【現地レポート】「BUSHMILLS CASK DISCOVERY BAR」にて“樽を飲む。”を体感!
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中目黒の大通り沿いに建つウイスキー&ワインバー「Bar SAWA」。そのオーナーである新谷茂子(しんたに しげこ)さんはウイスキーセミナーの主宰や書籍の執筆など、長年にわたり日本ウイスキー業界の発展を支えてきた立役者です。
そんな新谷さんは今春、スコッチウイスキー界において最も格式の高い協会ザ・キーパーズ・オブ・ザ・クエイヒのメンバーであるキーパー・オブ・ザ・クエイヒ(キーパー)に就任されました!日本人では元メルシャン副社長酒巻忠義氏、サントリーマスターブレンダー鳥井信吾氏、元サントリーチーフブレンダー稲富孝一博士に続き、日本人女性として初めてになります!
今回は新谷さんにキーパー・オブ・ザ・クエイヒ就任についてお話をお伺いしました。ウイスキー好きでもあまり知られていないザ・キーパーズ・オブ・ザ・クエイヒについて解説を交えながら、普段では滅多に見ることが出来ない就任式でのご様子をお届けしますので、是非最後までご覧ください!
新谷さんは宝塚音楽学校を首席で卒業し、宝塚歌劇団で娘役のトップスターとして活躍し、出演された舞台が芸術選奨も受賞しました。宝塚退団後は北条秀司氏に師事し、市川團十郎氏の「宮本武蔵」で朱美、「王将」の玉江役などを演じ、北条賞や十三夜会賞など、数々の賞を受賞されています。
演劇の道を離れたのち、1985年にBar SAWAを開いてからは、ウイスキーの造り手が集うウイスキーセミナー「Red rose」の主宰や、書籍の執筆、YouTubeチャンネルでのウイスキー小話の配信など、ウイスキー業界において多岐にわたって活躍されています。
Bar SAWAには、普段ではなかなか出会うことの出来ないレアボトルがずらっと並び、店内には日本に100冊しかない『竹鶴ノート』のレプリカが飾られているなど、ウイスキー好きにはたまらない空間が広がっています。
また新谷さんは、元ホワイト&マッカイのマスターブレンダーで、現在はダルモア蒸溜所のマスターディスティラーであるリチャード・パターソン氏とも親しく、今回はパターソン氏の推薦によりキーパーに就任されました。
新谷さんやBar SAWAについてはこちらの記事で詳しく紹介していますので、是非ご覧ください!
また新谷さんが主催しているRed roseセミナーでは2024年11月に特別セミナーが開催されます!
詳細はこちらからご覧ください!
ザ・キーパーズ・オブ・ザ・クエイヒ(The Keepers of the Quaich)とは、スコッチウイスキーの発展に貢献したと認められて招聘された人たちで構成される、スコッチウイスキー業界において最も格式の高い協会です。
ザ・キーパーズ・オブ・ザ・クエイヒのメンバーは100を超える国々から集められ、会員数は3,000人を超えています。キーパーはスコッチウイスキーの造り手のみならず、研究者やライターなど様々な職種の集まりでできています。
組織名 | ザ・キーパーズ・オブ・ザ・クエイヒ(The Keepers of the Quaich) |
設立 | 1988年 |
グランド マスター |
アーガイル公爵(The Duke of Argyll) |
会長 | イアン・スミス(Ian Smith) |
創設企業 | Justerini & Brooks Ltd Edrington Diageo Chivas Brothers Ltd George Ballantine & Son |
メンバー企業 | Berry Bros & Rudd Ltd Distell International Ltd The Glenmorangie Company Ltd J & G Grant William Grant & Sons Ltd Inver House Distillers Ltd Whyte and Mackay Ltd John Dewar & Sons Ltd Beam Suntory Inc The BenRiach Distillery Co Ltd Gordon & MacPhail Ian Macleod Distillers Ltd Signatory Vintage Scotch Whisky Co Ltd |
モットー | Uisgebeatha Gu Brath(ウイスキーよ永遠なれ) |
本部 | Keepers of The Quaich, Lothianburn Clubhouse, 106 Biggar Road, Edinburgh, Scotland UK |
公式HP | The Keepers of the Quaich UK公式ホームページ |
