
シングルモルト余市とは? 味わいと限定品の種類、おすすめの飲み方
- ウイスキー銘柄
シーバスリーガル ミズナラは、日本市場向けに作られた特別なシーバスリーガルであり、日本産のミズナラ樽でカスクフィニッシュしています。
ミズナラ樽は日本固有のオーク樽であり、他の熟成樽にはないオリエンタルな風味から近年では世界中で高く評価されています。
基本は12年熟成のボトルが流通していますが、18年熟成のボトルも存在しているため、複数のラインナップがあることが特徴です。
この記事では、シーバスリーガル ミズナラの種類と味わいを紹介し、おすすめの飲み方を紹介します。
この記事のポイント
シーバスリーガル ミズナラは、スコットランドの名門ブレンデッドウイスキーブランドのシーバスリーガルから2013年10月に日本市場向けに発売されたミズナラ樽熟成のシーバスリーガルです。
日本固有のオーク「ミズナラ」は独特の香りと風味をウイスキーに与える特徴がありますが、現在では希少性が高く、珍しいウイスキー樽であるため、世界からも注目されています。
ミズナラ樽は希少ではありますが、シーバスリーガル ミズナラの12年物であれば、5,000円程度の予算で購入が可能であるため、スタンダードの12年よりも少し割高である価格という印象です。
2020年のインターナショナル・ワイン&スピリッツ・コンペティション(IWSC)では金賞を受賞した確かな実績を持つウイスキーであるため、ミズナラ樽熟成のウイスキーを試したい方におすすめです。
シーバスリーガル ミズナラの概要と製造方法を詳しくまとめていきます。
シーバスリーガルとシーバスリーガル ミズナラの歴史を以下の年表にまとめました。
年代 | 出来事 |
1801年 | ジェームスとジョンのシーバス兄弟が、スコットランドのアバディーンに高級食料品店を開業 |
1850年代 | シーバス兄弟がブレンデッドウイスキーの製造を開始 |
1909年 | 世界初の25年熟成ブレンデッドウイスキー「シーバスリーガル 25年」を発売し、ブランドが正式に誕生 |
1920年代 | アメリカの禁酒法の影響でシーバスリーガルの供給が一時的に停止する |
1938年 | 「シーバスリーガル 12年」としてブランドが復活し、世界中の愛飲家に支持される。 |
2013年 | 「シーバスリーガル ミズナラ 12年」を日本市場向けに発売 |
2020年 | 「シーバスリーガル 18年 ミズナラ カスク フィニッシュ」を発売 |
シーバスリーガルはスコットランドを代表するブレンデッドスコッチウイスキーのブランドであり、200年以上の歴史を持ちます。
1801年、ジェームズとジョンのシーバス兄弟は、兄がスコットランドのアバディーンの高級食料品店で働き始めた後に、弟を招き入れてシーバス・ブラザーズ社を開業します。
彼らは品質に対する妥協のない姿勢で知られ、顧客の要望に応じて商品を取り揃えることで評判を高めました。
1850年代から現在のシーバスリーガルの原型となるブレンデッドウイスキーの製造にシーバス兄弟が取り組み始めました。
1909年、世界初の25年熟成ブレンデッドウイスキー「シーバスリーガル 25年」を発売されたことで、ブランドが正式に誕生します。
一時期はアメリカの禁酒法の影響でシーバスリーガルの供給が一時的に停止したものの、再び再開し、世界中の愛好家に愛されるブランドに成長しました。
シーバスリーガルは伝統を守りつつも、革新的な取り組みを続けているウイスキーブランドです。
その一例が、2013年10月、日本市場向けに販売された「シーバスリーガル ミズナラ 12年」といえるでしょう。
日本原産のミズナラ樽でフィニッシュを行った特別なスコッチウイスキーであり、日本の匠の技への敬意を表した銘柄です。
シーバスリーガル ミズナラは大変好評であり、需要が拡大し、2020年には「シーバスリーガル 18年 ミズナラ カスク フィニッシュ」が発売されることになりました。
日本とスコットランドの技術融合を象徴する銘柄となり、2024年には日本固有の樽ではありますが、ミズナラ樽ではなく日本酒樽を使用した「シーバスリーガル 12年 匠リザーブ」も発売されました。
このようにシーバスリーガルは、ミズナラ樽熟成のブレンデッドウイスキーをはじめ、革新的な取り組みをしています。
シーバスリーガル 匠リザーブについては以下の記事で紹介しています。
シーバスリーガル 匠リザーブ 12年とは? 味わいとおすすめ飲み方を紹介
シーバスリーガル ミズナラの製造方法は、特定の熟成年数を持つモルトウイスキーとグレーンウイスキーを厳選するところから始まります。
シーバスリーガル ミズナラは熟成年数を表記したラインナップを販売していますが、ウイスキーの熟成年数はブレンドに使用する一番若い原酒の熟成年数を表記しなければならないルールがあります。
つまり、12年であれば12年以上熟成された原酒、18年であれば18年以上熟成された原酒を選んでブレンドしていることがわかるのです。
シーバスリーガルの特徴は上品でスムースな口あたりであり、シーバスリーガル ミズナラにも受け継がれるこの特徴は原酒の選定段階で決まっています。
