山崎 ノンエイジ/NV(ノンヴィンテージ)とは? 味わいとおすすめの飲み方を紹介
- ウイスキー銘柄
ブラドノックは、スコットランドの南に位置するローランド地方で造られているシングルモルトウイスキーです。
オーナーの入れ替わりが激しく、稼働期間も制限されていることから安定という言葉からは程遠いですが、製造される原酒の質は評価されており、インバーハウス、ベル、リアルマッケンジーの原酒として採用されていました。
フローラルな香りとライトな味わいで口あたりが良いことが特徴であり、ローランドウイスキーらしい飲みやすい味わいに仕上がっています。
この記事ではブラドノックの種類と味わい、おすすめの飲み方を紹介します。
この記事のポイント
画像引用:https://whisky.com/
ブラドノックは、ローランドにあるブラドノック蒸溜所で製造されるシングルモルトウイスキーです。
花と動物シリーズよりシングルモルトとしての知名度を向上させ、一般的にシングルモルトとして販売されるようになりましたが、安定した供給ができていないことから、希少性の高い銘柄です。
フローラルな香りに柑橘系の果実の風味を感じられ、程よい甘みで飲みやすい味わいとなっています。
ブラドノックの歴史と製造方法について紹介します。
ブラドノックは、1817年に設立された歴史ある蒸溜所であり、ジョンとトーマスのマックレランド兄弟がスコットランド南西部にあるウィグタウンのブラドノックという集落にある農場でウイスキーの製造を開始したことから始まります。
1905年まで家族経営が続きましたが、市場においてウイスキーの供給が過剰になったことにより、ここで一度閉鎖されています。
1911年に再開され、北アイルランドのダンヴィル社が新たな所有者となりました。
ダンウィル社が1937年に買収され、新たな所有者となったグラスゴーのウイスキー仲介人は、蒸溜所の設備と原酒をすべて売却してしまいました。
1956年にA.B. Grant社により操業が再開されますが、1964年にMcGown&Cameron、1977年にインバーハウスディスティラーズ、1983年にアーサー・ベルが所有者となり、凄まじいスピートでオーナーが変わっています。
その後、アーサー・ベルの買収によって最終的にブラドノックは現在のディアジオ社であるユナイテッド・ディスティラーズが所有者になりますが、1993年に再び蒸溜所が閉鎖されました。
その後も実業家や建築家によって買収され、ブラドノック蒸溜所のオーナーは入れ替わり続けており、今後も入れ替わることが考えられます。
このような背景から蒸溜所は、観光・イベントなどにも貸し出されており、巨大な倉庫は他の生産者にも利用されており、収入のほとんどが賃料収入となっています。
ウイスキーの製造は断続的となっており、2017年6月に製造が再開されましたが、2022年にはブラドノックの10年物が終売になっています。
生産が安定せず、断続的に続けられていますが、何度も所有者が変わり閉鎖しても再開されるブラドノックはスコッチでも愛されている銘柄といえるでしょう。
ブラドノック蒸溜所は常に稼働しているわけではなく、生産量を制限するために年間1~2ヵ月程度しか稼働していない蒸溜所です。
そのため、長い歴史がありますが、閉鎖期間などを考えると実際に稼働している時間は歴史の長さと比較して非常に短いかもしれません。
生産量も少なく、シングルモルトは希少性が高いといえるでしょう。
仕込み水は近くを流れるブラドノック川の水を使用しており、閉鎖前から使用している胴が丸いボール型の蒸溜器を使用しています。
ブラドノック蒸溜所の詳細についてはこちらのページで紹介しています。
ブラドノック蒸留所 - Bladnoch DISTILLERY
ブラドノックの種類と味わいについて紹介します。
画像引用:https://bladnoch.com/collections/whisky-shop/products/10-year-old
ブラドノックのスタンダード的立ち位置でしたが、2022年に終売が決まった銘柄になります。
フローラルで柑橘系の果実を感じる香味と、麦芽とクッキーのような味わいが特徴的であり、全体的にライトで飲みやすいです。
終売の理由は原酒不足が挙げられており、時間が経つほど日本でも入手が難しくなることが予想されます。
画像引用:https://bladnoch.com/collections/whisky-shop/products/11-year-old
ブラドノック11年は、スタンダードのブラドノックよりも1年長く熟成されており、スコッチウイスキーは12年熟成のボトルが多いことから11年熟成は珍しいかもしれません。
よりリンゴやさくらんぼなどのフルーティーな甘みが強調されており、さわやかな香りと味わいは健在です。
味わいの近い10年物と飲み比べるのも楽しみ方の一つといえるでしょう。
画像引用:https://bladnoch.com/collections/whisky-shop/products/adela-15-year-old
ブラドノックにはノンエイジだけではなく、熟成年数のある銘柄に対しても名前が付けられており、15年熟成のアデラはラテン語で高貴という意味を持ちます。
