カルヴァドスは飲み終わったらどうする? 中のりんごの活用方法を紹介
- ウイスキー基礎知識
ウイスキーを飲んでいると、同じ蒸留酒のブランデーにも興味を持つ人もいることでしょう。
ブランデーとウイスキーには共通点も多いため、ウイスキーを飲み慣れているならブランデーも楽しみやすいです。
ウイスキーと同様に安いブランデーはソーダ割り(ハイボール)で美味しく飲みやすく、ストレートやロックで楽しむなら多少値が張る銘柄を選ぶほうが良いでしょう。
この記事では、ブランデーの初心者向けおすすめ銘柄と、ウイスキーとの違いを中心にブランデーの基礎知識を解説します。
この記事のポイント
ブランデーは、果実を原料に蒸溜させて造る蒸溜酒であり、ブトウ、りんごなどを原料にして製造されます。
蒸溜酒とは醸造酒を加熱し、蒸溜させて造るお酒のことであり、ブランデー以外では、ウイスキー、ウォッカ、ジンなどが例として挙げられます。
同じブドウを原料にしたワインは醸造酒であり、ワインを蒸溜して造るお酒がブランデーであり、生産地がフランスであることも共通しているお酒です。
また、ブランデーにはさくらんぼ、洋梨、ベリーなどの果物が使われることもありますが、基本的にこれらはフルーツブランデーと呼ばれています。
熟成年数の表記もあり、ブランデーでもコニャックは熟成年数の長さで一つ星~三つ星で評価され、熟成年数が10年を超えるとVO、16年を超えるとVSO、20年~30年でVSOPと表記されるようになり、44~45年熟成物はナポレオンクラスと呼ばれることで知られています。
果実の芳醇な香りと、まろやかな味わいが特徴であり、蒸溜酒の中ではウイスキーと並んで人気の高いお酒となっています。
蒸溜酒について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
ウイスキーと蒸留酒の歴史について!発酵酒(醸造酒)との違いとは
ブランデーとウイスキーは、蒸溜酒を樽で熟成させる過程があることから、蒸溜酒であること以上に共通点の多いお酒として知られています。
飲み方もストレートやオンザロックで飲まれるだけでなく、日本ではソーダ割り(ハイボール)も人気です。
ウイスキーとブランデーの最も大きな違いは原料であり、ブランデーがブドウなどの果実を原料としているのに対して、ウイスキーは大麦などの穀類を原料としています。
また、製造方法の工程でウイスキーには発酵に必要な糖分を作るための糖化がありますが、ブランデーは果物に糖分が含まれているため、糖化が工程に入らない場合が多いです。
製造方法に共通点が非常に多いものの、原料が異なることから、様々な違いが生まれているといえるでしょう。
そもそも香りや味わいが明らかに異なると考えるかもしれませんが、ウイスキーの種類は豊富であり、ワイン樽で熟成させたウイスキーも販売されていることから、ブランデーの香りや味わいに近い風味を持つウイスキーも存在します。
よって、ウイスキーの飲み方を知っていればブランデーは楽しみやすいため、ウイスキーが好きでブランデーにも興味を持った場合は違いはあっても受け入れやすいといえるでしょう。
ブランデーにも共通するところが多いウイスキーの製造方法はこちらの記事で紹介しています。
ウイスキーの製造方法は? 原料からボトル詰めまでの流れを解説
ウイスキーに世界五大ウイスキー、スコッチにおけるスペイサイド、アイラなどの地域による種類があるようにブランデーにも種類があります。
ブランデーを選ぶ場合も種類が参考になるため、ブランデーの代表的な種類を3つ紹介します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ブランデーをよく知らない人でも知っている知名度が高い代表的な種類には、フランスのボルドー地方の北部にあるコニャック地方で製造されるブランデーであるコニャックがあります。
コニャックは「ユニ・ブラン」という品種の白ブドウを使用していることが特徴です。
また、コニャックを名乗れるブランデーは、フランスのA.O.C.(アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ)による認証制度で認証されたものだけです。
