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インバーハウスとは?種類や味わい、おすすめの飲み方

2022.05.19 / 最終更新日:2022.05.19

庶民的な価格でありながら、本格派のブレンデッドウイスキーを飲みたいのであればインバーハウスをおすすめします。

インバーハウスはスコットランドのハイランド地方とスペイサイド地方に5つの蒸留所を所有するインバーハウス社で製造・販売を行っており、キーモルトの蒸留所も所有しています。

ブレンデッド・ウイスキーを作る時には、シングルモルトとグレーンウイスキーをブレンドしますが、各ブランドごとに、主軸となるモルトが決まっています。

それをキーモルトといいます。

インバーハウスには、4種類のシングルモルトが代表的なキーモルトとして使われています。

各キーモルトの特徴を知るこにより、混ざり合う複雑な風味を実感し、余韻についての感想もちがってくることでしょう。

この記事のポイント

  • インバーハウスの伝統の製法や歴史を紹介
  • インバーハウスの味わいを堪能できるおすすめの飲み方を解説

インバーハウスの特徴や味わい

インバーハウスはハイランド地方とスペイサイド地方に5つの蒸留所を所有していますが、ほかにウォッカやジンなど多くのスピリッツも製造・販売しています。

また、同社のブレンデッドウイスキーはインバーハウスの他にマッカーサーという銘柄もあります。

「キスのように柔らかく」というキャッチコピーがあるインバーハウスは、飲みやすい上に2,000円以内で楽しめるコスパの良いスコッチ・ウイスキーとして日本でも非常に人気があります。

インバーハウスグリーンプレイド」は自社の冠をつけたスタンダードスコッチ。

大阪の三陽物産㈱が輸入しており、価格は安いのですがスーパーなどでは取り扱っているところが少ないので手に入りにくいので、見かけたらすぐ手に入れましょう!

通販の方が手に入りやすいかもしれません。

グリーンプレイドとは「緑色の格子縞の肩掛け」のことで、ラベルに描かれているタータンチェック模様を指しています。

日本ではタータンチェックといいますが、現地では「タータン」のみで呼ばれます。

これはスコットランド北部ハイランド地方に住むハイランド人が、タータン生地を伝統衣装として身にまとっていたことに由来します。

タータンは16世紀から17世紀ごろにスコットランドハイランド地方の住民の衣装として定着した格子柄の織物で仕立てた衣装で、長い歴史の中でそれぞれの氏族ごとに独自の柄を持つようになったと言われています。

ボトルラベルのタータンの歴史

現在ではタータンはスコットランドの文化的なアイデンティティの象徴とされ、保存していくために様々な団体が活動していますが、歴史的には法律で禁止されていた時期がありました。

かつて、スコットランドとイングランドの両国の王室は政略結婚を繰り返してきました。

その結果スコットランド王室もイングランド王室の血を引いたものとなり、エリザベス1世が亡くなると王位継承者としてスコットランド王のジェームズ6世が迎えられ、こうして1603年に両国は同一の君主を戴区「同君連合」となります。

さらに1707年にはスコットランドが議会を閉鎖してウェストミンスターの議会に参加することにより両国は統合されてグレートブリテンが誕生するのですが、ハイランド人は「グレート・ブリテン連合王国」に不満を持っていたために弾圧され、この体制に不満を持つ人々による反乱が頻発することになります。

特に1745年に発生した反乱はロンドンから200キロ地点にまで到達して市民をパニック状態に陥れました。

この時に反乱軍に加わったのは主としてハイランド地方の氏族であったため、鎮圧後はイギリス政府より様々な弾圧を受けることになり、1747年に彼らの団結の象徴であったタータンとキルトも着用も禁止されてしまいます。

しかし、この法律は1782年に廃止され、長い歴史を経て復活。現在は英国王室の正装にも使われています。

インバーハウスの製法

インバーハウス社は昔ながらの製法にこだわり、60時間の長い発酵、木製のウォッシュバックにより多くのエステルな特徴を与え、工程プロセスにおける自動化をできるだけ制限することを好みます。

インバーハウスは複数の原酒を合わせて作られるブレンデッドウイスキーですが、キーモルトはインバーハウス社である自社のキーモルトを使用しています。

インバーハウスを構成するモルト原酒4種
プルトニー蒸留所 オールドプルトニー
バルブレア蒸留所 バルブレア
スペイバーン蒸留所 スペイバーン
ノックドゥー蒸留所 ノックドゥー

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インバーハウスってどんなウイスキー?

