山崎 ノンエイジ/NV(ノンヴィンテージ)とは? 味わいとおすすめの飲み方を紹介
- ウイスキー銘柄
ティーチャーズはスコットランドで150年もの歴史を誇るブレンデッドウイスキーです。
ウィリアム・ティーチャーという人物がブレンダーでしたが、自分のバーで提供していたこのウイスキーが好評であったために製造に踏み切ったとされています。
ウィリアム・ティーチャーはグラスゴーの貧しい家庭から独学でウイスキーのブレンディングを学び、このティーチャーズを世に放ちました。
独特のスモーキーでピーティな味わいはハイボールにもぴったり!
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辛口で、食事にも合わせやすくグイグイ飲めてしまいます。
コストパフォーマンスもいいので、スモーキーなウイスキーが手軽に飲めるのもいいですね。
しかし、お手頃価格だからといって150年という長い歴史を持つ老舗ならではの本格派な特徴もあるのでご紹介します。
この記事のポイント
ティーチャーズがコスパが高いといわれる所以は品質が高いわりに価格が低いということにつきます。
その理由はモルトの含有量が他のブレンデッドウイスキーよりも高いこと。
通常のブレンデッドウイスキーはモルトの含有量が30%とされているのですが、ティーチャーズは45%以上もあるのです。
モルトウイスキーの魅力については以下の記事を御参考ください。
ウイスキーのモルトとグレーンとは?ブレンデッドについても解説
モルトの含有量が高いのに、お店では700mlボトルも1,000円前後で買えてしまう!これは魅力的ですね。
それでいて、「スコットランドの光」と称されるほど美しい色も持ち合わせています。
気になるキーモルトですが、アードモアとグレンドロナックが使われています。
ちなみに、キーモルトというのはブレンデッド・ウイスキーを作る時に、シングルモルトとグレーンウイスキーをブレンドするのですが、各ブランドごとに、主軸となるモルトが決まっています。
それをキーモルトといいます。
どっしりとしたスモーキーさを味わえるのはキーモルトの含有量の高さによるものだったわけですね。
ティーチャーズのキーモルトの中でも特に重要なのがアードモア蒸留所の原酒です。
アードモアのピートを焚いて麦芽を発芽させる製法です。
ピート(泥炭)を焚いた熱で麦芽を発芽させる為、麦芽にスモーキーな香りが宿りそれを原酒にも反映させるのです。
仕込み水にはアードモア蒸溜所に近いノッカンディの丘の泉から湧き出る、清冽なハイランドの水を引き込んでいるというこだわりも見られます。
重厚なスモーキー感はアードモアが一役かっており、グレンドロナックはというとカラメル感や麦芽の香りや味わいをプラスしているわけですね。
この2つの個性あるキーモルトにグレーンウイスキーの滑らかで柔らかい感じが加わって三位一体となり、秀逸なブレンドスコッチ、ティーチャーズが完成するというわけです。
ティーチャーズの名前に由来する創業者のウィリアム・ティーチャーは幼い頃から商いに触れて育ったといわれています。
貧しい家だったものの、商いには品位と信頼が必要だということを学び、酒税法の改正を機にショットバーを開店すると、すぐにクラスゴーでは品位のある格式店として注目を集めることになりました。
何と、ウィリアムがクラスゴーでウイスキーを製造しようと志したのは12歳のことでした。
ここまでの知識は実は11歳の時に働きに出た仕立屋のオーナー、ロバート・バーに出会い人生の転機を迎えたのがきっかけでした。
母子家庭で育ったウィリアムにロバート・バーが父親代わりとなって教育的なことを授けたのです。
ウィリアムは手伝っていた食料品店のだった恋人、アグネス・マクドナルドと結婚し、1834年にショットバーを開店させました。
クラスゴーでお店を成功させたウィリアムは2号店をロンドンに開店し、ウイスキーボトルを売るための酒類販売免許を取得し、1860年に「ティーチャーズ ハイランドクリーム」の誕生
ティーチャーズ一家がクラスゴーからロンドンへ移り住んで8年後のことでした。
高品質でありながら、万人に手に取ってもらえるウイスキーが作りたいという想いがついに実った瞬間でしたが、ウイスキー誕生から15年ほどでウィリアムは亡くなります。
