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ジャパニーズウイスキーの高騰はいつまで続く?理由と現状を解説!

2022.05.21 / 最終更新日:2022.05.21

山崎、響、竹鶴、余市、イチローズモルトなど、酒店に行ってもジャパニーズウイスキーを見る機会が減り、インターネット上で高騰していることに驚いた方も多いことでしょう。

ジャパニーズウイスキーは国内外ともに大きな需要があり、供給が追いついていない状態です。

元々入手困難な限定ボトルや、長期熟成銘柄が入手できないのは仕方ないかもしれませんが、スタンダードな12年物や、ノンエイジですら気軽に購入できない現状はジャパニーズウイスキー好きにとっても辛い状況ではないかと思います。

この記事では、ジャパニーズウイスキーの高騰がいつまで続くのかを高騰の理由と、今後の国産ウイスキーの状況についても詳しく考察していきます。

この記事のポイント

  • ジャパニーズウイスキーが高騰する理由と高騰している銘柄を紹介
  • ジャパニーズウイスキーの高騰がいつまで続くのかを考察

ジャパニーズウイスキーが高騰している理由

ジャパニーズウイスキーが高騰している理由は以下の3つが挙げられます。

  • ①国内外ともに高い需要がある
  • ②供給を増やすことができない
  • ③限られた本数の取り合いになる

まずは、高騰に至るまでの流れを把握しましょう。

①国内外ともに高い需要がある

ジャパニーズウイスキーは高い需要がありますが、その理由は大きく分けて2つあります。

  • ハイボールやマッサンの流行で国内のウイスキー消費が増加
  • ジャパニーズウイスキーが世界で評価され海外への輸出が増えた

2010年頃に流行し、現在ではウイスキーの代表的な飲み方となっているハイボールは、ウイスキーの消費量が大きい飲み方であるため、国内のウイスキー消費量が増加しました。

また、2014年に放送された連続テレビ小説「マッサン」はニッカウヰスキーの創始者竹鶴政孝をモデルにしたウイスキー作りの物語であり、マッサンの大ヒットも国内のウイスキー需要を増加させました。

以上の経緯で2010年頃から国内におけるウイスキーの消費が増加します。

次に、同時期にインターナショナル・スピリッツ・チャレンジ(ISC)や、サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション(SWSC)などで日本のウイスキーが続々と賞を取り始めます。

日本固有のオーク樽であるミズナラ樽で熟成させた国産ウイスキーは、海外のウイスキーにはないオリエンタルな香りが特徴的であり、山崎を含む日本のウイスキーが世界中のウイスキーファンを魅了しました。

これにより海外からジャパニーズウイスキーを求める需要が増加します。

国内と海外、両方からこれまでにない急な需要の増加が発生したことが高騰の最大の要因となっています

ジャパニーズウイスキー特有のミズナラ樽で熟成させたウイスキーの魅力について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。

ミズナラ樽熟成ウイスキーが人気な理由とは?おすすめの銘柄と特徴

②供給を増やすことができない

需要が増えたときの解決策は供給を増やすことですが、他の商品とは異なりウイスキーは需要が増えたからといって供給をすぐに増やすことができない理由があります。

ウイスキーの製造過程において重要な樽による熟成は最低3年以上平均9年、長いものであれば20年以上の熟成期間が必要です。

つまり、需要に合わせて生産量を増やしても、その効果が表れるのは先であり、現在の品薄状態を解決することはできません。

現在販売されているジャパニーズウイスキーは、1980年代~1990年代におけるウイスキー消費の低迷期の影響を受けて熟成されたものも多く、消費量の減少にともない生産量を落としていました

元々、供給できるジャパニーズウイスキーの量も少なかったことも含めて、急な需要の増加に対応できなかったことも高騰の一因となっています。

ウイスキーを作るには熟成させるための時間が必要であるため、すぐに供給を増やすことができないことから、品薄が継続しやすく、需要過多の状況が長く続きやすいということです

③限られた本数の取り合いになる

需要に対して供給が圧倒的に足りない状態が継続すれば、全員が全員ウイスキーを入手できるわけがないので、限られたボトルの取り合いになります。

定価で販売している酒店やデパートのジャパニーズウイスキーは早い者勝ちとなるので、すぐに売り切れてしまいます。

よって、どの店にもジャパニーズウイスキーが置いていない状況になるので、オンラインショッピングや、インターネットオークションでジャパニーズウイスキーの価格が高騰する事態となっているのです。

需要に対して供給が圧倒的に足りない状況が、ジャパニーズウイスキーを定価で購入することを難しくしています。

インターネット上では、ジャパニーズウイスキーが定価の2倍、銘柄によっては10倍以上の価格で取引されるほど高騰しているのです

ジャパニーズウイスキーの高騰銘柄リスト

それでは、具体的にジャパニーズウイスキーの高騰銘柄を下記のリストにまとめました。

販売元 銘柄
サントリー 山崎
白州
ニッカウヰスキー 竹鶴
余市
宮城峡
秩父蒸留所 イチローズモルト
キリンシーグラム
富士山麓
松井酒造合名会社
マツイピュアモルトウイスキー倉吉
厚岸蒸留所
厚岸ウイスキー
静岡蒸留所
プロローグK

ジャパニーズウイスキーの代表的な高騰銘柄は、サントリーとニッカウヰスキーから販売されている銘柄が多く人気を集めています。

他にも秩父蒸留所のイチローズモルトなど、規模の小さい蒸留所から販売されているジャパニーズウイスキーでも高い評価を受けている銘柄もあります。

このようなサントリーなどの大手と比較すると規模の小さい販売元は、元々の供給が少ない上に需要が増加しているため、代表的な販売元から販売されているウイスキーよりも入手困難です

主要なジャパニーズウイスキーについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。

山崎・白州・知多・響の違いは?サントリーの主要ウイスキー4銘柄!
ニッカウイスキーのおすすめの種類と定価についてご紹介!
秩父で生まれたウイスキー『イチローズモルト』とは?製法や種類をご紹介

ジャパニーズウイスキーの高騰はいつまで続く

現在のジャパニーズウイスキーの高騰はいつまで続くのでしょうか?

