山崎 ノンエイジ/NV(ノンヴィンテージ)とは? 味わいとおすすめの飲み方を紹介
- ウイスキー銘柄
ホイッスルピッグは、ライムギを原料にしたライウイスキーのなかでも注目されているアメリカンウイスキーです。
原料にライムギをほぼ100%使用するだけでなく、長い熟成年数をかけて製造されていることが特徴であり、どちらもこれまでのライウイスキーの常識を覆す製法です。
滑らかでまろやかな口当たりが特徴であり、ほんのりスパイシーで豊かな風味が楽しめる銘柄となっています。
この記事では、ホイッスルピッグの種類と味わい、おすすめの飲み方を紹介します。
この記事のポイント
画像引用:https://jp.whistlepigwhiskey.com/about/
ホイッスルピッグは、アメリカのバーモント州にあるホイッスルピッグ蒸溜所で製造されるアメリカンウイスキーです。
これまでのライウイスキーは、ライムギを51%以上使用する義務に合わせたものとなっていましたが、ホイッスルピッグはほぼ100%のライムギを使用した純粋なライウイスキーとして世界中のウイスキー愛好家から注目を集めました。
ライウイスキーらしいスパイシーさとともに豊かなフレーバーが楽しめる魅力的な味わいの銘柄です。
ホイッスルピッグの歴史と製造方法を見ていきましょう。
ウイスキーの原料はモルト(大麦)だけではありません。原料ごとに異なるウイスキーの種類についてはこちらの記事で紹介しています。
ウイスキーの原料はモルト(大麦)だけではない! 種類によって変わる味わいとは?
ホイッスルピッグはライウイスキーの製造を目的としたディブ・ピッカレル氏が率いるチームによって、2007年に立ち上げられたブランドです。
特徴的な名前は、蒸溜所を設立するために買い取った農場にいたブタのモーティマがいびきをかいて寝ていたことに由来するそうです。
アメリカンウイスキーで主流であるウイスキーはバーボンウイスキーであり、ライウイスキーは代表的なバーボンウイスキーのブランドがラインナップを広げるために販売するケースが大半になります。
しかし、アメリカンウイスキーの歴史ではかつてバーボンウイスキーよりもライウイスキーのほうが人気であった時代もあり、ディブ・ピッカレル氏はライウイスキーに可能性を感じ、あえて時代に逆らって究極のライウイスキーを製造することを決意しました。
ライウイスキーが積極的に製造されないことには理由があり、なぜならライムギという原料自体の取り扱いが非常に難しいからです。
ウイスキーの原料のライムギ比率が高まるほど、原料は正常に糖化しにくくなり、取り扱いに技術が求められ、生産に対してもコストがかかります。
そのため、ライウイスキーを名乗るのに必要な基準であるライムギ比率51%以上を満たし、コスト削減のためにライムギ比率をギリギリまで抑えたライウイスキーばかりが販売されているのが実情でした。
このような背景のなかでホイッスルピッグは、ライムギをほぼ100%使用したライウイスキーとしてウイスキー業界に突如現れた存在でした。
100%のライムギを使用したホイッスルピッグの風味は評価され、サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション(SWSC)の最優秀ウイスキー賞の受賞を中心にライウイスキーのなかでも最多受賞銘柄となります。
また、2018年にディブ・ピッカレル氏は亡くなっており、現在では彼の意志を引き継ぐ若者の職人たちがホイッスルピッグを製造しています。
ホイッスルピッグのコンセプトは原料にほぼ100%のライムギが使用されていることです。
原料となるライムギは買い取った農場による自家栽培であり、ウイスキーの製造のために最適なライムギを作ることから始めました。
蒸溜器はハイブリッドスチルを使用しており、ポットスチルと連続式蒸溜機の機能を備えた最新鋭の設備です。
ホイッスルピッグがほかのライウイスキーと異なる点には、熟成年数が挙げられます。
ライウイスキーの熟成年数で10年を超えることはほとんどありませんが、ホイッスルピッグはライウイスキーを10年以上熟成させることを前提としています。
ウイスキー樽もアメリカンオーク樽のほかに、さまざまなワイン樽を使用して追熟した原酒も使用しているのが特徴です。