1970年代後半から1990年代にかけてイギリスで起きた不況に伴い、1980年代はスコッチウイスキーの売り上げが落ち込み、多くの蒸溜所が閉鎖へと追い込まれていました。このような厳しい状況下に置かれたスコッチウイスキー業界において各蒸溜所や団体、ウイスキー業界にかかわる人々を団結させられる組織の存在が必要とされました。当時すでにスコッチウイスキー協会(Scotch Whisky Association)という組織はありましたが、これは単純な企業のための事業団体でした。このような背景の中で誕生したザ・キーパーズ・オブ・ザ・クエイヒは、業界に関わる各蒸溜所や企業、個人の利害と関係なく、スコッチウイスキーの魅力を広め販売を促進し、業界のネットワークを強化することを目的としてユナイテッドディスティラリーズ社(現:ディアジオ社)などによって設立されました。
クエイヒ(Quaich)とは17世紀ごろからスコットランドで用いられていた金属製の杯です。両手を使って飲み、武器を持っていないことを示す、友好の証としても用いられてきました。ガラス製のコップが普及してからは主に儀式で使用されるようになり、儀式ではスコットランド文化を象徴するお酒であるウイスキーを飲む際に用いられる事が多いです。
スコットランド文化を象徴する、いわば聖杯であるクエイヒの守護者こそが、キーパー・オブ・ザ・クエイヒなのです。
ザ・キーパーズ・オブ・ザ・クエイヒを象徴する最も重要なオブジェクトがグランドクエイヒ(The Grand Quaich)です。
直径が60センチメートルほどある大きなクエイヒで、キーパーの就任式などの祭典で用いられています。協会のために特注で造られたこのグランドクエイヒは銀純度が非常に高いスターリングシルバー製で、エディンバラの純度検証極印が刻印されています。
ザ・キーパーズ・オブ・ザ・クエイヒで用いられている紋章は、紋章を管轄する世界最古の裁判所であるライアン裁判所に認可されたものです。スコットランド王国の国章に用いられているライオンや、国旗と同じ聖アンドルーズ十字など、スコットランドの文化と伝統を反映させたデザインになっています。これに加えウイスキー造りに欠かせない大麦や水などがあしらわれており、ライオンの手に握られている穂が大麦、盾の下部にある波線が水をそれぞれ表しています。
紋章の上部にあるザ・キーパーズ・オブ・ザ・クエイヒのモットー”Uisgebeatha Gu Brath”は、ゲール語で「ウイスキーよ永遠なれ」を意味します。
「タータン・チェック」として日本でも馴染み深いタータンは、多くの色を使った格子柄の毛織物で、スコットランドでは古くからクランと呼ばれる氏族を表す紋章や、儀式用の飾り章として伝統的に用いられてきました。スコットランド文化を尊重するザ・キーパーズ・オブ・ザ・クエイヒでは、独自の柄を採用しており、青は水、金は大麦、茶はピートを表しています。
ザ・キーパーズ・オブ・ザ・クエイヒを構成する会員は大きく分けてキーパー(Keeper)とマスター(Master)の二つで、今までにキーパーは3,093人、その内マスターは261人就任されています。構成メンバーの過半数がイギリス以外の出身者であるザ・キーパーズ・オブ・ザ・クエイヒは、11の海外支部があり、構成メンバーも100ヵ国以上から集められている国際組織です。
またバンケット(Banquet)と呼ばれる祝宴には、英国王室のウェールズ皇太子やモナコ公といった賓客が招待され、バンケットのディナー会でスピーチを上げることで、名誉キーパーとなります。
構成会員以外に、創設企業とメンバー企業があります。創設企業はザ・キーパーズ・オブ・ザ・クエイヒの設立に携わった企業、メンバー企業は協会の運営に携わっている企業から構成されています。創設企業から各1名、メンバー企業から数名選出された代表者は運営委員会(Management Committee)を構成し、委員会の中から会長(Chair)と副会長兼会計(Vice Chair and Treasurer)を1名ずつ選出します。
このほかにもアーガイル公爵が務めるグランドマスター(The Grand Master)や、スコットランド貴族などによって構成されるパトロン(Patron)も運営に携わっています。
新谷茂子さんは、2024年春のバンケットにてキーパー・オブ・ザ・クエイヒに就任されました。日本人では過去にメルシャンの副社長であった酒巻忠義氏やサントリーのマスターブレンダー鳥井信吾氏、元サントリーチーフブレンダーの稲富孝一博士が就任しています。
新谷さんは日本人女性としては初めてキーパーに就任されました。
キーパー・オブ・ザ・クエイヒの就任式は年2回開催されるバンケットで行われます。バンケットはハイランド地方の中心部にあるブレア城で行われ、新たにキーパーになった人以外にもウイスキー業界から様々な人が招聘されます。
新谷さんは今年3月に開かれた2024年春のバンケットで新キーパーに就任されました。
新谷さんにバンケットでの雰囲気や、キーパー就任時のお気持ちについてインタビューさせていただきました!
