ウイスキー投資の適切な保存方法は? 不安な人に最適な投資法も紹介
- ウイスキー投資
世界中に愛好家が存在するウイスキーは飲み物として楽しむだけでなく、投資対象としてもおすすめです。
近年におけるリーマンショックや、コロナショックがもたらした市場の大変動は株式などの証券価格を大きく下落させました。
今後もこのような大暴落が発生する可能性がある以上、証券のみを資産形成の手段にするのではなく、証券市場とは価格が連動しない独立した資産を持つことで対策をするべきです。
このような資産はウイスキー以外にも存在しますが、その中でもなぜウイスキー投資がおすすめなのかを解説し、投資方法についても紹介します。
この記事のポイント
投資対象となる資産はウイスキーに限らず、長期的に価値が上昇することが期待される資産になりますが、ウイスキーが値上がりしやすい理由は熟成期間にあります。
ウイスキーはカスク(樽)による長期間の熟成をおこなうことで原酒を作り、基本的に複数の原酒を混ぜ合わせてボトル詰めされる仕組みです。ただし、単一のカスクから取れた原酒のみを使用するシングルカスクもあります。
1つのカスクから抽出できる原酒は少ないことからこの方法でボトル詰めをされることは珍しく、限定品であることがほとんどなのでシングルカスクも希少価値が高いため値上がりする理由といえるでしょう。
しかし、シングルカスクでなくても原酒を用意するには時間がかかるので、需要が増えたのですぐに供給を増やして販売できません。
そのため、供給を上回る需要が生まれれば生産が追い付かなくなり、現存するウイスキーの価値が高まりやすくなります。
また、長期熟成にはコストもかかるので、熟成期間が長いほどウイスキーの希少性が高まり値上がりしやすいです。
ウイスキー投資がおすすめである理由は3つあります。
それぞれ詳しく解説します。
ウイスキーは蒸留酒と呼ばれるお酒であり、蒸留酒はアルコール度数が非常に高いため、適切な状態で保存すれば長期的な保管であっても腐らない特徴があります。
ウイスキーの保存で重要なのは温度変化と紫外線を避けることであり、冷暗所で保存すれば開栓した場合でも半年までであれば飲むことが可能です。
ただし、ウイスキーは冷蔵庫で保管すると冷やされることで香り分子が変化し品質が変わってしまうことがあるので、冷蔵庫での保管はおすすめできません。
自宅でウイスキーを保管するなら小型のワインセラーも選択肢になります。
ワインはウイスキーよりもデリケートなお酒であるため、ワインが問題なく保管できるワインセラーであればウイスキーの保管にも適します。
ウイスキーはカスクごと投資する方法とボトルを購入する方法があります。
ボトルを購入する方法であれば1万円のボトルを値上がりを期待して保有することも可能です。
自分の資産に合わせて購入するカスクやボトルを選ぶことができるので、選択肢の幅が広いのがメリットになります。
自身の余裕資産に合わせて投資方法や銘柄を検討するのがよいでしょう。
投資対象のウイスキーというと本場スコットランドの銘柄を思い浮かべるかもしれませんが、実は日本のウイスキーも近年価値が上昇しており需要が高まっています。
ミズナラ樽により熟成されたジャパニーズウイスキーが世界から評価を受けたことで、需要が大きく増加し供給が間に合わず品薄状態が続いているのです。
自国で販売されているウイスキーであることから、他国の愛好家よりも早く情報を入手しやすいアドバンテージがあります。
また、日本限定で販売されるジャパニーズウイスキーもあるかもしれません。
日本に在住していることを活かして、なじみ深い日本のウイスキーに投資するのも選択肢の一つになります。
ウイスキー投資がおすすめである理由を紹介したところで、具体的な投資方法を3つ紹介します。
それぞれ詳しく解説します。
近年注目されているウイスキーへの投資方法はボトルを購入する方法ではなく、熟成期間の若いカスク(樽)を購入する方法です。
熟成年数を経て価値が上昇することを期待して、売却益を得る投資になります。
スコットランドの銘柄が投資対象であり、高い成長率と流動性の高い商品であることから魅力的な投資先です。
蒸留所がサプライヤーを経由し、投資家にカスクを販売するメリットは蒸留所の収益を安定させることにあります。サプライヤーは蒸留所からカスクを仕入れる専門業者のことです。
熟成にはコストがかかるので、投資家から資金調達をおこない蒸留所の経営を安定化させられるので、投資家と蒸留所双方にメリットのある投資方法といえるでしょう。