ブレンドされたウイスキーの一部は、日本原産の希少なミズナラ樽で追加の熟成(カスクフィニッシュ)をおこないます。
ミズナラは、非常に柔らかく浸透性が高いため、樽製造が難しく、世界で最も高価な樽の一つとされている希少なウイスキー樽です。
カスクフィニッシュでは、ミズナラ樽特有のアロマティックなオリエンタルな香り、シナモン、ジンジャーのスパイス感が付与されます。
このようにしてスコットランドの技術力の結晶であるシーバスリーガルと日本固有の技術力の結晶であるミズナラ樽が融合して、洗練された味わいが生まれるのです。
シーバスリーガル全体の種類と味わいはこちらの記事で紹介しています。
シーバスリーガル ミズナラの種類と味わいを紹介します。
画像引用:Amazon.co.jp
概要 | 内容 |
容量 | 700ml |
アルコール度数 | 40% |
参考価格 | 5,000円 |
シーバスリーガル ミズナラ 12年は、ミズナラ樽でカスクフィニッシュした原酒を使用した12年以上熟成させたウイスキーです。
青りんご、洋梨、柑橘類の新鮮な果実の香り、軽やかで爽やかな印象を与えてくれます。
ミズナラ樽による香木を思わせるオリエンタルな香りがあり、シナモン、ジンジャーを思わせるスパイス感から、ウッディな刺激がアクセントとなります。
はちみつやトフィーの穏やかな甘みが感じられ、果実の酸味とのバランスが絶妙です。
味わい全体が非常に調和のとれたものとなっており、甘さとともに感じられる口中に広がるナッツの香ばしさと、ほのかに感じられる苦味が魅力です。
後味にはミズナラ樽のウッディでスパイシーな後味が長く残り、飲み終えた後も余韻が長く続くため、時間をかけてじっくりと味わう楽しみがあります。
シーバスリーガルが日本独自の素材であるミズナラ樽の融合により、非常にユニークでありながら完成度の高い味わいを実現しています。
ウイスキー愛好家のみならず、これからウイスキーに挑戦する方にも強くおすすめできる銘柄といえるでしょう。
画像引用:https://item.rakuten.co.jp/seijoishii/5000299611388/
概要 | 内容 |
容量 | 350ml |
アルコール度数 | 40% |
参考価格 | 3,000円 |
シーバスリーガル ミズナラ 12年には、通常の700mlの容量のボトルだけでなく、350mlのハーフサイズのミニボトルも存在します。
内容は同様であるため、気軽にシーバスリーガル ミズナラ 12年を飲みたい方は、こちらのボトルを購入しても良いでしょう。
画像引用:Amazon.co.jp
概要 | 内容 |
容量 | 700ml |
アルコール度数 | 43% |
参考価格 | 10,000円 |
シーバスリーガル 18年 ミズナラ カスク フィニッシュは、シーバスリーガル ミズナラ 12年の好評を受けて2020年に発売された上位ボトルです。
古木のような重厚感や、薪のような暖かみ、刺激のあるスパイス感から、ミズナラ樽熟成のウイスキーの特徴を感じられます。
熟した洋ナシとりんごを思わせるジューシーな果実の瑞々しい香り、バニラとキャラメルを思わせる甘さから全体的に華やかな印象です。
最初は杏子ジャムを思わせる甘い印象が感じられますが、口に含んで少し時間が経つと長期熟成のウイスキーらしい複雑さが見えてきます。
ダークチョコレートの風味とミズナラカスクのスパイシーさが顕著になり、甘味とのバランスから奥行きと深みがあり、複層的な味わいに仕上がっています。
フィニッシュは長く単一で終わるのではなく、飲み終えた後もじわじわと広がり、変化することが魅力です。
12年物よりもワンランク上のミズナラ樽のブレンデッドウイスキーを飲みたい方におすすめといえます。
画像引用:https://duty-free-japan.jp/haneda/jp/goodsDetail.aspx?sCD=5101030071
シーバスリーガル 18年には免税店向けの商品のアルティメイトカスクコレクションで、ミズナラ樽熟成のウイスキーが販売されていました。
容量は1,000ml、アルコール度数は48%と現在の「シーバスリーガル 18年 ミズナラ カスク フィニッシュ」と比較すると高いアルコール度数でボトル詰めされています。
味わいの傾向は共通していますが、ミズナラ樽熟成の原酒の主張の強さなどが異なるため、気になる方は飲み比べてみましょう。
免税店向けの限定品であることから、入手難易度は他のミズナラのシーバスリーガルと高くなっています。
シーバスリーガル ミズナラのおすすめの飲み方を解説します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ミズナラ樽ならではの原酒の魅力をそのまま味わうなら、ストレートで飲むことをおすすめします。
ストレートで飲むことで、ミズナラ樽由来のウッディさ、複雑に重なり合うアロマをそのまま堪能できます。
濃厚な香りと味わいをダイレクトに味わうためにも、まずはそのまま飲んでみましょう。
ストレートで美味しいウイスキーの条件はこちらの記事で紹介しています。
ストレートで美味しいウイスキーの条件とは?人気の銘柄・安い銘柄10選!
