山崎 ノンエイジ/NV(ノンヴィンテージ)とは? 味わいとおすすめの飲み方を紹介
- ウイスキー銘柄
マッカランは、スペイサイド地域で製造される高級シングルモルトのスコッチウイスキーです。
「シングルモルトのロールスロイス」と呼ばれる格式の高いウイスキーであり、特に日本における人気が高い銘柄になります。
シェリー樽の熟成によるドライフルーツのような熟した果実の風味が感じられる複雑な味わいを持っていることが特徴です。
この記事では、マッカランの種類と味わい、おすすめの飲み方を紹介します。
この記事のポイント
マッカラン蒸溜所の外観
マッカランは、スコットランドのスペイサイド地域のマッカラン蒸溜所で製造されるシングルモルトウイスキーです。
日本ではサントリーが販売しており、国内ではグレンリベットやグレンフィディックに並ぶスコッチウイスキーのシングルモルトを代表する銘柄の地位を獲得しています。
シェリー樽による熟成が熟した果実のような甘みを生み出し、甘いだけでなくスパイシーさも感じられる複雑な味わいが魅力的です。
マッカランの概要と製造方法を見ていきましょう。
マッカラン蒸溜所は1824年に創業しており、ザ・グレンリベットに続く2番目に蒸溜所ライセンスを取得しています。
ライセンスを取得する前の密造酒の時代には、農業が行われていない冬の間に余った大麦を使うためにウイスキーが製造されていました。
名称はこの地域がマッカラン教区と呼ばれていたことに由来し、農場関係者を中心に評判が広く発信され、高い支持を得ていくことになります。
1950年以前に設立された蒸溜所が直面する出来事は、世界恐慌や2つの世界大戦であり、多くの蒸溜所が激動の時代をきっかけに閉鎖や休止を余儀なくされました。
現在は、スコッチウイスキーのシングルモルトの中でも品格ある高級ウイスキーのポジションを得ているマッカランですが、例外なく他の蒸溜所と同様に苦境に立たされました。
生産量を落とすことは避けられませんでしたが、操業停止を選ぶことなく、品質に妥協せず、今造れる最高のウイスキーを製造し続けました。
マッカランのこの姿勢は、苦境に立たされても生き残ることにつながり、現在でも品格を落とさず高級志向を貫いています。
現在のようにシングルモルトを販売するようになったのは1980年頃であり、この時期から上場して大企業の買収によって資本を拡大していきます。
マッカラン蒸溜所は、エドリントングループ、サントリー、ウィリアム・グラントなどの有名企業が株式を取得しており、現在はエドリントングループが経営権を持っている状況です。
巨大な資本に支えられたマッカランは、2018年に新蒸溜所をオープンしており、その計画には約210億円の資金が投じられました。
おおよそウイスキーの蒸溜所とは考えにくい外観を持つ建物であり、販売されるウイスキーを含めて別格といえる存在となっています。
マッカランの品格や、シングルモルトロールスロイスと呼ばれるほどの高級感と品質の両立は、妥協をしない製法によって裏付けられています。
近年のスコッチウイスキーの熟成はシェリー樽の不足により、バーボン樽に移行している蒸溜所も多いですが、マッカラン蒸溜所は自社で製造したシェリー樽のみを使用しています。
シェリー樽にも種類がありますが、その中でもドライ・オロロソシェリー樽のみを使用しており、これもマッカラン蒸溜所の長年の研究によるこだわりから選定されたものです。
原料となる大麦も決められた農園のみで製造された高品質かつ、ミンストレルと呼ばれる特定の品種のみを使用しています。
蒸溜器はスペイサイドでも最小のものを使用しており、36基のポットスチルを使用して異なるタイプの原酒を製造しています。
小さな蒸溜器は共通してウイスキーの口当たりをシルクのように滑らかにしてくれるため、マッカランの味わいを支える大切な要素です。
以上は取り組みの一部であり、マッカランの製造では一切の妥協をせず、長年の研究における最適な製造方法を採用しています。
巨大資本に支えられていることからこだわりを貫き通せる環境であること、製法に対して一切妥協しないことがマッカランの現在の地位を確立させました。
マッカラン蒸溜所の詳細はこちらのページにまとめています。
マッカラン蒸留所 - Macallan DISTILLERY
マッカランの種類と味わいを紹介します。
画像引用:https://products.suntory.co.jp/d/5010314017408/
ザ・マッカラン 12年は、スタンダードなシェリーオークシリーズのマッカランであり、12年以上熟成させた原酒のみを使用したシングルモルトです。
バニラのような香り、ドライフルーツの甘い味わいが特徴的であり、ジンジャーのようなスパイス感が楽しめるのが特徴になります。
スタンダードボトルであっても1万円近い価格になりますが、初めてマッカランを飲むならこちらの銘柄をおすすめします。
マッカラン12年の特徴とは?種類や味わい、おすすめの飲み方など
画像引用:https://products.suntory.co.jp/d/5010719187003/
ザ・マッカラン 18年は、最低18年間熟成させた原酒のみを使用した高級感あふれるマッカランです。
12年と比較するとすべての風味が色濃く感じられ、ドライフルーツの濃厚な風味とジンジャーやブラックペッパーを感じるスパイス感に、複層的である複雑な味わいが楽しめます。
