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- ウイスキー基礎知識
シングルモルトウイスキーは個性的な銘柄が多く、主にスコットランドと日本で製造されたウイスキーが人気となっています。
世界中のウイスキー愛好家が絶賛するシングルモルトは、初心者の方で飲んだことがない場合は飲んで欲しいウイスキーです。
しかし、シングルモルトウイスキーといっても味と価格はさまざま、どの銘柄を選べばいいのか分からない方も多いと思います。
この記事ではシングルモルトウイスキーの選び方について解説し、おすすめのシングルモルトの種類も紹介します。
この記事のポイント
シングルモルトウイスキーは単一の蒸留所でブレンドされたモルトウイスキーのことを指します。
モルトウイスキーとは大麦を原料にして製造されたウイスキーのことであり、スコットランドでは大麦を100%原料にしていることが条件です。
ウイスキーの製造国によってモルトウイスキーの基準は異なるので、国によっては大麦以外に別の原料を使用している場合もあります。
ウイスキーはさまざまな原酒をブレンドして作るお酒であり、ジョニーウォーカーや、バランタインをはじめとするブレンデッドウイスキーはさまざまな蒸留所で作られた原酒を混ぜて作ることが前提です。
シングルモルトウイスキーも熟成期間の異なる原酒をブレンドして作るウイスキーですが、1つの蒸留所で製造されたモルト原酒のみを使用して作るため、蒸留所の特徴が出やすくなります。
蒸留所ごとの個性を楽しめるのがシングルモルトウイスキーの醍醐味といえるでしょう。
モルトウイスキーについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
ウイスキーのモルトとは?モルトウイスキーの種類と飲み方を紹介!
シングルモルトウイスキーは蒸留所の個性が出やすいウイスキーであると解説しましたが、スコットランドだけでウイスキーの蒸留所は100以上あります。
つまり、一言でシングルモルトといってもその種類は非常に豊富であり、味も価格も異なります。
その中でも合うウイスキーと合わないウイスキーがあることでしょう。
ここからは、シングルモルトのおすすめの選び方について解説します。
5大ウイスキー世界的なウイスキー生産国として知られている5つの国のウイスキーです。
ウイスキーの種類 | 特徴 |
スコッチウイスキー | 甘くて飲みやすい銘柄が多いが、スモーキーな香りが特徴の個性的な味わいも |
アイリッシュウイスキー | すっきりとした味わいで、原材料である穀物の風味を感じやすい |
アメリカンウイスキー | 独特の甘みが楽しめる、バーボンウイスキーが代表的 |
カナディアンウイスキー | マイルドでクセのないスパイシーさを感じられる |
ジャパニーズウイスキー | スコッチウイスキーを参考に独自の発展を遂げた、現在は世界で人気を集める |
シングルモルトウイスキーに関わらず、初心者がウイスキーを選ぶなら5大ウイスキーの中から選ぶのがおすすめです。
また、5大ウイスキーの中でもシングルモルトが人気なのはスコッチウイスキーとジャパニーズウイスキーになります。
他の5大ウイスキーにもシングルモルトはありますが、特に理由がなければスコッチかジャパニーズから選ぶのがよいでしょう。
5大ウイスキーについてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
世界の五大ウイスキー!産地によって香りや味に違いが出る理由とは?
