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グレンキンチーとは?種類や味わい、おすすめの飲み方

2022.04.29 / 最終更新日:2022.05.10

グレンキンチーはスコットランドのローランド地方で造られているシングルモルトウイスキーです。

グレンキンチーはエジンバラから15マイル(約24km)南東の、大麦の栽培に適した丘陵地に建っていることからエジンバラモルトと言われて親しまれています。

ローランドはスコットランドでも2番目に面積が大きいウイスキーの製造地域ですが、スコッチのエリアの中では蒸留所が少なく、暫くは4か所程度でした。

そのような中、グレンキンチー蒸留所はローランドを代表する蒸留所なのです。

ただ、近年では新しい蒸留所が続々と建設され賑わい始めました。

ダフトミル、アイルサベイ、キングスバーンズ、アナンデール、エデンミル、グラスゴー等です。

これからが、楽しみな地域といえるでしょう。

この記事のポイント

  • グレンキンチーの伝統の製法や歴史を紹介
  • グレンキンチーの味わいを堪能できるおすすめの飲み方を解説

グレンキンチーの特徴や味わい

スコットランドはウイスキーの産地によって6つの地域に分かれています。
スコッチウイスキーの種類とは?6つの地域別におすすめもご紹介

グレンキンチーはそのうちローランドという地域にあたります。

グレンキンチーの名前の由来は「キンチー川の谷」がらきています。

現に蒸溜所の側にはキンチー川が流れています。

キンチーというのはかつてこの土地を所有していたド・クインシー家に由来しているといわれています。

グレンキンチーの位置するローランド地方は広大な牧草地があり、シングルモルトの味わいも草原を思わせる香りと、麦芽の甘みのテイストが主体となったものになっています。

グレンキンチーは年間170万トンもの生産がありますが、そのうち90%程度はブレンデッドウイスキーの原酒として扱われており、シングルモルトは10%程度しかなく貴重です。

ジョニーウォーカーやヘイグ、ディンプルといったブレンデッドウイスキーです。

ジョニーウォーカーといえば世界的に有名で安くて、庶民的な愛されているウイスキーですね。

ディンプルではキーモルトとして扱われています。
ジョニーウォーカーとは?種類や味わい、おすすめの飲み方

グレンキンチーの製法

グレンキンチーならではの製法

  • 仕込み水に中硬水を使用
  • オレゴン松製のウォッシュバック(発酵槽)での発行
  • スコットランドでは最大級のランタンヘッド型ポットスチル

製造における特徴では第一に仕込み水に中硬水を使用していることです。

スコッチウイスキーのほとんどは仕込み水は軟水ですが、これは硬水は鉄やマンガンなどが着色などの悪影響を及ぼすため醸造には不向きとされているためです。

かつてはグレンキンチー蒸溜所も付近を流れる軟水のキンチー川から直接水を引いていましたが、農業汚染が懸念されたため現在は近くのラマーミュア泉の湧水を井戸から汲み上げ使用しています。

しかし、カルシウム、マグネシウム、亜鉛などはウイスキー酵母の増殖に必須なミネラルであり、また、カルシウムは酵素のはたらきにも影響するので、水の硬度だけでは、ウイスキー製造用の仕込み水としての適性を判断できません。

また、硬水は酵母のアルコール発酵に影響を与えると考えられており、グレンキンチーのライトな飲み口に影響を与えているのではないでしょうか。

第二の特徴として伝統的なオレゴン松製のウォッシュバック(発酵槽)で原料の発酵をおこなっていることです。

オレゴン松製のウォッシュバックは蒸留所内の乳酸菌などの微生物を繁殖させやすくさせます。

乳酸菌の繁殖によってフルーティな酸味をうみだすのです。

第三の特徴として、スコットランドでは最大級のランタンヘッド型ポットスチルがあります。

ランタンヘッド型で初溜・再溜の合わせて2基だけですが大きなポットスチルは新鮮で純度の高い蒸気をはきだすことができます。

各スチルのサイズは大きく、特に初溜釜は30,963ℓとスコットランド内でも最大級を誇ります。

グレンキンチーってどんなウイスキー?