ウイスキー愛好家からも評判の高いボトルであるため、価格に無理がない範囲で高級なウイスキーを飲みたい方は最初にこちらから飲むのもおすすめです。
マッカラン18年を定価で買う方法は? 味わいと高騰の理由、飲む方法もご紹介
画像引用:https://products.suntory.co.jp/d/5010314003807/
ザ・マッカラン 25年は、25年以上熟成させた希少な原酒のみを使用した、高級なのはもちろん高い希少性を持つシングルモルトです。
熟成を重ねたマッカランは、コニャックを思わせるような熟した果実の風味と、驚くほど滑らかでスムースな口あたりが特徴になります。
12年物も高級品であるマッカランは、25年になれば日本でボトルを購入するのは難しく、特別な日に飲みたいウイスキーです。
画像引用:https://products.suntory.co.jp/d/5010314013202/
ザ・マッカラン 30年は、世界的にも大変希少なマッカランの30年以上熟成した原酒のみをヴァッティングさせた最高級のウイスキーです。
公式サイトではザ・マッカランの香りは、蜂蜜漬けのイチジクとナツメヤシ、キャラメル化したパイナップルとチョコレートとオレンジと表現されています。
味わいは、豊かなフルーツケーキとプルーンにステムジンジャー、シナモン、オレンジのエッセンスとなっています。
マッカランの特徴であるフルーツケーキのように甘い複雑な風味と、ジンジャーやシナモンのスパイシーな味わいが楽しめる銘柄と推測できます。
ウイスキー好きであれば一度は飲みたいマッカランの極地であり、ボトルを購入することが難しい場合は、取り扱いのあるバーを見つけて飲みたい銘柄です。
画像引用:https://products.suntory.co.jp/d/5010314302863/
ザ・マッカラン ダブルカスク 12年は、アメリカンオークスパニッシュオーク樽とヨーロピアンオークスパニッシュオーク樽の2つのシェリー樽を使用した12年物のシングルモルトです。
アメリカンオークはバニラのような香りやスパイシーな風味をもたらし、ヨーロピアンオークはベリー系の果実やチョコレートなどの濃厚な甘みを与えてくれます。
2つのシェリー樽のハーモニーが心地よく、通常の12年物よりも好きな人も多い銘柄となっています。
マッカランダブルカスク12年の違いとは?種類ごとの味の違いも解説
画像引用:https://products.suntory.co.jp/d/5010314308469/
ザ・マッカラン ダブルカスク 15年は、シェリーオークにはない15年熟成の原酒を使用したダブルカスクのマッカランです。
ダブルカスクの調和の取れた風味はより洗練されたものに変化し、長く続く余韻が特徴になります。
ダブルカスクのワンランク上のボトルであり、15年熟成のマッカランに興味がある方にもおすすめです。
画像引用:https://products.suntory.co.jp/d/5010314309862/
ザ・マッカラン ダブルカスク 18年は、ダブルカスクシリーズでも熟成年数の長い18年物のウイスキーです。
熟成年数を重ねることで、より上品であり、レーズンやキャラメルのような甘味が濃厚になっています。
シェリーオークの18年と比較すると、甘みが強いことから飲みやすく感じる人も多いボトルです。
画像引用:https://ieno-bar.suntory.co.jp/shopdetail/000000001988/
ザ・マッカラン トリプルカスク 12年は、ヨーロピアンオークのシェリー樽に、アメリカンオーク樽のシェリー樽とバーボン樽の3種類の樽で熟成させた12年熟成のマッカランです。
バニラやメロンのような甘い香りとレモンのような爽やかな風味が特徴であり、マッカランの新しい可能性を感じさせてくれます。
複数の異なる樽を使用していることから、シングルモルトでありながらブレンデッドのような複雑さとまとまりを感じられます。
ただし、すでにトリプルカスクシリーズは終売しているため、在庫が残っており、あまりプレミアがつかない状態で飲みたいところです。
画像引用:https://products.suntory.co.jp/d/5010314301712/
ザ・マッカラン レアカスクは、16種の異なるシェリー樽の原酒をヴァッティングしており、30年以上熟成させた原酒も使用している最高級のノンエイジウイスキーです。
マッカランのフレーバーの特徴であるドライフルーツ、バニラ、チョコレートの甘みが広がり、非常にスムースで飲みやすい口あたりです。
レアカスクの名にふさわしい希少性と高級感を兼ね揃えた2015年から発売を開始したシリーズでありながら人気の一本になります。
画像引用:https://www.themacallan.com/en/the-macallan-enigma-whisky
ザ・マッカラン クエスト エニグマは、樽にこだわって製品化される免税店向けに販売されたクエストシリーズで、スペインのシェリー樽会社のTevasa社の製造するファーストフィルのシェリー樽のみを使用しています。
ラズベリーとアーモンドのナッティな香りが感じられ、スパイス感は唐辛子のようにピリッとしています。