愛飲しているウイスキーを製造している蒸留所を応援する形で投資を検討するのもいいかもしれません。
当社が運営するウイスキーカスク投資の専門サイト「カスクインベストメント」でも、複数のサプライヤーと契約し、多くのスコッチウイスキーを取り扱っています。
カスク投資はウイスキーを本格的な資産形成の手段にするなら一番おすすめの方法です。
投資できるカスクの種類について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
ボトルを購入する方法でウイスキーに投資する方法は、少額から気軽に投資できるのがメリットです。
オークションサイトなどから銘柄を選択して適切に保有することで、価値の上昇を期待できます。
ただし、銘柄の選択によっては価値が高まらない可能性もあるので、値上がりする可能性がある銘柄を選択する能力が重要になります。
気軽な方法ではありますが、難易度が高く安定性がないため、基本的には趣味の範囲でおこなう投資方法となるでしょう。
投資信託と呼ばれる資産運用のプロが投資する商品を選択し運用を代行する投資初心者でも始めやすい投資方法があります。
基本的に投資信託の投資対象は株式、債券、不動産などが対象ですが、ウイスキーを対象にした投資信託が存在します。
2015年にイギリスで生まれたウイスキー・インベスト・ダイレクトです。
歴史的に高い利回りが保証されてきたウイスキー原酒を投資対象にしています。
このようにウイスキー投資の選択肢は幅広いので、自分に合った投資方法を選ぶことをおすすめします。
「カスク・インベストメント」を通したウイスキーカスク投資のやり方を紹介します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
「カスク・インベストメント」では会員登録後、購入希望のウイスキー樽(カスク)を申し込めるようになります。
商品ページではポンド表記で価格が表記されているため、現在の為替レートを参考にしながら日本円に換算します。
参考として「カスク・インベストメント」には日本円換算で50万円以下で購入できるカスクもあるため、検索ページの「Search By Price」の項目を利用すれば予算にあったカスクを選びやすいです。
ポンドの価格表記を参考に、ご自身の予算に合わせてカスクを選びましょう。
「カスク・インベストメント」の詳しい購入の流れについてはこちらのページにまとめています。
カスク投資では実際にカスクをご自宅で保管する形で投資するのではなく、イギリスの歳入庁(日本における国税庁)が管理する保税倉庫で保有します。
専門家による徹底的な品質管理と、盗難防止の対策が取られていることから、安全な状態でウイスキーカスクを保有できます。
ウイスキーカスクを保有している証明は、イギリス政府によって登録番号が付与された所有権証明書によって可能です。
以下が証明書の実物になります。
政府のお墨付きの証明書によって保有を証明し、長期的に保管し続けることによってウイスキーカスクの熟成は管理も含めて自動的に進んでいきます。
保有しているウイスキーカスクを売りたくなった場合は、売却の申し込みをおこないます。
「カスク・インベストメント」では売却の申し込みをしてから通常3か月前後で売却できることが多いため、実物資産としては流動性が高いといえます。
流動性が高い理由は、投資家、ボトラーズ、サプライヤー、オークションハウスなど多くの売却先が存在し、豊富な出口戦略があるからです。
購入価格(手数料などのコストを含む)と売却価格の差が損益となり、最終的な運用実績が決定します。
カスク投資はカスクの種類にもよりますが短期的に結果を出すことが難しいため、10年以上の期間を見込んで売却することを考えると結果が出しやすいといえるでしょう。
仮に熟成年数が0年のウイスキーカスクを購入したとして、熟成年数が12年・18年になったタイミングで売却すれば、スコッチウイスキーであれば熟成年数を表記して商品化できる年数になります。
ウイスキーボトル投資は、値上がりが期待できるボトルを入手して、保有を続ける投資方法になります。
売却も自分で購入時と同様に自分で買い手を見つけるか、お酒の買取を行う店舗に持っていく方法があります。