スコッチウイスキーからシングルモルトを選ぶなら産地ごとの特徴を理解しておくと選びやすくなります。
種類 | 特徴 |
アイラ | スモーキーな香りが強く、個性的なウイスキーが多い |
アイランズ | 共通した特徴が少ないが、海に近い蒸留所は潮気がある |
キャンベルタウン | 潮気と甘みが混じる独特な味わいがある |
スペイサイド | フルーティーな風味で飲みやすく初心者向け |
ハイランド | 範囲が広く地域によって特徴が異なるが、東側はスペイサイドの銘柄に近い |
ローランド | クセが少なく飲みやすいウイスキーが多い |
初心者向けで飲みやすいウイスキーを探すならスペイサイド、個性的なウイスキーを探すならアイラ島が人気です。
他の地域にも魅力的な銘柄はありますが、シングルモルトを飲み慣れていない場合は目的に合わせて2つの地域から探すと自分に合った銘柄が見つけやすくなります。
シングルモルトウイスキーは蒸留所の個性が際立つ銘柄であるため、有名な蒸留所であるスペイサイドのマッカランや、日本の山崎など知っている蒸留所のシングルモルトを選ぶのもよいでしょう。
探したいウイスキーの特徴が決まっている場合は産地から選択すると、その産地にある銘柄や蒸留所を選びやすくなります。
ウイスキーの製造において重要なのは、原酒を熟成させるための樽(カスク)になります。
なぜなら、ウイスキーは熟成のために10年、場合によっては30年以上も樽の中で寝かせることになるからです。
長い熟成期間を経て、樽の中の成分が溶け出すことで、ウイスキーは美しい琥珀色で深みのある味わいに変化していきます。
ウイスキー樽の種類にはウイスキーにフルーティーな風味を与えるシェリー樽や、バニラやキャラメルのような甘みを与えるバーボン樽があります。
熟成期間を経るほどウイスキーの味わいはまろやかでありながら、複雑で深みのある味わいに変化します。
しかし、熟成期間の長いウイスキーは価格も高くなるので注意が必要です。
初心者の方はシェリー樽やバーボン樽などの代表的な樽の簡単な特徴を理解して、まずはスタンダードボトルや10年、または12年ものから購入するのがよいでしょう。
ウイスキー樽について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
ここからはシングルモルトウイスキーでおすすめの種類を紹介します。
地域 | 銘柄 |
スコッチ(スペイサイド) | マッカラン |
ザ・グレンリベット | |
スコッチ(アイラ) | ラフロイグ |
ボウモア | |
スコッチ(ハイランド) | グレンモーレンジィ |
スコッチ(アイランズ) | タリスカー |
ジャパニーズ |
山崎 |
余市 |
マッカランはスコットランドのスペイサイドを代表する高級ウイスキーであり、日本でも人気の高いシングルモルトになります。
シングルモルトのロールスロイスとも呼ばれるマッカランは、シェリー樽熟成にこだわった世界中の愛好家に高く評価される銘柄です。
フルーティーな風味となめらかな口当たりにスパイシーな後味は、ウイスキーへの苦手意識があってもそれを変えてしまうほど魅力的な味わいとなっています。
ただし、価格は12年物でも他のシングルモルトと比較して値が張るので、予算が足りない場合は別の銘柄を検討しましょう。
マッカランについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
ザ・マッカランは種類豊富なウイスキー!味とおすすめの飲み方は?
ザ・グレンリベットはマッカランと同じスペイサイドで製造されるシングルモルトで、初心者から愛好家まで幅広い層に人気があります。
ゲール語で「静かな谷」を意味するこの蒸留所は知名度が高く、この人気にあやかろうと新しく設立した多くの蒸留所がグレンリベットを蒸留所名に組み込んだことも。
青りんごや柑橘類の爽やかな甘い風味と芳香な香りが特徴で、ハチミツのような甘みが余韻として残ります。
価格も12年物であれば安いので、ウイスキー初心者で飲みやすいシングルモルトを選ぶならこちらの銘柄がおすすめです。
ザ・グレンリベットについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
シングルモルトウイスキーのザ・グレンリベットとは?種類も紹介!
ラフロイグはスコットランドのアイラ島を代表する強い個性が特徴のシングルモルトになります。
アイラモルトの特徴は燻製のようなスモーキーな香りですが、アイラウイスキーの中でもこの個性が強いことから「アイラモルトの王」とも呼ばれます。
強いスモーキーな香りは少し口に含むだけでも鼻腔を強く刺激し、オイリーで濃厚な味わいに加えて潮気のあるドライな後味が特徴です。
個性の強いシングルモルトを選ぶならラフロイグがおすすめになります。
ラフロイグについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
アイラウイスキーのラフロイグとは? 種類や風味の特徴を解説!
スコッチウイスキー特有のスモーキーな香りを感じられるのがアイラモルトになりますが、ラフロイグよりも個性が弱く、バランスの整った完成度の高い銘柄を選ぶならボウモアが候補です。
ボウモアはアイラモルトの中でも優しい味わいであることから「アイラの女王」と呼ばれています。
スモーキーな風味をしっかりと感じられるものの、フルーティーで蜜のような甘みがあります。
ウイスキー初心者で個性の強いシングルモルトを飲むなら、まずはボウモアから挑戦してみるとよいでしょう。
ボウモアについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
ボウモアは潮風感じる島のウイスキー!種類とおいしい飲み方は?
