ラフロイグ 10年とは? スモーキーな味わいとおすすめの飲み方を紹介
- ウイスキー銘柄
サントリーのシングルグレーンウイスキー「知多」。
愛知県の知多半島にある知多蒸留所で生み出された「知多」は、シングルグレーンでありながら、10種類もの極上のグレーン原酒をブレンドして作られています。
軽くて口当たりが良いものの、穀物由来のコクと複雑な味わいも感じられ、さまざまな飲み方で楽しめます。
「知多」本来の味わいが楽しめるストレートやロックも良いですが、やはりハイボールがおすすめです。
フルーツやジュース、意外な食材を使ったアレンジも可能で、季節や料理に合わせてさまざまな楽しみ方ができます。
「知多」が生み出された背景や誕生秘話、味やおすすめの飲み方などについて解説します。
軽やかな風のようなウイスキー「知多」。「知多」は、伊勢湾を臨む愛知県の知多半島に位置する知多蒸留所で生まれたシングルグレーンウイスキーです。
2015年に、サントリーの約11年ぶりの新ブランドウイスキーとして生み出されました。ウイスキーは、原料と蒸留法によって分けられています。
「モルトウイスキー」が大麦麦芽を発酵させ、単式蒸溜器で2回蒸溜して作られるのに対し、「グレーンウイスキー」はトウモロコシや小麦などの穀物を発酵させ、連続蒸留機で蒸留して作られます。
そして、この2つをブレンドしたものが「ブレンデッドウイスキー」です。
知多蒸留所では、もともと「響」、「オールド」、「角瓶」などのブレンデッドウイスキーに使うグレーン原酒を作っていました。
個性が強く「ラウド(声高な)スピリッツ」といわれるモルトウイスキーに対し、クセがなく口当たりが良いグレーンウイスキーは「サイレント(寡黙な)スピリッツ」といわれ、それ自体で味わうというよりは、モルトウイスキーを引き立てるブレンド用としての役割を担ってきたウイスキーです。
シンプルなグレーンにどのように味わいを付け、奥深さを表現するかはブレンダーにかかっていました。
「知多」は、長年グレーンに向き合ってきた知多蒸留所、そいてブレンダーが研究と研鑽を重ねてようやく生み出すことができた画期的なグレーンウイスキーなのです。
ウイスキー「知多」が誕生するに至った歴史や背景、そして味わいや特徴などについて紹介します。
サントリー知多蒸溜所は、1972年、愛知県知多市北浜町にサントリーグループと全農グループの共同出資により設立されました。
サントリーのウイスキー蒸留所としては、大阪の山崎蒸溜所、山梨の白州蒸溜所に続く3番目の蒸留所になります。
山と森に囲まれた山崎蒸溜所や白州蒸溜所とは異なり、知多蒸留所の周囲は製粉会社や食品工場が建ち並ぶ工場地帯です。
ウイスキーの蒸留所としては意外な立地ですが、海に近いためアメリカ船に積まれた原料となるトウモロコシを受け取りやすかったことや、滋賀県の貯蔵庫と白州蒸留所の中間点であったことなどから、物流面での利便性が高い場所でした。
知多蒸留所では、世界でも類を見ないグレーン原酒の作り分けを行っています。
ウイスキーは、1980年代初頭にブームのピークを迎えたものの、その後はビールや焼酎、ワインなどに人気を奪われ、下火になります。
しかし、知多蒸留所では、この間も試行錯誤を重ね、研鑽を積み重ねて新たな時代の到来を待ち続けたのです。
そして、満を持して「知多」が生み出されました。
発売と同時に、グレーンウイスキーの常識を覆す豊かで深い味わいは驚きとともに迎えられ、すぐに大好評を博しました。
近年のハイボールブームがさらなる追い風となり、「知多」の人気は高まり続けています。
また、ジャパニーズウイスキーが世界的に人気となり、銘柄によっては品薄状態になり価格が高騰しているものの、価格が安定し、入手しやすいことも「知多」の人気を後押ししている要因の一つといえるでしょう。
知多蒸留所は2022年に創業50年を迎えるにあたり、新しい蒸留設備を導入しました。知多蒸留所がこれから生み出すであろう新たな味わいに、ウイスキーファンの期待は高まっています。
サントリーは「竹鶴」や「響」など、高級ウイスキーには漢字を使った商品名を付けてきました。
