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- ウイスキー基礎知識
ウイスキー投資を検討する方に向けてウイスキーの基礎知識を解説していきます。
ウイスキーはその製法から蒸留酒と呼ばれますが、蒸留酒とは穀物や果物を発酵させたお酒のことで、蒸留して作ったお酒はアルコール度数が高くなります。
ウイスキーと蒸留酒の基礎知識とウイスキー以外の蒸留酒についても解説し、その中でなぜウイスキーが投資対象として優れているのかも説明しますので、最後まで読んでいただきウイスキーへの知識を深めていきましょう。
この記事のポイント
ウイスキーを含むお酒には大きく分けて蒸留酒と発酵酒(醸造酒)の2種類があります。
発酵酒(醸造酒)は穀類や果実を発酵させたお酒のことで、ワインやビールが含まれます。
蒸留酒は発酵酒を蒸留させることでアルコール度数を上昇させたお酒のことで、ウイスキー、焼酎、ウォッカ、ブランデーが該当しますね。
また、蒸留酒と発酵酒にハーブを加えて風味をつけたお酒は混成酒と呼びます。梅酒やリキュールなどは混成酒です。
発酵酒を蒸留させて精製するのが蒸留酒ですが、ウイスキーの元となる発酵酒のことをニューポッドと呼びます。
ニューポッドは無色透明であり、カスク(タル)で長い期間の間熟成させることで綺麗な琥珀色の液体に変化するのです。
意外かもしれませんが、ウイスキーとビールは同じ麦芽が原料となっているので実は非常に近いお酒です。
蒸留酒は発酵酒を蒸留させて作るので、発酵酒であるビールを蒸留すればウイスキーになるのではないかと思う人もいるかもしれません。
しかし、単純にビールを蒸留させるだけではウイスキーにはなりません。
これは麦芽を作るときの温度や、香りづけの工程、ウイスキーにはないビールの特徴であるホップなど、ニューポッドとビールに様々な違いがあることが理由として考えられます。
まずは、蒸留酒と発酵酒の違いも含めたウイスキーの基礎知識について解説しましたが、ここからは蒸留酒への理解をさらに深めるために蒸留酒を含めたウイスキーの歴史を解説していきたいと思います。
蒸留酒の歴史とウイスキーの歴史を確認していきましょう。
蒸留酒の始まりは未だに解明されていません。しかし、紀元前3,000年のメソポタミア文明の頃からアルコールの蒸留文化があったようです。
蒸留酒に関する最古の記録は、西洋最大の哲学者であるアリストテレスがワインからブランデーを蒸留したという記述があります。
哲学者としての印象が強いアリストテレスですが、実はお酒に関しても様々な記述を残しており「酔っぱらったときにビール以外のお酒を飲む人は様々な方向に転ぶが、ビールを飲む人は必ず後ろに転ぶ」といった記録もあります。
蒸留酒の発祥については具体的に分かりませんでしたが、ウイスキーの発祥も諸説あります。ウイスキーの歴史を簡単な年表にまとめました。
年度 | 出来事 |
1169年 | アイルランドでウイスキーを確認(説①) |
1494年 | スコットランドの王朝に記録を発見(説②) |
1800年頃 | カスクによる熟成を開始 |
1831年 | 連続式蒸留機の開発 |
イングランドの王、ヘンリ2世が1169年にアイルランドに出兵した際にすでにウイスキーが飲まれていたといわれていますが記録や明確な証拠はないようです。
一方で、1494年のスコットランド王室においてウイスキーを製造された最古の記録が存在します。
ウイスキーの発祥はアイルランドとスコットランドの2つの説があるのです。
18世紀までウイスキーはカスクによる長期間の熟成をおこなわず、ニューポッドの状態で飲まれることが一般的でした。
ところがスコットランドではウイスキーの製造業者が重い税金から逃れるために密造をおこない、密造したウイスキーをタルに保管したのです。
長期間タルに保管されていたウイスキーは私たちがよく知る琥珀色の香りの良いお酒に変わっていました。
スコットランドにおけるウイスキーの密造がカスクによるウイスキーの熟成の始まりとされています。
