キャンベルタウンの3つの蒸留所を紹介! 町の歴史についても解説
- ウイスキー蒸留所
アイラウイスキーが製造されるアイラ島では、現在9つの蒸留所が存在します。
アイラ島は伝統的なスコッチウイスキーが製造されてきた島であり、ウイスキー愛好家の聖地です。
すべての蒸留所を見学可能で、見学ツアーも開催されているので、スコットランドに旅行に行くなら抑えておきたいところです。
この記事ではアイラウイスキーが造られる9つの蒸留所を紹介し、日本からアイラ島へ行く方法まで解説していきます。
この記事のポイント
アイラウイスキーはスコットランドのアイラ島で製造されるウイスキーのことを指します。
アイラ島で製造されるウイスキーはスコッチウイスキー特有の燻製のような香りが強く、海に囲まれた島で製造されていることから潮気のある味わいを持っていることが特徴です。
この特有の個性は、強烈であるため好き嫌いが分かれることでも有名ですが、世界中に熱狂的なファンが多く存在しています。
初めて飲む方はこの強い個性に戸惑う方も多いですが、クセになりやすい味わいであるため、ウイスキー通の間ではアイラウイスキーのよさが分かるようになって一人前といわれるほどです。
また、アイラウイスキー特有の個性を持つ他の地域で製造されたウイスキーのことをアイラ系ウイスキーと呼ぶこともあり、ウイスキーの世界においてアイラウイスキーの影響力を知ることができます。
現在のシングルモルトウイスキーの主流は、スペイサイドモルトのような果実の甘い風味を持つ飲みやすいウイスキーですが、アイラモルトはスコッチの伝統を守り続けているウイスキーです。
それでは、アイラウイスキーが造られる9つの蒸留所を紹介します。
ラフロイグ蒸留所は、アイラ島のポートエレン港から東に2キロほどの静かで美しい入り江に面して建てられています。
ラフロイグはゲール語で「広い入り江の美しいくぼ地」を意味しており、蒸留所の美しさはスコットランドの蒸留所の中でもトップクラスです。
ラフロイグ蒸留所の代表的なボトルが「ラフロイグ10年」であり、その強烈な個性からアイラの王と呼ばれます。
ヨード香のような独特な香りに、オイリーで濃厚な味わいから塩っぽいドライなフィニッシュが楽しめます。
アイラウイスキーの中でも個性が強く世界中にファンが多い人気の蒸留所です。
ラフロイグの特徴や蒸留所の詳しい位置情報などについて知りたい方は下記の記事をチェックしてください。
アイラウイスキーのラフロイグとは? 種類や風味の特徴を解説!
ラフロイグ蒸留所 - Laphroaig DISTILLERY
アイラ島の中心地であるボウモア町の海辺に建設されたのが、ボウモア蒸留所になります。
ゲール語で「大いなる岩礁」を意味し、1779年から創業を続けてきた伝統的な蒸留所です。
代表的なボトルは「ボウモア12年」で、アイラウイスキー特有のスモーク香が穏やかでエレガントな風味を持っていることからアイラモルトの女王として親しまれてきました。
スモーク香の中にレモンとハチミツの風味が感じられ、ダークチョコレートを思わせるコクが特徴です。
アイラウイスキーの中でもバランスがよく飲みやすい味わいであるため、ウイスキー初心者にもおすすめの銘柄になります。
ボウモアの特徴や蒸留所の詳しい位置情報などについて知りたい方は下記の記事をチェックしてください。
ボウモアは潮風感じる島のウイスキー!種類とおいしい飲み方は?
ボウモア蒸留所 - Bowmore DISTILLERY
※画像引用:https://bunnahabhain.com/
ブナハーブン蒸留所は、他の主要な蒸留所とは離れた場所に建設されており、アイラ島の中でも静かな場所にあります。
ゲール語で「河口」を意味しますが、仕込み水であるマーガテイル川の河口に位置していたことが由来です。
ブナハーブンのシングルモルトは、アイラウイスキーとしては珍しいピートをほとんど焚かないためスモーク香が少ないことが特徴です。
「ブナハーブン12年」はノンピートタイプのウイスキーであり、優しい口当たりで飲みやすい銘柄となっています。
ブナハーブン蒸留所について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
ブナハーブン蒸留所 - Bunnahabhain DISTILLERY
※画像引用:https://vclvintners.london/
カリラ蒸留所は、アイラ海峡に面した海岸に建設され、ナムバン湖の仕込み水を使ってウイスキーを製造しています。
ゲール語では「アイラ島の音」を意味しており、1846年の創業から経営の失敗を経験しながらも伝統的な製法を守ってきました。
基本的にはブレンデッドウイスキー用の原酒を製造していますが、代表的なシングルモルトの銘柄は「カリラ12年」になります。
ナムバン湖由来のミネラル豊富な湧水とポート・エレン社製のピートで焚いた麦芽は、スモーキーで潮気のあるアイラウイスキーらしい力強い味わいですが、フルーティーな甘さも感じられるため華やかさもあります。
カリラ蒸留所について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
※画像引用:https://vclvintners.london/
ブルックラディ蒸留所は1881年にアイラ島の西海岸沿いに設立されましたが、その歴史の中で休業と操業を繰り返してきました。
オーナーも何度も入れ替わりましたが、現在はレミーコアントロー社の所有となり安定して運営されています。
ブルックラディでは一つの蒸留所で複数のタイプのウイスキーを生産しているのが特徴です。
アイラウイスキーの個性を控えめにしてエレガントで華やかな味わいに仕上げているのが「ブルックラディ ザ・クラシック・ラディ」、アイラウイスキーの中でも1、2位を争う強烈なピート香を持つ「オクトモア 12.1 スコティッシュ・バーレイ」があります。
ブルックラディ蒸留所について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