あえて難しいといわれるほぼ100%のライムギを使用した長期熟成に挑戦したことで、ホイッスルピッグはこれまでにないライウイスキーの新たな境地を開拓したのです。
多くのウイスキー愛好家が興味を持っていても実現できなかった100%のライムギを使用したライウイスキーが製造できたのは、一つ一つの製法にこだわりを持って作り上げたディブ・ピッカレル氏が率いた職人たちの意地によるものといえるでしょう。
ホイッスルピッグの種類と味わいについて紹介します。
画像引用:https://jp.whistlepigwhiskey.com/whiskeys/10-year/
ホイッスルピッグ 10年 スモールバッチ・ライは、ホイッスルピッグのスタンダードボトルに位置する10年熟成の銘柄であり、ホイッスルピッグのなかでは熟成年数が低いものの、ほかのライウイスキーを含めれば最長クラスです。
オレンジピールとキャラメルの甘い香りにトフィーの味わいにスパイス感が感じられる銘柄です
ライウイスキーを飲んだことがある方も革命的な風味を感じられることから、初めてホイッスルピッグを飲む方はこちらのボトルがおすすめになります。
画像引用:https://jp.whistlepigwhiskey.com/whiskeys/12-year/
ホイッスルピッグ 12年 オールドワールド・ライは、10年以上熟成させた原酒をポートワイン樽・ソーテルヌワイン樽・マデイラワイン樽の3種類の樽で仕上げた銘柄です。
アップルパイとレーズンの香りとアプリコットとキャラメルの風味が楽しめるだけでなく、ライウイスキー特有のスパイシーさも健在です。
ホイッスルピッグ 10年 スモールバッチ・ライを飲んでワンランク上のボトルも試したくなったのであれば、こちらの銘柄を選びましょう。
画像引用:https://jp.whistlepigwhiskey.com/whiskeys/15-year/
ホイッスルピッグ 15年 エステートオーク・ライは、ホイッスルピッグで最高クラスの熟成年数を持つ、カスタムメイドしたバーモントエステートオーク樽で熟成させた銘柄です。
焦がしたオレンジにタバコとレザーのようなリッチな風味が加わり、クローブのスパイス感があるクリーミーな味わいを持ちます。
ライウイスキーの最高峰を飲みたい方はこちらの銘柄がおすすめです。
ホイッスルピッグのおすすめの飲み方を紹介します。
それぞれ詳しく解説します。
ホイッスルピッグはさまざまな飲み方を試せますが、ウイスキーの風味を余すことなく味わうならストレートがおすすめです。
ライウイスキーを飲んだことがある方は、ライウイスキーの常識を覆すような豊かな香りと味わいを楽しめることでしょう。
ライウイスキー初心者の方で飲んだことがない方も飲みやすいため、ストレートで楽しみやすい銘柄です。
ストレートで美味しいウイスキーの条件はこちらの記事で紹介しています。
ストレートで美味しいウイスキーの条件とは?おすすめの銘柄4選
ホイッスルピッグは値段がカクテルの材料にするには高価であると感じる方も多いかもしれませんが、公式サイトでもカクテルの材料として推奨されています。
代表的なカクテルであるオールドファッションドは、ホイッスルピッグ 10年 スモールバッチ・ライを材料にして作るのに適しています。
レシピと作り方について以下にまとめました。
材料 | 分量 |
ホイッスルピッグ | 45ml |
メープルシロップ | 7.5ml |
アンゴスチュラビターズ | 3ダッシュ |
オレンジピール | 適量 |
作り方
そのほかのカクテルにも合いやすいので、ホイッスルピッグでカクテルを作るのもおすすめです。
カクテルを含むウイスキーの割り方の種類はこちらの記事で紹介しています。
ウイスキーのおすすめの割り方15選!基本の割り方や意外なものまで
ホイッスルピッグは、ライウイスキーのなかでも難しいとされたほぼ100%のライムギを使用して、新たなライウイスキーのあり方を開拓した銘柄です。
ライウイスキーを飲んだことがあり興味のある方や、ライウイスキーを初めて飲む方にもおすすめできます。
スタンダードボトルの時点でライウイスキーのなかでも最高レベルであるため、ホイッスルピッグ 10年 スモールバッチ・ライから飲み進めてみましょう。