ラフロイグ 10年とは? スモーキーな味わいとおすすめの飲み方を紹介
- ウイスキー銘柄
ウルフバーンはスコットランドの最北の地、ケイネサス州のサーソーという街でうまれたスコッチのシングルモルトウイスキーです。
ウイスキーの銘柄名もこの土地にかつて狼が生息していたことから由来しています。
しかし、1600年代までには人々の乱獲により絶滅しました。
ウイスキーウルフバーンは2012年にイギリス海軍の元軍人のアンドリュー・トンプソンによって建てられた新進気鋭のウルフバーン蒸留所から生まれました。
新興の蒸留所は効率がいいため、最新の設備を組み入れているところが多いですが、ウルフバーン蒸留所はあくまでも伝統的な設備と製法にこだわっています。
それは納得のいく美味しいウイスキーを造りたいからだそうです。
本記事ではウルフバーンの種類と製法と歴史について解説し、おすすめの飲み方も紹介します。
この記事のポイント
実はウルフバーン蒸留所はこれまでに2か所存在していました。
まず、1か所は2012年にできた新進気鋭の蒸留所ですが、過去1821年代~1850年代頃まで稼働していたのです。
その後、その蒸留所は操業停止、廃墟と化してしまいました。
その後2012年にまだ、歴史の浅いウルフバーン蒸留所の創業者、アンドリュー・トンプソンが創業を開始します。
彼は元海軍兵でしたが、アフガニスタンやイラクにも派遣されたことがある強者でした。
海軍には7年ほど在籍した後に辞職し、アフリカのケープタウンに移住しました。
彼は2005年には通信インフラ事業を立ち上げましたが、IT世界のトレンドの速さに追いつくような仕事は性に合わなかったようで通信会社を売却して、ウイスキー造りを始めます。
余談ですが、彼はウイスキー造りを始める前に日本にも訪れています。
彼が訪れたのは秩父蒸留所です。
秩父蒸留所は今や世界にも認められている小規模蒸留所です。
彼が目指しているウイスキーは遥か極東の地にありました。
日本への感謝の気持ちから毎年日本限定ボトルを造り続けています。
更に彼が興味を示した場所が埼玉県秩父市にある三峯神社です。
この神社には日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が御祭神尊をこの地に道案内した狼も祀ってあるのです。
『ウルフバーン 三峯神社』というボトルのウイスキーもリリースされています。
これは三峯神社に行かないと購入できない貴重なボトルになります。
蒸留所のあるケイネサス州は豊かな自然に恵まれており、大麦の栽培やピート層の広がりに恵まれています。
ウイスキー作りに適した土地と地元地域の活性化の気持ちを込めてサーソーにウルフバーン蒸留所をつくったのでした。
ちなみにウルフバーンの『バーン』というのは『川』という意味で、蒸留所の近くを流れています。
ウルフバーンが使用する原料の大麦は殆どがノンピートで近年では1年に2か月ほどピーテッドモルトを使用した原酒を生産しています。
ピートが豊富な土地ではありますが、ウルフバーンの目指しているスペイサイド系の華やかな味わいのため、そこまでピートが強くないものがいいためです。
粉砕機で細かくされた麦芽は糖化槽で約6時間かけて液化し、その後発酵槽で発酵させられます。
そしてできたもろみをストレート型・バルジ型の2種のスチルを使って蒸留させます。
使用する樽は3分の1がバーボンクォーターカスク、もう3分の1がバーボンホグスヘッド、残りはシェリーバットになります。
ウルフバーンのウイスキーは基本的にノンピート麦芽を利用しています。
微かにピーティなのはアイラモルトの空き樽のクォーターカスクを利用しているためです。
アロマには新鮮なリンゴと甘い麦芽、続いてクルミや軽やかな勲功、ヘザーハニー、ココナッツオイル等が次々と現れます。
若いモルトですが、物足りなさはなく、秀逸な仕上がりです。
モルティさの中に甘酸っぱい熟成感が感じられ、ドライアプリコットやチョコレート、バニラやヘーゼルナッツ、白コショウ、フィニッシュはとても甘いだけでなく、スパイシーです。
ウルフバーンのおすすめラインナップをご紹介します。
画像引用:wolfburn.com
2016年に第一弾、定番アイテムとしてリリース。