ジャパニーズウイスキーの高騰に関する3つの考察をまとめました。

  • ウイスキーブームに終わりはあるのか?
  • 長期的には供給量が増える可能性がある
  • 長期熟成銘柄や限定ボトルは引き続き高騰する?

それでは詳しく解説します。

ウイスキーブームに終わりはあるのか?

ウイスキーは高度経済成長期の1970年代頃からブームになり、1980年代~1990年代に冬の時代を迎えます。

一度はブームが去ったウイスキーですが、高度経済成長期と異なるのは海外需要の存在です。

日本ではブームが去ったとしても、欧米や中国をはじめとする世界中の地域でジャパニーズウイスキーの需要が存在しています。

仮に日本でのウイスキー消費が大きく減少したとしても、主な販売元が世界に移るだけであるため、需要の低下による高騰の終了は望めません。

ウイスキー消費量が減少に転じた20世紀以前とは異なり、現代ではさまざまなネットワークが発達しており、需要の広さからウイスキーブーム自体が一過性のものとはいえなくなっているため、ブーム終了による価格の低下は考えにくいです

長期的には供給量が増える可能性がある

需要の低下による高騰の終了は考えにくいですが、長期的な視点であれば供給量の増加により現在の高騰が収まる可能性は考えられます。

ウイスキーの熟成には平均9年程度かかるため、10年以上におよぶ計画的な生産量の増加ができれば、2030年代にはジャパニーズウイスキーの高騰が解決するかもしれません。

日本の蒸留所の長期的な努力により、供給量が大幅に増加し、現在の需給を解決することで高騰が落ち着くのは、ウイスキー業界にとっても最高のシナリオといえるでしょう

長期熟成銘柄や限定ボトルは引き続き高騰する?

先に供給が落ち着くとすれば、ノンエイジや、12年物などのスタンダードボトルであり、引き続き長期熟成銘柄や限定ボトルの価格は上昇していくことが予想されます。

限定ボトルに関しては再び販売されることがないので、年数を重ねるたびに希少性が増すことからジャパニーズウイスキーの高騰問題が解決してもボトルの希少性が下がることはありません。

20年以上熟成する長期熟成銘柄に関しては、高騰する前から希少価値の高いボトルも多く、供給量が安定するとしても膨大な時間がかかることでしょう

高騰していることに大きな問題があるのは手軽に飲めるスタンダードボトルであるため、こちらの問題を優先して解決する必要があります。

よって、10年先を予測するなら希少価値が特に高いウイスキーの高騰が終わることはないと考えられます。

ジャパニーズウイスキーの高騰がいつまで続くのかという疑問に関しては、長期的な視点であれば解決する可能性はありますが、すぐに解決できるような問題ではないという結論です

高騰しているジャパニーズウイスキーを購入する注意点

ジャパニーズウイスキーの高騰に関する現状を踏まえた上で、高騰が落ち着くまで待てないと考える方も多いことでしょう。

最後に、高騰しているジャパニーズウイスキーを今購入したい方に向けて注意点を2つ解説します。

  • 酒店で探す難易度は非常に高い
  • ネットオークションなどで購入するなら偽物に注意

それぞれ詳しく見ていきましょう。

酒店で探す難易度は非常に高い

高騰しているジャパニーズウイスキーを定価で購入するために酒店で探す難易度は非常に高いです。

なぜなら、他の人も定価で購入するために常に多くの人によって監視されているため、販売されたとしてもあっという間に売り切れてしまうからです。

また、酒店も販売すればすぐに売り切れることが分かっているので、あえていくつかの在庫を販売せずに保管していることもあります。

このような状況から酒店の商品棚に置いてあるケースは少ないため、高騰しているジャパニーズウイスキーを酒店で探す難易度は非常に高いといえるでしょう

ネットオークションなどで購入するなら偽物に注意

酒店などで売っていない状態で確実に入手するならインターネットに頼るしかありません。

割高での購入になりますが、今すぐ人気のジャパニーズウイスキーを手に入れたいならインターネットから探してみましょう。

ただし、インターネットを利用して人気のウイスキーを購入するなら偽物には必ず注意を払うようにしてください

ジャパニーズウイスキーが高騰によって単価が大きく上昇した影響で、ネットオークションを中心に山崎などの人気ウイスキーの偽物の被害が発生しているようです。

ウイスキーボトルの写真を全体像しか公開しておらず、細部まで写真を撮影していない出品は偽物のケースがあるので、購入しないようにしましょう。

特に偽造を判断しやすいキャップ部分の写真があるかどうが重要になります。

また、販売元や、出品者の情報を確認して悪評がついていないか確認も大事です。

できる限り安く買いたいと思うかもしれませんが、他の出品と比較して価格が安すぎる場合も偽物を疑ったほうがよいでしょう

まとめ

ジャパニーズウイスキーが高騰する理由といつまで続くのかについて解説しました。

長期的に解決する可能性はありますが、しばらくは高騰している状態が続くことが予測されます。

確実に入手するならインターネットに頼らざるを得ない状況ですが、偽物を掴むことがないように細心の注意を払った上で購入するようにしましょう。

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