1831年には1つの蒸留機の中で何度も蒸留を繰り返せる連続式蒸留機が開発され、ウイスキーを安価で大量生産ができる体制が整ったおかげで世界に広まっていくこととなりました。
以上がウイスキーの歴史になります。今回はウイスキーを含む蒸留酒について理解していただきたいので、蒸留酒の種類について解説していきます。
ウイスキーは大きく分けて5つの種類があります。
ウイスキーの基本についてさらに知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
【ウイスキー樽の投資を始める前に知っておきたいウイスキーの基本:第1回】
スコッチウイスキーは公的な記録を基に考えるならウイスキー発祥の地であるスコットランドで生成されるウイスキーのことです。
スコッチウイスキーには大麦のみを原料とするシングルモルトや、トウモロコシなどを原料とするシングルグレーンなど様々な種類がありますが、スコッチウイスキーを名乗るためには英国の法律で制定された下記の条件を満たす必要があります。
このようにスコッチウイスキーと認められるためには上記の厳しい水準をクリアする必要があるのです。
アイリッシュウイスキーは世界最古のウイスキーという説もある、アイルランドの伝統的な製法で作られたウイスキーのことです。
スコッチウイスキーと同様に原料の違いによってモルトやグレーンなど様々な種類がありますが、アイルランドにおいてはアイリッシュウイスキーは以下のように定められています。
木製タル(オーク樽)の使用や、アルコール度数、穀物を原料にすることなどを含めてスコッチウイスキーと共通点のある条件も多いです。
アメリカンウイスキーの中でもトウモロコシを用いたバーボンウイスキーは知名度が高く、バーボンウイスキーにもいくつかの条件が定められています。
バーボンウイスキーでは一度熟成に使用したタルの再使用を認めていません。そのため、他のウイスキーの熟成にバーボン樽が使用されることもあります。
カナディアンウイスキーはトウモロコシとライ麦など、様々な原料をブレンドしたウイスキーが特徴です。
カナダではカナディアンウイスキーを法律で以下のように定めています。
最も生産量が多いウイスキーはスコッチウイスキーですが、2番目の生産量を誇るのはカナディアンウイスキーになります。
日本で生産されたウイスキーはジャパニーズウイスキーと呼ばれます。スコッチウイスキーを改良して日本人の味覚に合わせているのが特徴です。
ジャパニーズウイスキーにもいくつかの定義が存在します。
後ほど解説しますが日本で生産されたウイスキーに1億円近い高値がついたこともあるので、日本人の味覚に合っていて飲みやすいだけではなく、価値の上昇も期待できる場合があるウイスキーになります。
ウイスキーだけでなく、ウイスキー以外の蒸留酒についても理解を深めましょう。ウイスキー以外の蒸留酒は大きく分けて9種類あります。
焼酎は日本の代表的な蒸留酒です。蒸留方法の違いによって甲類焼酎と乙類焼酎の2種類に分けられます。
甲類焼酎はイギリスの蒸留方法を用いており、ウイスキーと同じ連続式蒸留器を利用します。
乙類焼酎は日本古来の投入した原料を1度だけ蒸留する単式蒸留かつ、アルコール度数が45度以下の焼酎であり、焼酎とは別に泡盛と呼ばれることがあります。
また、原料によって芋焼酎、麦焼酎、米焼酎といったように様々な種類があります。
ブランデーは果実酒を蒸留させたお酒のことで、オランダ語で「焼いたワイン」と呼ばれます。
ウイスキーと同様にカスクで熟成させますが、麦芽などの穀物が原料のウイスキーに対して、ブランデーはブドウなどの果実を原料にする違いがあります。
ワインとは原料が同じであるため、蒸留によるアルコール度数が大きな違いとなります。
ウォッカはロシアやポーランドなどで親しまれているお酒です。語源は「命の水」と言われており、真水のように透明な蒸留酒になります。