シーバスリーガル ミズナラは炭酸で割ることで、軽快で爽やかな飲み口に変化します。
ミズナラ樽特有のスパイシーさも炭酸の刺激と相性が良く、和食、中華料理など様々な食事に合わせやすいです。
爽快な味わいと飲みやすさから、食事と一緒に楽しむのにも最適です。
ハイボールにおすすめの高級ウイスキーはこちらの記事で紹介しています。
シーバスリーガル ミズナラは、氷がゆっくりと溶け出すことで、飲むたびに風味の変化を楽しむことができます。
氷がゆっくりと溶け出し、ウイスキーが徐々に薄まる過程で、ミズナラ樽由来のウッディな香りが次第に表れます。
冷やされた状態で飲むと、口当たりが一層なめらかになり、全体的なバランスが落ち着くため、初めて飲む方にもおすすめです。
ロックの美味しい作り方とポイントはこちらの記事で紹介しています。
ウイスキーのロックのおすすめの飲み方は? おいしく飲むための作り方もご紹介
良い評判 | 悪い評判 |
飲みやすく、初心者にもおすすめ | ミズナラ樽の特徴を感じられなかった |
香りが良く、コクがある | クセがなく物足りない |
贈り物として喜ばれた | - |
シーバスリーガル ミズナラの中でも広く飲まれている12年は多くの人から高い評価を受けており、特にウイスキー初心者の方から大きな支持を受けていました。
クセが少なく、どんな飲み方でも楽しめることから、飲みやすく、初心者にもおすすめといわれています。
ミズナラ樽熟成のウイスキーとしては手頃な価格であり、価格帯の中では優れた味わいと評価する人もいました。
一方で、普通のシーバスリーガルと大差なく、ミズナラ樽の特徴を感じられなかった、クセがなく物足りないという意見も。
よって、全体的に「飲みやすい」という評価が多く、初心者向けやプレゼントに適しているとの評判が目立ちますが、個性やミズナラの風味を期待していた人には物足りないと感じる評価もあったといえるでしょう。
現時点で、シーバスリーガル ミズナラが終売するという事実はありません。
しかし、人気のウイスキーであるため、状況によっては品薄で販売される店舗が限られていることがあります。
近くの酒店などで見つからない場合は、オンラインショップから探してみましょう。
画像引用:https://www.pernod-ricard-japan.com/sp/brands/domestic/whisky/chivasregal/
概要 | 内容 |
容量 | 700ml |
アルコール度数 | 40% |
参考価格 | 3,500円 |
シーバスリーガル ミズナラがミズナラ樽を使用した原酒が使用されるのに対して、スタンダードな12年はアメリカンオーク樽とヨーロピアンオーク樽で熟成された原酒のみを使用していることが違いです。
また、スタンダードなシーバスリーガル 12年は、ミズナラと異なり、世界的にも広く販売されています。
入手しやすくバランスの良いクラシックなブレンドが楽しめるスタンダードな12年、日本のミズナラ樽による特別な香りと味わいが楽しめるミズナラ 12年で味わいの特徴も異なることから、好きな味わいのシーバスリーガルを選んでください。
「シーバスリーガル ミズナラ」は、日本市場向けに開発された特別なウイスキーで、日本産の希少なミズナラ樽でカスクフィニッシュされています。
ミズナラ樽特有のオリエンタルな香りとスパイス感が特徴で、ウイスキー愛好家のみならず、初心者にもおすすめの一本です。
大きく分けて12年・18年のラインナップがあるため、初心者は購入しやすい12年、愛好家でより上質なボトルを求めるなら18年を飲んでみましょう。