山崎 ノンエイジ/NV(ノンヴィンテージ)とは? 味わいとおすすめの飲み方を紹介
- ウイスキー銘柄
デュワーズはスコットランドのハイランド地方で生まれた長い歴史を持つスコッチウイスキーです。
その歴史は約170年にも及びます。
長い歴史とともに人気も売り上げも消費大国アメリカではトップクラスを誇っています。
デュワーズがアメリカでブレイクしたきっかけは、1891年、スコットランド生まれの鉄鋼王アンドリュー・カーネギーが当時のアメリカ大統領ベンジャミン・ハリソンへ樽入りのデュワーズを贈ったことと言われています。
この出来事が大きな話題となったため、デュワーズの名は全米に知れ渡りました。
デュワーズの魅力はそのなめらかさにあります。
ホワイトラベルはマイルドでありながらもスパイシーさも持ち合わせている点が非常に好評です。
キレのよい味わいと麦の甘みがあいまってハイボールにぴったり。
実はハイボールの生みの親がデュワーズでもあります。
この記事のポイント
アメリカではウイスキーといえば「デュワーズ」といわれるほどに人気のあるスコッチですが、当然スコッチの原点を築いた5大ウイスキー(ジョニーウォーカー赤、ホワイトホース、ブラック&ホワイト、ヘイグ、そしてデュワーズ)に含まれています。
ジョニーウォーカーとは?種類や味わい、おすすめの飲み方
デュワーズは前述の通り、ハイボールの生みの親とも言われていますが、それはデュワーズの創業者の2代目トミー・デュワーがスコッチウイスキーを飲みに行ったとき、背の低いグラスで提供されたため、彼はウェイターに
「もっと背の高いグラスにしてほしい。そうすればもっと楽しめる」
と言ったことから始まりました。
英語の慣用句で「楽しむ」を意味する「have a ball」と高いグラスを意味する「high 」が組み合わさって「high ball=ハイボール」という名称が生まれたといわれています。
また、甘さとキレのバランスが整っているため炭酸に負けない芯の強さがハイボールに合いますね。
ハイボールにするにもコスパがいいので気軽に購入でき、試すことができます。
高いウイスキーだと、ハイボールにするのに少し躊躇することもあるでしょう。
デュワーズホワイトラベルは一般的に大衆のお酒として広く愛されてきたウイスキーですので、価格はそこまで高くなく、1本1500円程度で購入することができますので、自宅用に買って家で楽しむのにもぴったり。
しかし、庶民的でありながらデュワーズは、1886年のエジンバラ国際博覧会で初めてメダルを獲得して以降、今日まで1000を超える受賞歴を誇っています。
また、1893年にヴィクトリア女王より英国王室御用達を受け賜わり、その名誉は現在に至るまで続いています。
デュワーズはブレンデッドウイスキーです。
ブレンデッドウイスキーとは?おすすめの銘柄と飲み方を解説
ウイスキーのブレンディングとは異なる種類のウイスキーの原酒を混ぜることを指し、ブレンディングによって製造されたウイスキーのことをブレンデッドウイスキーと呼びます。
ブレンデッドウイスキーの味わいの中核となるのがキーモルトですが、デュワーズのキーモルトはアバフェルディ、オルトモア、ロイヤルブラックラ、クライゲラヒ、マクダフなどになります。
オルトモアの特徴とは?種類や味わい、おすすめの飲み方
この中でもデュワーズの味や風味の核となっているのが、まずはアバフェルディ蒸留所で作られたモルト原酒です。
アバフェルディのクリーミーでハチミツのような甘みがデュワーズの風味を決定付けています。
次にデュワーズを支えているのがフルーティな香りが印象的なオルトモアです。
ブレンディングに使われている割合もアバフェルディがメインで次にオルトモアこの2種類がデュワーズを支え、ロイヤルブラックラ、クライゲラヒ、マクダフは少量ブレンドされています。
デュワーズの熟成には「ダブルエイジングプロセス」という製造過程をとっています。
元々樽熟成したモルト原酒とグレーン原酒をブレンドした後、そのブレンド原酒を再びアメリカンオークで6カ月以上熟成する製法のことです。
この後熟を行うことでまろやかで、甘みがあり、滑らかでバランスのとれたデュワーズになるのです。
デュワーズはこの「後熟」の工程を早い段階で行っており、以降様々な蒸溜所がこの工程を参考にするようになりました。
デュワーズはハイボールがおすすめだとご紹介しましたが、バーテンダーからも好かれている理由としてバランスに優れていてどんな飲み方にも対応できる美味しいウイスキーだということです。
例えば、デュワーズのオフィシャルボトルともいうべきデュワーズホワイトラベルですが、ハイボールでなく水割りで飲むのもベストです。
水割りで飲むと味は麦の甘さがより際立ち、それでいてすっきりとした後口が最高なのです。
バーではカクテルをつくるのにも使われていますが、アルコールの刺激が少ないのでストレートやロックでも楽しめます。
デュワーズは1846年にジョン・デュワーによって創業されました。
元々はジョン・デュワーはパース州の農家に生まれます。
しかし、その後ワインやスピリッツの製造会社に勤め、やがてウイスキー作りをスタートさせます。
そして40歳の時に独立します。
当時40歳での独立開業するには遅いほうだったようです。
