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【ウイスキーセミナー紹介】造り手の想いをつなぐRed roseセミナーとは

2024.09.27 / 最終更新日:2024.11.07

Red roseセミナーは国内のさまざまな蒸溜所から造り手を招き行われる、「前代未聞の希少で貴重なテイスティング&セミナー」です。

ウイスキーの造り手が現場の声を発信し、専門的にウイスキーについて学べるセミナーとして、「ウイスキーの梁山泊」とも称されています。

Red roseを主催しているBar SAWAオーナーの新谷茂子(しんたに しげこ)さんは、ウイスキーセミナーの主催やウイスキーに関する書籍の執筆など、多岐にわたって活躍され、2024年春にはスコッチウイスキー界で最も格式の高い協会・ザ・キーパーズ・オブ・ザ・クエイヒのメンバーであるキーパー・オブ・ザ・クエイヒ(キーパー)にも就任されています!

そんな新谷さんは、「1杯でもウイスキーをおいしく飲んでいただきたい」という想いでこのウイスキーセミナーを開催されているそうです。

今回は、Red roseセミナーの背景や魅力に加え、新谷さんのRed roseにかける想いや、今年11月に行われる特別なRed roseセミナーについてもご紹介しますので、是非最後までご覧ください!

Red roseセミナーと新谷さんのご紹介

Red roseセミナー概要

セミナー名 Red rose
設立 2011年
企画・運営・プロデュース Red rose(Bar SAWA 内)
開催 年5回
開催日程 第58回 2024/3/1    (金)
第59回 2024/5/18  (土)
第60回 2024/7/7    (日)
第61回 2024/7/28  (日)
第62回 2024/11/30(土)
テーマ 「ウイスキーの造り手から熱いメッセージをお届け」
公式HP Red rose 公式ホームページ

新谷茂子さんのご紹介

Red roseの主宰を務める新谷茂子さんは、中目黒・山手通り沿いに建つウイスキーバー「Bar SAWA」を経営されています。Bar SAWAにはダルモア シリウス1951やマッカラン1948といったような、普段なかなか目にすることのできないウイスキーが店内に所狭しと並べられています。ウイスキー愛好家はもちろん、ウイスキーを飲み慣れていない方でも楽しめるバーとなっています。

新谷さんは、Bar SAWAの経営やRed rose主催以外にも、ウイスキーに関する書籍の執筆など、ウイスキーの魅力を伝える活動を幅広く行っています。

そんな新谷さんはそれまでの活動が評価され、2024年春、ウイスキー業界に貢献したと認められた人が招聘される組織「ザ・キーパーズ・オブ・ザ・クエイヒ」の一員に選ばれました。

新谷さんご自身や、キーパー・オブ・ザ・クエイヒ就任に関してこちらのインタビュー記事でより詳しくご紹介していますので、是非ご覧ください!

インタビュー記事はこちらから!
キーパー就任記事はこちらから!

Red roseセミナーについて

Red roseのはじまり

Red roseセミナーは新谷さんと、元サントリー山崎蒸溜所工場長の嶋谷幸雄(しまたに ゆきお)さん※との出会いから始まりました。新谷さんはウイスキーについて学ぶために毎年スコットランドを訪問されていた中で、のちに自身の師と仰ぐ嶋谷さんと出会います。
ある時、新谷さんは嶋谷さんから、「ウイスキーセミナーをやってくれないか」と持ち掛けられますが、自分では伝えられることが少ないということを嶋谷さんに相談します。

そこで嶋谷さんが様々なウイスキーの造り手の方々に声をかけ、現在の「造り手が発信するセミナー」としてのRed roseセミナーが始まりました。

初年度第1回のセミナーは新谷さん自身が講師を務め、第2回以降は、嶋谷さんをはじめ、サントリー名誉チーフブレンダー輿水精一(こしみず せいいち)さんやサントリー商品開発研究部の坂口正明(さかぐち まさあき)さん、ベンチャーウイスキー創業者肥土伊知郎(あくと いちろう)さんなど、日本ウイスキー業界の第一線で活躍する方々が講師として登壇しました。

嶋谷幸雄
嶋谷幸雄さんは1956年に寿屋(現:サントリー)に入社したのち、山崎研究所所長や白州蒸溜所初代工場長、山崎蒸溜所工場長を歴任し、サントリーの取締役や洋酒技術研究会会長も務めらた方です。(参考:『日本ウイスキー 世界一への道 集英社新書』著者紹介)

Red rose初年度のポスター

由来

「Red rose」という名前は、スコットランドの国民的詩人ロバート・バーンズの詩に由来しています。
イングランドにおけるシェイクスピアのような存在であるロバート・バーンズは、日本でも「蛍の光」として親しまれている、「Auld Lang Syne(久しき昔)」の作者としても知られ、「スコットランドの最愛の息子」とも評される人物です。

