山崎 ノンエイジ/NV(ノンヴィンテージ)とは? 味わいとおすすめの飲み方を紹介
- ウイスキー銘柄
エライジャクレイグは、バーボンウイスキーを最初に製造したといわれている牧師の名前を由来にしたアメリカンウイスキーです。
バーボンの始祖とも呼べる人物の名前を冠するのであれば、それに恥じることのないボトルを作ることが求められますが、製造するヘブン・ヒル社は企画から25年もの歳月をかけて慎重に製品化したといわれています。
濃厚な甘みにスパイシーな風味も感じられるこちらの銘柄は、正道なバーボンウイスキーという印象であり、名前負けすることなく多くのウイスキー愛好家に受け入れられました。
この記事では、エライジャクレイグの種類と味わい、おすすめの飲み方を紹介します。
この記事のポイント
画像引用:https://elijahcraig.com/visit-us
エライジャクレイグは、アメリカケンタッキー州のヘブン・ヒル蒸溜所で製造されているバーボンウイスキーです。
その名はバーボンを初めて作ったといわれているアメリカ合衆国のバプテスト派の牧師、エライジャクレイグに由来します。
色は赤みがかかった濃い色をしており、その見た目の通り濃厚な甘みとスパイシーさが感じられる正統派のバーボンです。
エライジャクレイグの歴史と製造方法について紹介します。
ヘブン・ヒル蒸溜所は、1996年に大規模な火災に見舞われ、現在では買収したバーンハイム蒸留所に拠点を移し、現在もウイスキーを製造している蒸留所です。
エライジャクレイグが生まれたのは、火災が発生するちょうど10年前の1986年のことになります。
1935年に創業したヘブン・ヒル蒸留所は、1700年代に生きたエライジャクレイグと特別な縁はありません。
歴史上の人物をブランド名にすることで販売を有利に進める、ヘブン・ヒル側の戦略であったと考えられます。
しかし、エライジャクレイグが作ったバーボンは赤みのかかった液体であったことが伝わっており、これを理由にエライジャクレイグの液体も赤みがかかったものに仕上げています。
エライジャクレイグの作ったウイスキーは赤い液体であることから、レッドリカーと呼ばれましたが、ヘブン・ヒルの作ったエライジャクレイグも赤色であることを示すリキッド・ルビーと呼ばれました。
販売戦略としてエライジャクレイグという名を使用したものの、企画から実際の製品化まで25年の歳月を要し、レッドリカーを再現するようなリキッド・ルビーの液体に仕上げたことから、エライジャクレイグへのリスペクトを忘れず、名前に恥じない完成度にこだわった銘柄といえるでしょう。
エライジャクレイグの残したウイスキーのレシピは現代にも残っており、原料にトウモロコシに大麦とライ麦をミックスする工程は、現在でもバーボンウイスキーに受け継がれています。
銘柄としてのエライジャクレイグは、エライジャクレイグのウイスキーレシピを再現する目的では製造されず、ヘブン・ヒル蒸留所のこだわりが踏襲されています。
まず、原料の比率として重要なとうもろこしは、原料の78%を占めることが決まっているのがヘブン・ヒルの特徴です。
また、サワーマッシュ製法を取り入れており、香味が強く出て豊かな香りになるなどのメリットがあります。
アメリカではジムビームに続くトップクラスの販売量を誇るバーボンウイスキーの蒸留所であり、こだわりをもった製法でエライジャクレイグを含むブランドを製造しています。
エライジャクレイグを生み出したヘブン・ヒル蒸留所についてはこちらのページで紹介しています。
それでは、エライジャクレイグの種類と味わいを紹介します。
画像引用:https://www.bacardijapan.jp/products/items/elijah-craig-small-batch/
エライジャクレイグはバーボンとしては長期熟成の12年物をスタンダードボトルとしていましたが、原酒不足により、現在では熟成年数を明記しないこちらのボトルが主に販売されています。
8年~12年熟成された原酒のみを使用したこちらの銘柄は、ブラウンシュガーのような濃厚な甘みとスパイシーかつスモーキーな風味が感じられます。
12年物と比較すると味わいがライト過ぎるという意見もありますが、初めてエライジャクレイグを飲むなら入手難易度の低いこちらのボトルから探してみるとよいでしょう。
画像引用:https://elijahcraig.com/our-whiskey
ヘブンヒル蒸留所や一部の店舗でしか販売されないエライジャクレイグ スモールバッチ バレルプルーフは、加水処理を行わず高いアルコール度数でボトリングした商品です。
70度前後という高いアルコール度数をもっており、その香りは少し嗅いだだけで鼻腔を強く刺激するほどの香味を持っています。
バーボンらしい力強いウイスキーを味わいたい方は、バレルプルーフバージョンのほうがおすすめです。
画像引用:https://www.sake-kaitori.jp/menu/menulist/elijahcraig12y/
かつてはスタンダードボトルでしたが原酒不足の影響で終売になり、現在では入手困難となった人気銘柄の12年物です。
フルーツの甘くて濃い濃厚な味わいから、スパイシーな後味が長く続く、甘くて濃くヘビーな味わいを体現した正統派バーボンになります。
入手が難しい希少価値の高いボトルではありますが、バーなどを探せば飲めるお店が見つかる可能性もあるので、多くのウイスキー愛好家が評価したエライジャクレイグを味わいたい方はこのボトルを根気よく探すことをおすすめします。
画像引用:https://elijahcraig.com/our-whiskey
バーボンウイスキーは熟成年数が3~4年ほどであることから12年物でも珍しいですが、こちらのボトルはその上を行く18年熟成の高級なエライジャクレイグになります。
味わいは非常に濃縮されており、桃、レーズン、プラムなどの果実の風味が口一杯に広がり、フィニッシュはナッティな風味が広がるのが特徴です。
18年物は、12年物とは打って変わってバーボンらしい風味とは離れた高級感のある味わいに仕上がっています。
最後に、エライジャクレイグのおすすめの飲み方を紹介します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
エライジャクレイグの濃厚な風味をそのまま味わうならストレートがおすすめです。
スモールバッチも最低8年熟成させていることから、熟成年数の若さからくるアルコールの強い刺激を感じにくいので、バーボンのなかでもストレートで飲みやすい銘柄になります。
バーボンはハイボールとの相性が良いことが多いですが、エライジャクレイグはストレートから挑戦するようにしましょう。
ロックは、エライジャクレイグが持つスパイシーな味わいが強く出やすい飲み方です。
氷が溶けることによる味わいの変化を楽しみながら、バーボンの力強さを強く堪能したい方におすすめになります。
ストレートとロックどちらもエライジャクレイグにとって魅力的な飲み方であるため、両方試してみることをおすすめします。
エライジャクレイグは、バーボンの始祖の名前を冠するのに恥じない正統派のバーボンでありながら、ストレートでも飲みやすいブランドになります。
銘柄によって入手難易度が異なりますが、多くのウイスキー愛好家に評価された実績があるので、バーボンが好きな方であれば12年物は飲んでおきたいところです。
赤みのかかったリキッド・ルビーと呼ばれる液体は見ているだけでも美しく、香りと見た目を楽しむだけでも満足感があることでしょう。