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- ウイスキー基礎知識
日本では数あるウイスキーの飲み方の中でもおすすめされやすい水割りですが、ただウイスキーと水を混ぜればいいというわけではなく実は奥が深い飲み方です。
特に水割りを最大限に楽しむなら、水割りに適したウイスキーの銘柄の把握はもちろん、水割りに使用するミネラルウォーターの銘柄にもこだわる必要があります。
また、水割りを作る際には重要なポイントがいくつか存在するので、おいしい水割りを作るなら必ず確認するようにしましょう。
この記事では、水割りを作る際におすすめのウイスキーとミネラルウォーターの銘柄を紹介し、水割りを作るときに重要なポイントについても解説します。
この記事のポイント
水割りとは、一般的にお酒を水で好みの濃度で割る飲み方のことを指します。
日本では主に焼酎などに用いられる飲み方であり、同じ蒸留酒であるウイスキーも水割りで飲まれることが多いです。
また、海外で水割りはウイスキー&ウォーターと呼ばれており、現在では世界中で親しまれていますが、ウイスキーの水割りにメリットを見出したのは日本が初めてだったといわれています。
日本にウイスキーが流通し始めた1970年代頃、スコッチウイスキーは独特のピート香を持ち、刺激が強いことから和食と合わせることが難しいお酒でした。
大手ウイスキーメーカーであるサントリーが考案したのがウイスキーの水割りであり、スコッチ特有のピート香を和らげ、刺激を弱めることでまろやかで飲みやすくなり、和食などの繊細な料理にも合わせやすいお酒に変化することを発見したのです。
和食にもウイスキーが合うとプロモーションしたサントリーの尽力と、日本では焼酎の水割りがすでに普及していたこともあり、ウイスキーの水割りという飲み方は多くの日本人に受け入れられます。
酒を水で割るという行為自体は海外でも昔から行われていますが、神話や宗教などの影響が動機の大半であるため、水割りに明確なメリットを感じていたわけではありません。
よって、水割りは日本独自に発展したウイスキーの飲み方といえるでしょう。
水割りのメリットは、クセの強い香りを和らげ、まろやかな口当たりにすることが挙げられますが、アルコール度数を調整できるのも大きなメリットです。
40度のアルコール度数を持つウイスキーを50ml、割る水の量を100mlとするとアルコール度数は約13.33度になります。
よりウイスキーの度数を下げたいならお酒の量を減らすか、水の量を増やすことで調整可能です。
ウイスキーに水を加える飲み方には、トワイスアップがありますが、水割りとは作り方も目的も異なる飲み方です。
一般的な水割りとトワイスアップの違いを下記の表にまとめました。
水割り | トワイスアップ | |
水 | 冷水 | 常温水 |
氷 | 入れることが多い | なし |
ウイスキーと水の比率 | 1:2~2.5 | 1:1 |
グラス | 明確な決まりはない | テイスティンググラス |
同じ水を加える飲み方ではありますが、用意する材料や作り方において、大きく分けて4つの違いがあることが分かります。
なによりも大きな違いは、トワイスアップはウイスキーの香りが引き立ちやすくなるため、ウイスキーの香りを楽しむ飲み方であることです。
香りを和らげる効果がある水割りとは真逆の効果であることから、同じ水を加える飲み方であっても目的がまったく異なります。
それでは、具体的に、安くてコスパのいいウイスキーから、水割りにこだわりたい人向けのシングルモルトを合わせて5種類紹介します。
水割りでコスパのいいウイスキーを探すなら、コンビニやスーパーマーケットでも気軽に購入できるブレンデッドウイスキーから選ぶのがよいでしょう。
コスパのいいウイスキーの中でもバランタインは水で割っても香りが残りやすく、クセが少なく飲みやすいことからウイスキー初心者にもおすすめの銘柄です。
代表的なスコッチウイスキーの1つで、初めてウイスキーを飲むならバランタインの水割りから飲んでみると口に合いやすいかもしれません。
バランタインについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
バランタインの種類やおすすめは?味の特徴や飲み方についても解説
シングルモルトウイスキーから初心者向けの水割り銘柄を選ぶならグレンフィディックになります。
グレンフィディックは飲み口が非常にライトであるため、水で割らなくてもストレートで十分に飲みやすいウイスキーです。
そのため、グレンフィディックを水で割ると初心者でもついつい飲み過ぎてしまうほど、お酒が進んでしまうウイスキーに変化します。
ウイスキー初心者や、シングルモルトウイスキーの水割りに興味のある方に試してほしい銘柄です。
グレンフィディックについて知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
グレンフィディックウイスキーの種類やおすすめの飲み方についてご紹介
グレンフィディックを含むスペイサイドモルトの中でも、水割りでより美味しい味わいに変化するのがグレングラントです。
こちらは果実の風味が強い甘い味わいのウイスキーですが、水割りにすることでグレングラントが持つ青りんごの味わいがさらに強くなります。
また、グレングラントはイタリアで人気のウイスキーであり、イタリア料理に合わせやすいウイスキーとして知られています。
アイラウイスキーはスコッチウイスキー特有のピート香が強いウイスキーが多く、カリラもアイラウイスキーの1つです。
アイラウイスキーのように初心者が取っつきにくい銘柄も水割りにして飲めば、クセの強い香りと味わいが緩和されて飲みやすくなります。
非常に辛口で潮っぽい風味が感じられるカリラは、ストレートで飲むのはウイスキー初心者にはハードルが高いですが、水割りにすると香りと味わいが絶妙なバランスに変化します。