そんなロバート・バーンズの作品「A Red, Red Rose(真っ赤な真っ赤なバラ)」に惹かれた新谷さんは、この詩から名前を取り、新たに始まったウイスキーセミナーを「Red rose」と名付けました。

前代未聞の希少で貴重なウイスキーセミナー

年5回開催されるRed roseセミナーの最大の魅力は、現場の第一線で活躍する、ウイスキーの造り手の方々が講師として登壇し、ウイスキーづくりの専門的な内容を学べるセミナーであるということです。ウイスキーづくりのスペシャリストたちが集うRed roseは、蒸溜所で働く若手の造り手たちがウイスキーづくりについて学ぶ場にもなっています。

造り手以外にもウイスキーを愛する人たちが多く集まるRed roseセミナーは新谷さんの「1杯でもウィスキーをおいしく飲んでいただきたい」という想いを体現した場になっています。

これまで開催されたセミナー

第57回Red roseセミナー(講師:福與 伸二氏)

セミナー名 第57回Red roseセミナー
開催日 2023年11月22日(金)
講師 福與 伸二氏( サントリー株式会社 チーフブレンダー)
テーマ 「140万樽の物語~100周年をむかえたサントリーウイスキー~」
講演内容 ●愚直に品質向上に取り組み続けるものづくり
●世界の多様な蒸溜所との結束から生まれる文化・技術の融合
●テイスティングの公平さを支えるフラットな主観性を維持する手法

第56回Red roseセミナー(講師:佐久間 正氏)

セミナー名 第56回Red roseセミナー
開催日 2023年10月8日(日)
講師 佐久間 正氏 ((元)アサヒクオリティアンドイノベーションズ株式会社 顧問 シニアチーフブレンダー)
テーマ 「ブレンディングの魔法に触れる~ブレンダーの創造的な世界~」
講演内容 ●ブレンディングとは感じた香りの言語化と共有
●テーマに沿った味と香りを引き出す ブレンダーの役割
●試行錯誤と実践を通じて 最適な発酵・熟成を引き出す

第54回Red roseセミナー(講師:嶋谷 幸雄氏)

セミナー名 第54回Red roseセミナー
開催日 2023年5月20日(土)
講師 嶋谷 幸雄氏( (元)サントリー白州・山崎 工場長 (前)洋酒技術研究会 会長)
テーマ 「長いウイスキー造りは私を鍛えてくれました。」
講演内容 ●時の流れ、環境と人、技の磨き
●うまくいったこと、いかなかったこと
●そして多くの感謝

第46回Red roseセミナー(講師:坂口 正明氏)

セミナー名 第46回Red roseセミナー
開催日 2021年3月13日(土)
講師 坂口 正明氏 (サントリースピリッツ(株) 商品開発部 スペシャリスト)
テーマ 「サントリーで蒸留を30年見つめてきた坂口正明が語る蒸留の全て」
講演内容 ●単式蒸留機と連続式蒸留機の仕組みと違い
●蒸留器(機)別に紹介する世界の蒸留酒
●単式蒸留器から連続式蒸留機に進化するきっかけとなった「単式精留蒸留器(ポットレクチ)」とは

過去のセミナー映像は一部こちらから視聴することが出来ますので、是非ご覧ください!

Red rose 10周年記念パーティー

2022年5月10日、Red rose10周年を祝うパーティーが開催されました。
このパーティーは世界的マスターブレンダーであるリチャード・パターソンさんの来日に合わせ開催され、Red roseが始まるきっかけとなった嶋谷幸雄さんをはじめ、サントリーマスターブレンダー鳥井信吾(とりい しんご)さんやニッカウヰスキー株式会社顧問竹鶴孝太郎(たけつる こうたろう)さん、キリンビールマスターブレンダー田中城太(たなか じょうた)さんやベンチャーウイスキー創業者肥土伊知郎さんなど、ウイスキーに携わる多くの方が集まるパーティーとなりました。

パーティーにてスピーチをする新谷さん

パーティー開始に先立ち、嶋谷さんとパターソンさんがそれぞれセミナーを行い、その後竹鶴孝太郎さんの乾杯のご挨拶によってパーティーは開催されました。
パーティーでは様々なウイスキー関係者によってお祝いの言葉が贈られたり、花束贈呈が行われ、華やかな会となりました。新谷さんからパターソンさんに向けて日本のウイスキーの歩み、研鑽、造り手の溢れる想いをウイスキーにして表現した、特別なボトルが贈られ、最後には新谷さんご自身が歌を披露され、素晴らしい締めくくりとなりました。

新谷さんから贈られたボトルを手に、スピーチをするパターソンさん

新谷さんとパターソンさんの出会いや特別なボトルについては、新谷さんのインタビュー記事で詳しくご紹介していますので、是非ご覧ください!