仮にコニャックと同じ製法で造られたブランデーであっても、厳しい審査項目をすべて潜り抜け、認証を受けなければコニャックとは認められません。
厳しい規制を敷くことによってコニャックの品質は守られており、上品な味わいが楽しめるブランデーとなっています。
アルマニャックはフランスのボルドー地方の南部にあるアルマニャック地方で製造されているブランデーです。
コニャックと同様にユニ・ブランのブドウを使用していますが、蒸溜の回数がコニャックが2回であるとこと、アルマニャックは1回であるなど、製造方法の違いがあります。
コニャックが上品な味わいに対して、アルマニャックは力強い風味が特徴であり、野性的な味わいと表現されることがあります。
カルヴァドスは、フランスのカルヴァドスで造られるブランデーであり、この地域以外で製造されたブランデーはアップルブランデーと区別されます。
白ブドウではなくりんごを使用するブランデーであり、アップルワイン(シードル)を蒸溜させて製造します。
甘くなめらかな口あたりで飲みやすい味わいが特徴であり、ブランデーの中でも初心者向けの種類です。
ブランデーの初心者向けおすすめ銘柄を紹介します。
画像引用:https://products.suntory.co.jp/d/4901777046252/
サントリーブランデー V.Oは、サントリーが販売する1,000円程度の価格で購入できるブランデーです。
新鮮なマスカットを使用しており、ぶどうのフルーティーさとスムースな口あたりを持つ飲みやすい味わいになります。
低価格で購入できるウイスキーと同様にソーダ割りで気軽に楽しむ銘柄としておすすめです。
画像引用:https://www.mhdkk.com/brands/hennessy/vs/
ヘネシー V.Sは、コニャックを代表する銘柄であり、ブランデーの中でもコニャックを初めて飲む人におすすめのボトルとなっています。
ぶどうの香りが非常に繊細で、フルーティーさだけでなく、フローラルさとバニラの風味も感じられる複雑な味わいです。
予算は5,000円程度と価格が大きく上昇しますが、ストレートやロックで楽しむ銘柄は初心者こそある程度の予算をかけて選ばなければ魅力が伝わりにくいと言えます。
画像引用:https://www.remymartin.com/ja-jp/collection/vsop/
レミーマルタン V.S.O.Pは、ヘネシーと同様にコニャックを代表する銘柄の一つであり、厳選されたブドウを使用しています。
濃縮されたドライフルーツの香りと、ダークチョコレートやシナモンなどのスパイス感もある複層的な味わいが特徴です。
ブランデー初心者でブランデーを選ぶなら、ヘネシーとレミーマルタンから選択することをおすすめします。
画像引用:https://www.mhdkk.com/brands/hennessy/sp/collection/
ヘネシー X.Oは、コニャックの格付けであるX.O(EXTRA OLD)の称号を初めて与えられた銘柄である高級コニャックです。
上品な香り、フルーティーなだけでない重厚な味わい、絹のようになめらかな口あたりが特徴になります。
価格は数万円程度の5桁が相場となっていますが、本当のブランデーの美味しさを味わいたい方は高級コニャックから挑戦してみましょう。
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ジェラス 10年は日本ではアルマニャックでも人気の高い銘柄であり、ユニブラン種とバコ種の2種類のブドウを使用していることが特徴です。
2つの原料をブレンドすることでバランスの良い味わいに仕上がっており、レーズンとハチミツのような甘さが感じられます。
品質が高いため、アルマニャックの良さを理解しやすい入門酒といえるでしょう。
画像引用:Amazon.co.jp
シャボー V.S.O.Pは、5年以上熟成させた原酒を使用する気軽に楽しみやすいアルマニャックです。
軽やかな味わいが特徴であり、フルーティーですっきりした印象をもたらしてくれます。
