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スプリングバンクの特徴とは?種類や味わい、おすすめの飲み方

2022.03.14 / 最終更新日:2022.04.29

スプリングバンク蒸留所』は1828年に設立しましたが、その味わいは伝統的な製法でつくられています。

しかし、出し惜しみなく、設立当初から見学ツアーが催されている特徴的な蒸留所です。

敷地内ではウイスキー製造工程の各ステップを見学出来る機会や味わいを確かめられるテイスティング等のチャンスもあり非常に楽しめますのでおすすめです。

スプリングバンクウイスキーはシングルモルトですがハイランドと同じく製麦からボトリングまでのすべての工程を蒸溜所の敷地内で管理する数少ない蒸留所の一つです。

手作業で重労働のためにこの自家製麦(フロアモルティング製法)は限られた蒸留所でしか続けていません。

伝統的な製法で育まれ続けたその香り高さから「モルトの香水」とも呼ばれています。

スプリングバンクを飲む時のおすすめの飲み方もありますので、ご紹介いたします。

この記事のポイント

  • スプリングバンクの特徴や味わいを紹介
  • スプリングバンクの種類とおすすめの飲み方を解説

スプリングバンクの特徴や味わい

スプリングバングの一番の味わいの特徴は何といっても塩辛さでしょう。

どちらかというとツウ好みなところがウイスキーファンに受けています。

熟成年数によってテイスティングノートは違いますが、スコットランドのキャンベルタウンという街で培った少々の塩気と甘みが入り混じる独特の味わいになる旨味は素晴らしいです。

スプリングバンクってどんなウイスキー?

スコットランドのキャンベルタウンで作られるモルトのため、キャンベルタウン・モルトとスプリングバンクは、スコットランドの西部のキンタイア半島の先端部分にあります。

塩辛さに特徴をもつものの、3基の蒸留器を使い、味がそれぞれ異なるウイスキーを造るというこだわりようがあります。

まずは程良くピートを焚き、2回半蒸溜する『スプリングバンク』、次にヘビーピートで2回蒸溜の『ロングロウ』、ノンピートで3回蒸溜の『ヘーゼルバーン』。

現在主力のスプリングバンクは、10、12、15、18、21歳の瓶詰めで入手可能で、それぞれ味と仕上がりがわずかに異なります。

いづれも個性が際立った味わいを造り上げる努力があるのはキャンベルタウンの代表的蒸留所であることの誇りといえるでしょう。

スプリングバンクの歴史

キンタイア半島のキャンベルタウンはmapをご覧のように非常に小さな島であり、街でありますが、海沿いの場所柄であることからも漁業や造船業で栄えた街でした。

ウイスキー産業が発展したのは港町であるがゆえに大きく関係していて、アメリカへの輸出用として需要が高かったためといわれています。

しかし20世紀初頭にアメリカが施行した禁酒法によって、需要が減少し、衰退していきました。

かつて1600年代頃から蒸留所は数多く存在していたといわれています。

1828年に、創設者のウィリアム・リードによって設立されたこの蒸留所以外にも30か所ほどの蒸留所が設立されていましたが、

1837年に義理の家族であるミッチェル家に買収されます。

その後、戦争や不況下において様々な蒸留所が閉鎖の危機に追い込まれ、スプリングバング蒸留所もその憂き目にあいそうになったところ、買収という形で営業を継続。

しかし、買収後は経営が上手くいかず結局蒸留所は一時期閉鎖されてしまいましたが、1989年にミッチェル家によって再び蒸留所が再開されます。

現在キャンベルタウンで操業中の蒸留所はスプリングバンクとグレンスコシアの2か所と、2004年に操業再開したグレンガイル蒸留所になります。

スプリングバンク蒸留所 - Springbank DISTILLERY
グレンスコシアとは?種類や味わい、おすすめの飲み方

スプリングバンクの種類

種類も生産数も少なく希少価値があるからこそ人気があります。

平均的な蒸留所のウイスキーの生産量は400万Lといわれていますが、スプリングバンク蒸留所は75万Lていどなので通常の5割にみたない位しかありませんね。

スプリングバングのウイスキーはピートの強さが種類別にちがっているので、スモーキーな味わいが得て不得手な人は購入時によく判断しましょう。

ただ、スモーキーさが強くて苦手だと思っても試飲してみたら以外といける!美味しい!とおもうかもしれませんが。

ウイスキーにスモーキーさを醸し出すピートについては以下の記事でも説明させて頂いています。

ウイスキーのピートとは? ピート香の強いウイスキーの飲み方も解説!