カリラはクセの強いアイラウイスキーの中でも水割りがおすすめのウイスキーです。
画像引用:https://www.suntory.co.jp/whisky/products/0000000038/0000000100.html
水割りは日本で流行した飲み方であるため、ジャパニーズウイスキーにも水割りは非常に合います。
その中でも白州は爽やかで軽い口当たりのウイスキーであり、和食だけでなくさまざまな料理に合わせやすい銘柄です。
日本のウイスキーから水割りに使用する銘柄を選びたい場合や、料理を選ばず食中酒として楽しみたい方におすすめになります。
また、日本のウイスキーから水割りに使用する銘柄を選ぶ場合は、後ほど解説するウイスキーに合うミネラルウォーターを入手しやすくなります。
白州について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
白州は森が育んだウイスキー!種類と味の特徴を活かす飲み方を紹介
おいしいウイスキーの水割りを作るなら、使用する水にもこだわる必要があります。
本格的にこだわって水割りを作るなら、ウイスキーを作る際に使用された仕込み水と同じミネラルウォーターを用意するのが一番です。
今回は、ウイスキーの水割りを作るのに適した3つのミネラルウォーターを紹介します。
画像引用:https://products.suntory.co.jp/b/0000000040/index.html
水割りに適しており、日本でも入手しやすいミネラルウォーターが「サントリー南アルプスの天然水」になります。
甲斐駒ヶ岳、八ヶ岳で取れた天然水を使用しています。
こちらは白州と同じ水源の水であるため、白州の水割りを作るなら最適となるミネラルウォーターです。
清涼感のある味わいかつ入手難易度の低さから、初めて水割りを作る際に使用する水として大きな候補となります。
画像引用:https://www.deesidewater.co.uk/shop/
スコッチウイスキーと合わせるなら日本のミネラルウォーターではなく、現地の天然水を使用するとワンランク上の水割りができます。
ディーサイドは、スコットランドのハイランド地方のパンニャニックの泉から湧き出す天然水です。
イギリスのヴィクトリア女王が愛飲し、エリザベス女王のガーデンパーティーで使用されたロイヤルファミリーに愛される伝統のある水になります。
一般的なミネラルウォーターよりも水分子の集合体が少ないためアルコールとなじみやすいことから、ウイスキーとの相性もよくスコッチの水割りにこだわるなら用意しておきたいミネラルウォーターです。
画像引用:https://highlandspring.com/products
世界中のウイスキー愛好家が、ストレートのチェイサーや、水割り用の水に選ぶのがハイランドスプリングです。
ブラックフォードに水源地を持つハイランドスプリングは、ジョージ4世の時代からビールに使用する水として王が特許状を出した由緒正しい歴史を持ちます。
そのまま飲んでも十分においしいミネラルウォーターですが、ウイスキーに合わせると味が膨らんでいく感覚がするといわれるほど評価の高い銘柄です。
水割りに使用するミネラルウォーターに一切の妥協をしたくない方はこちらの銘柄を用意しましょう。
それでは、ウイスキーの水割りの作り方を解説します。
用意する物ウイスキー、水(ミネラルウォーター)、氷、グラス、マドラー
作り方
用意する物と基本的な作り方は以上になりますが、このシンプルな工程にひと手間を加えられるかによって水割りの完成度は変わってきます。
最後にウイスキーの水割りを作る工程で、こだわるべきポイントを3つ紹介します。
水割りのおいしさは使用するミネラルウォーターにも左右されますが温度も重要な要素です。
キレのある爽やかな水割りが飲みたいなら、事前にミネラルウォーターをよく冷やした上で、グラスも氷をマドラーでかき混ぜて冷やしておくのがおすすめになります。
また、水割りを作る際に使用する氷は大きくて溶けにくいものを用意するのがよいでしょう。
なぜなら、水やグラスの温度が高い場合や、氷が小さく溶けやすい状態にあると、液化して意図せずにウイスキーの濃度が薄まる可能性があるからです。
氷は市販のロックアイスを使用すると冷蔵庫の氷よりも解けにくいので安定しやすいです。
また、ウイスキーによっては冷やすと雑味が出る銘柄もあるため、銘柄によっては必ずしも冷やすことで美味しくならない可能性があるのが難しいところです。
大きい氷を入れるなら、グラスは口が広いタイプを使用するのがおすすめです。
また、薄手のグラスは冷えやすく温度をキープできます。
水割りに使用するグラスに明確な決まりはありませんが、上記のポイントを踏まえた上で選ぶとよいでしょう。
水割りを作る際の比率は、ウイスキー1で水2~2.5が目安になります。
アルコール度数はウイスキーの量や水の量を増減させれば簡単に調整できますが、一度比率を決めたら目分量で計るのではなく正確に軽量して合わせるようにしましょう。
計量にはカクテル用のメジャーカップを購入しておくと便利です。
水割りの比率は目安はあるものの、絶対の正解はありません。
しかし、計量して水割りを作ればお好みの比率を何度も試せるので、お気に入りの水割りを作るためにも計量は必要です。
ウイスキーの水割りにはさまざまなメリットがあるため、「クセのある香りと味わいを緩和したい」「食事に合わせたい」「度数を調整したい」などの目的がある方におすすめです。
目的を決めたら、水で割るウイスキーとミネラルウォーターを選択して実際に水割りを作ってみましょう。
水割りの理想的な比率は銘柄によっても人によっても異なるので、何度も挑戦してお好みの水割りでウイスキーを楽しんでくださいね。