ジョンはデュワーズの原型となるブレンディングを行ったほか、ウイスキーを初めてガラス製のボトルに入れて販売したのでした。
当時ウイスキーを購入するには酒屋まで容器を持参しなければならなかったので、面倒ということもありウイスキーの売れ行きが芳しくなかったといわれています。
それを解消したベストなアイデアでした。
ボトルも透明のものを使用し、ウイスキーの色が分かるよう工夫したと言われています。
しかし、デュワーズを一気に世間に知らしめたのはジョンの二人の息子になります。
アレクサンダーとトーマスという2人の息子です。
1880年にジョンが亡くなると、息子二人が家業を継ぎます。
二人の得意分野が違うことによって、お互いが才能を開花させます。
アレクサンダーはブレンダーとしての才能を開花させ、トーマスは数々の斬新な広告宣伝を打ち出し、デュワーズの名前を世界中へ知らしめました。
弟トーマスはデュワーズの最高のアドマンだったといえます。
トーマスのアドマンとしてのエピソードはいくつも残っていますが、中でも有名なのは1886年にロンドン行われた見本市にてケルト民族の正装をしたバグパイパーをデュワーズのブースに呼び演奏させたことです。
当時のロンドンの人々にとってこれは非常に珍しいかったので、会場の人々はそのパフォーマンスに釘付けとなり、他の銘柄のブースが霞むほどだったと言います。
このようにトーマスは普通の人では思いつかないパフォーマンスでセールスを拡大し、大々的にデュワーズを世界の舞台へと押し上げていったのです。
デュワーズの商品ラインナップをご紹介します。
引用画像:デュワーズオフィシャルサイト
1899年に初代マスターブレンダーのA.J. キャメロンが手掛けた、長年愛されるブレンデッドスコッチウイスキー。
なめらかな味わいと華やかな香りは、ハイボールに最適です。
アロマはフローラルとハチミツの華やかな甘さ。
味わいは滑らかな口当たりと、ナッツやミルクチョコレートのような濃厚な味わい。
わずかに洋ナシのフルーティーさがあります。
引用画像:デュワーズオフィシャルサイト
デュワーズ12年は12年以上熟成されたアバフェルディを中心とした40種類以上の原酒をブレンドしています。
熟成により、どこまでもなめらかな味わいで芳醇な香りが特徴的。
味わいはホワイトラベルよりもオークの香りが強く、完熟したブドウ、まろやかさの中にフレッシュな柑橘系の風味が広がるのが特徴です。
そして、樽香とともに溶けたキャラメルのような長い余韻が続きます。
スモーキーさやクセはほとんどなく穏やかという表現がぴったりのボトルです。
引用画像:デュワーズオフィシャルサイト
7代目マスターブレンダーのステファニー・マクラウド女史が手掛けた現代的なブレンド。
デュワーズ15年は、12年同様に「ダブルエイジングプロセス」を採用しています。
15年以上熟成されたアバフェルディを中心に40種類以上の原酒をブレンドすることで生まれる、甘く華やかな香りとなめらかな味わいが魅力的。
香りは濃厚な蜂蜜やカラメルソース、熟したリンゴなどの複雑かつラグジュアリー。
味わいは南国のトロピカルフルーツを思わせ、ほのかに柑橘類、リンゴ。
12年よりもしっかりとした甘みが増します。
引用画像:デュワーズオフィシャルサイト
18年以上の原酒をブレンド。
18年以上熟成した奥深さとデュワーズらしいナッティな香りが特徴的。
なめらかな味わいの中にアーモンドやバニラクリーム、やわらかいバターなどを含んだようなスイートさがあります。
奥深いオークとバニラの余韻を長く楽しめるので、食後に向くデュワーズです。
選び抜かれた良質なシングルモルトの比率が高く格調高い味わいの一品にしあがっています。
引用画像:デュワーズオフィシャルサイト
デュワーズ25年は、デュワーズのフラッグシップボトル。
25年以上熟成された希少な40種類以上のモルトとグレーンウイスキーをブレンドして作られたボトルで、ブレンド後に再びオーク樽へ戻して後熟しています。
さらにその後、ロイヤルブラックラが熟成されていた樽に入れて後熟を重ねるという特別な手法で作られています。
幾層にも織りなす華やかな味わいが奥深さをもたせます。
アロマは芳醇で上品なフローラルでフルーティさがあり、ハチミツも奥深くに感じられます。
味わいは滑らかで甘いクリーミィさの中に深みがあります。
デュワーズののおすすめの飲み方は銘柄によって異なるので以下にまとめました。
御参考ください。
銘柄名 | おすすめの飲み方 |
デュワーズ・ホワイトラベル | ハイボール |
デュワーズ12年 | ハイボール |
デュワーズ15年 | ストレートからハイボールまでいろいろな飲み方 |
デュワーズ18年 | ストレートやオンザロック、トゥワイスアップ |
デュワーズ25年 | ストレートからハイボールまでいろいろな飲み方 |
基本的にはいづれもどんな飲み方をしても楽しめるお酒ですが、一番のおすすめをご紹介しました。
15年と25年に関してはどんな飲み方でも甲乙つけ難く、好みによることでしょう。
デュワーズは万能で様々な飲み方ができ、時と場所を選ばない上品で芳醇な美味しさがありますが、
その割にお値段はお手頃で飲みやすいのが魅力的。
古くから各賞を総なめにしている実績と歴史もあるので、味にも信頼がおけます。
まだ、未体験の方は是非試してみてください。