ザ・マッカラン ダブルカスクシリーズの種類と味わい、おすすめの飲み方
- ウイスキー銘柄
タラモアデューはアイリッシュウイスキーです。
アイリッシュウイスキーはその名の通り、アイルランドと北アイルランドで作られているウイスキーを指します。
何か飲みやすいウイスキーというと名前が挙がるのはタラモアデューです。
非常に飲みやすくてスムース、穀物の甘さがライトなのが特徴であり、いい意味で特徴がないのが特徴といったところでウイスキー初心者に適したウイスキーといえます。
数年前まではアイリッシュウイスキーは4つくらいしか蒸留所が少なくなっていっていったのですが、最近では数十に及ぶ蒸留所が建設されてきたのでこれから先の数年間でアイリッシュウイスキーのブームは到来するのではないでしょうか。
ジェムソンの次に消費量が多いのがタラモアデューです。
本記事ではタラモアデューの種類と製法と歴史について解説し、おすすめの飲み方も紹介します。
この記事のポイント
画像引用:tullamoredew.comダニエル・エドモンド・ウィリアムズ
旧タラモアデュー蒸留所は1829年に設立されますが、1954年に閉鎖されます。
ウィリアムグラントが2010年にタラモアデューブランドを取得し、2014年に新タラモア蒸留所を別の場所に設立します。
旧タラモア蒸留所は現在ビジターセンターとなっております。
という理由で現在はタラモアデュー蒸留所は新旧2つの蒸留所があるということです。
旧タラモア蒸留所は1829年にマイケル・モロイという人物が穀物の生産地だったタラモアのグランドカナールという大運河沿いに蒸留所を建てたことから始まります。
その後、1857年に蒸留所は甥のバーナードデイリーに継承されますがバーナードデイリーはあまりウイスキー造りに興味のない人物であったので、1862年に14歳から蒸留所で働いていたダニエル・エドモンド・ウィリアムズに蒸留所の運営を任せます。
ウィリアムズは蒸留所を次第に近代化させて1897年からタラもアデューという名前でウイスキーが販売されるようになります。
タラモアデューの「デュー(DEW)」というのはダニエル・エドモンド・ウィリアムズ(Daniel Edmond Williams)のイニシャルからとっています。
「デュー(DEW)」は「露」という意味もあるらしく、タラモアの露という意味もあるようです。
ダニエルの死後は息子のジョンへ引き継がれることになります。
ただ、タラモアデューの業績はここまでは好調だったのですが、20世紀に入るとここから四重苦ともいわれる苦難が蒸留所を襲います。
それは以下の4つと言われています。
そこでアイリッシュウイスキーは次第に勢力を落としていきます。
ここからタラモアデューはブレンデッドウイスキーをつくるようになります。
しかし、タラモアデューは逆境に負けてしまい、1959年には蒸留所の閉鎖を余儀なくされます。
暫くは在庫を販売していましたが、1960年に別のアイルランドの蒸留所でもあるジョン・パワーズ&サン社にばいきゃくしてしまいます。
しかし、タラモアデューのウイスキー自体はミドルトン蒸留所で続けられます。
このミドルトン蒸留所は現在、アイリッシュウイスキー1位の売り上げを誇るジェムソンを作っている蒸留所になります。
それ以降はミドルトン蒸留所での生産がつい最近まで続けられており、グレンフィディックで有名な2014年にウィリアム・グラント&サンズ社がタラもアデューのブランドを買取ったので、元々のブランドの起源でもある新タラモア蒸留所がタラモアの街にオープンし、またそちらに生産が切り替わったのです。
画像引用:tullamoredew.com
タラモアデューはアイリッシュウイスキーの特徴でもありますが、3回蒸留します。
3回蒸留することで原料由来の風味がなくなってクリアで飲みやすい感じになります。
原料もスコッチとは少し違いまして、タラモアデューは大麦と発芽させた大麦麦芽の2種類の大麦が使われています。
そうすることで、オイリーで穀物の甘さを感じられる味わいを作り出すのです。
2017年からはグレーンウイスキーも作られており、生産増強もしているようです。
現在市場に出ているのはミドルトン蒸留所でつくられていたときのもののようです。
かなりいろんなラインナップがありますが、今どんどん日本の市場からなくなっています。
という理由で、タラモアデューは転換期なのかもしれません、
アイリッシュウイスキーで2番目に販売数量が多いウイスキーなのです。
1位はジェムソンで年間810万ケース、タラモアデューは100万ケースで大きな隔たりがありますが、ジェムソンがずば抜けて売れすぎているので、ジェムソンをぬかせば実質1位なのではないでしょうか。
タラモアデューは日本ではサントリーが販売しています。
色は優しいゴールドの色、味わいはライトで飲みやすくウイスキーの入門編としてはピッタリです。
代表的な飲みやすいウイスキーはアイリッシュウイスキーの他にカナディアンウイスキーがありますが、カナダのウイスキーはもう少し軽い飲み口なのですが、アイリッシュウイスキーは原材料の甘さもしっかり感じられるのに飲みやすいというのが魅力です。
こちらはノンエイジタイプの銘柄です。
3回蒸留したモルト原酒、グレーン原酒、そしてポットスチルウイスキーをブレンドしています。
