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- ウイスキー基礎知識
ブランデーのXO(エックスオー)は、ブランデーの熟成度合いや品質を示すランク(等級)の一つであり、XOランクが付けられたブランデーは一般的に高級銘柄といえます。
質の高いブランデーを飲みたい方は、XOランクのブランデーから銘柄を選ぶと満足しやすいといえるでしょう。
ブランデーの種類、コニャック、アルマニャック、それ以外のブランデーにおいてXOのランク付けがされている場合も条件が異なることから、それぞれ理解して銘柄を選びたいところです。
この記事では、ブランデーのXOランクについてランク付けがなされる条件と、おすすめ銘柄をランキング形式で紹介します。
この記事のポイント
ブランデーのXO(エックスオー)は、Extra Old(エクストラオールド)の略称です。
コニャック・アルマニャックにおいては、一定の条件を満たしたブランデーのみが名乗れます。
コニャック・アルマニャックなどのブランデーは、熟成年数による基準で格付けが行われています。
コニャックを例にXOが格付においてどの位置にあるか以下にまとめました。
ブランデーの格付(下に行くほど高ランク)
XOのランクはオルダージュの次に高く、最高級の下に位置する高級ランクのブランデーであることがわかります。
最高級ランクのブランデーは、数十万円以上の価格で取引されることも多いため、現実的に飲むことは難しいかもしれません。
しかし、XOランクのブランデーであれば、15,000円~30,000円程度の相場で購入しやすいため、特別な日に飲むお酒として購入できる価格設定といえるでしょう。
そのため、品質の高いブランデーを飲みたい方にとってXOランクは人気の商品となっています。
ブランデーのランク付けについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
ブランデーのランク(等級)の違いは? VO、VSOP、XOなどの意味を解説!
ブランデーのXOランクの条件について、コニャック、アルマニャック、それ以外のブランデーでまとめました。
ブランデーの種類 | コント(熟成年数) | 平均熟成年数 |
コニャック | コント10以上 | 20年~25年 |
アルマニャック | コント5以上 | 25年~30年 |
それ以外のブランデー | なし | なし |
ブランデーのランク付けはブレンドに使用する最も若い原酒のコント数、平均熟成年数によって決まります。
コントとはブランデー特有の熟成年数の数え方であり、コント10以上であれば熟成年数が10年以上と考えて問題ありません。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
コニャックは、フランスのコニャック地方で造られる高級ブランデーであり、名門と呼ばれる銘柄のXOランクは高価格になります。
使用する最も若い原酒の熟成年数は10年以上、平均熟成年数は20年~25年が求められます。
20年物の熟成年数を表記するには20年未満の熟成年数の原酒を使用できないウイスキーと比較するとブレンドの自由度は高くなっていますが、ブランデーの中では厳しい基準といえるでしょう。
コニャックのおすすめ銘柄は? 初心者向けのボトルから美味しい飲み方を紹介
アルマニャックは、コニャックと並び世界三大ブランデーと称されるフランス産のブランデーであり、コニャックと比較すると低価格で購入できるブランデーも存在します。
最も若い原酒の熟成年数は5年以上、一方で平均熟成年数は25年~30年とコニャックより高い水準が求められます。
平均熟成年数の基準を満たしていれば10年未満の原酒も使用できるなど、ブレンドにおける自由度は非常に高いといえるでしょう。
ただし、平均熟成年数が高い基準にあることから、品質に不安なく飲みやすいです。
アルマニャックのおすすめ銘柄は? コニャックとの違い、美味しい飲み方を解説
問題となるのはコニャック・アルマニャックにも属さないブランデーであり、実はXOランクを名乗るための明確な条件は規定されていません。
日本のサントリーで販売される国産ブランデーでは、XOランクのボトルも販売されています。
独自の基準でボトル詰めしていることはわかっていますが、明確な条件を公開していません。
