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ウイスキーの熟成期間による味の変化とカスク(樽)の役割について

2021.07.03 / 最終更新日:2021.10.23

「熟成」とは食品を何年、何十年も費やして進化させ元の状態よりも味わい深いものに生まれ変わらせる製法です。
非常に時間や手間がかかるため、大変希少価値が高いと言えます。

ウイスキーも熟成が決めてとなり、大量生産ができないのでわずかな商品に多くの人買い手希望者が集まることもあります。

例えば、10年か20年前に購入したウイスキーを飲まないで忘れていたら、いつの間にか結構な高値になっていた!なんていうこともあります。

ウイスキーカスク投資においては、絵画や宝飾品等と同じく嗜好品としての資産として所有していたウイスキーが投資対象になるので、他の投資よりわかりやすく馴染みもあり、始めやすいでしょう。

ウイスキーにおいて熟成は非常に重要です。
さらに、熟成で使用するカスク(樽)へのこだわりも風味や味わいに深く関係してくるのではずせません。

今回はウイスキーの熟成とカスク(樽)の役割についてついてまとめます。

この記事のポイント
・ウイスキーの製造過程・熟成期間別の味わいの差を考察
・カスクに使用する木の種類によって異なるウイスキーの味わいについて考察

1.熟成年数で違うウイスキーの味わい

 

熟成年数によって変わる味わいの特徴をみていきましょう。

ちなみにお店で売られているガラスボトルに入ったウイスキーで~年以上とラベルに記載があるウイスキーがありますが、こちらはブレンダーというウイスキーに特化した技術者が味の統一感をはかりながら、調合したウイスキーです。

そのため熟成期間が異なるウイスキーがブレンドされていることもあります。

ボトルのラベルに記載する熟成期間はブレンドした中で一番期間が浅いウイスキーを記載されています。

「~年以上」なのでその期間より長い期間熟成されたウイスキーもブレンドされている可能性がある、ということです。

1-1.ニューメイク(熟成期間~3年)

蒸留を終えたばかりの酒を指します。

蒸留酒を樽に入れて熟成させることでウイスキー特有の琥珀色になります。

ニューメイクの段階では無色透明の酒です。

熟成していないので、アルコール度数がかなり高いので水割りで飲んだほうがいいでしょう。

口あたりは荒々しいと表現されることが多く、通常のウイスキーと一風変わった味わいになるので通好みの一品と言えるでしょう。

1-2.エマージング(熟成期間3年~10年)

熟成期間が短いウイスキーは特徴としてキリリとした強みがあります。

熟成期間が長いほど価値があり、味も深みが増すと思われがちですが、原材料を感じさせる

味わいならではの爽やかさが好まれています。

蒸留後の数週間は使われていた樽の種類によってお酒に影響が出ます。

そのため、果実が入っていた樽の熟成期間の短いウイスキーはフルーティな味わいを感じることができます。

1-3.ブルーチップ(熟成期間30年以上)

ここまで長期間の熟成となると希少価値、価格ともに高い非常に贅沢なウイスキーとなり、まさに最高品質銘柄といえるでしょう。

高級感を漂わせるまろやかな味わいが特徴です。

熟成期間が長くなるほど深みのあるコクが味わえます。

2.ウイスキー熟成前の製造過程

 

2-1.ウイスキーは蒸留酒

ウイスキーは他のお酒に比べてアルコール度数が高いのはその製造過程が深く関わっています。

原料を酵母の力でアルコール発酵させてできるのが醸造酒ですが、その醸造酒をアルコール気化させて冷やしたのが蒸留酒です。

蒸留酒を熟成させることで、ウイスキーになります。

アルコールを気化して冷やす「蒸留」の手順をを分かりやすく言うと以下の通りです。

1.液体を沸騰させる
2.沸騰して湯気となった気体を集める
3.集めた湯気を冷やし液体にする。

アルコールは沸点が低いため、アルコール以外の成分があまり出てこず、純度の高いアルコールが抽出される結果、アルコール度数が高いというわけです。

水の沸点が100度なのに対しアルコールの沸点は約78度です。

この段階ではウイスキーの元となる蒸留酒は無色透明であり、樽に入れて熟成させることでウイスキー特有の琥珀色になります。

蒸留酒を全般的にスピリッツとしていますが、英語で「」という意味をもつことから、「火の酒」と呼ぶこともあります。

これは高温で沸騰させたり、身体が燃えるほどに高いアルコール度数であることから親しみをこめて呼ばれるようになったのではないかと言われています。

2-2.蒸留酒と醸造酒

蒸留酒 ウイスキー・ウォッカ・リキュール・ジンなど製法からアルコール度数が高めのお酒が多いです。
醸造酒 ビール・日本酒・ワインなど原料に糖分が含まれているお酒です。

お気づきかとは思いますが、上記の例から醸造酒がそのままで飲むのに対し、ウイスキーをはじめとする蒸留酒はストレートで飲む以外にも水で割ったり、カクテルにしたりと様々な飲み方ができるお酒になります。

ウイスキーはアルコール成分のみを抽出するという製造工程から、殆ど糖質が含まれておらず、カロリーが気にならないという利点があります。

3.ウイスキー熟成の必需品カスク

3-1.カスク(樽)とは

 

熟成の必需品であるカスク(樽)のご紹介をいたします。

カスク(樽)とはウイスキーの熟成に使用する円筒形の木樽です。

カスク(樽)はウイスキーの貯蔵だけでなく、香味や味わいに大きく影響を与えますが、使われる木の種類によって各々の特色が出ます。

使われる木材は主にオーと呼ばれるブナ科の広葉樹で家具などにもよく使われており親しみ深い木です。

その中でもウイスキーに使用されるのはアメリカンオークやヨーロピアンオークが主流で種類によって風味にも違いがあります。

カスクの種類について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。

ウイスキーカスクの種類と用語を徹底解説!