アルマニャックを低価格から楽しみたい場合は、こちらの銘柄を探してみましょう。
画像引用:https://products.suntory.co.jp/d/3152900000134/
ブラー グランソラージュは、1825年に創業したブラー社が製造する歴史あるカルヴァドスです。
りんごを思わせるフレッシュな香りが特徴であり、樽由来のバニラのフレーバーも感じられます。
クセが少なく飲みやすいカルヴァドスの特徴が理解できるため、初めてカルヴァドスを飲む方におすすめです。
画像引用:https://item.rakuten.co.jp/3line/b000000270/
ポムプリゾニエールは、瓶の中でりんごを育て、フランス北部のノルマンディ産のカルヴァドスを瓶詰めしています。
瓶の中で育てられたりんごの甘くまろやかな味わいが魅力であり、カルヴァドスの風味とも調和しています。
りんごを思わせるような曲線的なボトルも魅力であり、りんごが好きだからこそカルヴァドスに興味を持った人におすすめです。
画像引用:https://products.suntory.co.jp/d/3152900051310/
ブラー X.O.は、8年~15年熟成の原酒をブレンドしたブラー グランソラージュの上位ボトルにあたる高級カルヴァドスです。
ナッティで香ばしい香りとがりんごの風味と調和し、熟成させたりんごの風味がしっかりと味わえます。
カルヴァドスの中でも良い銘柄を選びたい場合は、こちらのボトルを選択してみましょう。
画像引用:https://tomiz.com/item/00451500
3-タンネン ドイツキルシュは、ドイツ産のブランデーであり、さくらんぼを使用したチェリーブランデーとなっています。
完熟されたさくらんぼの風味が味わえるだけでなく、お菓子の風味付けにも適したブランデーです。
ぶどうやりんご以外のブランデーを飲みたい場合は、チェリーブランデーを試してみましょう。
ブランデーのおすすめの飲み方を以下にまとめました。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ブランデーは、ウイスキーと同様にソーダ割り(ハイボール)で飲むのもおすすめとなっています。
ブランデーのフルーティーな風味と炭酸の爽快感は相性が良く、アルコール感がキツイ原酒の若いボトルの風味をまろやかにしてくれます。
低価格で購入できるブランデーは、炭酸水で割ると美味しく飲みやすいため、気軽にブランデーを楽しめる飲み方です。
ブランデーと炭酸水の割合で迷う場合は、ブランデー1:炭酸水3で割るようにしてみましょう。
しかし、高いブランデーをソーダ割りで楽しむことは、本来の風味が楽しめないためもったいないと感じる人も多く、ウイスキーと同様に銘柄を選ぶ飲み方といえます。
高級なブランデーを楽しむなら、ストレートやロックなど風味を余すことなく味わえる飲み方を選ぶことをおすすめします。
ウイスキーと同様にじっくり香りも味わいながら、アルコール度数が高いため、水や炭酸水などのチェイサーを挟みながらゆっくり飲みましょう。
オンザロックは、ブランデーに大きい氷を入れて冷やして飲む飲み方であり、冷たいお酒のほうが好きな人に向いています。
また、オンザロックは時間が経つことで氷が少しずつ解けてブランデーの風味が変化することも魅力です。
ただし、安いブランデーをストレートやロックで飲むと、香りが立たずアルコール感が気になることからブランデーの良さが伝わりにくいため、初めてブランデーをそのまま飲むなら上質な銘柄を選びたいところです。
ブランデーの基礎知識と初心者におすすめ銘柄を紹介しましたが、ブランデーはウイスキーと共通点が多いため、ウイスキー好きであれば受け入れやすいはずです。
特に飲み方のストレート・ロック、ソーダ割り(ハイボール)に対する感覚は、ウイスキーと共通しているため、飲み方に合わせて好きなブランデーを選んでみましょう。
ソーダ割りで気軽に楽しむ場合は低価格のブランデーもおすすめであり、ストレートやロックでブランデーを本格的に味わうなら高級ブランデーを購入してブランデーの良さを実感したいところです。