スプリングバンク 10年

スモーキーさは中くらいでそこそこウイスキーを嗜んでいる人にとっては癖になる美味しさではないでしょうか。

モルトの中では一番潮っぽいといわれる味ですが、口に含むとしょっぱさの中に青りんごや熟した果実の華やかさが鼻を抜けて感じられ、スモーキーさが入り混じった複雑な味わいです。

塩辛さの中にはシナモンの要素も感じられることでしょう。

スプリングバンク 12年 カスクストレングス

スプリングバンク 12年 カスクストレングスは定期的に数量限定でリリースされる継続商品です。

ストレングスとはその名の通りアルコールの高さを指します。

カスクはご存知の通り「樽」を意味しますので「カスクストレングス」は樽のままのアルコールの高さの度合いとうことになります。

そのため、カスクレングスは樽によって各々異なります。

数量限定でカスクのバッチごとにアルコールの高さの度合いが違うということは加水を一切していないことを指します。

例えば、ここ最短のリリースだと今回のリリースはバーボン樽熟成の原酒が65%、シェリー樽熟成の原酒が35%使用されています。日本へは限定600本の入荷です。

香りは甘く、花の蜜のように華やかです。

砂糖菓子、ドーナツ、マーマレード、かすかにオレガノやラベンダー。

味わいは、スプリングバンクらしい潮気にバタースコッチキャラメル、糖蜜のこってりした甘みにオレンジ、スパイスのきいたプレッツェル。

フィニッシュには、ミルクチョコレート、コーヒーの香りが広がります。

スプリングバンク 15年

スプリングバンク15年はシェリー樽で熟成された原酒を100%使用した贅沢なキャンベルタウンモルト

香りはシェリー樽熟成特有のダークチョコレートを思わせる芳醇さが際立っています。

ダークチョコレートに包まれたフルーツケーキ・キャラメル・ナッツといった甘く香ばしい香りが順番に立ち上ってきます。

肝心の味わいは味はドライフルーツやマジパン、クリーム、ダークチョコで、塩バニラが絶妙調和します。

フィニッシュにブラジルナッツ、オールドレザーが加わり長い余韻を楽しめます。

スプリングバンク 18年

スプリングバンク18年は、バーボン樽熟成の原酒80%以上とポートワイン樽熟成の原酒を12%前後使用しています。

香りは爽やかな柑橘系の香りオレンジや南国のフルーツパパイヤやパイナップルから始まり、熟した桃、ドライアップル潮風へとどんどん香りの移り変わりは進み最後はヌガーやビスケットへと落ち着きます。

複雑な香りを楽しめる銘柄です。

味わいは香りとは打って変わってキャラメルのようなヌガーから始まり、松の実や麦を感じ、奥の方からブラックチェリーやトロピカルフルーツの酸味が顔を出してきてフィニッシュにはスプリングバンクの土壌をほんのりと彷彿させるようなピート感、すなわちスモークを楽しめます。

スプリングバンク 21年

 

2012年から年1回極少量のみ生産が再開された限定商品です。

古くから人気が高く、各種の品評会や専門家たちの舌をうならせてきた銘柄で、他の銘柄と味わいが似ているといった事がありません。

2020年リリースものだとバーボン樽、ラム樽、オロロソシェリー樽、ポート樽と細かく非常に複雑な構成となっています。

それでいながらスプリングバンク特有の塩気とピート感は健在です。

味わいは和三盆の上品で厚みのある甘さにアプリコットが寄り添い、タバコ、ヴィンテージレザーが広がるという個性的で大人の味わい。

フィニッシュは非常に長く、カイエンペッパー、シナモン、程よくスモークの効いたジャークチキンが加わり複雑に変化します。

和三盆の味わいが入っているので、日本人にもピッタリの味わいといえるでしょう。

スプリングバンク 25年

スプリング25年の最新のリリースは限定1200本、日本では120本のみの入荷で100%シェリー樽で25年以上熟成させたカスクで仕上げています。

長期熟成特有のまったりとした滑らかなテクスチャーを味わえるのは非常に貴重ですね。

原酒はシェリー樽原酒50%+バーボン樽原酒50%となっています。

香りは自然を感じる華やかなフルーツや花やハーブのリラックスした香りの中にスプリングの土を感じます。

味わいはねっとり甘いバニラキャラメルや蜂蜜、ちょっとした甘い酸味にママレードジャムからフィニッシュにかけてスプリングバングの潮風やほんのりとした土壌を感じ、まるで現地で飲んでいるかのような臨場感と感動をおぼえることでしょう。

スプリングバンクのおすすめの飲み方

おすすめの飲み方は何といってもストレートでしょう。

その理由としては、スプリングバンクは貴重なフロアモルティング製法でウイスキーを造っているからということ。

樽詰めまで1つの蒸留所で行っているということは当然モルトの味や香り、土地勘の染みわたりがテクスチャに感じます。

加水してしまうとスプリングバンクにしか出せない個性的な潮気、バニラやモルト、フルーツ感が薄れてしまう恐れがあります。

しかし、熟成が長くなるほどに個性は増していきますので初心者やクセの強さが苦手な方はロックからはじめてみてはいかがでしょうか。

まとめ

かつてキャンベルタウンに存在していた「ヘーゼルバーン蒸溜所」をご存知でしょうか。

ヘーゼルバーン蒸留所はニッカウヰスキーの創立者として知られる竹鶴 政孝氏がウイスキー造りの修行をした蒸溜所です。

とても小さな街キャンベルタウンから名だたる希少なウイスキーが何本も生まれており、竹鶴 政孝氏も魅せられたのかもしれませんね。

スプリングバンク特有の潮辛さは霧が影響しており、霧に含まれる潮気がウイスキーの味に大きな影響を与えています。

高価なウイスキーですが、もし見つけることができた方は是非手に入れられることをおすすめいたします!

 

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