オロロソシェリーカスクで熟成されたブラドノックは、レーズンとサルタナの風味とフルーツケーキのような甘い味わいとなっていることが特徴です。
シェリー樽によって熟成されることで生まれる品のある味わいが、高貴と呼ばれる所以であると感じさせてくれます。
画像引用:https://bladnoch.com/collections/whisky-shop/products/17-year-old
ブラドノック 17年はバーボン樽で熟成された後に、赤ワイン樽でカスクフィニッシュした限定銘柄です。
さくらんぼの風味が強く、さくらんぼに対してドライフルーツやシナモンが添えられた甘さだけでない複雑な風味が感じられます。
日本にはほとんど流通していない希少性の高い銘柄になります。
画像引用:https://bladnoch.com/collections/whisky-shop/products/bladnoch-19-year-old
ブラドノック 19年は、ペドロヒメネスの甘口シェリー樽で熟成された銘柄になります。
フローラルな香りとアプリコットの甘い味わいが特徴であり、余韻が非常に長くドライなフィニッシュが続きます。
15年物のアデラとは異なるシェリー樽で熟成させた長期熟成のブラドノックです。
画像引用:https://bladnoch.com/collections/whisky-shop/products/talia-27-year-old
ブラドノックのタリアは天からの雫を意味するブラドノックの現行品で最高レベルの熟成年数を持ち、27年物のほかに26年・25年が同じタリアの名でリリースされています。
厳選されたバーボン樽で熟成されたタリアは、ふんわりと優しい味わいでありながら濃厚な風味を持ち、フルーティーな甘さとスパイシーさが同居したバランスの取れた味わいです。
最高レベルのブラドノックを飲みたい方は、熟成年数に関していえば今後も28年以上の銘柄がリリースされる可能性もあるので、タリアの名を持つ銘柄を探してみましょう。
画像引用:https://bladnoch.com/collections/whisky-shop/products/samsara
再生を意味するサムサラの名を冠するブラドノックは、閉鎖してからも再生をくり返してきたブラドノックそのものをモチーフにした銘柄になります。
バーボン樽だけでなくカルフォルニアの赤ワイン樽で熟成された原酒をヴァッティングさせており、バニラの風味とフローラルな風味が融合した銘柄です。
サンフランシスコ スピリッツ コンペティション(San Francisco Spirits Competition)をはじめとするさまざまなウイスキー品評会で金賞を取っており、完成度の高さから評価されています。
画像引用:https://ultimatespirits.jp/shopdetail/000000002447/
ブラドノックのシングルモルトとしての立場を向上させた銘柄が花と動物シリーズであり、ユナイテッド・ディスティラーズ社から販売されたオールドボトルにあたります。
ローランドモルトですがスペイサイドモルトを思わせるようなりんごと蜂蜜の甘い風味が特徴的であり、現行のブラドノックよりもこちらのほうが好みであるという方もいるほど高い評価をされています。
現在は販売されていない銘柄ですが、ほどよい酸味とスパイシーさも同居した完成度の高いボトルなっているので、飲みたい方はオンラインショッピングを通して探してみましょう。
ブラドノックのおすすめの飲み方について解説します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ブラドノックはローランドモルトであるため、ストレートでも非常に飲みやすく、ウイスキーの味わいを堪能できます。
ウイスキー初心者の方も含めて最初はストレートで挑戦したい銘柄となっており、バランスの取れた完成度の高い味わいをそのまま味わいましょう。
ストレートで美味しいウイスキーの条件についてはこちらの記事で解説しています。
ストレートで美味しいウイスキーの条件とは?おすすめの銘柄4選
ブラドノックはアルコールの刺激は少ないように感じますが、度数は高めであることからロックもおすすめです。
ロックにすると爽やかさが強調され、氷がゆっくりと解けることによる味わいの変化が楽しめます。
ウイスキーのロックのおすすめ銘柄と作り方についてはこちらの記事で紹介しています。
ウイスキーのロックのおすすめの飲み方は? おいしく飲むための作り方もご紹介
ブラドノックは、その生産体制から限定的に製造されているローランドモルトであり、ウイスキー品評会でも高く評価されており、希少性の高いシングルモルトです。
爽やかで飲みやすい味わいのウイスキーが好きな方におすすめであり、味わいの傾向としてはローランドモルトではありますが、スペイサイドモルトにも近いものがあります。
2022年に10年物が終売となりましたが、10年物が入手できない場合は、今後新たにリリースされるスタンダードボトル、またはサムサラから飲み進めることをおすすめします。