Dear WHISKY:
就任式に行くにあたって印象に残っていることはありますか?
新谷さん:
着物を着ていったことね。実はパターソンさんから着物を着て来て欲しいと言われたので着物を着て出席することにしたのよ。
この着物と帯は母に貰った形見で、帯は人間国宝にも選ばれた方が織った貴重なものなのだけれど、やっぱり着物を選んで良かったと思ったわね。洋式のディナーで着物姿はよく目立ったし、パターソンさんにも「スターだね」とお褒め頂いたわ。
Dear WHISKY:
就任式が行われたブレア城の雰囲気はいかがでしたか?
新谷さん:
本当に大きいお城で、門から城までの道のりも長いのよ。そして入り口に着いたところでパターソンさんたちと一緒に写真を撮って城の中に入ったの。お城の中も天井が広くて立派な内装だったわ。
Dear WHISKY:
立派なお城だったのですね!実際に中に入ってみていかがでしたか?
新谷さん:
大きくて美しいお城だったわ。ディナー会場も剣や甲冑がたくさんあったり、会場の中もアソール・ハイランダーズという私兵が護衛をしたりしていて、スコットランドの歴史が感じられる荘厳な空間だったわ。
毎年このバンケットで新たなキーパーの就任式が行われます。新キーパーとして招聘された人たちは会長の前に進み出て、グランドクエイヒに右手を置いて宣誓を行います。
このグランドクエイヒでの宣誓をもって正式にキーパー・オブ・ザ・クエイヒとなります。
今回のバンケットでは新たに49人のキーパーとマスターが誕生しました。
Dear WHISKY:
キーパーの就任式はどのように行われたのですか?
新谷さん:
まず今回私がキーパーに推薦された理由をパターソンさんがお話ししてくださった後、グランドクエイヒに手を置いて宣誓をしたわ。
Dear WHISKY:
キーパーに就任式に出席されたときはどのようなお気持ちでしたか?
新谷さん:
本当に緊張したわ。着物を着ているせいもあったのか、やたら胸が騒いですごい緊張したのよ。舞台に上がったわけでもないのに、あんなに緊張することは滅多にないわ。
ザ・キーパーズ・オブ・ザ・クエイヒのバンケットでは毎年ディナー会が開催されます。
このバンケットのディナーは様々なところにスコットランドの伝統が詰められたディナー会となっており、参加者はこのディナーでスコッチウイスキーを楽しみつつ、スコットランド文化を讃えます。
ディナー会場にはグランドマスターや会長が座るトップ・テーブルに加え18のテーブルが用意されています。これらのテーブルには様々なスコッチウイスキーの蒸溜所の名前が付けられています。
Dear WHISKY:
新谷さんはどちらのテーブルに座られたのですか?
新谷さん:
私たちはね、グレンモーレンジィのテーブルに案内されたわ。一緒にいたパターソンさんはホワイト&マッカイ社のダルモア蒸溜所のマスターディスティラーだけど、ダルモアの席じゃなくてディアジオ社が所有するグレンモーレンジィの席に座ったのよ。
Dear WHISKY:
グレンモーレンジィですか!違う蒸溜所のテーブルに座られるのですね!
新谷さん:
バンケットの慣例で、自分たちとは違う蒸溜所のテーブルに座ることになっているの。ダルモアの席にはシーバスブラザーズ社の人たちが座っていたわね。面白いでしょう?
バンケットのディナーの大きな特徴の一つがハギス(Haggis)の存在です。ハギスは茹でた羊の内臓を麦や玉ねぎ、ハーブなどと共に羊の胃袋に詰めたスコットランドの伝統料理です。ザ・キーパーズ・オブ・ザ・クエイヒのバンケットではフェア・アン・タイ(Fear an Tighe)と呼ばれる人が「ハギスの儀」を執り行い、参加者たちはスコッチウイスキーと一緒にハギスを楽しみます。
このようにザ・キーパーズ・オブ・ザ・クエイヒのバンケットは、スコットランドの文化と伝統が詰められたディナー会となっているのです。
Dear WHISKY:
ハギスというと日本人にはあまり馴染みのない料理だと思いますが、新谷さんは召し上がりましたか?