ポットスチルウイスキーというのはアイリッシュウイスキー独特の製法で作り出したウイスキーで、大麦麦芽と未発芽の大麦の麦汁からつくられていて、その後はポットスチルで3回蒸留しているという製法です。
この3種類の製法を作り分けています。
味わいはとてもすっきりしており、非常に麦の甘みがあり、クセがなくスムースです。
少しオイリーさもありますが目立った特徴はありません。
ウイスキー入門編にはちょうどいいウイスキーといえます。
タラモアデューのおすすめラインナップをご紹介します。
画像引用:tullamoredew.com
色味は綺麗なゴールドをしており、大変ライトで軽く、飲みやすいです。
3回蒸留したモルト原酒、グレーン原酒、そしてポットスチルウイスキーの3つの原酒をブレンドしたのがこちらのタラモアデューです。
原料に使用している大麦は100%アイルランド産、樽の種類は様々なものをしようしているそうです。
アロマは凄くフルーティでパイナップルや穀物感、ナッティーシェリー樽特有のレーズンの感じもします。
味わいは香りのフルーティさがそのまま味に反映されているわけではなく、ボディもしっかりしているので飲みごたえがあります。
シェリー樽感がしっかりあるわりにそこまでどぎつい感じでもなく、グレーン由来の甘みもあります。余韻はビターです。
画像引用:tullamoredew.com
こちらはバーボン樽とシェリー樽を12年~15年熟成したものをブレンドした銘柄です。
ノンエイジのタラモアデューと同じくトロピカルフルーツやパイナップルといったアロマは感じますが
味わいは熟成の分だけボディが厚みを増し、コク深くなっています。
アロマで感じたフレーバーがそのまま味わいにも反映されており、トロピカルフルーツの他に、ビターチョコのような甘い苦味、コクも感じられます。
画像引用:tullamoredew.com
こちらはシングルモルトなので大麦麦芽のみを使った銘柄で、バーボン樽、シェリー樽、マデーラワイン樽、ポートワイン樽を贅沢に使った1本となっています。
アロマはさくらんぼやリンゴのフルーティな甘みやマーマレード、柑橘系の酸味もあります。
テクスチャはスムースで味わいはメロンの皮や、アプリコット、白い花など。
画像引用:tullamoredew.com
こちらはタラモアデューの原酒に最高級のファーストフィルXO デメララ ラムカスクでフィニッシュした銘柄です。
これにより、甘やかなトロピカルフレーバーがウィスキーの味わいに深みを与えました。
また、この銘柄は17世紀にカリブ諸国へ移住し、ラム酒製造の発展を支えたアイルランド人への敬意も込められています。
アイルランドでは、ウィスキーと一緒にスタウトのような苦みの強いビールをチェイサーとして楽しむ文化があります。
同じ麦を原料とするお酒なので、飲み合わせの相性が良いことは勿論、これにより、 ウィスキーの甘みが引き立ちます。
画像引用:Amazon.co.jp
こちらはタラモアの町の歴史と人々に敬意を込めることを目的としてリリースされた銘柄です。
それぞれ3回蒸留したグレーン・ウィスキー、モルト・ウィスキー、ピュアポットスチル・ウィスキーをオロロソシェリー樽で熟成したリッチな味わいの銘柄となっています。
ミディアムボディでアロマはシェリー樽由来のレーズンだけでなく、スパイシーさやクリーミィさがほどよく調和されています。
タラモアの町の紋章は、1785年に熱気球の墜落事故により130軒の家が燃える大惨事が起きた後、灰の中から飛び立つフェニックス(不死鳥)のデザインとなりました。
画像引用:tullamoredew.com
こちらのサイダーとは「BULMERS(ブルマーズ)」、アイルランドを代表するシードルと呼ばれるリンゴ酒を作る時に使用される樽にタラモアデューを入れてフィニッシュさせたボトルです。
アロマはもちろんシードルなのでリンゴの香りはしますが、それ以外にもレモンやバニラといった物が感じられます。
味わいは親しみやすいリンゴの味わいが甘くてライトな飲みやすさがあり美味しいです。
非常にコスパのいいお値段で気軽に購入することができます。
フルーティさは増しますが、ビターささもますので、苦味が苦手な方もいるとは思いますが、ロックにするとバニラのコクのような感じがしっかりと現れてきて、氷が解けて加水され、よりフルーティさもましてきて、シェリー樽由来のレーズンの香りも立ち上がってきますがストレートよりビターさは増します。
ハイボールにすると、余韻のビターさが炭酸と合わさった時に凄くシャープで切れのある味わいになります。
そして余韻にほのかに残るフルーティさと麦芽由来の甘み、クリーミィさもあり、飲みごたえもあるのでブレンデッドウイスキーならではのハイボールなのではないでしょうか。
万人受けするハイボール、おすすめです。
スコッチウイスキーのようにピート香はなく、原料の味わいがダイレクトに感じ、気軽にスーパーや酒販量販店で気軽に購入できるところもよく、個性が優しい個性なので、ハイボールでもなんにでもあいます。
ハイボールにした時に個性が弱い、と感じる方はレモンをしぼってみたりしてカクテルの素材としても優秀で汎用性の高いウイスキーですのでご自宅に1本あってもいいのではないでしょうか。