山崎 ノンエイジ/NV(ノンヴィンテージ)とは? 味わいとおすすめの飲み方を紹介
- ウイスキー銘柄
山桜は、東北地方の福島県で製造されているブレンデッドウイスキー、またはピュアモルトウイスキーです。
笹の川酒造によって造られますが、山桜の由来は、かつては山桜酒造合資会社を名乗っていたことに由来します。
さっぱりとした味わいであり、甘味と酸味のバランスが良く、なめらかなのどごしをしているのが特徴です。
この記事では、ウイスキー山桜の種類と味わい、おすすめの飲み方を紹介します。
この記事のポイント
笹の川酒造株式会社 - https://www.sasanokawa.co.jp/asaka-distillery/
ウイスキー山桜は、笹の川酒造によって販売される福島県で生産されたブレンデッドウイスキーであり、ラインナップの一部にはモルトウイスキーのみをブレンドしたピュアモルトウイスキーが含まれます。
笹の川酒造が所有する安積蒸留所は、2016年に生産を開始した新しい蒸留所ですが、ウイスキーの製造に関する歴史は1946年に遡るため、日本でも老舗のウイスキーの製造会社です。
さっぱりとした味わいとほのかな甘みとかすかな酸味、銘柄によっても味わいの傾向は異なりますが、飲みやすいなめらかなのどごしが特徴になります。
ウイスキー山桜の歴史と製造方法について見ていきましょう。
笹の川酒造は、1765年に設立された老舗の酒造会社であり、古くから日本酒と焼酎を製造してきました。
このような歴史ある老舗がなぜ1946年というウイスキーブームがまだ訪れていない時代にウイスキーの製造に乗り出したのか疑問に思う方もいることでしょう。
当時の福島県には、駐留中のアメリカの兵隊がおり、アメリカでは禁酒法が廃止され、ウイスキーが広く飲まれていたことから、海外の人にも飲んでもらえるお酒を作るというコンセプトでウイスキーを作りました。
このような経緯で誕生したお酒がチェリーウイスキーであり、スコッチウイスキーと糖蜜をベースにした地ウイスキーです。
チェリーウイスキーは、1980年代にブームを起こし、マルスウイスキーに並ぶ地ウイスキーブームを起こします。
その後は、日本のウイスキーは冬の時代が到来し、チェリーウイスキーでブームを作った笹の川酒造には辛い時代が訪れ、ウイスキー作りを休止します。
しかし、その間でも笹の川酒造は、イチローズモルトの肥土伊知郎氏の成功に貢献しており、羽生蒸溜所の原酒が廃棄されようとしているとき、原酒の保管場所として倉庫を貸したのです。
笹の川酒造の社長である山口哲蔵氏は、肥土氏のウイスキー作りへの熱意に心を動かされ、安積蒸留所を設立して自らもウイスキーの製造に乗り出します。
イチローズモルトについて知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
秩父で生まれたウイスキー『イチローズモルト』とは?製法や種類をご紹介
ブレンデッドウイスキーは、モルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドした本場スコットランドでも代表的なウイスキーの種類です。
ピュアモルトウイスキーは、異なるモルトウイスキーのみをブレンドしたウイスキーになりますが、本場スコットランドにあった概念ではなく、日本が発祥であるウイスキーの種類になります。
ニッカウイスキーが提唱した概念であり、同社が販売する竹鶴という銘柄は、余市と宮城峡の2つの異なる特徴を持つモルトウイスキーをブレンドした銘柄です。
現在の日本ではニッカウイスキーに限らず使用されている言葉になりますが、スコットランドでも同様の概念が取り入れられブレンデッドモルトと呼ばれています。
また、安積蒸留所の設立により、「山桜シングルモルト 安積 The First Peated」などのシングルモルトも新たに販売されるようになりました。
シングルモルトとピュアモルトの違いについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
ウイスキー山桜の種類と味わいについて紹介します。
画像引用:https://www.sasanokawa.co.jp/asaka-distillery/contents/productsDetail/currentProducts.html#01
山桜の中でもスタンダードで広く販売されている銘柄が、黒ラベルと呼ばれるダークな色合いのボトルです。