ブルックラディ蒸留所 - Bruichladdich DISTILLERY
アードベッグ蒸留所は、アイラ島の南部に設立され、19世紀末には住宅や学校などが存在する小さなコミュニティに成長していたといわれています。
しかし、戦争と経済不況の影響で1990年代は閉鎖と再開を繰り返していましたが、フランスのルイ・ヴィトン・モエ・ヘネシーが所有者になったことで安定しました。
アードベッグはアイラモルトの中でも際立って個性が強いウイスキーを製造しています。
「アードベッグ 10(TEN)」はラフロイグ以上に強烈なピート香の中に、繊細な甘さが同居した完成度の高いウイスキーです。
アードベッグ蒸留所について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
画像引用:https://www.whisky.com/
ラガヴーリン蒸留所は、アイラ島の南にあるキルダルトン海岸に設立されたアードベッグ蒸留所とラフロイグ蒸留所の間に位置する蒸留所になります。
ホワイトホース社の創業者であるピーター・マッキーがウイスキーの製法を学んだ蒸留所であり、アイラ島で広く飲まれてきた伝統的なウイスキーです。
ホワイトホース社のキーモルトとして使用されることが多いラガヴーリンですが、代表的なボトルは「ラガヴーリン16年」です。
ホワイトホースとは?種類や味わい、おすすめの飲み方
甘いウイスキーとアイラウイスキーの特徴が両方感じられるウイスキーであり、スモーキーさと潮気の中に確かな甘さとなめらかな味わいが堪能できます。
ラガヴーリンの味わいと蒸留所について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
アイラウイスキー「ラガヴーリン」ってどんな味わい?おすすめの飲み方や種類も解説!
ラガヴーリン蒸留所 - Lagavulin DISTILLERY
画像引用:https://www.whisky.com/
キルホーマン蒸留所は、2005年に西部の海岸に設立されたアイラ島の蒸留所の中では新しい蒸留所です。
設備への増資も積極的におこなっており、生産量は増加傾向にある将来性が高い蒸留所になります。
キルホーマンの定番商品は「キルホーマン マキヤーベイ」です。
ヨード香のような強いピート香の中に多種多様な果実のアロマが鼻腔をくすぐる洗練された香りが特徴であり、海塩とブラックペッパーの中にパイナップルとハチミツの甘い味わいが感じられます。
キルホーマン蒸留所について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
キルホーマン蒸留所 - Kilchoman DISTILLERY
※画像引用:https://ardnahoedistillery.com/
アイラ島に2018年に設立された最新の蒸留所がアードナッホーになります。
創業者のスチュワート・ライングはブルックラディで働いた経験から、蒸留所をアイラ島に建設したいという夢を持ってハンター・ライング社を設立し、実際に建設することとなりました。
2018年に初めてスピリッツが作られたため、現状ではアードナッホー蒸留所のシングルモルトウイスキーを飲むことはできません。
しかし、シングルモルトが販売されていなくても観光客向けに開放し、ツアーも開催しているので観光を目的に訪れることができる蒸留所となっています。
アードナッホー蒸留所について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
アードナッホー蒸留所 - Ardnahoe DISTILLERY
アイラ島は閉鎖歴があっても現在稼働している蒸留所がいくつか存在しますが、現在稼働していない閉鎖中の蒸留所もありますので紹介します。
ポートエレン蒸留所はアイラ島のポートエレンに設立された蒸留所でしたが、1983年に閉鎖されています。
閉鎖された蒸留所ではありますが、製造されるウイスキーには多くのファンがいたため、この閉鎖を惜しむ声が多くありました。
蒸留所が閉鎖された後も原酒は大切に保管されており、ディアジオ社から40年物のボトルが発売されています。
再稼働させる動きもあるため、世界中のウイスキー愛好家が操業の再開を願っている蒸留所です。
モルトミル蒸留所はラガヴーリン蒸留所の敷地内に建てられた第二蒸留所です。
この蒸留所は立地的にも近いラフロイグ蒸留所のウイスキーを再現しようと考えて設立されましたが、ラフロイグの味わいを再現することはできませんでした。
モルトミル蒸留所は閉鎖されましたが、その跡地はラガヴーリン蒸留所のビジターセンターとして再利用されています。
アイラ島の蒸留所の最大の特徴はほとんどの蒸留所で見学ができることであり、ツアーなども開催されています。
社会情勢の変化などで観光やツアーが休止する可能性はありますが、ウイスキーの聖地であるアイラ島でどのようにウイスキーが製造されるのかを見学できます。
蒸留所が開催するツアーに参加すればウイスキー好きにはたまらない体験ができるので、スコットランドに旅行するならおすすめの観光地です。
ただし、ツアーには予約が必要であるため、公式サイトなどで予約しましょう。
日本からアイラ島に行くなら、まずは飛行機でロンドンに行き、鉄道でロンドンからグラスゴーに行きましょう。
アイラ島にはグラスゴーから行くのが一般的であり、グラスゴーからは飛行機またはフェリーで行けます。
フェリーで行く場合は、グラスゴーからケナクレイグにバスで向かう必要があります。
料金や所要時間なども考えて、好きな行き方で実際にアイラ島に訪問してみましょう。
アイラ島の9つの蒸留所と閉鎖した蒸留所も含めて一覧形式で紹介しました。
アイラウイスキーは共通の特徴を持っていますが、それぞれの銘柄に個性があるため、興味を持ったウイスキーがあれば実際に飲んでみましょう。
好きな銘柄ができたら実際にそのウイスキーを生産している蒸留所を訪れて、見学ツアーに参加するのもおすすめです。