山崎 ノンエイジ/NV(ノンヴィンテージ)とは? 味わいとおすすめの飲み方を紹介
- ウイスキー銘柄
アイラウイスキーとは「ウイスキーの聖地」と称されるスコットランド、アイラ島で生産されているスコッチウイスキーの一種。独特なスモーキーな香りに加えて、アイラウイスキーの蒸留所のほとんど海に面していることから、磯の香りが楽しめるのも特徴的です。
そして、アイラウイスキーの中でも、複雑な味わいとバランスのよい風味で人気を博しているのが「ラガヴーリン」。そんなラガヴーリンの歴史や特徴、おすすめの飲み方や銘柄ごとの味わいの違いについて今回は解説します。
この記事のポイント
ラガヴーリンは個性的でありながらも味わいのバランスがよく、ウイスキー初心者でも飲みやすいウイスキーです。まずはじめにラガヴーリンの歴史について解説します。
ラガウーリンの蒸留所はアイラ島で最も古い蒸留所ともいわれています。正式な設立は1816年にまでさかのぼり、200年以上も作られ続けている歴史あるウイスキーです。
19世紀後半頃、シングルモルトが世界的に流行したことで、アイラの地元島民だけでなく、世界中にラガヴーリンの名が知れ渡ることになりました。
一時期では、“アイラモルトの王”である「ラフロイグ」や“アイラモルトの女王”の「ボウモア」といった銘柄が流行るまで、アイラ島でもっとも多く飲まれていた、伝統あるウイスキーです。
また、ホワイトホース社の創業者である、ピーター・マッキーはラガヴーリン蒸留所でウイスキーの製法を学んだとされており、ホワイトホースのキーモルトとしてラガヴーリンが長く使用されている事でも有名です。
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ラガヴーリンなどのアイラウイスキーの特徴は、ピートによるスモーキーな香りと地方独特の磯の香り。深い味わいから、ウイスキーを飲み慣れていない人にとっては香りが強すぎると感じることもあるようです。
そんなアイラウイスキーの中でもラガヴーリンは、甘みやなめらかさを感じることができるため、バランスが取れた味わいとなっています。そのため、クセのあるアイラウイスキーの中でも飲みやすく、初心者の方にもおすすめできるウイスキーです。
ラガヴーリンのおすすめの飲み方は3つあります。
それぞれ詳しく解説します。
ラガヴーリン本来の独特な味わいを楽しみたいのであれば、ストレートで飲むのがおすすめです。薄めることなく、そのまま飲むことでラガヴーリンの風味をダイレクトに感じることができます。
実はウイスキーは、水を加えたりや温度が変化したりするだけで風味が変化してしまう、とても繊細なお酒。そのため、ウイスキー本来の複雑な味や香りを楽しみたい時に好まれるのが、ストレートという飲み方なのです。つまり、ラガヴーリンの特徴であるスモーキーさや、風味の豊かさがお好みの人にとっては一番楽しめる飲み方といえます。
また、ストレートでラガヴーリンなどのウイスキーを飲む時は、水や炭酸水などのチェイサーと交互に飲むことで口の中をリフレッシュすることができ、口に含めるごとにラガヴーリンの香りを楽しむことができます。
ラガヴーリンの味の変化を楽しみたいのであれば、ロックで飲むのがおすすめ。グラスに氷を入れ、ウイスキーを注いだだけのシンプルな飲み方です。
飲み始めはウイスキーそのものの味わいを楽しむことができ、氷が少しずつ溶けてウイスキーと混ざることで、よりまろやかな口当たりと変わっていきます。つまりロックは、時間とともに味と香りが変化していく飲み方なのです。
さらに温度が下がることで口当たりをマイルドにすることができ、ウイスキーをさっぱりと飲みやすくすることができます。また、氷が溶けることでウイスキーが薄まるので、度数をおさえる効果もあります。
とはいえ、氷をグラスに入れる本来の目的は、お酒を冷やすことにあります。氷で急速に冷やして、味のバランスが崩れる前に飲み干すのがロックのスマートな飲み方とされています。
ラガヴーリンをロックで飲めば、口の中に含むごとにスモーキーな香りに加えて、甘い風味やフルーティな香りの変化を楽しめます。ラガヴーリンのバランスの良さがよくわかる飲み方といえますね。