新谷さん:
もちろん食べたわ、美味しかったわよ。ハギスって作った人によって味が結構変わるけど、このバンケットのディナーで食べたハギスは美味しかったわ。
Dear WHISKY:
ディナーで飲まれたウイスキーの中で特に印象に残っているものはありますか?
新谷さん:
ディナーでは色んな蒸溜所や会社が貴重なウイスキーを提供していて、どれも本当に美味しかったわ。
その中でも特に印象に残っているのはロイヤルブラックラの25年ね。何回も出席しているパターソンさんも、今回のディナーで出されたウイスキーはどれも良いものばかりだと仰っていたわ。
そしてこのディナー会ではスピーチが3名によって執り行われます。グランドマスター、会長、そして名誉キーパーがスピーチをします。今回のバンケットには、アメリカ出身の著名な小説家であるダイアナ・ガバルドン氏が招待され、ディナーのスピーチを経て、名誉キーパーに就任しました。
Dear WHISKY:
今回新谷さんがキーパーに就任された理由は何だったのでしょうか?
新谷さん:
私が主宰を務める「Red rose」という国内の様々な造り手を講師として招くウイスキーセミナーがあるんだけれども、このセミナーを続けていたことや書籍の執筆などがキーパーに選ばれた主な理由ね。
Dear WHISKY:
「Red rose」セミナーはどういった目的で始められたのですか?
新谷さん:
蒸溜所を訪れた時に造り手のウイスキーに懸ける想いに触れたことをきっかけに、造り手の方々に光を当てるセミナーを始めたの。始めた当時はまだ今ほどウイスキーが人気ある時代ではなく、当時からコツコツと続けてきたセミナーなのよ。日本各地のウイスキーの造り手の皆様に講師として講演していただき、ウイスキーの造り手・繋ぎ手・飲み手といった方々に、現場からの声を発信することで、「1杯でもウイスキーをおいしく飲んでいただきたい」と思い開催しているセミナーよ。
Dear WHISKY:
「Red rose」セミナー魅力はどういったところにあるのでしょうか?
新谷さん:
「Red rose」にはウイスキーが好きな方だけでなく、日本のウイスキー造りをより良くしたいという造り手の方々も来られるのよ。それにウイスキーの造り手が自ら発信するセミナーは他にはないし、だからこそ「Red rose」でしか聞けない話や勉強できないことが多くあるの。
ある方がこのセミナーで「地道な努力がジャパニーズウイスキーをより良くする」と言っていたのだけれど、この「Red rose」で勉強し、ジャパニーズウイスキーがより良くなってほしいと思っているわ。
Red roseセミナーの詳細はこちらからご覧ください!
Dear WHISKY:
素敵な想いですね!執筆された書籍というのはどういった内容なのでしょうか?
新谷さん:
「グッド・ウイスキー・タイム」という本を書いたわ。これはウイスキー1年生に向けた本で、ウイスキーを飲み慣れていない方にも読んでいただきやすいようにマンガ型式で書いた本よ。漫画で登場する女の子のように、20歳の女の子がウイスキーを好きになるように書いたわ。大変好評で、今度韓国でも出版される予定なの。
Dear WHISKY:
とても人気のある本なのですね!20歳の女の子が登場するのには何か理由があるのでしょうか?
新谷さん:
若い人は香りに敏感なのだけれど、ウイスキーというのは30~40年かけて研究し、良い香りを造るほど香りが重要な飲み物なの。
『ウイスキーは香りに始まり、香りに終わる飲み物』だから、その香りを繊細に感じ取れる若い人にこそウイスキーを楽しんでもらいたいという想いがあったのよ。
また、この本の副題が「さらばハイボール」なのだけれど、これは普段ハイボールでしかウイスキーを飲まない方にも、それ以外のウイスキーの楽しみ方を知ってほしいと思ってつけたサブタイトルなの。
Dear WHISKY:
様々な分野で活躍されているのですね!ウイスキーセミナーや書籍の執筆といった活動のどういったところが評価されたのでしょうか?
新谷さん:
造り手に想いを馳せ、造り手を大切にするブレない気持ちをセミナーの継続を通して体現したこと。その想いを言語化した書籍を執筆したことが、キーパーに選ばれた理由の根底にあったみたいね。
Dear WHISKY:
キーパー就任を知った時の率直な感想を教えていただけますか?
