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独特の臭いがクセになる?アイラウイスキーを徹底解説!

2021.09.29 / 最終更新日:2024.11.01

イギリスのスコットランドにある、インナー・ヘブリディーズ諸島南端に位置するアイラ島は、スコッチウイスキーの6大産地の一つでもあります。

アイラ島には9つものウイスキー蒸留所があり、ボウモア、アードベッグ、英国王室御用達のラフロイグなど数多くのウイスキーを世界に送り出しています。

アイラウイスキーは、アイラ島で作られるモルトウイスキーであり、独特のピートの香りと風味が特徴です。

アイラウイスキーの特徴や銘柄、飲み方などについて紹介します。

アイラウイスキーはどんなウイスキー?臭いの元は?

ウイスキーは世界各国で作られていますが、スコットランド、アイルランド、アメリカ、カナダ、日本の5つの産地で作られるウイスキーは、世界5大ウイスキーとしてその名を轟かせています。

中でも、世界のウイスキー生産量の7割近くを占めているのがスコットランドで作られるスコッチウイスキーです。

アイラウイスキーもスコッチの一つです。

スコッチは産地によって独特の味わいが生まれますが、その特徴から6大産地に分けられています。

アイラは6大産地の一つに数えられており、アイラのほかにはハイランド 、スペイサイド 、ローランド、キャンベルタウン、アイランズがあります。

ちなみに、最後に挙げたアイランズは島々で作られるスコッチを総称したものです。

スコットランドの北部、西部にはオークニー諸島、ルイス島、マル島、スカイ島、ジュラ島、アラン島など数々の島が点在し、これらの島々でモルトウイスキーが生産されています。

同じ島で作られるスコッチでありながら、アイラだけはアイランズに括られることなく、別格の扱いになっています。

スコッチウイスキーの中でも、独特の個性を際立たせているアイラウイスキーのあらましを以下に紹介します。

アイラ島で生まれたアイラウイスキー

アイラウイスキーを生み出しているアイラ島は、イギリスのスコットランドにあるヘブリディーズ諸島の最南端に位置しており、「ヘブリディーズ諸島の女王」と称されています。

ウイスキー作りは、今や島の基幹産業となっており、1779年に設立された島内最古の蒸留所であるボウモアをはじめ、アードベッグ、ブルックラディ、ラガヴーリン、ラフロイグ、ブナハーブン、カリラ、キルホーマン、アードナッホーと現在9つもの蒸留所が稼働しています。

さらに、閉鎖中だったポートエレン蒸留所が再開されるため、2022年頃には10番目の蒸留所として加わる予定です。

アイラウイスキーの臭いの元は?

アイラウイスキーの特徴は、何といってもその独特な香りです。

人によっては消毒液のヨードチンキ臭いと感じたり、燻されたような臭いを感じたりするようですが、この香りを生み出しているのが日本語で泥炭と呼ばれる「ピート」です。

ピートは植物が炭化したもので、スコットランドでは古くから燃料として使用されてきました。

モルトウイスキーの原料である大麦は、製造工程の中で水に浸して発芽させ、麦芽にします。麦芽になった後はそれ以上の生育を止めるため、また防腐処理の必要から、水分を飛ばして乾燥させる必要があります。

この際にピートを燃料として用います。麦芽をピートで燻煙するため、麦芽にはスモーキーな香りや独特のピート臭が付くのです。

ちなみに同じウイスキーでもアイリッシュはピートを使用しないため、ピート臭がありません。

ピート臭はスコッチを特徴づける一つでもあるのです。

アイラ島は海に囲まれた地域のため、ピートには海藻なども多く含まれています。

他のエリアのピートよりヨード臭が強く、ウイスキーにほのかな潮の香りが感じられるのはこのためです。

ピートの強い香りは「ピーティー」と呼ばれ、アイラモルトファンにはピーティーをこよなく愛するピートフリークも少なくありません。

アイラウイスキーの銘柄は?