ウイスキーの風味と炭酸の爽快感を感じることができる飲み方がハイボールです。海外ではウイスキー&ソーダとして親しまれています。
ウイスキーをハイボールで飲むことで、食後酒になりがちな独特な風味のウイスキーを、食前や食事に合わせても楽しめるようにできます。ごくごくと飲むことでき、アルコールが苦手な人でもウイスキーが楽しめる飲み方です。
ラガヴーリンなどのスモーキーな香りのアイラウイスキーは、人によってはストレートだとクセが強すぎると感じるかもしれません。炭酸水で割ると香りが引き立ちながらも、独特なクセを弱めることができ、ハイボールとの相性もピッタリなのでおすすめです。
それでは、ラガヴーリンのラインナップを見ていきましょう。
本格的にラガヴーリンの香りや風味を楽しみたい人には「ラガヴーリン16年」がおすすめです。飲みやすさもありながら、個性的な味わいも楽しむことができ、絶妙なバランスがとれています。
アイラウイスキーの独特なスモーキーさや、海の香りである強烈なヨードと、焦げた麦のような香りをしっかりと感じることができます。アルコールの刺激は柔らかく、余韻は長め。最後に甘さは消えてドライな感じやスモーキーさが残ります。
飲み慣れたいつものウイスキーの味と、個性的なアイラの風味の両方が感じることができるため、アイラウイスキーの入門としてもおすすめの一品です。
また、「ラガヴーリン16年」は加水しても変化が少ないため、本来の味わいを楽しむストレートでじっくり味わいたいところです。
アイラウイスキー本格派の「ラガヴーリン16年」をいきなり購入することを躊躇してしまう人は、まず「ラガヴーリン8年」から挑戦してみてはいかがでしょうか。クリアでありながら、奥深い風味を楽しむことができます。
「ラガヴーリン8年」は熟成の年数が浅いため、人によっては苦手意識のある独特なスモーキーな香りはやや控えめ。16年に比べると飲みやすく、ウイスキー初心者の方でも楽しむことができます。
味わいは、原料のモルトが強く感じられます。甘さを抑えた麦芽クッキーのような風味があり、アーモンドのような香ばしさも感じることができます。また、オレンジやドライアプリコットなどの爽やかなフルーティさも「ラガヴーリン8年」の魅力のひとつ。
ストレートで本来の複雑な味わいを楽しむ飲み方はもちろんのこと、水割りやハイボールにして、すっきりと飲むのもおすすめです。
甘味が感じられるウイスキーがお好みの方は「ラガヴーリン ダブルマチュアード」はいかがでしょうか。「ラガヴーリン16年」に比べると、スモーキーさに加えて、甘さやコクがバランスよく感じられます。
特徴的な甘美な風味は製造方法によるもの。「ラガヴーリン ダブルマチュアード」は2回の蒸留を経て製造されていて、2回目の蒸留は甘くフルーティなシェリー酒である「ペドロ・ヒメネス」の樽で行っています。
この特殊な製造方法によって、レーズンやドライプラムのような風味が加わり、より甘さを感じることができるようになるわけです。余韻は長く、フルーティさに加えてビターさも感じられます。
「ラガヴーリン ダブルマチュアード」はロックやストレート、もしくはトワイスアップにして、本来の香りを楽しみながら飲むのがおすすめ。一緒にスイートチョコやドライフルーツなどと味わえば、甘みやコクをより楽しむこともできます。
また、水割りにすることで、より甘味を感じやすくなるのも特徴です。少しずつ水を加えて、甘味の変化を楽しみながら味わうような飲み方もぜひ試してみてください。
スコッチウイスキーの一種である、アイラウイスキー。好みが分かれる個性的なウイスキーではありますが、クセになったら抜け出すことができない魅力的なウイスキーなのですね。
そんなアイラウイスキーの複雑な味わいとバランスの良さで評価されている「ラガヴーリン」は、世界中に多くの愛好家がいるようです。
今回は、そんなラガヴーリンの歴史や特徴、おすすめの飲み方や銘柄ごとの味わいの違いについて紹介しました。
まだラガヴーリンを飲んだことがない人はぜひ一度味わってみてください。
ラガヴーリン以外のアイラモルトについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。