クエストシリーズの中でもエニグマは高い評価を得ている銘柄です。
画像引用:https://www.themacallan.com/en/the-macallan-terra-whisky
ザ・マッカラン クエスト テラは、2つの会社のファーストフィルのシェリー樽のみで熟成させたクエストシリーズのマッカランです。
マッカランの甘さを残しながらもバランスのいい味わいが特徴であり、ウイスキーの風味として高い完成度を持ちます。
エニグマに続いてクエストシリーズでは評価の高い銘柄となっています。
画像引用:https://www.themacallan.com/en/whisky/single-malts/macallan-estate
ザ・マッカラン エステートは、マッカラン蒸溜所の敷地内で収穫された大麦のみを使用して製造した原料にこだわった銘柄です。
木材のスパイス感がある風味が特徴であり、レーズンやイチジクの甘みが楽しめる銘柄となっています。
樽だけでなく原料にもこだわるマッカランだからこそ販売されたエステートシリーズの銘柄です。
画像引用:https://caskcartel.com/products/the-macallan-cask-strength-red-label-scotch-w
ザ・マッカラン カスクストレングス レッドラベルは、マッカランのカスクストレングスのボトルであり、57.7%の高いアルコール度数でボトル詰めされています。
カスクストレングスにより、マッカランの風味を強烈な印象となるほど強く味わうことができるオールドボトルです。
近年ではこちらのボトルも古酒市場で見かけなくなりましたが、カスクストレングスのマッカランが気になるなら根気よく探してみましょう。
画像引用:https://item.rakuten.co.jp/sake-sato/5010314013202-bb/
ザ・マッカラン ブルーラベル 30年は、1998年に発売されたマッカランの30年物であり、現行のマッカランよりも高い価格で取引される非
常に希少なボトルです。
流通価格はすでに100万円を超えており、入手が非常に困難なマッカランとなっています。
ザ・マッカラン M デカンタ 2018年は、25年~75年熟成の原酒をブレンドした限定ボトルです。
高級クリスタルブランドを展開するフランス・ラリック社の特製クリスタルデキャンタを使用しており、最高級のボトルと原酒を使用した芸術品ともいえるマッカランとなっています。
ザ・マッカラン ザ・クイーンズ・ダイアモンド・ジュビリーは、エリザベス女王が戴冠した1952年の2月6日に熟成させたカスクを、60年後のダイアモンドジュビリーにボトル詰めした記念ボトルです。
熟成年数は驚異の60年であり、数あるマッカランの中でも最高クラスに希少なボトルとなっています。
マッカランのおすすめの飲み方を紹介します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
マッカランはストレートで非常に飲みやすいため、最初に飲むならストレートで飲むことをおすすめします。
ドライフルーツの甘さとジンジャーのようなスパイス感など、香りや風味を余すことなく味わえます。
また、ストレートに挑戦するなら、水や炭酸水などウイスキーを飲んでから追いかけるように飲むチェイサーの用意を忘れないようにしましょう。
ストレートで美味しいウイスキーの条件はこちらの記事で紹介しています。
ストレートで美味しいウイスキーの条件とは?おすすめの銘柄4選
ロックもマッカランの風味を崩さずに飲むことができるため、おすすめの飲み方となっています。
注意点としては、氷が急激に溶けてしまうとマッカランの味わいが大きく変化し、本来の風味が損なわれてしまうため、丸氷の用意やグラスを冷やすなどの工夫が重要です。
ロックで冷やしながら氷が溶ける前にマッカランを素早く飲むか、ゆっくりと飲みながら氷が少しずつ解けるのを待ち、小さな味わいの変化を楽しむのもおすすめです。
ロックのおすすめの飲み方と美味しい作り方はこちらの記事で紹介しています。
ウイスキーのロックのおすすめの飲み方は? おいしく飲むための作り方もご紹介
マッカランをハイボールで飲むのはもったいないと感じるかもしれませんが、実はウイスキー初心者の方には飲みやすくおすすめの飲み方です。
特にトリプルカスク 12年のように現在では終売していますが、低価格で購入しやすかったマッカランと相性が良く、爽快感のある飲み心地が相性が良く魅力的でした。
ウイスキーを飲み慣れていない方や、まだマッカランのハイボールを試していない方は一度試してみるのもおすすめです。
マッカランのハイボールについてはこちらの記事でも紹介しています。
マッカランをハイボールで飲むのはもったいない?おすすめの飲み方とは
マッカランの種類と味わいを解説しましたが、マッカランの種類は限定ボトルを含めれば非常に豊富であることから、この記事では紹介しきれていない銘柄もあります。
ただし、サントリーが日本に輸入しているボトルは網羅しており、最初に購入するのであれば12年・18年、ダブルカスク 12年などの銘柄がおすすめです。
シングルモルトのロールスロイスと呼ばれるスコッチウイスキーでも最高峰に位置するシングルモルトをまだ飲んでない方は一度飲んでみましょう。