「知多」も漢字の商品名であり、なおかつ「山崎」、「白州」と同様に、蒸留所の地名をそのまま商品名に冠したウイスキーです。
サントリーウイスキーらしいこのネーミングは、後発ウイスキーである「知多」に、信頼感と期待感を抱かせるのに貢献しています。
ラベルの文字は「響」と同じく書家、荻野丹雪氏によるものです。
和紙の上にしたためられた、しなやかさと躍動感にあふれる書体。
「知多」の顔ともいうべきこのラベルは、ジャパニーズウイスキーの気品と、「知多」のもつ軽やかさと繊細さ、深い味わいを的確に表現しています。
「知多」は、一つの蒸溜所でできるグレーンを使ったシングルグレーンになりますが、単一の原酒でできているわけではありません。
「知多」は、知多蒸留所で作られたさまざまなグレーンウイスキーを、絶妙にブレンドして作られています。
知多蒸留所で作られている原酒には、すっきりとした味わいの中にほのかな甘さを感じるクリーンタイプ、マイルドな味わいに穀物の旨味を感じるミディアムタイプ、強い香りと豊かな味わいを感じるヘビータイプの3種類のほか、樽別の原酒もあります。
主な樽原酒として、バニラの甘い香りがするホワイトオーク樽、フルーティな軽やかさと複雑な味わいのスパニッシュオーク樽、口当たりが良くイチゴのような甘い香りがするワイン樽の原酒があります。
「知多」は、これら多彩な原酒を約10種類もブレンドして生み出されています。
このため、「知多」は軽やかでありつつ豊かな風味と、フルーティな香りやバニラの甘い香りなどを含む複雑で繊細な香味を感じるのです。
ウイスキー「知多」には、他のウイスキーのように年数や銘柄シリーズのラインナップはなく、1種類のみです。アルコール度数は43.0%、サイズは700ml、350ml、コンビニエンスストア限定の180mlの3タイプです。
知多蒸留所で作られた銘柄としては、「THE ESSENCE of SUNTORY WHISKY(ザ・エッセンス・オブ・サントリーウイスキー)」があります。
グレーン原酒をホワイトオークで12年、ワイン樽でさらに4年熟成させた原酒から作られた究極のグレーンウイスキーです。
「知多」発売前の2014年には、愛知県限定で発売された「シングルグレーンウイスキー知多蒸留所」がありますが、いずれも「知多」のラインナップではありません。
ウイスキーの飲み方は千差万別です。基本的にはその日の気分や、料理に合わせて好きな飲み方で楽しむのが一番です。
季節によっても楽しみ方は変わるでしょう。
「知多」も同様にストレートやロック、水割りやお湯割りで楽しむことができます。
ただし、「知多」を飲むなら、おすすめはやはりソーダで割るハイボールです。「知多」のブランドサイトでも「風薫るハイボール」と銘打ってハイボールを一押しにしているほどです。
ほのかなコクと爽やかな香りを感じつつ、軽やかな飲み心地が清々しい「知多」のハイボールは、まさに五月の風のよう。
さらに、「知多」のフルーティな香味や甘み、主張しすぎずクセのない味わいから、季節のフルーツやジュース、さまざまな食材との相性も抜群。楽しみ方は無限に広がります。
「知多」のさまざまな飲み方の中から、おすすめのレシピや楽しみ方を選りすぐって紹介します。
まずは、シンプルなハイボールの作り方です。
グラスにたっぷり氷を入れて、お好みの量の「知多」を注ぎます。
「知多」1、冷えたソーダを3の割合になるように注ぎ、炭酸ガスが抜けないようにマドラーで1回程度混ぜます。
ソーダの種類もさまざまですが、強炭酸タイプとの相性が良いようです。
お好みでレモンやスダチなどを絞ったり、添えたりしても良いでしょう。
ジャパニーズウイスキーのためか、和の食材との相性も良く、基本のソーダに加えるだけでいつもと違う味わいを楽しむことができます。おすすめのアレンジ方法を紹介します。
基本のハイボールを作り、生姜をスライスしたものを2~3枚グラスに入れます。生姜はお好みで絞り汁を入れても良いでしょう。
生姜がない場合は、ソーダのかわりにジンジャーエールをあわせると、似たような味わいを楽しむことができるでしょう。
基本のハイボールを作り、2~3枚の大葉を4分の1程度にちぎってグラスに入れます。