そのため、コニャック・アルマニャックではないブランデーのXOランクは自由に名乗れるため、コニャックのXOと比較すると低価格で販売されていることがあります。
XOランクであるからといって必ずしも高品質であるとは限らないため、XOランクの格付けであっても必ずしも高い品質が保たれていない可能性があります。
コニャック・アルマニャックに属さない低価格で購入しやすい国産ブランデーはこちらの記事をチェックしてください。
国産ブランデーのおすすめ人気ランキング! 安く入手しやすい銘柄もご紹介
高級ブランデーを探すにあたってXOランクから選びたい方におすすめ人気ランキングをご紹介します。
品質の高い銘柄から安い銘柄までランキングにすると以下の通りになりました。
画像引用:Amazon.co.jp
ヘネシー X.Oは、名門コニャックの一つであり、古くからブランデーを作り続けてきたことから信頼性の高いメーカーです。
ヘネシーは1870に初めてXOのランクが与えられたコニャックであり、伝統ある銘柄であるといえるでしょう。
コニャックの王様と称されるヘネシーは、芳醇な香りと複雑で奥行きのある深い味わいが魅力です。
高級なブランデーを購入したいのであれば、最有力の候補といえるでしょう。
画像引用:https://www.remymartin.com/ja-jp/collection/xo/
レミーマルタン XOは、グランド・シャンパーニュ産のブドウを85%、プティット・シャンパーニュ産のブドウを15%使用、300種類以上の原酒を使用した高級ブランデーです。
使用される原酒には熟成年数35年を超える原酒が使用されており、高い品質を誇ります。
オーク樽由来の香味とフルーティーさが心地よい優雅なアロマ、ハーブが絡む複雑な風味となめらかな口あたりがあります。
ヘネシーに並ぶ人気の高級ブランデーであり、多くのブランデー愛好家から愛されています。
画像引用:https://www.asahibeer.co.jp/products/whisky_brandy/brandy/camus/48813.html
カミュ ボルドリー XOは、コニャック地方のボルドリー地区のブドウのみを使用するシングル・クリュ・コニャックのXOランクです。
コニャック地方の中でも最小のクリュ(畑)がボルドリーであり、収穫量も少ないことから希少なブランデーです。
スミレのフローラルさナッツのような香りがあり、強い甘みと上品でクリーミーな味わいが特徴です。
コニャックに甘みを求めている方におすすめのボトルとなっています。
画像引用:https://item.rakuten.co.jp/yunyuusyu/72360/
マーテル XOは、独特なアーチ形のボトルにボトリングされた、名門コニャックメーカーであるマーテルの高級ブランデーです。
アーチ形のボトルは、創設者であるジャン・マーテルの最上級の原酒のみをブレンドするという強い意志を表現した形となっています。
イチジクやベリー系の果実の熟した濃厚な甘みがあり、力強いだけでなく繊細であり、コクのある味わいが特徴です。
デザインと味わいの完成度から特別な人のギフトにもおすすめといえるでしょう。
画像引用:https://www.kakuyasu.co.jp/store/commodity/0010/00005687/
サントリーブランデーX・Oは、日本で販売されているブランデーであり、独自の基準で最高ランクであるXOと格付けされています。
贈り物にもおすすめな高級感溢れるデラックスタイプのボトルと、40mlほど容量が減少しますが安く購入しやすいスリムボトルがあります。
同銘柄のブランデーの中でも最も高級であることから、熟成感のある豊かな香りと味わいが楽しめます。
価格は名門コニャックと比較すると安過ぎることから、完成度においては劣りますが、日本では多くの人に支持されている人気のブランデーです。
画像引用:https://www.syurui.co.jp/products/2603
ニッカブランデー X.O ″白″は、ニッカウヰスキーが販売するブドウではなくりんごを使用したアップルブランデーです。
ニッカは元々りんごジュースを製造していたことから、りんごに強いこだわりがあり、ブランデーもぶどうではなくりんごで作っています。
りんご由来の華やかな香りと、柔らかで甘い口あたりが楽しめます。
サントリーブランデーと同様に独自の基準によるXOランクではありますが、価格とコストのバランスから日本における人気は高いです。