色は緑色のボトルの色の割に薄い色です。

テクスチャは「キスのように柔らかく」というキャッチコピーが表すようにスムースでややねっとりとした柔らかさがありますがそれでいてしっかりとしたコクがあります。

その割にのど越しはライトボディタイプですっきりと飲みやすい印象
アロマは磯っぽいしょっぱさをほのかに感じますが、華やかなフローラルで柑橘の甘い感じもあります。

味わいはハチミツや麦芽の甘い風味が特徴的です。

フィニッシュは原材料の麦芽の味わいがしっかりと感じられます。

ライトボディでコクも甘みもあるため初心者には飲みやすいかと思いますが、磯っぽいしょっぱさが好みの分かれる部分でもあります。

インバーハウスの歴史


引用画像:insider.co.uk
インバーハウス社は1964年、アメリカのペンシルバニア州にあるパブリカー・インダストリーズ社の子会社として生まれた企業でした。

アメリカの企業が設立した会社であったため、インバーハウス社で作られるウイスキーは、スコッチでありながらアメリカ人向けの味わいになっているという絶妙なテイストとなっていました。

しかし、1988年にアメリカの企業である親会社から独立したインバーハウス社は、名実ともにスコットランドのウイスキー企業となりました。

その後インバーハウス社は2001年にタイ・ビバレッジによって買収され、現在ではその傘下にある企業として美味しいウイスキーを生産しています。

インバーハウスの種類

インバーハウスの主要ラインナップをご紹介します。

インバーハウス グリーン プレイド


参考画像:amazon

コスパがよく、どんな飲み方をしても味が崩れにくい本格派のブレンデッドウイスキーです。

こちらは最もスタンダードなボトルです。

爽やかな柑橘系とフローラルの香りでソフトな口当たり、麦の甘さとスパイシーさもあいまって、ビギナーの方にも飲みやすいのが特徴です。

インバーハウス21年


参考画像:オールド・リバー酒類販売

「インバーハウス21年」は厳選された中庸タイプのハイランドモルトをベースにブレンドされたボトルです。

アメリカ、極東向けに1990年代に発売された長期熟成ブレンドウイスキーで、消滅したモファット複合蒸留棟で製造されたシングルモルトウイスキーのグレンフラグラーと、グレーンウイスキー、ガーンヒースが構成要素となっている貴重品です。

箱には700ml 40%vol と表示がありますが、デキャンターの方には750ml 43%vol と表示があります

現在は終売しており、古酒市場でのみ流通しています。

スタンダード品よりも長期熟成の深さと長い余韻に酔いしれる魅力があります。

インバーハウスのおすすめの飲み方

インバーハウスの特徴は加水することで味わいが大きく変わることです。

ストレートで飲むのとねっとりとした甘さとしっかりとしたコクがありますが、加水することで、潮の香りが引き出されます。

飲み方による味わいの違い
ストレート ねっとりとして甘い、しっかりとしたコクを感じられる。
ロック ストレートよりも甘さが出る。テクスチャのねっとり感は健在。
トワイスアップ 水で割っても味の薄まりは変わらず、ねっとりとしている。甘みがややしっとりとした感じに変化。
水割り すっきり、サラリとした爽やかな甘さに変化。
ハイボール 炭酸によって立ち上る香りを楽しめ、甘みと酸味のバランスがよい

各自の好みにもよりますが、この中ではシャッキリとして味のバランスもよくなるハイボールをおすすめします。

まとめ

インバーハウスはどんな飲み方でも味わいが損なわれることのない万能なウイスキーなので、食事によって飲み方を変えてみてもいいでしょう。

インバーハウスグリーンブレイドはAmazonで1,500円前後で購入することができますが、もし気に入ったらキーモルトとして使われているウイスキーも試してみるといいでしょう。

オールドプルトニー、スペイバーン、バルブレアあたりがインバーハウス好きにはいいかもしれません。

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