蒸留が始まったのが2013年なので、スコッチウイスキーとしての基準をやっと満たした頃にようやくリリースされた銘柄です。
熟成にはアイラ産のセカンドフィルクォーターカスクを使用しています。
ウルフバーンで生産された原酒自体にはピートは使われていないのですが、アイラ産の樽で熟成したことで微かにピートのフレーバーを感じるようです。
そして果実とモルティが重なり合うバランスの取れたウイスキーになります。
ハンドクラフテッドノーオートメーションの伝統的な作業として、可能な限り人の手で作り出されたウイスキーをノンチルフィルタードでボトリングしています。
色はきれいなゴールド、アロマはツンとした刺激と微かなスモーキーさ、奥にリンゴや柑橘系の甘さ、全体的にはフレッシュな香り
味わいは最初にハチミツの甘さが広がり、スモークに変化していく。舌にオイリーさがまとわりつく感じもあり、オレンジやレモンの柑橘系のフレーバーも若干あります。
香りは若さを感じる刺激的でスパイシーさもありますが、それに反して味わいは軽め、フィニッシュも軽めです。濃い甘さの奥にスモーキー感やオイリー感があってスペイサイドの華やかさもあります。
画像引用:wolfburn.com
こちらも3年熟成の第2弾。ファーストフィルのアメリカンフィルバーボン樽とファーストフィルのオロロソシェリーホグスヘッドを使用しています。
シェリー樽は20%なので、大体がバーボンの風味となっている量ですけども、奥にシェリーの甘さ等が隠れているようです。
アロマはかなり爽やかでスパイシー奥にハチミツフルーティな青リンゴ、桃、微かなバター。
味わいはかなりライトで強めの穀物感があります。
コーンや麦のような風味も感じられます。
バーボンのオーク、ウルフバーン特有の甘さも加わって、チョコレートのような甘さがあります。フルーツ系のトロピカル感、ほのかな青りんごの甘さもあります。
ライトボディなので余韻は軽めです。
爽やかさとすっきり感、その奥に柔らかさを感じるウイスキーです。
画像引用:wolfburn.com
定番リリース第3弾、ウルフバーン初のピーテッドモルトを使用。
遮光瓶を使用し、これまでのノンピートとは一線を画す味わいです。
熟成にはファーストフィルバーボンカスクとセカンドフィルクオーターカスクを使用しています。
スモーキーな風味とウルフバーンの柔らかさが表現されています。
色は透明に近い色
スモーキーですが、ウルフバーンの甘さが隠れています。
柑橘系のオレンジ、爽やかなレモン、バーボン樽特有のバナナ、バニラの香り。
甘さとピートが同時に押し寄せてくる感じです。
後に続くスモーキーで鼻に抜ける感じが煙そのものでバーベキューのような煙の香り。
全体的に風味は濃くはありません。
ミディアムに近い風味なのでバランスがいいです。
最初にスモーキーがくるのですが柑橘系の甘さ、少し下にまとわりつくような感じのオイリーな風味があります。
画像引用:wolfburn.com
定番リリースの第4弾。
ファーストフィルバーボンカスク熟成原酒を58度で熟成したハイプルーフ仕様。
カスクストレングスに近い度数です。
スパイシーでどっしりとした風味が特徴です。
アロマはフローラル&フルーティ。
サクランボ、後にオークの香り、チョコレート、ベイクドアップル、桃
ウルフバーンの特徴が前面にでてきているような香りです。
飲んだ瞬間に蜂蜜、続いてスパイシー、甘さ、オーク由来のスパイシーさが戻ってきてフィニッシュにまたチョコレートやキャラメルなどの甘さ。
アルコール度58度を感じさせない優しいつくり。
風味は濃い目ですので余韻は長めです。甘さが残る余韻です。
基本的にはどんな飲み方でも美味しく飲めますが、おすすめは少しずつ加水してご自身のお好みの濃さの水割りを作っていただくのはおすすめ。
味のバランスがいいので加水で崩れることはありません。
また、モーヴェン、ラングスキップはハイボールでも楽しんでいただけます。
若さを感じさせない3年でこの出来というのは素晴らしいのではないでしょうか。
今後10年、15年、20年とどういうボトルが出てくるのか楽しみな蒸留所ですね。
ウルフバーンのこれからの動向をチェックしていきたいですね。