山崎 ノンエイジ/NV(ノンヴィンテージ)とは? 味わいとおすすめの飲み方を紹介
- ウイスキー銘柄
インチマリンは、ハイランド地方で製造されるシングルモルトのスコッチウイスキーです。
ロッホローモンド蒸留所でかつて展開されていたブランドですが、現在ではロッホローモンドのブランドに統一されています。
同じロッホローモンドブランドのインチモーンはヘビリーピートタイプのシングルモルトに対して、インチマリンは軽快でフルーティーな味わいが特徴です。
この記事では、インチマリンの種類と味わい、おすすめの飲み方を紹介します。
この記事のポイント
インチマリンは、スコットランドのハイランド地方にあるロッホローモンド蒸溜所で製造されるシングルモルトウイスキーです。
かつてはメインブランドのロッホローモンドとは別にインチマリン、インチモーンが存在していましたが、現在ではロッホローモンドのブランドに統合され、「ロッホローモンド インチマリン 12年」という形で販売されています。
別のブランドのインチモーンがヘビリーピートの重い味わいであるため、インチマリンは反対の味わいである軽くて飲みやすく仕上がっています。
インチマリンの概要と製造方法を見ていきましょう。
インチマリンのブランドの所有者であるロッホローモンド蒸溜所は、戦後のウイスキーブームである1960年代に設立されました。
一時的に閉鎖されたこともありましたが、ディアジオの元幹部が率いるロッホローモンド・グループは革新的な挑戦を続ける蒸溜所となります。
2005年から、新しい試みとしてインチマリンをはじめとする新しいブランドのシングルモルトを発売しました。
ライトでフルーティーなインチマリンと対になるヘビリーピートのインチモーンが誕生しました。
しかし、2021年からインチマリンはロッホローモンドと統合され、インチモーンを含めてロッホローモンドブランドで発売されることとなります。
ただし、インチマリンと呼ばれる銘柄がなくなったわけではなく「ロッホローモンド インチマリン 12年」といった形で販売が続けられています。
ロッホローモンドの種類と味わいはこちらの記事をチェックしてください。
インチマリンは、特殊なデザインの蒸溜器を利用することで、フルーティーかつ複雑なフレーバーを生み出しています。
ロッホローモンド特有のスチルである、ローモンドスチルと比較してプレートの数が多いことが特徴です。
最大で年間1,000万リットル以上のウイスキーを製造し、さまざまなタイプのシングルモルトを生産するロッホローモンド蒸溜所では、スチルなどの設備や製法を工夫することで、同じ蒸溜所でも異なる味わいのモルト原酒を製造しています。
また、インチマリンはロッホローモンド蒸溜所以外にボトラーズでも販売されている銘柄です。
ボトラーズはロッホローモンド蒸溜所からインチマリンの原酒を貯蔵した樽を購入し、独自にボトリングして販売しています。
ウイスキー樽を購入することで蒸溜所の資金調達に貢献することが可能であり、ボトラーズと蒸溜所は双方にメリットがあります。
現在では、ボトラーズだけでなくウイスキー業界に関わらない一般の人々もウイスキー樽を購入可能であり、ご自身でインチマリンのボトルを作ることも可能です。
国内でインチマリンを含めたスコットランドのウイスキー樽を購入できるサービスには「カスク・インベストメント」があり、「ボトリングサービス」を通して購入したウイスキー樽をボトル詰めして自分だけのオリジナルウイスキーを作れます。
ロッホローモンド蒸溜所の詳細はこちらのページにまとめています。
ロッホローモンド蒸留所 - Loch Lomond DISTILLERY
インチマリンの種類と味わいを見ていきましょう。
画像引用:https://item.rakuten.co.jp/yunyuusyu/77587/
ロッホローモンド インチマリン 12年は、ロッホローモンドに統合されたインチマリンのスタンダードボトルです。
シトラスとフローラルな軽快な香りが特徴的であり、レモンや洋ナシのようなフレッシュなフルーツの味わいにスパイシーさが感じられます。
ロッホローモンドに統合された12年物のインチマリンが現在では一番入手しやすいボトルとなっています。
