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- ウイスキー銘柄
タリバーディンは、人気のブレンデッドウイスキーハイランドクイーンのキーモルトとして広く知られていますが、シングルモルトでも販売され人気の高い銘柄です。
こちらの銘柄は、ノンエイジボトル、熟成年数が表記されたヴィンテージ物、カスクフィニッシュシリーズの3つのグループに分けられます。
ヴィンテージ物は一番若くても15年物から販売されており、他のウイスキーの若いボトルと比較しても熟成期間が長いのが特徴です。
この記事では、タリバーディンの種類と味わいについて解説し、おすすめの飲み方についても紹介します。
この記事のポイント
タリバーディンは、ハイランド地方の南部にあるバースシャーのブラックフォード村で作られるウイスキーのことです。
スコットランドの北部となるハイランド地方は広大であり、東西南北でさまざまなフレーバーを持ったウイスキーが作られています。
タリバーディンの属する南ハイランドには、ディーンストンなどの口あたりが軽く飲みやすいウイスキーが多いことが特徴です。
これはハイランドの中でも南部にあるため、ローランド地方との距離が近く、この地方のウイスキーの特徴が軽くて飲みやすいことから、南ハイランドはローランドに近いウイスキーを製造していることが多くなっています。
タリバーディンを含むハイランドウイスキーについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
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画像引用:https://www.highlandqueen.com/
ハイランドクイーンとは、タリバーディンをキーモルトとして、ハイランドモルトを中心にブレンドしたブレンデッドウイスキーです。
日本での知名度は低いですが、デュワーズやホワイトホースと並ぶ歴史を持つスコッチブレンデッドを代表するウイスキーの1つになります。
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ハイランドクイーンの名前はスコットランドの悲劇の女王と呼ばれたメアリー・ステュアートが由来です。
かつては、マクドナルド&ミュア社がハイランドクイーンを所有していたため、グレンモーレンジィやグレンマレイなどの原酒が使用されていました。
ピカール社が2008年にハイランドクイーンのブランド権を買い取ることとなりますが、これをきっかけにピカール社が所有するタリバーディンがハイランドクイーンのキーモルトとなりました。
そのため、ピカール社が所有する前のハイランドクイーンとタリバーディンがキーモルトとなったハイランドクイーンは味わいが大きく異なります。
画像引用:https://www.whisky.com/
タリバーディンがウイスキーの蒸留所としての道を歩み始めたのは1949年のことですが、起源を考えるなら16世紀に遡ります。
スコットランド王ジェームズ4世が、ブラックフォードでビールの生産をするために勅許状を授与した醸造所の建物がタリバーディン蒸留所の前身です。
1947年からウィリアム・デルメ・エバンスにより改築がスタートし、1949年にタリバーディン蒸留所に生まれ変わり蒸留が開始されますが、わずか4年でオーナーが変わり、操業の停止と再開を繰り返しました。
2011年にフランスのピカール社が買収し、スコッチブレンドのハイランドクイーンとミュアヘッドの権利も買い取っていたことからタリバーディンがキーモルトとして使用されるようになります。
ピカール社はワイン商でありワインに力を入れていることから、タリバーディンの追熟がソーテルヌやブルゴーニュなどのワイン樽で行われることが最大の特徴です。
タリバーディン蒸留所について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
タリバーディン蒸留所 - Tullibardine DISTILLERY
タリバーディンの主な種類は下記の一覧の通りです。それぞれの味わいについて解説します。
※ボトル画像はタリバーディン公式サイトから引用
タリバーディン ソブリンは、タリバーディンのスタンダードボトルに位置するノンエイジボトルです。
ファーストフィルのバーボン樽で熟成されたウイスキーであり、透き通るような黄金色が特徴になります。
フローラルな香りにモルトとバニラの味わいがあり、洋ナシの甘みにソフトなスパイスが効いたフィニッシュを持つ非常に飲みやすいウイスキーです。
タリバーディンを初めて飲むならソブリンが有力な候補といえるでしょう。
