ウイスキー投資の適切な保存方法は? 不安な人に最適な投資法も紹介
- ウイスキー投資
ウイスキーのカスクにはさまざまな種類があり、カスクによってさまざまな熟成効果を期待できます。
カスクの特徴を知ることで、ウイスキーの味わいをある程度予測することも可能です。
また、カスクにはいくつかの用語があり、カスクストレングスやカスクフィニッシュはウイスキーの味わいにも影響するため、知っておきたい用語になります。
この記事ではシェリー樽や、バーボン樽といったウイスキーのカスクの種類と関連する用語を解説します。
この記事のポイント
ウイスキーにおける「cask」とは日本語で樽を表します。
カスクはウイスキーの熟成に必要不可欠であり、カスクの種類によってウイスキーの味わいは別物に変化します。
そのため、カスクはウイスキーの材料ともいわれるほど重要な役割を持つのです。
また、蒸留されたばかりのウイスキーの原酒はニューポッド(ニューメイク)と呼ばれ、このときは無色透明の液体になります。
ウイスキーの特徴的な琥珀色はカスクの中で長い時を経て色付いた結果、無色から美しい色に変化したのです。
色、香り、味わい、ウイスキーにおける重要な要素はカスクによって決まります。
それでは、代表的なウイスキーのカスクの種類を紹介します。
シェリー樽はウイスキーのカスク熟成の始まりとされている樽であり、スペインの伝統的な酒精強化ワインのシェリー酒を熟成させたカスクのことを指します。
シェリー樽による熟成は偶然の産物であり、スコットランドでウイスキーの密造がおこなわれていた時代にウイスキーの保管に使用した樽がシェリー樽であったことから、香りがよく甘い現在のウイスキーが誕生したのです。
熟成させると果実の甘い香りと甘い味わいを原酒に付与され、マッカランを始めとするスコッチの中でも知名度が高く人気のスペイサイドモルトには、シェリー樽熟成のウイスキーが数多く存在します。
また、シェリー樽には熟成させたシェリー酒によって種類が分かれるので、代表的なシェリー樽は下記の通りです。
同じシェリー樽であっても種類によって熟成させたときの味わいは異なりますが、共通して果実の甘みをウイスキーにもたらしやすいのが特徴です。
カスク熟成が始まった当初は比較的入手しやすいカスクでしたが、現在は需要の増加により希少な樽に変化しています。
シェリー樽はウイスキーのカスクの中でも伝統的な樽であり、人気も高く需要が大きい樽であるといえるでしょう。
バーボン樽はウイスキーの熟成に使用されるカスクとして主流になっています。
需給のバランスが崩れて貴重になったシェリー樽よりも比較的入手しやすい樽であることが理由です。
バーボン樽はバーボンウイスキーの熟成に使用されるカスクになりますが、バーボンウイスキーに使用されるバーボン樽は新樽であることが条件となっています。
よって、一度熟成に使用されたバーボン樽は入手しやすいため、スコッチウイスキーの熟成用の樽として輸入されているのです。
バーボン樽はウイスキーにバニラやカラメルのような甘い味わいを与えます。
主流となっている樽であるため価値はあまり高くはありませんが、ザ・グレンリベット12年をはじめとするバーボン樽熟成のスコッチウイスキーも評価されています。
ミズナラ樽はジャパニーズオークカスクとも呼ばれる、日本固有のオークであるミズナラによって造られたカスクのことです。
ミズナラ樽で熟成されたウイスキーが世界的に評価されたことをきっかけにジャパニーズウイスキーは人気のウイスキーとなりました。
オリエンタルな香りが特徴のミズナラはシェリー樽やバーボン樽にはない芳香な香りを付与することから、完成度の高いウイスキーとして注目されています。
しかし、ミズナラ樽は製造過程が非常に手間がかかるものとなっており、大量に増産することが難しい状況です。
そのため、ミズナラ樽で熟成された山崎をはじめとする代表的なジャパニーズウイスキーは原酒不足に陥っています。
ミズナラ樽は世界でも人気がある貴重なカスクであり、熟成された銘柄に関しても高い価値を持つこととなりました。
ミズナラ樽で熟成させたウイスキーについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
ミズナラ樽熟成ウイスキーが人気な理由とは?おすすめの銘柄と特徴
シェリー酒もワインの一種ですが、その他のワインを熟成させた樽はすべてワイン樽と呼ばれます。
そのため、ワインごとに特徴が異なるので、ウイスキーに与える香りや風味はワインの種類によって異なります。
ワイン樽は熟成期間が短い中で効果を発揮するため、短期間での熟成に使用されることがあるカスクです。
ワインにはさまざまな種類がありますが、ウイスキーの熟成に使用される主なワイン樽は以下の3つです。