グレンキンチーはローランド地方特有のライトでフルーティな飲みやすいウイスキーとしての特徴があり、クセやピートのスモーキーな感じはほとんど見られません。

ライトかつスイート、そしてエレガントで品の良さがあると表現するような銘柄です。

濃厚さがないので、食前酒や食中酒として飲むのに向いているでしょう。

グレンキンチーの歴史

グレンキンチー蒸溜所は、1837年に農家を営むジョン・レイトとジョージ・レイトのレイト兄弟により建てられました。

しかし、レイト兄弟は1853年に蒸溜所を地元の農家に売却し、ウイスキーづくりをやめて、敷地内で製材所や牛舎を営むようになってしまいます。

何故、ウイスキー造りをやめてしまったかというと

家畜のアンガス牛の方が評価が高かったからです。

とても肉質が柔らかく美味しかったため、何度も賞をとったほどでした。

一方、蒸留所の知名度の方は鳴かず飛ばずといった状況でした。

当時はブレンデッドウイスキーの生産のみでシングルモルトは市場に出回っていなかったのが一因でしょう。

しかし、1880年頃のスコッチ人気の高まりとともにエディンバラのビジネスマンたちが共同で蒸溜所を買収し、グレンキンチー・ディスティラリー・カンパニーの名のもとでスピリッツの蒸溜を再開させます。

その後、グレンキンチーは他の4件の蒸留所とともにディスティラーズ・カンパニー・リミテッド(DCL)買収され、更にDCLが統合を経てユナイテッド・ディスティラーズ&ビントナーズ(UDV)となり、現在のディアジオ社に引き継がれるという流れになりました。

グレンキンチーの種類

グレンキンチー蒸留所のおススメラインナップをご紹介します。

グレンキンチー 12年


画像引用元:©ディアジオ

グレンキンチー12年は、ディアジオ社のクラシック・モルト・シリーズに入っている銘酒です。

クラシックモルトシリーズとはディアジオ社が所有する各スコッチのエリアを代表する銘酒で

以下の6銘柄となっています。

クラシック・モルト・シリーズ
北ハイランド ダルウィニー
西ハイランド オーバン
スペイサイド クラガンモア
ローランド グレンキンチー
アイランズ タリスカー
アイラ ラガヴーリン

繊細なアロマには草花、干し草、バニラ、などの野生のフローラルな甘さの奥からはホワイトチョコレートのような甘味。味わいは生クリーム、ホワイトチョコレート、ナッツ、と続き、香草のスパイシーさ。

グレンキンチー 16年


画像引用元:©ディアジオ

蒸溜所限定の16年熟成ボトルはアメリカンバーボン樽とチャーリングを施したオーク樽で熟成されています。

テクスチャは非常に滑らかアロマはグレンキンチーらしい優雅な香り高さがあり、アップルパイ、草花、生クリームが三位一体を思わせます。

味わいは懐かしい幼少期に感じた自然とバニラアイスがめぐり逢い、それでいて爽やかさも舌ざわりとして感じます。

フィニッシュには微かにスパイシーなコショウを感じます。

グレンキンチー ディスティラーズ エディション・ダブルマチュア―ド


画像引用元:©ディアジオ

こちらは毎年、UD社クラシック・モルトを構成する6蒸留所の各マスターディスティラー監修の下につくられており、ダブル・マチュアード・シリーズの一つです。

クラシックモルトシリーズの原酒を個性豊かな厳選された樽で熟成させた後、後熟して『ディスティラーズエディション』としてリリースしています。

グレンキンチー・ダブルマチュアードはアモンティリャード・シェリーを熟成した樽で仕上げの熟成をしています。

アモンティリャードとはぶどうを使用したやや辛口のシェリー酒になります。

味わいはグレンキンチーには珍しく甘さだけではなく、スパイシーさが同居しています。

アロマは辛口のシェリーが効いており、レーズン、マーマレードの柑橘系と樽材の甘さ

味わいはクッキーやビスケット、レーズンの後、シェリー樽由来の甘みとスパイシーさがでてきます。

グレンキンチーのおすすめの飲み方

少々オイリーでライト、それでいてフローラルでフルーティ、微かにドライといった特徴を持った飲みやすいグレンキンチーはストレートで十分に食前酒として適していますが、トワイスアップなどで1:1に加水した状態もおすすめです。

加水すると、フルーツの爽やかさ、生クリーム、フローラルなアロマが立ち上り、

また、味わいも甘みが協調されるようになります。

まとめ

グレンキンチーは優しい甘みの味わいでビギナーの方に非常に飲みやすいウイスキーです。

加水やハイボールで甘みを際立たせて1日の最後にゆっくりと疲れをとるために飲むのもいいでしょう。

また、最近ではジョニーウォーカーのスコッチの4地域にフォーカスした限定ブラックラベル4種をリリースするなどジョニーウォーカーに関連した商品もこれから様々出てきそうで楽しみですね。

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