酒齢が表記されたヴィンテージ物のタリバーディンは、15年物から販売されています。
焼きリンゴの香りにスミレの香味が隠れており、スコーンとジャムの甘い味わいにナッツのフィニッシュが感じられます。
一番若い熟成年数であっても15年熟成させているため価格は高めですが、お金に糸目は付けず高い品質を持つタリバーディンを飲みたい方におすすめです。
タリバーディンのヴィンテージボトルは、5年ごとに3種類販売されており、2番目に年数が長いのが20年物です。
バニラとハチミツの香味とバタースコッチのバランスの取れた甘い香りに、長期熟成によって非常に柔らかい口当たりをしています。
ワンランク上のタリバーディンを飲みたい方に勧めたいボトルになります。
現行で販売されているタリバーディンの中でも最も高い熟成年数が25年です。
ホグスヘッドのシェリー樽で25年以上熟成されたタリバーディンは、香りすべてが繊細な物に変化しており、焼きバナナとオレンジの味わいとまるでシルクのように仕上がりでクリーミーな口当たりから一口飲んだだけで高級であることが分かります。
最高クラスのタリバーディンを飲みたいと考えるなら、こちらのボトルを選ぶのがよいでしょう。
タリバーディンのカスクフィニッシュシリーズの一つで、ソーテルヌワイン樽で追熟しています。
このシリーズのラベルの中心にある数字は、こちらの商品であれば225リットルの容量を持つ樽で熟成したことを示しています。
フローラルかつシトラスの爽やかな香りと、パイナップルとオレンジの味わいに、クリーミーなフィニッシュが特徴です。
ワイン樽による熟成や、カスクフィニッシュは他のウイスキーでも行われますが、ワインを取り扱うピカール社ならではの他のウイスキーの熟成には使用されないワイン樽で追熟されているため、興味のある方は一度飲んでみてはいかがでしょうか。
ワイン樽を含めたウイスキーの代表的な樽の種類について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
こちらもカスクフィニッシュシリーズの一つで、バーガンディとはフランスのブルゴーニュをイギリスの発音にしたものであり、ブルゴーニュワイン樽による追熟が行われています。
チェリーとバニラの香りに微かなチョコレートの香味が感じられ、フルーティな味わいの後に甘いスパイスのフィニッシュが来ます。
ソーテルヌカスクフィニッシュと同様にウイスキーをワイン樽で熟成させるとどのような味わいになるのか興味がある方におすすめです。
こちらはバーボン樽で熟成させた原酒をペドロヒメネスシェリー樽でさらに熟成させたタリバーディンです。
タフィーとアップルの強い香りに、シェリー樽由来の甘みも感じられ、タリバーディン特有のスパイシーさが強く出ています。
シェリー樽によるカスクフィニッシュは他のウイスキーにも用いられますが、こちらのタリバーディンは他のウイスキーと比較しても完成度の高い銘柄です。
タリバーディン1952は、タリバーディンの中でも最も長い60年間熟成されたウイスキーです。
他のタリバーディンと比較して最も希少価値が高く、高価な銘柄であるといえるでしょう。
60年間熟成させてもタリバーディンに共通するフルーティーかつスパイシーさのフレーバーは健在で、モルトの風味が強化されているようです。
日本の市場ではほとんど見ることがない幻のタリバーディンになります。
最後に、タリバーディンのおすすめの飲み方を紹介します。
タリバーディンの味わいをそのまま堪能するならストレートがおすすめです。
南ハイランドに属するタリバーディンはクセが少なく飲みやすいウイスキーであるため、ストレートに対するハードルも低いからです。
ただし、ピリッとしたスパイスやアルコールの刺激で舌を麻痺させないために、チェイサーとなる水の用意は忘れないようにしましょう。
タリバーディンは風味を損ねない飲み方と相性がいいので、ロックで飲むのもおすすめです。
カスクフィニッシュシリーズを飲むなら追熟させた樽によるテイストをより強く味わえます。
ロックの味わいは氷に左右されるので、大きな丸型の氷を用意してタリバーディンのロックを作りましょう。
タリバーディンはハイランド地方のウイスキーですが、南に属することからローランドに近い特徴も持っており、甘くて飲みやすいことからウイスキー初心者にもおすすめできる銘柄です。
初めてタリバーディンを飲むならソブリン、ワンランク上のタリバーディンを飲むならヴィンテージ、ワイン樽による追熟で他のウイスキーにはない味わいを楽しむならカスクフィニッシュシリーズがいいでしょう。
基本的にタリバーディンはストレートやロックで飲むのがおすすめですが、ノンエイジボトルのソブリンはハイボールにしても美味しいので色々な飲み方を試してみるのもいいかもしれません。