青葉が清々しく、見た目はミントを使ったカクテル「モヒート」や「ミントジュレップ」のようです。刺身やしょうゆ味の料理との相性も良く、暑い季節にぴったりの涼しげなハイボールです。
基本のハイボールを作ります。
山椒を細かく挽き、ハイボールに入れます。
使用する山椒は青みの残る新鮮なものがあればベターです。
1度挽いて粗さが目立つようであれば2度挽きして、なるべく細かくするのがポイントです。
最後にお好みで山椒の葉を浮かべます。
ピリッとした辛味が楽しめるハイボールです。黒コショウを使って作っても、山椒とは一ひと味違う刺激が楽しめます。
基本のハイボールに、塩漬けの桜を3~5枚入れます。
グラスに揺れる桜色が美しく、女性にも喜ばれそうな華やかでおしゃれな見た目。
ほのかな塩気と桜の香りが上品な、春に飲みたいハイボールです。
ほのかな甘みを感じる「知多」は、フルーティな香りがする原酒が使われていることもあり、フルーツとの相性も良いウイスキーです。
季節のフルーツや好きなフルーツをあわせて自分なりのハイボールを作ってみるのもおすすめです。
以下にフルーツをアレンジしたおすすめのハイボールを紹介します。
イチゴを2~3粒(大きさにもよるので数は調整してください)グラスに入れて潰します。
氷を入れた後、お好みの量の知多を注ぎ入れます。
冷えたソーダを「知多」1、ソーダ3の割合で注ぎ、炭酸ガスが抜けないようにマドラーで1回程度混ぜます。
最後にイチゴのスライスを浮かべたり、グラスに飾ったりしても良いでしょう。
イチゴの香りと「知多」の風味が奏でる絶妙なハーモニーと、可愛らしい見た目に心奪われるハイボールです。
スイカの種を取り除き、ダイス大にカットし、グラスに注ぎます。
あとは前述通りです。
お好みでスイカを絞ったジュースを入れると美しい赤い色が楽しめます。
海辺や山などのアウトドアで、夏を満喫しながら飲みたいハイボールです。
熟した桃をダイス大のサイズにカットし、グラスに入れます。
あとはイチゴのハイボールと同様に氷、知多、ソーダの順に注いでマドラーで混ぜます。
桃のほかに、すももを使っても良いでしょう。
さらに、メロン、リンゴ、オレンジ、グレープフルーツなどでも同様に作ることができます。
また、フルーツがない場合は冷凍フルーツを氷代わりに使うのもおすすめです。
氷と違って溶けても薄まらないため、最後までしっかりした味わいを楽しむことができます。
もちろん、ジュースで「知多」を割っても美味しく飲めます。
ジュースだけだと甘すぎる場合は、ソーダと半々程度にしても良いでしょう。
トワイスアップとは、ウイスキーと同量の常温の水をあわせた飲み方です。
ウイスキー本来の味を知るにはこの飲み方が最適とされており、ウイスキーの専門家もこの飲み方でテイスティングを行っています。
「知多」本来の味わいをじっくり楽しみたい、究極のシンプルさを楽しみたい場合はこの飲み方がおすすめです。
水割りとの違いは氷の有無です。
もちろん、氷を入れたグラスに「知多」と水を注いだ水割りでも美味しく楽しむことができます。
氷を入れたグラスにお酒と水で作るのが水割りですが、水で割ったお酒を数日寝かせてから飲むのが「前割り」です。
焼酎で使われることが多い飲み方ですが、ウイスキーでも香りが引き立ち、美味しく飲むことができます。
作り方は水で割った「知多」を数日冷蔵庫で寝かせるだけです。
1日程度でも普通の水割りとは違う味わいになりますが、3日~1週間程度寝かせるとマイルドな味わいになります。
なお、前割りを作る際は、香りが逃げないように、また雑味が入らいないようにするため容器は密閉することをおすすめします。
使う水や寝かせる日数によっても味が変わってくるので、自分好みの味を追求してみてはいかがでしょうか。
サントリーの知多蒸留所が精魂込めて生み出した「知多」は、世界でも類を見ない、味わい深いシングルグレーンウイスキーです。
軽くてまろやかな飲み口、繊細で複雑な風味と香味は主張しぎることがなく、さまざまな飲み方で楽しめます。
まずは基本のハイボールで1杯、2杯目からはその日の気分や、料理、季節によってさまざまなアレンジを楽しんでみてはいかがでしょうか。