原料は穀物や芋類であり、蒸留後に加水するまではウイスキーの製造過程と基本的には同じです。
しかし、カスクによる熟成をおこなわず活性炭でろ過することで、原料の成分が取り除かれるためクリアな味わいになります。
テキーラはメキシコ発祥の蒸留酒で、ウォッカと同様にスピリッツと呼ばれるお酒です。
ウイスキーと同様に琥珀色をしており、熟成にはオーク樽が使用されます。
原料はアガベ(リュウゼツラン)と呼ばれる植物を原料にして作られます。
ジンもスピリッツと呼ばれるお酒であり、オランダやイギリスで作られています。
大麦・じゃがいも・ライ麦を原料として使われ、薬用酒として作られていた歴史もあります。
また、ジンをトニックウォーターで割る飲み方のことをジントニックと呼び、単語だけでも知っている人も多いかもしれません。
ラム酒は東南アジアやアフリカなど様々な地域で生成される蒸留酒のことです。
そのため、地域によって製造の方法は変わってきますが、サトウキビが原料として使用されるのは共通しています。
ウォッカ・テキーラ・ジン・ラム酒で世界4大スピリッツとも呼ばれます。
アラックはイラク・シリア、またはエジプトで生まれたとされる蒸留酒のことです。
米やココヤシが原料で、熟成にはハルミラという木材を使用したタルが使用されます。
カシャッサはピンガとも呼ばれるサトウキビを原料にしたブラジルの蒸留酒です。
ラム酒も同じサトウキビを原料とする蒸留酒ですが、ほとんどのラム酒ではサトウキビの糖蜜を原料にするのに対して、カシャッサはサトウキビのジュースを発酵させたものを原料とします。
白酒(パイチュウ)は中国酒の中ではクセが少ないので入門となる蒸留酒となります。
原料は中国東北部で生産されるモロコシの一種である高粱(コーリャン)や、トウモロコシ、小麦などが使用されます。
ウイスキーは投資対象として見るだけではなく、実際に飲んで楽しむこともできます。
健康や二日酔いに気をつけながら、無理のないようにウイスキーや蒸留酒を飲んでみてください。
ウイスキーの代表的な飲み方について簡単に解説していきます。
お酒になにも加えないので、アルコール度数が非常に高い状態になります。
蒸留酒のアルコール度数は高いので、ゆっくりと香りを楽しむ飲み方をするのに最適です。
また、ウイスキーをストレートで飲む際はチェイサーと呼ばれる水やアルコール度数が低いお酒を交互に飲むことで、ウイスキーの味わいを新鮮に感じられるようになります。
お酒を氷で割るシンプルな飲み方になります。
グラスは冷えたものを使用し、氷は解けにくい大きめのものを使用するのがロックを美味しく味わうコツです。
お酒に水で割る飲み方です。焼酎などはお湯で割る場合もあれば、ソーダ割りといって炭酸水で割ることもあります。
加える水はミネラルウォーターなどの硬水を使うのがおすすめです。
ウイスキーは水割りも飲まれますが、炭酸水を加えてすっきりした口当たりになるハイボールとして飲まれることも多いお酒です。
蒸留酒とウイスキーの歴史と、ウイスキー以外の蒸留酒について解説しましたが、蒸留酒への投資を考えるならウイスキーがおすすめになります。
ウイスキーが投資対象に適しているのは、その価値の上昇率です。
2019年におこなわれたオークションでは埼玉県で生産されたジャパニーズウイスキー54本セットが約1億円で落札されました。
このウイスキーセットは2005年の発売当時は81万円の価値しかなかったといわれているので、10年で約123倍も価値が上昇したことになります。
ここまでの価値の上昇は焼酎、ブランデー、ウォッカにはありません。上記の例はあくまで一例ですが、希少価値の高いウイスキーは長期保有によりその価値が高まりやすいといえます。
今回はウイスキーと蒸留酒の基礎知識とその歴史について解説しましたが、本記事でウイスキーに興味を持った方は長期保有の資産の選択肢に加えてはいかがでしょうか?
ウイスキー投資について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。