新谷さん:
最初に聞いた時はなんのことかわからなかったわ。就任式に行ってみて実感がわいてきたのだけどキーパーに選ばれたことは名誉に思ったし、バンケットでのディナーも本当に楽しかったわね。
ウイスキー業界で活躍する色んな方たちともお会いできたし、スコットランドの造り手文化にも触れることが出来たわ。スコットランドの蒸溜所って競い合うのではなく、みんなが協力してスコッチウイスキーを盛り上げようという雰囲気があるの。今回は特にそれがよく感じられて、日本も学ぶことが多いと感じたわ。
改めてウイスキーの良さを多くの人に広めていきたいと思ったわ。
今回は新谷さんにキーパーに就任に加え、スコットランド滞在中の思い出についてもお伺いしました!
Dear WHISKY:
今回のスコットランド滞在で思い出に残っていることなどはありますか?
新谷さん:
スコットランド滞在中はパターソンさんが案内してくださって、本当に楽しく過ごさせていただいたわ。スコットランドに着いて、パターソンさんたちと合流する前にパターソンさんの顔が描かれたボトルを見つけたのよ。
Dear WHISKY:
すごい偶然ですね!
新谷さん:
そうそう。だから買って行ってパターソンさんに見せたのよ。どうやら昔チャリティのために頼まれたボトルらしいわ。ご本人も久々に見たそうで、今では珍しいボトルになっているみたいね。
新谷さんが見つけたボトルは「Mo’land Blended Malt Scotch Whisky MoM 2010」で、モベンバー(Movember)というキャンペーンに合わせてリリースされたウイスキーです。
モベンバーは欧米で広く展開されている男性ガン啓発運動で、11月の1ヶ月間を通して口ヒゲを伸ばすことで、男性特有のがんの認知度や健康意識を高めていこうとするキャンペーンです。パターソン氏のほかにも、ウイスキーマガジン編集長のデイブ・ブルーム氏など、立派な口ヒゲを持つウイスキー業界の方々が描かれたラベルのボトルが販売されました。
Dear WHISKY:
バンケット当日はどのようにして過ごされましたか?
新谷さん:
スコットランドに到着した翌日、就任式が行われるブレア城近くのマナーハウスを訪れたの。そこで今回の就任式に参加する人たちと一緒に食事をしたわ。パターソンさんはもちろん、同じくキーパーに就任した方や、ホワイト&マッカイ社の方々と楽しい時を過ごさせてもらったわ。
Dear WHISKY:
就任式が始まるまではどのようにして過ごされましたか?
新谷さん:
私たちが滞在したブレア旧邸は歴史ある場所で、広い前庭があるのだけれど、そこで鷹狩を体験させてもらったわ。
Dear WHISKY:
鷹狩ですか!?
新谷さん:
そうよ。厚手の手袋のようなものをはめて、鷹やフクロウが自分の腕に飛んできてとまるの。最初はすごく緊張したのだけれど、とてもスリリングで楽しかったわ。
新谷さん:
ちなみにパターソンさんも鷹狩を体験されたのだけれど、すごくかっこよくて画になっていたわ。
今回は日本人女性初のキーパー・オブ・ザ・クエイヒのキーパーに就任した新谷さんにインタビューさせていただきました!
普通では知ることのできないザ・キーパーズ・オブ・ザ・クエイヒのバンケットの裏側や、新谷さんウイスキーの造り手への想いなど、貴重なお話をお伺いすることが出来ました!
新谷さんご自身についてのインタビュー記事や主宰を務めるウイスキーセミナー「Red rose」、執筆された書籍についての記事なども順次公開予定ですので、是非そちらの記事もご覧ください。
新谷さん、取材にご協力いただき誠にありがとうございました!
前代未聞の希少で貴重な特別セミナー&パーティが2024年11月30日(土)に開催されます!
サントリー・ニッカ・キリンの造り手が多数参加、イチローズモルトを含むクラフト蒸溜所24社の造りてが多数参加の特別セミナー&パーティです。
セミナーを行うのはサントリーホールディングス株式会社 代表取締役副会長 マスターブレンダーの「鳥井 信吾」様、竹鶴商品研究所代表 ニッカウヰスキー株式会社顧問 株式会社FIXER社外取締役の「竹鶴 幸太郎」様の二名。
ジャパニーズウイスキーを共につくった、鳥井信治郎と竹鶴政孝。
その意思を継ぐお二人が一堂に会する、またとない一夜です。
ジャパニーズウイスキーが100年続き、新たな歴史を紡いでいくこの節目に、先達から未来の造り手に向けて伝統や技術、想いをつなぎます。