山崎 ノンエイジ/NV(ノンヴィンテージ)とは? 味わいとおすすめの飲み方を紹介
- ウイスキー銘柄
ミルトンダフは、スコットランドのスペイサイド地域で製造されるシングルモルトウイスキーです。
バランタインのキーモルトとして知られており、バランタインズブランドとしてシングルモルトが販売されました。
フローラルで蜜のような甘みのある飲みやすいウイスキーですが、加水することで強くなる苦味を持っており、ライトな味わいで終わらない複雑な風味を持ちます。
この記事では、ミルトンダフの種類と味わい、おすすめの飲み方について解説します。
この記事のポイント
ミルトンダフとは、スペイサイド地域にあるミルトンダフ蒸溜所で製造されるウイスキーであり、スコッチの蒸溜所のなかでも中堅にあたる生産能力を持ちます。
ミルトンダフは、スコッチウイスキーのなかでも代表的なブレンデッドウイスキーであるバランタインのキーモルトであり、バランタインの味わいを構成する重要な要素です。
すっきりとしていて飲みやすい味わいになりますが、後味としてビターな風味とオーク由来のスパイシーさがあり、バランタインよりも個性的な味わいです。
ミルトンダフの歴史と製造方法について見ていきましょう。
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ミルトンダフは中世においては修道院であり、旧製粉工場、蒸溜所と形を変えてきましたが、修道院をルーツに持ち、現在も修道士が住んでいます。
かつては修道士たちが密造によってウイスキーを製造してきましたが、1824年から合法的なウイスキーの製造がミルトンダフ蒸溜所で始まります。
アンドリュー・ピアリーとロバート・ベインの2人によってミルトンダフ蒸溜所が正式に設立され、ミルトンはかつて製粉工場であったことから「工場のある場所」を意味するミルトンと名付けられ、ダフはこの地をダフ一族が所有していたことから付けられました。
1936年にカナダの蒸留酒メーカーであるハイラム・ウォーカー社に買収されたことを理由に、バランタインのキーモルトとして生産されるようになります。
ブレンデッドウイスキーの原酒としてバランタインの売上に大きく貢献しましたが、そもそもシングルモルトとして販売される機会があまりなかったため、シングルモルトとして評価されることはほとんどありませんでした。
しかし、2017年にバランタインズブランドとしてミルトンダフがシングルモルトとして発売されたことにより、シングルモルトとして日の目を見ることになりました。
バランタインについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
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ミルトンダフ蒸溜所で製造されるウイスキーの仕込み水は、ブラックバーンの水を使用しています。
蒸溜所の周辺を流れるブラックバーンは、透明で良質な軟水であり、かつての修道士たちもブラックバーンの水を使用してウイスキーを製造してきました。
麦芽はノンピーテッドであり、熟成にはファーストフィルのアメリカンオーク樽が使用されています。
年間生産量のほとんどバランタインのキーモルトとして使用されており、シングルモルトとして販売されるのはその一部になります。
ミルトンダフ蒸溜所の詳細についてはこちらのページからチェックできます。
ミルトンダフ蒸留所 - Miltonduff DISTILLERY
ミルトンダフは、主にボトラーズからシングルモルトが発売されたケースや、なぜかグレンバーギ蒸溜所で作られたものもあり、オフィシャルボトルという立ち位置にあたるのは15年物のバランタインズブランドになります。
こちらのミルトンダフの味わいについて詳しく解説します。
画像引用:Amazon.co.jp
バランタインのキーモルトとして構成されているミルトンダフをシングルモルトとして発売したボトルです。
フローラルでシトラスのようなすっきりした香りがありますが、ピート香とは異なる藁を焼くような香ばしい香りも感じられます。
蜜のような甘味と、麦芽の味わいが感じられますが、加水することで目立つようになるビターな味わいも特徴的です。
フィニッシュにはオーク由来のスパイシーさが後味として残りやすく、軽くて飲みやすいだけでない主張のある個性を持っているといえるでしょう。
バランタインが好きな方でシングルモルトを含めて飲み比べをしたい方や、ミルトンダフを試し飲みしたい方におすすめのボトルです。
ミルトンダフを飲む手段はオフィシャルボトルにこだわらないのであれば、ボトラーズを頼ることもできます。
ボトラーズに関する詳しい解説と、ボトラーズの一覧ページは下記になります。
ボトラーズウイスキーとは? 3つの特徴と7つのブランドを紹介
ミルトンダフのおすすめの飲み方を紹介します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
バランタインズブランドのミルトンダフは加水すると苦味が強くなるので、水割り・ハイボールといった飲み方をする場合は注意が必要です。
そのため、ミルトンダフはそのままの味わいを堪能するためにもストレートがおすすめの飲み方となっています。
バランタインには17年物があり、15年物であるミルトンダフと構成する原酒の熟成年数が近くなることから飲み比べるとバランタインのどの味わいを担っているのかがわかりやすいので、楽しみ方としてもおすすめです。
ストレートで美味しいウイスキーの条件についてはこちらの記事をチェックしてください。
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ミルトンダフは苦味のある風味が好きな方以外は加水することを推奨しないため、ストレートではなくロックで飲むのも選択肢であり、ストレートとは異なる魅力を持っています。
果実の香りが強くなり、より爽やかで甘い風味に変化するので、ストレートよりも好きな方もいるかもしれません。
ストレートを試した後にロックを試してみるのが良いでしょう。
ロックをおいしく飲むための作り方についてはこちらの記事で紹介しています。
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ミルトンダフは、シングルモルトとしては現在ではバランタインズブランドでしか一般的に入手が難しく、限定的に販売されたオールドボトルや、ボトラーズ以外にシングルモルトとして飲むが難しい銘柄です。
そのため、基本的にはバランタインから発売されているシングルモルトを探すことをおすすめしますが、オフィシャルボトルよりも入手難易度が低いことからボトラーズに頼るのも良いでしょう。