アイラ島内の9つの蒸留所から生み出されるアイラウイスキー。その中でも特に長い伝統と知名度を誇る3つの蒸留所と銘柄を紹介します。

ボウモア

1797年創業、島内最古の蒸留所であるボウモアで作られているのが、シングルモルトウイスキー「ボウモア」です。

アイラの女王」と称されるボウモアは、今では希少となった「フロアモルティング」をはじめとする伝統製法を守りながら、職人が丹精込めて仕上げています。

独自製法の麦芽を海草のヨード香が強いピートで乾燥させ、海の近くの貯蔵庫で熟成されるため、ボウモアは海のシングルモルトと呼ばれることもあります。

代表的な銘柄は「ボウモア12年」です。

個性の強いピートの香りに絶妙に調和したフルーティな香りはバーボン樽とシェリー樽由来のもの。

ビターなチョコレートのような風味とハチミツのような甘さもほのかに感じられます。

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ラフロイグ

1815年創業のラフロイグ蒸留所は風光明媚なアイラ島の南岸部に位置しています。

あまりに強烈なピートとヨードの香りから、禁酒法時代のアメリカでは薬用酒として飲まれていたという逸話もあるほどです。

香りに負けず劣らず味わいも濃厚で、ドライでありながらバニラのような甘さとまろやかさ、塩辛さがハーモニーを奏でます。

好き嫌いがはっきり分かれるスモーキー・フレーバーですが、英国王室御用達のシングルモルトウイスキーであり、「アイラの王」の名にふさわしいウイスキーといえるでしょう。

代表的な銘柄は「ラフロイグ10年」です。

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アードベッグ

「アイラの中のアイラ」と称されるアードベッグを生み出しているのが、1815年創業のアードベッグ蒸留所です。

独自の精留器を用いて、ウーガダール湖とアリナム・ビースト湖から仕込み水を得て作られる、個性際立つモルトウイスキーには、世界中に熱狂的な愛好家「アードベギャン」が付いています。

しかし、経営難により1980~1989年には蒸留所を閉鎖、グレンモーレンジィ社の傘下に入って経営を立て直し、生産を再開させました。

ピートの使用量が多いことによる、強烈なスモーキーさが特徴ですが、柑橘系のようなフルーティな甘さも兼ね備えています。

代表的な銘柄は「アードベッグ10年」ですが、クセが弱くフルーティさが濃いので初心者にも試しやすい「アードベッグ・アン・オー」、口当たりがまろやかな「アードベッグ・ウーダガール」、上級者向けの「アードベッグ・コリーヴレッカン」など、ラインナップで試してみるのもおすすめです。

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アイラウイスキーのおすすめ飲み方は?

ウイスキーにはさまざまな楽しみ方があります。

どんなウイスキーも、飲む人の好みや気分で味わうのが一番ですが、独特な香りと風味が特徴のアイラウイスキーであればこその、おすすめの飲み方を紹介します。

ストレート

シングルモルトウイスキーはやはり生の味をじっくり味わいたいもの。

水をチェイサーにしながら、まずはじっくりと香りと風味を味わうのがおすすめです。

チェイサーと交互に舐めるように味わううちに、銘柄独特の磯の香、スモーキーな風味などがしっかりと感じられるようになるでしょう。

トワイスアップ

ウイスキーの専門家がウイスキー本来の味を知るための飲み方であるトワイスアップ。

ウイスキーと同量の常温の水をあわせるだけです。これに氷を入れると水割りになります。

もちろん、水割りで楽しんでも良いでしょう。

アイラウイスキーを楽しもう!

アイラウイスキーはスコットランドの小さな島で生み出される、個性豊かなモルトウイスキーです。

島には新旧9つもの蒸留所が独自の伝統や製法、材料によって世界の愛好家に愛され続ける味を守り続けています。

独特のピートの香りは、最初はとっつきにくいかもしれませんが、馴染んでくると虜になってしまうでしょう。

アイラウイスキーの奥深さをじっくり味わってみませんか。

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