しかし、ウィリアムの息子たちが遺志をついで輸出事業に乗り出したことにより、ウィリアム・ティーチャー・アンド・サンズ・リミテッド(William Teacher & Sons Ltd)はますます飛躍をとげることとなります。
そして、更に質の高いモルトウイスキーの生産をもくろみ、1899年その地にアードモア蒸溜所を設立しました。
1960年にはアードモアの近くにあったグレンドロナック蒸溜所を買収。
その後、不況・増税などの影響で憂き目を見たかと思えば、アメリカにおける禁酒法撤廃によって活況に転じ、また1976年石油危機に端を発する不況下での売上減と不況と活況を繰り返す波乱万丈な一途をたどります。
1976年にティーチャー一家での経営に終止符を打ち、アライドグループの傘下に入り現在はビームサントリー社が所有しています。
そして現在もアードモアとグレンドロナックで作られるモルト原酒は、今でもティーチャーズのキーモルトとして、独特な味わいや風味を守り続けているのです。
ティーチャーズの商品ラインナップをご紹介します。
画像引用元:サントリーホームページ
ティーチャーズハイランドクリームはティーチャーズの看板、オフィシャルボトルといっていいでしょう。
スーパーやコンビニで1,000円前後で購入できるお手軽に楽しめるボトルです。
ハイランドモルトであるアードモアモルトをキーに、多数のモルトウイスキーを使用。
お手軽価格なのに、こだわり抜いたモルトウイスキーのブレンド比率が高く、アードモアモルト独特のさわやかなスモーキーフレーバーが飲みやすく美味しいです。
グレーンウイスキーは原料がトウモロコシのもの2タイプ、そして小麦1タイプの3種をブレンドに使用しています。
150年以上、変わらない製法で、その香味づくりはブレンデッドスコッチの王道と呼べるものでしょう。
テクスチャはその名の通りクリームのようなまろやかな口当たり。
アロマは重ためのスモーキーですが尖った感じはなく丸みお帯びています。
熟した洋ナシやリンゴの甘さも鼻をかすめます。
味わいは甘い穀物のコクが絹のように滑らかです。
フィニッシュは豊かな風味の爽やかな余韻を残しゆっくりと去っていきます。
画像引用元:サントリーホームページ
ティーチャーズセレクトは2018年の5月にリリースされたコンビニ限定ボトルです。
ティーチャーズを試してみたいけど、700mlは多すぎる!という人にもしくはテイスティング程度に飲みたいという方にもぴったりの350mlサイズのボトルもコンビニ限定で販売されています。
ハイランドクリーム同様にこちらも高いモルト比率を保ちつつ、また一味違った味わいを演出しています。
ハイランドクリームよりもスモーキーさが穏やかで抑えられ、青リンゴのフルーティーさが前に出ているのが特徴。
日本限定品でサントリーのブレンダー監修のもとに日本人の味覚を意識して作られました。
350ml入りボトル、価格は600円台といったところ1,000円でおつりが来てしまうウイスキーです。
ティーチャーズはハイボールのために作られたお酒といっても過言ではないくらいです!
是非ハイボールでティーチャーズを堪能してください。
なぜ、ティーチャーズがハイボールに合うかというと心地よいスモーキーさがあるからです。
スモーキーと甘さに、炭酸の爽やかさが加わり、より複雑で深みのある味わいになります。
爽やかなスモーキーさと力強いコクを同時に味わえる上に、非常に飲みやすくもなるのがおすすめです。
ただ、長熟成の銘柄は経年により辛味やピーティさが抑えられているので、そのままダイレクトにストレートで味わうのが適しているでしょう。
ティーチャーズの他にウィリアム・ティーチャー&サンズ社はコルクボトルキャップを初めて世に送り出しました。
更に1898年には従来のコルクに変わる新たなボトルキャップをアダムの甥にあたるウィリアム・マネラ・バーギスが開発。
ワインのようにコルク抜きを必要としないこのコルク栓は、ウイスキーボトルのスタンダードとなりました。
ウィリアム・ティーチャーの一族は生まれ育った環境に左右されることなく勤勉で大成功を収めましたね。
ティーチャーズの味のレベルも年々上がってきており、この価格で買うのが申し訳なくなってきます!