ラフロイグ 10年とは? スモーキーな味わいとおすすめの飲み方を紹介
- ウイスキー銘柄
岩井トラディションとは、マルス信州蒸溜所で造られる岩井喜一郎氏が由来となっているブレンデッドウイスキーです。
本坊酒造における最初期のウイスキー造りを支えたマルスウイスキーの産みの親である岩井喜一郎氏への尊敬を込めた銘柄であり、蒸溜所の再稼働を記念してリリースされました。
モルトウイスキーの配分を大きくした岩井トラディションは、深みがあり重厚感のある味わいに仕上がっています。
この記事では、岩井トラディションの種類と味わい、おすすめの飲み方について紹介します。
この記事のポイント
岩井トラディションとは、マルス信州蒸溜所で造られる日本のブレンデッドウイスキーです。
名前の由来はマルスウイスキーの産みの親である岩井喜一郎氏であり、あのニッカウヰスキーの創業者である竹鶴政孝氏の上司であった人物であり、岩井氏がいなければ竹鶴氏もスコットランドに行けなかったかもしれません。
モルト原酒の比率を大きくしていることから、柿のような風味と重厚感のある味わいが特徴的な銘柄です。
岩井トラディションの歴史と製造方法について見ていきましょう。
岩井喜一郎氏はマルスウイスキーの産みの親であり、本坊酒造のウイスキー造りの基礎を作った人物であり、ジャパニーズウイスキーの発展を語るうえで欠かせない人物です。
岩井氏は当時大阪にあった摂津酒造において竹鶴政孝氏の直属の上司であり、岩井氏は竹鶴氏をスコットランドに派遣しました。
日本のウイスキーの父といわれる竹鶴政孝氏をスコットランドに派遣した人物であるため、岩井氏がいなければ現在のジャパニーズウイスキーはなかったかもしれません。
竹鶴氏はスコットランドから帰国すると退社して袂を分かつことになりますが、岩井氏は竹鶴氏が持ち帰った通称竹鶴ノートを清書したものを受け取っています。
この竹鶴ノートを岩井氏は大切に保管し、このノートを参考に本坊酒造のウイスキー工場が建設され、地ウイスキーブームを生み出したマルスウイスキーが生まれることになります。
1966年に岩井喜一郎氏は亡くなっていますが、岩井氏の意思は受け継がれ、死後にマルス信州蒸溜所が設立されました。
しかし、マルス信州蒸溜所は日本のウイスキーが冬の時代を迎えたことを理由に生産が停止されました。
2011年に再稼働を果たし、その記念に岩井喜一郎氏への敬意を込めた岩井トラディションが発売されたのです。
マルスウイスキーについてはこちらの記事で紹介しています。
岩井トラディションを含めたマルス信州蒸溜所で造られるウイスキーの最大の特徴は、その製造に独自の岩井ポットスチルを使用している点です。
岩井ポットスチルは、竹鶴ノートの記録を基に最初は本坊酒造の山梨工場に設置された独自のポッドスチルになります。
受け継がれてきたポットスチルが岩井トラディションの原酒の品質を高めているのです。
麦芽に関しては輸入しており、ノンピーテッド麦芽や、さまざまなフェノール値を持つ複数の麦芽を使用して原酒の風味を調整しています。
また、熟成樽のバリエーションも豊富であり、日本独自のミズナラ樽に加えて、バーボン樽、シェリー樽、ワイン樽などの基本的な樽から、自社の梅酒や焼酎を熟成させた樽を使用することもあるようです。
樽の種類が豊富であるため、岩井トラディションは通常のボトルに加えて複数のカスクフィニッシュがリリースされています。
マルス信州蒸溜所の詳細についてはこちらのページにまとめています。
岩井トラディションの種類と味わいについて紹介します。
画像引用:https://www.hombo.co.jp/item/whisky_brandy/iwai_tradition/
岩井ポットスチルを使って作った原酒をブレンドした岩井喜一郎氏への敬意を込めたブレンデッドウイスキーになります。
バニラとクッキー、レーズンの香味にわずかではありますがスモークもあり、複雑でありながらも心地の良い香りです。
柿のような落ち着いた甘みにナッツや樹液のような風味も加わり、ボディがしっかりしており、重厚感のある味わいに仕上がっています。
本坊酒造のウイスキーブランドとしては、ラインナップが少なく迷うことはないかもしれませんが、初めて飲む方はこちらの銘柄を探してみましょう。
画像引用:https://www.hombo.co.jp/item/whisky_brandy/iwai_tradition_winecask/
岩井トラディションを本坊酒造が所有するワイナリーの赤ワイン樽を使用して、カスクフィニッシュした商品です。
ワイン樽特有のマスカットのような香りが広がり、ベリー系の甘味と酸味も感じられる銘柄に仕上がりました。
通常の岩井トラディションが持つ風味はそのままにワイン樽でフィニッシュした影響を感じられる銘柄です。
画像引用:https://www.hombo.co.jp/item/whisky_brandy/iwai_tradition_sherrycask/
岩井トラディションをシェリー樽のなかでも非常に甘口とされるペドロ・ヒメネスの樽でフィニッシュした銘柄です。
ブラウンシュガーやメープルシロップのような風味が加わり、より濃厚で上品な甘みを持つのが特徴です。
シェリー樽熟成のウイスキーが好きな方におすすめの銘柄になります。
同じシェリー樽にもいくつかの種類があります。その種類について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
シェリーカスクの特徴とは? 種類と歴史とおすすめ銘柄を5つ紹介
岩井トラディションのおすすめの飲み方を解説します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
岩井トラディションは、冷やすことで伸びる味わいと、氷が溶けることで変化する風味を楽しめるロックがおすすめです。
特に岩井トラディションが持つ甘みをより強く味わえる飲み方になります。
ウイスキーのロックのおすすめの飲み方と作り方はこちらの記事で紹介しています。
ウイスキーのロックのおすすめの飲み方は? おいしく飲むための作り方もご紹介
岩井トラディションは、ハイボールにすることで酸味が感じられるすっきりとした爽快な味わいになるので、ハイボールで飲むのも良いでしょう。
非常に飲みやすくなるので、ウイスキー初心者の方におすすめできる飲み方となっています。
ロック・ハイボール以外でも、ストレート、水割りにも合うので、色々な飲み方を試せる銘柄であるといえます。
岩井トラディションについて解説しましたが、日本のブレンデッドウイスキーのなかでも完成度が高く、カスクフィニッシュにより味わいの幅が広いラインナップとなっています。
岩井喜一郎氏への敬意を感じられる飲み方を選ばないバランスの良いウイスキーです。
最初はスタンダードな岩井トラディションを試して、ほかのカスクフィニッシュに挑戦すると良いでしょう。