ウイスキー投資の適切な保存方法は? 不安な人に最適な投資法も紹介
- ウイスキー投資
利回りとは投資金額に対する収益の割合のことであり、ウイスキーカスク投資では、樽の購入金額が投資金額、売却金額から投資金額やコストを差し引いた額が収益です。
投資の利回りは「利回り=利益 ÷ 投資金額 ÷ 運用年数 × 100」で計算できます。
ウイスキーに限らず投資を始めるなら意識したいのが利回りであり、年間でどれくらい収益を上げられるかを考える指標になります。
実際の価格上昇事例に基づいてカスク投資で見込める利益を考えていきましょう。
この記事では、ウイスキー投資の利回りについて、代表的なカスクの価格上昇事例を含めて紹介していきます。
この記事のポイント
ウイスキーカスク投資における利回りを考えるポイントを紹介します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ウイスキー投資の利回りを考えるうえで基本になるポイントが購入したカスクの熟成年数です。
カスクの熟成年数によって最適な投資期間も変わるため、下記の表にまとめました。
熟成度 | 熟成期間 | 投資額 | 最適な投資期間 |
ニューメイク | 3年未満 | ★☆☆☆☆ | 15年以上 |
エマージング | 3年~10年未満 | ★★☆☆☆ | 15年以上 |
インターミディエイト | 10年~20年未満 | ★★★☆☆ | 10年以上 |
プレミアム | 20年~30年未満 | ★★★★☆ | 5年以上 |
ブルーチップ | 30年以上 | ★★★★★ | 5年以上 |
例えば、ニューメイクは熟成期間3年未満で低価格で投資できるカスクとなっています、短期間で売却したとしても利益は見込めません。
最適な投資期間は15年以上となっており、長期的に投資することで利回りを期待できます。
ブルーチップは熟成期間が30年以上で、5年以内の短期間で売却したとしても高い利益を期待可能です。
一方で、投資金額が非常に高いため、予算が少ない場合には投資が難しいウイスキーカスクとなっています。
ウイスキーカスクの利回りは、熟成年数によって傾向が異なるため、高い利回りを期待するには熟成年数に対して適した投資期間で投資することが重要です。
ウイスキーとカスクの関係について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
ウイスキーの熟成期間による味の変化とカスク(樽)の役割について
ウイスキーカスクの利回りを考える上で外部の要因になり得る可能性があるのは、その銘柄を製造した蒸溜所の成長性です。
蒸溜所の成長性が高いほど、その蒸溜所のカスクの需要が高まりやすくなるため、将来的に価格にも良い影響を与える可能性があります。
参考にスコットランドの蒸溜所の地域別の成長率を以下にまとめました。
エリア | 2020年1月 | 2020年6月 | 2020年12月 |
スペイサイド | 11.55% | 11.74% | 10.05% |
ハイランド | 10.62% | 11.36% | 9.69% |
ローランド | 12.91% | 9.82% | 7.00% |
キャンベルタウン | 16.06% | 15.36% | 13.79% |
アイラ | 15.57% | 16.35% | 15.02% |
アイランズ | 13.41% | 14.60% | 11.64% |
近年の個別蒸溜所の成長性ランキングにおいてトップにくるのは、アイラ島の蒸溜所が多くなっており、上記の成長率のランキングでもアイラ島は高い成長率を誇っています。
蒸溜所の成長性に着目して購入するカスクの銘柄を選ぶことで利回りに良い影響を与えることが期待されます。
最新の蒸溜所の資本成長率についてはこちらの記事をチェックしてください。
ウイスキー投資の利回りの参考になる代表的なカスクの価格上昇事例を3つ紹介します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1988年に熟成を開始した28年熟成のマッカラン ブルーチップカスクは、シングルモルトカスクでも最高レベルのリターンを記録しました。
2016年から2020年の4年間保有されたマッカランのカスクは、138,990GBPから331,800GBPまで価値を成長させます。
年間の利回りは59.6%になり、保有開始から2倍以上の価値まで上昇しました。
マッカランはシングルモルトのロールスロイスと呼ばれる高級銘柄であり、ウイスキー愛好家からの人気も高く、蒸溜所の成長率もスコットランドでトップクラスです。
マッカランに関するリンク
1990年に熟成を開始したボウモア 27年は、成長率が高いアイラ島の蒸溜所で製造されたウイスキーであり、その価値も高く評価されました。
2017年に55,000GBPの価値を持っていたボウモア 27年は、3年後の2020年に熟成年数が30年の節目を迎えると85,700GBPまで価格が上昇しました。
利回りは51.7%となり、先ほどのマッカランの事例にも劣らない高い水準の利回りを記録しています。
アイラモルトの女王の名で知られる人気の高い銘柄のボウモアは、ウイスキーカスクとしてもその価値が認められています。
2001年に熟成が開始されたハイランドパークは、熟成6年の原酒が若い時代から保有が続けられました。
2007年から13年後の2020年には9,250GBPから、45,550GBPまで価値が成長し、4倍以上の価格上昇を見せました。
利回りは37.8%とここまでの銘柄と比較すると低い水準にありますが、熟成年数が10年を超えない若い原酒の利回りは熟成年数を経てから高まっていく傾向にあります。
利回りのポイントでも解説した通り、熟成年数が若いウイスキーも長期的に保有すれば高い利回りを期待できるといえるでしょう。
ハイランドパークに関するリンク
ウイスキーカスク投資の利回りについて解説しましたが、代表的な価格上昇事例において高い利回りを見込めることがわかったと思います。
上記の事例はあくまで一例であり、カスク投資の利回りを保証するものではありませんが、利回りを考えるポイントで解説した通りの傾向でカスクの価値は推移しやすくなっています。
利回りを考えるポイントや実際の事例を参考に購入するカスクを考えて、ウイスキーカスクへの投資を検討してみましょう。