高級ウイスキーは偽物が出回っているリスクもあることから、売却時のことも考えて信頼できる購入先から購入する必要があるため、初心者が気軽に手を出すには難しい投資です。
正しい保管をしていない場合は劣化する恐れがあることから、売却する相手の信頼を得るためにも保管は正しく信頼できる方法でおこなう必要があります。
価格の上昇もボトルの中のウイスキーの熟成は進まないことから、ウイスキー自体の価値の上昇が見込めず市場価格の上昇以外に期待できません。
また、売却先も自分で見つける必要があるため、簡単にできるように見えてリスクも大きく難しい投資方法です。
ウイスキー投資を始めるならボトル投資よりもカスク投資のほうがリスクも少なく、手間もかからず初心者向けです。
最後にウイスキーのカスク投資における代表的な高騰事例を見ていきましょう
種類 | 利益率 | 平均利回り |
マッカラン1988 |
238.4%(2016年~2020年) | 59.6% |
ハイランドパーク2001 |
491.4%(2007年~2020年) | 37.8% |
ボウモア1990 | 155.7%(2017年~2020年) | 51.9% |
ブルーチップ・カスクのマッカラン1988は、2016年時点で熟成年数は28年で138,990GBP(ポンド)の価値がありましたが、わずか4年で331,800GBPまで上昇しました。
この非常に珍しい樽で熟成されたマッカランはシングル樽での販売記録を大きく更新しています。
エマージング・カスクで熟成されたハイランドパーク2001は、2007年時点では6年という若い熟成期間で9,250GBPから、2020年には19年もの熟成期間を経ており5倍近い価値になる45,550GBPにまで成長しました。
マッカラン1988と同様にブルーチップ・カスクで熟成されるボウモア1990は、2017年時点で熟成期間は27年で55,000GBPの価値があり、熟成30年目を迎える2020年には85,700GBPになりました。
上記はあくまで一例ではありますが、ウイスキー投資の代表的な高騰事例です。
ウイスキー投資に限った話ではありませんが、投資には必ずリスクが存在しているので、リスクを理解した上でどのようにリスクを回避するべきかを考えることが重要です。ウイスキー投資には主に3つのリスクがあります。
それぞれ詳しく解説します。
資産の流動性が低くなることはウイスキー以外の実物資産にも当てはまるリスクです。
ウイスキー投資は購入する人と売却する人がいて初めて成り立つ投資方法であるため、今後ウイスキーの需要と供給によっては売買が成立しにくい状況になることも考えられます。
しかし、ウイスキー愛好家は世界中に多く存在しており、仮に特定の国でウイスキーの需要がなくなったとしても他の国で売買することが可能です。
実物資産の中でも自国でしか価値がない資産と比較すると、ウイスキーは世界中に需要があるため、価値がなくなりにくい資産といえるでしょう。
カスクに投資をした場合は、ブローカーの破産や、カスクの破壊・盗難によりウイスキーの保全が脅かされるリスクも考えられます。
ただし、ウイスキーの所有者に対してブローカーは破産しても投資家に対してカスクを返還する義務があるため、ブローカーの破産によってカスクを失うリスクはありません。
カスクの破壊・盗難に対しても保険に加入することで保険会社から保険金が受け取れる仕組みです。
保険金は損失を調整したウイスキーの真実かつ公正な価値に相当しますが、最終的な保険金額は事前に保証されません。
外国のウイスキーを購入するために為替をおこなった場合や、ウイスキーを外貨で売却する場合は為替リスクがあります。
また、海外でウイスキーを売買するなら日本語でのやり取りができないリスクも存在します。
ウイスキーの需要と供給の状況によっても価格は変動するので、売買のタイミングによっては損をする可能性もあるので注意が必要です。
ウイスキー投資のデメリットやリスクについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
今流行りのウイスキー投資のデメリットとリスクについて詳しく解説
ウイスキーはその性質から長期的な価値の上昇が期待できるので、株式などの証券以外に保有する資産の有力な候補となります。
また、本格的な資産運用の手段にするなら投資方法はカスク投資がおすすめです。
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