3-2.カスクのに使う木の種類

樽に使用される木の特徴をみていきましょう。

 

アメリカンオーク

甘いバニラのような香りを漂わせながらも、長期熟成させるとココナッツバナナといった南国のフルーツテイストのような味を思わせるウイスキーを作り出す木です。

甘みの中に特有のスパイシーさも感じられます。

シェリー酒によく使用されます。

ヨーロピアンオーク

ヨーロピアンオーク樽で熟成させたウイスキーはレーズン蜂蜜をまぜたようなドライフルーツのように感じられる風味の中にかすかにバニラを感じられます。

ミズナラ(ジャパニーズオーク)

ミズナラは独特の強い香りをはっきりと感じることができます。

ココナッツ南国のフルーツのような香りです。

中々流通しない希少な木樽です。

ミズナラの主な生産地は北海道で、本来はウイスキー樽としての活用はしていませんでした。

では、なぜ「ミズナラ」をウイスキー樽として使用するようになったか、それは1940年にさかのぼります。

日本は太平洋戦争のさなかであり、諸外国との国交も悪化していたため、木樽を輸入することに困難を極めました。

ウイスキーの熟成に適している木材を探し求めた結果、ミズナラに行きついたというわけです。

とはいえ、ウイスキー樽としての活用までには数々の困難を極めました。

様々な試行錯誤の結果、日本が誇る唯一無二の味を作り出すウイスキー樽として生まれ変わったのです。

樽の再利用

 

以前他のお酒の熟成に使用していたウイスキー樽を再利用してシェリー樽・スコッチウイスキー樽として生まれ変わります。

樽を再利用することで、タンニンが濃くなり、木の風味がより身近なものになり。味わい深いコクを感じることができます。

これは、以前貯蔵していたお酒の影響を大きくうけることが香味に影響しているためです。

樽が不足しているから仕方なく再利用していると考えがちですが、そうではなくウイスキーの味わいのためなのです。

「シェリー樽」はシェリー酒の貯蔵されていた樽ですが、ワインの部類であるシェリー酒には

ポリフェノールが多く含まれており香りも強く感じられるので非常に人気があります。

他にも様々な種類の樽の再利用はありますが、シェリー樽は人気のためその数も少なく希少です。

3-3.樽の大きさと熟成の関係

熟成は木材の種類だけでなく、大きさも影響します。

小さい樽の方がウイスキーの熟成が早く進むという特徴があります。

なぜかというと、樽が小さい方がスピリット(蒸留酒)が樽の木材に触れる表面積が大きいので木から放出される香りや成分などを吸収しやすいからといわれています。

4.樽の保管

4-1.純度を保つウイスキーカスク

ウイスキーはカスク(樽)の中で日々熟成していますが、ひとたび樽から出してしまうと熟成が止まってしまいます。

すぐに飲まないのであればカスク(樽)で保管するのが、最適です。

ただ、樽から出して瓶で保管する場合、熟成は止まりますが、すぐに味が落ちることはなく、保管も風通しのいい涼しい場所に置いておけばいいので管理にも手間がかかりません。

ウイスキーを楽しみながら、長期的に成長に向けた投資を行うにはもってこいなのがウイスキーカスク投資の醍醐味です。

対して醸造酒のワインや日本酒などは保管が難しく酸化しやすいので、長期投資には不向きです。

ワインはどんなに上質なものでも、開封してしまうと約1週間程度で味が落ちてしまいます。

自宅で保管するときも一度あけたものはなるべく品質が落ちないように冷蔵庫保管する必要があります。

ガラスボトルのウイスキーも開封すれば劣化はしますが、約3か月位から少しづつ味に変化がみられるので、ワインよりも酸化のスピードはゆっくりです。

ウイスキーに消費期限はないため、商品として購入されたガラスボトルでも未開封であれば買取ってもらえます。

4-2.樽の保管場所

カスクを購入したいが、そんな大きな物を置いておく場所はない、と心配されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

通常、ウイスキーカスク投資は中身のウイスキーを買います。

保管はカスク・インベストメントが選定した世界有数の蒸留所で安全にお預かりしています。

希望する時にボトル詰めできるので樽を保管する場所は必要ありません。

大好きなウイスキーを飲むもよし、売却するもよしです。

4-3.蒸留所

 

前述の「蒸留所」ですが、一見するととウイスキーの工程のうち蒸留のみを指すと思われがちですが、ウイスキーを作る全ての工程を「蒸留所」が行います。

ご自身のウイスキーがどのような環境で生み出されているのか、また実際にウイスキーの製造工程を見学するのも楽しみの一つです。

ウイスキーの製造において水の品質は大変重要です。

そのため、多くの蒸留所は良質な水を生み出せる緑豊かな環境に所在しています。

また、非常に歴史のある建物です。

現在は新型コロナウイルスの影響で海外に行くことが中々難しいですが、収束後は自然豊かな環境にある蒸留所を見学して、非日常を味わうのも楽しいでしょう。

多くの場所ではテイスティング等も楽しめます。

ウイスキーを飲むだけでなく、ウイスキーカスク投資を通して教養を深めることで大人の趣味を持つという楽しみも増えることでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

カスク(樽)が熟成において、ウイスキーの味わいを変化させるほど重要な役割をになっていることがお分かりになったかと思います。

カスク(樽)の素材や大きさ等も様々な種類があります。

自分好みのカスク(樽)の香りからウイスキーを探してみるのも楽しいでしょう。

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