上記で紹介したシェリー樽やバーボン樽と比較すると知名度も低く、一般的に使用される樽ではありませんが、スコッチウイスキーの熟成に使用されることもあるカスクなので覚えておきましょう。
ラフロイグを始めとする「ラフロイグ クォーターカスク」などの銘柄の熟成に使用されるクォーターカスクについても解説します。
クォーターカスクはその名の通り、通常の樽の4分の1のサイズのカスクのことです。
基準となるカスクのサイズはバレルと呼ばれる容量180~200リットル程度の樽のことであり、クォーターカスクは約45~50リットルの容量を持ったカスクということになります。
また、バレルはバーボン樽の製造に使われているサイズです。
ウイスキー樽は小さいほど短期間で熟成させるのに向いており、次の項目で詳しく解説しますがカスクフィニッシュにも使用されるカスクになります。
ウイスキー樽のサイズは大きさによる分類について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
ウイスキー樽はサイズや大きさによって種類が異なる!容量別にご紹介
最後に、カスクに関わる用語について解説します。
用語を知るだけでもウイスキーへの理解が深まるので、銘柄を吟味する際にも役立つかもしれません。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
シングルカスクとは一つのウイスキー樽の原酒のみを使用してボトリングしたウイスキーのことを指します。
ウイスキーというお酒は基本的に異なる原酒をブレンドすることを前提にしたお酒です。
最も生産量が多いウイスキーの種類であるブレンデッドウイスキーは複数の異なる種類のウイスキーを混ぜてボトリングしています。
シングルモルトウイスキーに関しては同じ種類のウイスキーであっても、熟成年数の異なる原酒をブレンドしています。
12年や18年のように熟成年数が表記されているウイスキーはその年の原酒だけをブレンドしているわけではなく、ブレンドした原酒の中で最も熟成期間が若い原酒の年数を表記しているのです。
一つのカスクから抽出できるウイスキーは少なく複数の原酒を混ぜることが前提となっているため、シングルカスクのウイスキーは特別な意味を持ちます。
基本的にシングルカスクのウイスキーは記念品として製造されるため、限定生産かつプレミアがつきやすい価値の高いウイスキーになりやすいです。
また、ダブルカスク、トリプルカスクもあり、その名の通り2つまたは3つの樽から抽出された原酒のみをブレンドしたウイスキーになりますが、あまりメジャーではありません。
カスクストレングスはウイスキーをボトル詰めする際に加水せずにそのままボトル詰めをすることを指します。
ウイスキーはアルコール度数が高いお酒ですが、カスクストレングスのウイスキーは特に高いアルコール度数を持ちます。
加水処理をおこなわない場合、ウイスキーが持つ風味や香りを余すことなく楽しめる状態になりやすいため、愛好家から高い評価を受けることもあるようです。
ただし、度数が高いことが必ずしもおいしくなるわけではなく、ウイスキーの質にも左右されるので、必ずしもカスクストレングスの銘柄が優れているわけではありません。
アルコールに強く、気に入っている銘柄のカスクストレングスがある場合は、度数が高いままボトル詰めをする良さを味わえるかもしれません。
カスクフィニッシュはウッドフィニッシュとも呼ばれますが、一度熟成させたカスクから原酒を別のカスクに移して熟成させることです。
クォーターカスクやワイン樽がカスクフィニッシュ用の樽として使用されやすく、長期間熟成させた原酒を移し替えて、短期で追熟をおこなうことでウイスキーの香りや風味をより複雑で深いものに変化させます。
また、熟成させた原酒同士を混ぜて別のカスクで熟成させることをマリッジ、マリッジした原酒同士を混ぜてまた別のカスクで熟成させることをダブルマリッジと呼びます。
スコッチのシングルモルトでも、カスクフィニッシュをおこなうことで通常の銘柄とは異なる味わいを持つ商品もあるので、気分を変えたいと思ったら飲んでみるとよいでしょう。
ウイスキーのカスクの種類とカスクにまつわる用語について解説しましたが、今回紹介したカスクの中にはオーナーになることによって所有することもできます。
カスクの購入はウイスキーの大人買いであり、カスクオーナーは多くのウイスキー愛好家にとって憧れの存在です。
また、近年ではカスクを保有して資産形成の手段にすることも注目されています。
ウイスキーのカスクオーナーになる方法について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。