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オーヘントッシャンとは?種類や味わい、おすすめの飲み方

2022.04.29 / 最終更新日:2023.09.04

オーヘントッシャンはスコットランド中部のローランド地方が産地のウイスキーです。

スコットランドのスコッチウイスキーの産地は6つに分かれていますが、中でもローランドモルトは種類が少なく貴重です。

ローランドモルトはどちらかといえば、グレーンウイスキーの生産のほうに強みをおいてきた歴史があります。

しかし、気候が穏やかなこともあり、味わいもライトで飲みやすいのが特徴でビギナーの方にもおすすめです。

ローランドモルトの中でも、オーへントッシャンは知名度が高く、人気があります。

ウイスキーの蒸留の過程にこだわりがあり、モルトウイスキーの蒸留は通常2回ですが、オーヘントッシャンはローランド地方の伝統でもある3回蒸留を続けていることが特徴です。

3回蒸留でアルコール度数を高くすることで、独特のすっきりとした爽やかな味わいを作り出しています。

この記事では、オーへントッシャンの種類と味わい、おすすめの飲み方を紹介します。

この記事のポイント

  • オーヘントッシャンの伝統の製法や歴史を紹介
  • オーヘントッシャンの味わいを堪能できるおすすめの飲み方を解説

オーへントッシャンの特徴や味わい

ローランドはスコットランドでも2番目に面積が大きいウイスキーの製造地域ですが、過去にはしばらく蒸留所の数は4か所しかありませんでした。

しかし、近年ではダフトミル、アイルサベイ、キングスバーンズ、アナンデール、エデンミル
グラスゴー等続々と新しい蒸留所も建設されており、楽しみな地域です。

その中でも比較的知名度が高いのがオーヘントッシャン蒸留所とグレンキンチー蒸留所になります。

オーへントッシャン蒸留所は上記の地図でもわかるように川の近くに建っており、スコットランド随一の大都市グラスゴーから北西16キロほどのダルミュア地区、クライド川のほとりに建つ蒸溜所です。

ローランドモルトはどちらかというと、知名度が低い傾向にあったのですが、オーヘントッシャンなどは大都市に近い立地と昨今の都会派ウイスキーブームの観点からロンドンやNYといった大都市でも人気を博すようになってきました。

ローランド地方は気候が穏やかさの影響もあり、オーヘントッシャンはライトで口当たりの良さがあるウイスキーであり、都会的なおしゃれな雰囲気も持ち合わせた銘柄として人気を博しています。

オーヘントッシャンの名は、ゲール語の「オーヒャドゥ・オッシン」(野原の片隅)が由来です。

名前の由来通りオーヘントッシャンの味わいも柔らかく、マイルドでほんのり上品な香草を思わせるテイストに仕上がっています。

グレンキンチーの種類と味わいはこちらの記事をチェックしてください。

グレンキンチーとは?種類や味わい、おすすめの飲み方

オーへントッシャンの製法


オーヘントッシャンがライトな口当たりでまろやかなのはピート香の軽い麦芽を使用しているのが一因にあります。

製法は非常に個性的ですが、伝統的な製法を守ってウイスキー造りを続けてきました。

発酵槽は伝統的なオレゴンパイン製の木製の発酵槽を利用し、3回蒸溜を行っています。

3回蒸留はオーヘントッシャン最大の特徴でローランドモルトにおいて伝統的です。

他のスコッチウイスキーの多くは2回蒸留していますが、3回にすることでアルコール度数を高くし、アルコールを純粋な液体に近づけようという目的があります。

不純物を取り除いてクリアな味わいに近づけさせるためです。

この製法によって、オーヘントッシャンが軽やかで都会的なすっきりとした味わいに仕上がるのです。

ウイスキーの製造方法はこちらの記事で紹介しています。

ウイスキーの製造方法と投資対象として選ぶポイントをご紹介

オーへントッシャンはどんなウイスキー?