カカオとレーズンの甘い香りにまろやかな口あたりでありながら、かすかなスモークを感じられます。
日本人好みに合わせたウイスキーであるため、ハイボールや水割りがおすすめの飲み方となっている山桜の入門酒です。
画像引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003465.000007505.html
イオン限定で発売された山桜のスモーキーエディションであり、2022年10月14日から発売が開始されました。
黒ラベルのピート香をより強くしたものであり、スモークが強くてもマイルドな口あたりと華やかな余韻は失われていません。
山桜の黒ラベルを飲んでスモークが物足りないと感じた方は、こちらを飲むと満足しやすいです。
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ブレンデッドウイスキー山桜 プレシャスは、黒ラベルの上位ボトルという位置づけで販売された銘柄です。
特にグレーンウイスキーの質が高まっており、ハチミツを思わせる上品な甘みと深い味わいが楽しめます。
黒ラベルよりも高い品質を求めるならこちらの銘柄を購入するのが良いでしょう。
画像引用:https://www.sasanokawa.co.jp/asaka-distillery/contents/productsDetail/currentProducts.html#01
こちらの山桜はモルト原酒のみをブレンドしたピュアモルトウイスキーであり、オーク樽5年以上熟成モルト、シェリー樽熟成モルト、ピーテッドモルトをバランスよくブレンドしています。
シェリー樽由来の柔らかい果実香とスモーキーフレーバーが心地よく、モルトのリッチな味わいが楽しめます。
ピュアモルトウイスキーにおいてはスタンダードとなる山桜です。
画像引用:https://www.sasanokawa.co.jp/asaka-distillery/contents/productsDetail/currentProducts.html#01
こちらはピュアモルトウイスキー山桜の数量限定で販売されたリミテッドエディションモデルになります。
限定販売であるため、入手が難しく、紫色のラベルのピュアモルトウイスキー山桜はプレミアが付きやすいです。
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こちらはブレンデッドウイスキーでも、ピュアモルトウイスキーでもない安積蒸留所の原酒のみを使用したシングルモルトになります。
3年以上熟成させたモルト原酒のみを使用して限定で発売された、山桜の名前を冠する安積蒸留所初のシングルモルトです。
初めて販売されたシングルモルトであり、数量限定であったことも含めて、プレミアなどの価値が高まっているウイスキーになります。
ウイスキー山桜のおすすめの飲み方を紹介します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
山桜は多くの国産ブレンデッドウイスキーと同様にハイボールが合います。
炭酸水で割ることにより爽快感が加わり、山桜が持つフルーティーな香味と味わいを引き立ててくれます。
シングルモルトを含めた限定品は希少であるため、まずはストレートで味わってから、ハイボールなどの他の飲み方を試すと良いでしょう。
山桜は加水との相性がよく、ハイボールと同様に水割りもおすすめになります。
和食など落ち着いた食事と合わせるのなら水割りを食中酒にすることで、食事の味わいを損ねずに山桜を楽しめます。
アルコールに弱く、ストレートで飲むのが難しい場合は常温の水でウイスキーを割すトワイスアップを試すのも良いでしょう。
ウイスキーの水割りの作り方について知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
ウイスキーの水割りでおすすめの銘柄をご紹介!作り方やポイントなど
ウイスキー山桜は、基本的にはブレンデッドウイスキーがラインナップになりますが、ピュアモルトウイスキーも含めると幅広く、限定ではありますがシングルモルトもリリースされています。
福島県の地ウイスキーに興味を持った方や、国産ウイスキーを広く飲んでいるのならおすすめの銘柄です。
種類はありますが、限定販売も含まれるので、最初に入手するなら入手難易度が低く最もスタンダードな「ブレンデッドウイスキー山桜 黒ラベル」から探すのが良いでしょう。