画像引用:https://item.rakuten.co.jp/maisondenormandie/ar0340jp/
ル・マルク XOは、アルマニャックに分類される高級ブランデーであり、バ・アルマニャック地域で収穫されたブドウを使用しています。
バニラとキャラメル、ジンジャーのスパイス感がある甘くスパイシーなアロマ、プルーンとリコリスの豊かな風味が特徴です。
アルマニャックは日本における知名度は高くなく、コニャックと比較するとXOランクも低価格で購入しやすくなっています。
画像引用:https://item.rakuten.co.jp/liquorsbest/202000801/
サンヴィヴァン XOは、アルマニャックの各地区の原酒を厳選してブレンドした、首の曲がった独特な形状である中世の手吹きガラス瓶をイメージしたボトルです。
アルマニャックはコニャックと比較して野性味のある力強い風味と表現されることが多く、アルマニャック特有のワイルドな風味とマイルドな味わいを両立しています。
本場フランスのアルマニャックでありながら、コニャックと比較すれば低価格で購入しやすい品質が保証された高級ブランデーです。
画像引用:Amazon.co.jp
シャボー XOは、初代フランス海軍元帥フィリップ・ド・シャボーの末裔によって設立されたシャボー社の伝統的なアルマニャックです。
フルーティーさとスパイシーさが調和した味わいであり、余韻の長さが魅力です。
XOランクの高品質なアルマニャックを飲みたい方にとって有力な候補であり、ギフトでは他に存在するハート型のボトルを選ぶのも良いかもしれません。
画像引用:https://products.suntory.co.jp/d/3152900051310/
カルヴァドス ブラー X.O.は、世界3大ブランデーの一つであるリンゴを使用したブランデーであるフランス産のカルヴァドスのXOランクです。
使用する原酒は8年から15年熟成と、コニャック・アルマニャックにおけるXOランクの基準は下回ります。
焼いたナッツの香ばしさ、甘くフルーティーな味わいが特徴であり、シナモンのスパイス感が感じられます。
カルヴァドスのXOランクのボトルを選ぶ場合は、こちらが日本では知名度の高い銘柄です。
カルヴァドスについて詳しく知りたい方はこちらの記事で紹介しています。
初心者におすすめのカルヴァドスは? 人気の種類と美味しい飲み方を紹介
ブランデーのXOのおすすめの飲み方は、名門のコニャックを中心に基本的にはストレートで飲むことをおすすめします。
ストレートで飲むことで高級ブランデーが持つ、複雑で豊かな風味をそのまま味わえます。
また、ストレートはただグラスに注いで飲むだけではありません。
高級ブランデーであれば飲み方の基本的な手順や、グラスについてもこだわりたいところです。
ブランデーの飲み方
ブランデーは目、鼻、口、すべてで楽しむお酒であるため、高級ブランデーをストレートで楽しむならいきなり口を付けるのは避けましょう。
グラスのボウル部分と底部を繋ぐ細長いステムと呼ばれる部分を掴んで、ゆっくりと静かに回します。
グラスを回しながら液体を鑑賞していると、グラスの内側に香りが溜まった後に外側に香りが広がっていくため、香りを楽しみます。
この時、昔はグラスのボウルを手で温めるほうが良いとされていました。
XOランクのブランデーの多くはボウル部分を温めなくても香りが立つため、手の温度でブランデーの風味に影響を及ぼすことから現在では推奨されていません。
時間をかけて香りを楽しんでから口に含んで味わいを感じます。
このように高級ブランデーはゆっくりと五感で味わうことが基本です。
高級ブランデーを飲むのにおすすめのブランデーグラスの選び方は以下の記事をチェックしてください。
ブランデーグラスの選び方は? 人気が高いおすすめの種類15選!
ブランデーのXO(エックスオー)ランクは、熟成度合いや品質の高さを示す等級のひとつで、一般的に高級銘柄に用いられます。
コニャック、アルマニャック、それ以外のブランデーにおいてXOランクの基準が異なることから、必ずしもXOランクで共通した品質を持っているわけではありません。
そのため、XOランクのブランデーの特徴を理解して、ご自身に合った銘柄を選ぶ必要があるため、この記事で紹介したブランデーも参考にしながら購入する銘柄を検討してみましょう。