オーヘントッシャンはクリアで軽いタッチのテイストでありながら、フルーティ甘く、微かにオイリー感も感じるウイスキーとして親しまれています。

しかし、スコッチを愛する現地の人にとってはピートでスモーキーな風味が薄いのでそこまで好まれていませんでした。

前述でも少々ご説明しましたが、都会派の新感覚ウイスキーとしてロンドンやNYの大都市圏の人々からじわじわと人気が出てきた様相があります。

マニアの方からすると物足りなさもあるかもしれませんが、クセや雑味のなさがないのでカクテルのベースに使われることも多かったり、ウイスキービギナーの方にとっては飲みやすい銘柄となっています。

オーへントッシャンの歴史

オーヘントッシャンは1820年頃に移民(ジョン・ブロック)によって密造酒として作られたのが始まりだといわれていますが、詳細は定かではありません。

クラスゴーの歴史とともに歩んできた蒸留所ですが、第二次世界大戦でドイツ軍から空襲を受け、ウェアハウスが破壊され、樽が全滅してしまったこともあったそうです。

1941年3月にドイツ空軍による「クライドバンクの大空襲」でした。

しかし、その後1960年にテナント・ブリュワーズがジョン・マクラクランを買収します。

また9年後の1969年には、醸造業者エディ・ケアンズ社が蒸溜所を買収。

1974年の改築は同社の元で行われました。

1984年、ボウモア蒸溜所のオーナーであるスタンレー・P・モリソン社が蒸溜所を取得。

1994年にモリソン・ボウモアがサントリーにより買収され現在に至るまでサントリーホールディングスの傘下に属し経営が行われています。

オーへントッシャンの種類

オーへントッシャン蒸留所の定番ラインナップをご紹介いたします。

オーヘントッシャン 12年


画像引用元:オーヘントッシャン公式ウェブサイト

こちらはオーヘントッシャンのスタンダードボトルです。

色合いは黄金のハチミツの色で香りもハチミツを想像する感じで、アロマを詳細に言えば、クリームブリュレ、キャラメルソース、蜜をかけた香ばしいナッツ、マーマレード。

味わいはライトな柑橘系や生クリーム、青りんごなどのフルーティさがあり、フィニッシュにわずかなジンジャーのドライさやナッツの香ばしさが続きます。

ライトながら表情をいくつももっており、すぐに終わらない余韻が素晴らしいです。

オーヘントッシャン 18年


画像引用元:オーヘントッシャン公式ウェブサイト

オーヘントッシャン18年はテクスチャが濃い黄金色で美しいです。

こちらの銘柄は1980年代に多く流通されていました。

香りはコニャックタバコ系、ブラウンシュガー、香ばしいアーモンドが感じられ、味わいはフローラルな甘い花の蜜、オレンジピール、甘い麦芽のフレーバーがあります。

オーヘントッシャン 21年


画像引用元:オーヘントッシャン公式ウェブサイト

オーヘントッシャン21年はテクスチャが深い銅色です

熟成するにつれて、色は変化していき、フレーバーも時間の経過とともに形成されていきます。

こちらはアメリカンオークのバーボン樽とスパニッシュオークのシェリー樽で熟成された21年物。

アロマはラズベリー、バニラ、ハチミツに大麦の甘みがあり、味わいはチョコレート、キウイやメロン、フィニッシュにオークの香ばしさを感じます。

オーヘントッシャン スリーウッドシングルモルト


画像引用元:オーヘントッシャン公式ウェブサイト

スリーウッドとは3つの木樽のことで、アメリカのバーボン樽、スペインのオロロンシェリー樽、ベドロヒメネスシェリー樽の順で後熟をおこなった銘柄です。

それだけに濃厚で深みのある味わいが特徴的な銘柄となっています。

テクスチャーは濃い黄金色をしており、口当たりはライトですが、重厚で芳醇な味わいに仕上がっています。

アロマはスコッチキャラメル、ブラウンシュガー、ドライフルーツなどがあり、味わいはフルーツにハチミツ、バター、チョコレート、レーズンのフレーバーがあるのが特徴です。

オーヘントッシャンのおすすめの飲み方

オーヘントッシャンは軽く、ライトな味わいであると紹介していますが、味が薄いというわけではありません。

3回蒸留による酒質の軽さでもったり感がないといえばわかりやすいでしょうか。

そのため、1番のおすすめとしてはストレートです。

フルーティで甘みがあり、クセがないので、食前酒や食中酒としても最適です。

まとめ

1823年の設立以来、現在では大都市のクラスゴーとともに歴史を歩んできたオーヘントッシャンですが、伝統的な製法を守りながら新しいものを取り入れていく理念のもとにたゆまぬ努力がありました。

クラスゴーという街も新しいものと古きよきものが同居した老若男女に愛される場所でもあり、オーヘントッシャンとリンクしています。

老若男女に飲みやすい滑らかな味わいを是非とも堪能してみてください。

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