インタビュー記事はこちらから!

「先達から後進へ、ものづくりのバトンを渡す」特別セミナー

2024年11月、帝国ホテル東京「富士の間」にて、日本各地からウイスキーの造り手が集う特別なパーティーが開催されます。サントリーマスターブレンダーで、鳥井信治郎のお孫さんに当たる鳥井信吾さんとニッカウヰスキー株式会社顧問で、竹鶴政孝のお孫さんに当たる竹鶴孝太郎さんを招いて開かれ、歴史ある造り手たちが新たなクラフトの造り手たちに繼ぐ(つなぐ)ことをテーマに、全国各地の造り手が集まる前例のないパーティーになります。
「やってみなはれ」の精神で、日本初の本格ウイスキーを道を切り拓いた創業者鳥井信治郎氏と、単身スコットランドに渡ってウイスキーづくりを学び、日本ウイスキーの父と呼ばれたニッカウヰスキー創業者竹鶴政孝氏。ジャパニーズウイスキーを共に作り上げた偉人の遺志を継ぐ2人が一堂に会するまたとない一夜に、「伝統と革新の出会い」として、「先達」から「未来の造り手」に向けて伝統や技術、想いを「繼ぐ」、一夜限りの特別な会です。

下記のフォームから申し込みが可能ですので、ご興味のある方は是非お申し込みください!

題名 第62回「先達から後進へ、ものづくりのバトンを渡す」特別セミナー
開催日 2024年11月30日(土)
会場 帝国ホテル東京「富士の間」
参加費 110,000円(税込)
申込方法 申し込みフォームはこちらから

帝国ホテル東京「富士の間」(写真引用:帝国ホテル東京公式ホームページ

Red roseセミナーと造り手にかける想い

最後にRed roseを主催している新谷さんに、Red roseとウイスキーの造り手にかける想いをお伺いしました!

Dear WHISKY:
Red roseはウイスキーの造り手が講師を務めるセミナーですが、新谷さんにとって造り手の方々はどのような存在ですか?

新谷さん:
ひとことで言えば造り手は「ピュアでアート」な存在ね。

Dear WHISKY:
「ピュアでアート」ですか?

新谷さん:
純粋(ピュア)にひたむきに先人からウイスキーづくりを紡いできたから、今の日本のウイスキーがあるの。
今はウイスキーがブームだと言われたりするけど、20年くらい前の「冬の時代」と呼ばれたウイスキーが売れない時代から、つないできた方々がいたからこそ、こうして多くの人がウイスキーを楽しめる時代になったのよ。

Dear WHISKY:
先人達が道を切り拓いてきたからこそ今のジャパニーズウイスキーがあるんですね。

新谷さん:
日本のウイスキーづくりは100年前から始まったけれど、その頃からウイスキーをつくっていて今も残っているところはそう多くないのよ。そういった意味でも、ただひたむきにピュアな思いでウイスキーづくりに取り組んできた造り手の方々は、日本の宝だと思うわ。

そしてそんな日本の宝の皆様がこうしてRed roseで講師を務めてくださるのは、嬉しい限りよ。

10周年記念パーティーにて歌を披露する新谷さん

さいごに

今回はウイスキーの造り手が集うセミナー「Red rose」についてご紹介しました!

通常のセミナーとは一線を画す特別なウイスキーセミナーRed roseの誕生背景や魅力、さらには主宰を務める新谷さんのウイスキーの造り手への熱い思いをお伺いすることが出来ました。

また、新谷さんご自身についてのインタビュー記事やキーパー・オブ・ザ・クエイヒ就任、執筆された書籍についての記事なども公開していますのでので、是非そちらの記事もご覧ください。
最後までご覧いただきありがとうございました!

併せてお読みください!

 

伝統と革新の出会い -ウイスキーのパイオニアがつなぐ未来-

前代未聞の希少で貴重な特別セミナー&パーティが2024年11月30日(土)に開催されます!

サントリー・ニッカ・キリンの造り手が多数参加、イチローズモルトを含むクラフト蒸溜所24社の造り手が多数参加の特別セミナー&パーティです。
セミナーを行うのはサントリーホールディングス株式会社 代表取締役副会長 マスターブレンダーの「鳥井 信吾」様、竹鶴商品研究所代表 ニッカウヰスキー株式会社顧問 株式会社FIXER社外取締役の「竹鶴 幸太郎」様の二名。

ジャパニーズウイスキーを共につくった、鳥井信治郎と竹鶴政孝。その意思を継ぐお二人が一堂に会する、またとない一夜です。
ジャパニーズウイスキーが100年続き、新たな歴史を紡いでいくこの節目に先達から未来の造り手に向けて伝統や技術、想いをつなぎます。

詳細は下記ページよりご覧ください!

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