールが注目されることがあれば、ウイスキー初心者の入門酒になれるポテンシャルを秘めているといえるでしょう。
ウイスキー初心者の方も、トミントールをまだ飲んでいない方も10年物から探してみることをおすすめします。