スコットランドの産地の中でも最も範囲が広いハイランド地域でおすすめのシングルモルトはグレンモーレンジィになります。
愛好家からは高く評価されており、その完成度の高さから「完璧すぎるウイスキー」と呼ばれるほどです。
フローラルな香りにパッションフルーツの爽やかな甘みが広がり、バニラと白桃の甘みが後味になります。
シングルモルトの中でも完成度が高いウイスキーを選ぶなら、製造方法にも大きなこだわりがあるグレンモーレンジィ蒸留所を選ぶとよいでしょう。
グレンモーレンジィについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
グレンモーレンジィは稀有なウイスキー!種類や味おすすめの飲み方は?
スコットランド本土やアイラ島以外の島で製造されたアイランズの代表的なシングルモルトにはスカイ島で製造されたタリスカーが挙げられます。
スカイ島に唯一現存している蒸留所がタリスカー蒸留所であり、海に近い場所に蒸留所を構えています。
スモーキーさと潮気のある香りに、コショウのようなスパイシーな味わいが特徴です。
ストレートで飲むことが推奨されることが多いシングルモルトの中でも、スパイシーな味わいがハイボールに合うと評価されている銘柄になります。
タリスカーについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
スコッチウイスキー『タリスカー』の種類とおすすめの飲み方をご紹介
ジャパニーズウイスキーのシングルモルト中でも代表的な銘柄がサントリーの山崎蒸留所で製造される山崎です。
日本特有のミズナラ樽で熟成された原酒は他のウイスキーにはない芳香な香りを持っており、世界中のウイスキー愛好家から評価を受けています。
フルーティーな香りと甘さで飲みやすいながらも深みのある味わいが特徴です。
山崎は品薄状態であり入手困難となっているので、定価よりも高い価格でしか購入できない可能性があります。
山崎の価値や、山崎を購入する方法について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
余市はニッカウヰスキーが製造するシングルモルトであり、ジャパニーズウイスキーの中でもスコッチの特徴を多く踏襲した銘柄となっています。
創業者の竹鶴政孝氏はスコットランドの蒸留所でウイスキーの製造を学んでおり、その経験を活かして作られたシングルモルトが余市です。
スコッチ特有のスモーキーな香りに加えて甘酸っぱい果実香が感じられ、原料であるモルトの味が感じられる銘柄となっています。
ジャパニーズウイスキーでスコッチの特徴を持ったシングルモルトを探している方におすすめです。
余市について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
ウイスキー余市の特徴と種類!味わいを堪能するおすすめの飲み方は?
最後にシングルモルトウイスキーのおすすめの飲み方を紹介します。
シングルモルトウイスキーを楽しむなら、まずはストレートで飲むことをおすすめします。
ウイスキーの香りや味わいを堪能するなら、ストレートが最も適しているからです。
ただし、ストレートで飲む場合は強いアルコールで舌が麻痺しやすくなるので、チェイサーの用意を忘れないようにしましょう。
チェイサーはウイスキーの後を追うように飲む水のことであり、基本的には真水ですが、炭酸水や牛乳をチェイサーにする人もいます。
アルコールに強くない人も一口ふくむだけでもいいので、まずはストレートで飲むようにしましょう。
ウイスキーの香りや味わいを損ねずに、アルコール度数だけを下げる飲み方にはトワイスアップがあげられます。
ウイスキーと同量の常温水をグラスに混ぜることで、香りが引き立ちやすくなり、度数も下げられます。
香りを楽しみたい人や、アルコールに弱い人におすすめの飲み方です。
クセが強く最初は飲みづらいラフロイグや、ハイボールが合うタリスカーのようなシングルモルトはハイボールで飲むのもおすすめです。
ハイボールはスコッチ特有のスモーキーな香りやクセを弱くした上で、爽快な飲み心地になるためウイスキー初心者に向いています。
アルコール度数も大きく下がるので、ストレートやトワイスアップで飲みにくい場合はハイボールを試してみましょう。
シングルモルトウイスキーはスコットランドか日本から選ぶのがおすすめであり、スコッチを選ぶなら産地ごとの特徴を理解して自分に合ったウイスキーを探してみましょう。
初心者で飲みやすいウイスキーを探すならスペイサイド、個性の強いシングルモルトに挑戦するならアイラと覚えておくと見つけやすいです。
また、同じシングルモルトでも飲み方を変えるだけでさまざまな面が見えてくるのも魅力であるため、さまざまな銘柄を豊富な飲み方で飲んでみると世界が広がりますよ。