画像引用;https://item.rakuten.co.jp/whisky/515790/
ロッホローモンド インチマリン 10年 リムーザンオーク Y’sカスクは、世界に1つしかない樽でインチマリンを10年以上熟成させたボトルです。
熟したイチジクとショウガのスパイシーな香りが感じられ、チェリーのようなフルーティーな味わいが感じられます。
390本しか販売されておらず、10年物のウイスキーでありながら高い希少性を持ちます。
画像引用:https://item.rakuten.co.jp/lq-hasegawa/151597/
インチマリン 12年は、ロッホローモンドブランドに統合される前の旧ボトルであり、鹿のラベルの下にインチマリンと大きく書かれていることがわかります。
ブランド統合されましたが、風味や味わいの方向性はそれほど変わっていません。
今後は生産されることがないインチマリンの名のみを冠した12年物の旧ボトルであり、現行ボトルと比較すると高騰しています。
画像引用:https://www.biccamera.com/bc/item/6312601/
インチマリン マディラ・ウッド・フィニッシュは、インチマリンをマディラワイン樽で後熟させた銘柄です。
柑橘系の香りが感じられ、マディラワイン樽由来のナッティな風味とフルーティーな味わいが楽しめます。
こちらも旧ボトルであるため新ボトルでは再版されていないため、価値が高まっています。
画像引用:https://www.saketen.jp/shopdetail/000000001160/
インチマリン 18年は、これまで紹介したボトルとボトルデザインの方向性は異なりますが、オフィシャルボトルであり、ごく少量生産の上に日本にはほとんど流通していないボトルです。
トロピカルフルーツと麦芽由来の甘いビスケットの香りがあり、その甘味もスパイシーさも複雑で複層的に感じられます。
12年物のワンランク上の18年になりますが、入手難易度が非常に高い限定銘柄です。
画像引用:https://www.shinanoya-tokyo.jp/view/item/000000016404
インチマリン 22年 バッチ6 ブティックウイスキーは、ボトラーズのブティックウイスキーカンパニーによってボトリングされた特徴的なラベルが目印となるインチマリンの22年以上熟成させた長期熟成銘柄です。
レモンやライムのような柑橘系の香りに、ブラックペッパーのスパイシーさが感じられ、ココナッツのような風味があります。
インチマリンを20年以上熟成させた長期熟成ボトルはありませんが、ボトラーズに頼ることで長期熟成させたインチマリンを飲むこともできます。
インチマリンのおすすめの飲み方を解説します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
インチマリンは、ライトでフルーティーな味わいであることから、ストレートが飲みやすいです。
終売品や限定品も多いため、希少性の高いボトルを味わうならストレートが良いでしょう。
ストレートで美味しいウイスキーの条件はこちらの記事で紹介しています。
ストレートで美味しいウイスキーの条件とは?おすすめの銘柄4選
現行ボトルである「ロッホローモンド インチマリン 12年」を飲む場合は、ハイボールで楽しむのもおすすめです。
軽快でフルーティーな風味は爽快感を感じられるハイボールと相性が良く、ゴクゴク飲めることでしょう。
一方で、限定品や終売のボトルに関しても、ご自身でハイボールが試したくなった場合は少しだけ試してみるのも良いかもしれません。
シングルモルトをハイボールにするのはもったいないかどうかはこちらの記事で紹介しています。
シングルモルトをハイボールで飲むのはもったいない? その理由とは
インチマリンは、現在、ロッホローモンドに統合されたブランドのひとつとなっていますが、ボトラーズでもインチマリンとしてボトリングされることもあり、人気の高い銘柄です。
ライトでフルーティーな味わいではあるものの、フレーバーが絡み合うことで単調な味わいではない複雑な風味であることが魅力といえます。
インチマリンを初めて飲むなら、現行ボトルの「ロッホローモンド インチマリン 12年」から探してみましょう。